閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

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今回も二話同時投稿。

想定外に次ぐ想定外によって滅茶苦茶エライことに発展。

そしてこの話以降のプロットはほぼオールリテイクになりました・・・。(実は前話も当初の予定から半分以上作り直していたり・・・)


【BCO-01-4】狂乱せし勇士の巨神船[Q] -Argonauts Vela-

【BGM:「PSO2の幻創戦艦・大和戦(前半戦)」より「Steel Gale Operation(船上戦闘時Ver)」】

 

三姉妹「「「OH!!ジーラフ!!!!」」」

 

眼前で発生した出来事に対して思わず開幕と同時に汚い絶叫を上げた三姉妹。

 

だが、当然である。

 

目的地であるはずのアルゴノーツ・ヴィーラが突然移動を開始したのだ。

 

直ぐ先に大曲りのカーブがあるにもかかわらず速度はみるみるうちに増していき、そのままカーブに突入したヴィーラはあろうことか・・・

 

ギュィィィイイイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンン

 

ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ

 

レールと車輪が激しくこすれ合う凄まじい金属音を響かせながら「片輪ドリフト」でその大曲りを突っ切って行ったのだ・・・。

 

その路線は先頭車両であり既にS09地区目指して狂走しているカライナが走って行った路線と同じであり、このままでは例えカライナを停止できてもヴィーラの停止が出来なければ、最悪ヴィーラがカライナに猛スピードで追突し、大爆発を起こしてしまう。

 

カライナの停止位置如何によっては街が壊滅するほどの大惨事に発展しかねない。

 

悪い事にヴィーラはレーザー砲を搭載している分、他の車両と比較して爆発時の影響が大きい。嘗てアメリカで起きた列車暴走事故(CSX8888号暴走事故)の悪夢が、今ここで再び現実のものとなりつつあるのだ。

 

シゴ「・・・大変だ・・・!」

 

フィアーチェ「このままいったら、街が!」

 

ナイン「だけど、V.O.B.はもう・・・!」

 

既にV.O.B.の燃料は残りわずかであり、今から方向転換して追跡しても追い付いて飛び乗る前に燃料を使い果たしてしまう。

 

シゴ「04さん!どうにかできないんですか!?」

 

04『それが、急にオフラインになって外部からの制御を受け付けないのよ。』

 

ナイン「そんな・・・。」

 

フィアーチェ「現場でどうにかしないと・・・。」

 

外部からの遠隔制御も出来ない以上、自分達で直接どうにかする他ない。

 

三姉妹は任務を果たしたV.O.B.を切り離し、追跡に使える何かが無いかを探してあたりを見回した。と・・・。

 

ナイン「ねぇ、あれ!」

 

線路の側線に重連(動力車二両セット)されたディーゼル機関車が止められていたのだ。

 

「GE ES(Evolution Series)64ACi」

 

嘗てアメリカで生産されていたディーゼル機関車「GE AC4400CW」の排ガス規制対応モデル「GE ES44AC」の更なるアップデートモデルの輸出車版であり、既に旧式化してこそいるが非常に馬力が高く、最高速度もそれに合わせて高くなっている。

 

シゴ「・・・もうこれ以外無いか・・・。」

 

フィアーチェ「・・・だね。」

 

ナイン「でも、私達誰も操縦方法知らないよ!?」

 

シゴ「それでも、やるしかないよ!」

 

その時、三姉妹は視界の端に小さなポップアップが表示されていることに気づいた。

 

 

【演算補強を実行しますか?】

 

 

・・・この際使えるものは何でも使う。なるようになれ!

 

三姉妹は藁にも縋る気持ちで【Y】と返した。途端に三姉妹の目が赤く染まり、同時に赤黒い電撃が目の端から迸り始めた。

 

演算補強によるオーバークロックの影響だ。

 

そこからの行動は早かった。

 

ナインは本線への入線ポイントを切り替え、シゴとフィアーチェは機関車の燃料タンクの残量の確認をし、その後三人とも車止めがセットされていないことを確認してマスター車の運転室に収まった。

 

意外なことに燃料は充分にあり、古くなってこそいるがちゃんと動くようだ。テロリストが物資運搬のために使っていたのだろう。

 

元々はどこで使われていた車両なのかは所属企業名部分が塗りつぶされていたため不明だが、赤と黒のツートーンの塗装は大凡残っており、車両番号もそのまま書かれていた。

 

前のマスター車が777号、後ろのスレイブ車が767号だった。

 

どういう偶然か、あの機関車と全く同じ車両番号であり、車両自体もその機関車の遠い後継機だった。

 

幸運にも運転台にテロリストたちが使っていたであろう操縦用の説明書が置きっぱなしになっており、三姉妹は演算補強による超高速処理によってその説明書をあっという間に読破、車両の全てを理解し尽くした。

 

シゴ「貴方があの『怪物(AWVR777号)』の血を引いているのなら・・・今度はその力で街を、皆を救って見せてッ!!」

 

その言葉と共にシゴは777号のエアブレーキ・ダイナミックブレーキ(発電ブレーキ)・単独ブレーキを全て解除し、スロットルをアイドル(ニュートラル)から力行(ドライブ)にセットした。

 

UWOOOOOOOONN・・・

 

その言葉に応えるかのように777号は咆哮の様な唸りを上げつつ動き出した。

 

フィアーチェ「04さん!本線でのポイントの切り替え、お願いします!!」

 

777号は後ろに戦車を載せていたであろう空の大物車二両とカブース型緩急車一両を連結した五両編成のまま唸り声を上げながら本線に入線した。

 

そのままシゴはスロットルをフルパワーの8段にセット、777号はぐんぐん加速しながらヴィーラの追跡を開始した。




必要ないでしょうが、ヴィーラを追跡する人で自力での移動速度が遅い人は後ろの貨車に乗ってくれて構いません。



「GE ES(Evolution Series)64ACi」:
本文中にも登場したとおり、実在するディーゼル機関車「GE ES44AC」のアップデートモデルの輸出車版で、実在しない架空の機関車です。
型式の意味はそれぞれ
GE=GEトランスポーテーション・システム製 
ES=鉄道車両排ガス規制「Tier 2」対応のモデルである「Evolution Series」の頭文字
64=6400馬力
AC=交流式主電動機
i=輸出車
となっています。

CSX8888号暴走事故とは:
2001年5月にオハイオ州で実際に発生した貨物列車暴走事故の事を指します。
別名 クレイジーエイツ事故。

AWVR777号とは:
上記の貨物列車暴走事故を題材に製作された映画「アンストッパブル」で登場した暴走機関車で、車両番号はマスター車が777号、スレイブ車が767号となっていました。
撮影にはカナダ太平洋鉄道からリースされた「GE AC4400CW」が使用され、上記のオリジナル機関車「GE ES64ACi」は、この「GE AC4400CW」機関車の遠い後継機という設定です。
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