閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

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漸く一夏達の専用機が登場。

ここまで長かった・・・。


【30】奇蹟の青薔薇 -Blue Rose-

アスティマート三姉妹が喫茶鉄血世界で発生した大事件の解決の手伝いをした日から数週間後。

 

ちょうど篠ノ之家の皆が来て数日後、柳韻さんと静流さんは帰るのだが箒はIS学園への進学もあるためここに残ることになった。

 

静流「それじゃあ私達は帰るけど、元気でやりなさいよ。」

 

箒「はい!」

 

柳韻「君たちの行き先にはまだ数多くの苦難が待ち受けているだろうが、君たちにツキガミの加護がありますようにと私達も願っておるぞ。」

 

束「・・・はい!」

 

・・・

 

二人が秋姉さんが操縦するヘリで帰っていく中、ルウさんが箒に質問をした。

 

ルウ「一つ気になったのだけれど、「ツキガミの加護」とは何の事を言っているの?」

 

箒「ああ、あれは我が家に代々伝わる「ツキガミ神楽」と関係があるんだ。年に一度、丸丸一晩の間決められた順番で演舞を舞い続けることで一年間の「家内安全」と「厄除け」を祈願する祭事の舞。因みに2年前は私が舞ったんだ。・・・去年はちょっとそういう気分じゃなかったから父さんが舞ったけど。」

 

ルウ「丸丸一晩・・・凄いな・・・。」

 

箒「先祖代々続いている伝統の儀式みたいなものなのよ。ただ、演舞の説明が書かれている本がかなり傷んでいて、正しく伝わっていないところがあるかもしれないのよね。」

 

ルウ「まぁ、古いものだろうから致し方ないだろうけどね。」

 

束「私も見たことあるけど、かなり酷かったのよね。ボロボロで、いくつかの部分は判別不能になってたよ・・・。」

 

ルウ「・・・機会があったら見てみたいものだけどね。まぁ、新型ISの設計が完了したから今はそっちの方が先か。」

 

束「試作機は既に作ってあるから色々と意見を聞かせてね。」

 

・・・

 

・・・・・・

 

一夏「これが、俺達用のIS・・・。」

 

俺達の前に佇んでいるISはまだ塗装もされていない地金丸出しの金属色だ。

 

その姿は見たところ意外と普通なデザインで、両肩から更に一対の機械のサブアームを備えている以外は既存のISと大きな違いは無さそうに見える。

 

ルウ「最初は色々と武装を取り付けようと思ったけど、流石にそれだと整備性が犠牲になると考え直したのよ。」

 

束「で、その結果基本フレームは共通にして、武装をハードポイントに選択制で装備する方向になったのよ。」

 

武装表に目をやると、固定式の武装はいずれも比較的バランス重視のモノだった。

 

まず連結可能なビームサーベル「WR-B05S/T 出力可変型ビームサーベル」が二本にそれをマウントした折り畳み式のレールガン「WR-S01LG 超高初速電磁加速砲」が腰部に取り付けられている。

 

また、サブアームには5.56㎜NATO弾を採用した機関砲「WR-S03MG 5.56㎜機関砲」が外付けされ、更に手首から射出される「WR-A01 ワイヤーアンカー」も1本ずつ内蔵されている。

 

シールドとして「WR-26SEビームキャリーシールド」がサブアーム左腕にマウントされ、そのシールドには発想次第で色々な使い方ができる「WR-A05 アンカーランチャー」とビームソードとしても使える「WR-B04BT 大型ビームブーメラン」も取り付けられている。

 

そして手持ちの射撃武器としては連結機能を持つ「WR-B21LF ビームライフル」二丁が設定されているが、別の武装に変えることも可能となっている。

 

既存のISと比べるとこれだけでもやや重武装と言えるが、肩アーマーや脚部にハードポイントが複数存在し、腰部には飛行用の翼を選択式で装備可能となっている他、ストライカーパックの存在もある。

 

そのストライカーパックを見てみるとその一つにまた驚いた。

 

それは遠隔攻撃端末である「WR-XB01BT イージス装備内蔵式フィンファング」を6基マウントしたストライカーパック「WR-SP01 フィンファングストライカー」となっていた。

 

後で知ったBT兵器というものと似ているが、説明を読むとドラグーン・システム(Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network・system:分離式統合制御高速機動兵装群ネットワーク・システム)という全く別のシステムらしい。

 

詳しくはわからないが、ドラグーン・システムは本来運用に適性が必要だが、これは度重なる改良によってコンピュータにサポートさせることで扱いやすくし、更にコンピュータを間に挟むことで脳波制御などといった直感的な操作をする兵器にありがちな暴走や異常反応を防止することに成功したらしい。

 

束「機体名は「WR-ISX01 ブルーローズ」にしようと思うんだ。」

 

ブルーローズ・・・-青薔薇-は奇蹟という花言葉を持つという。恐らく俺の事を指しているのかもしれない。なんとも感慨深い事だ。

 

アン「そういえば、これって元々はルウさんが自分用に作ったって言ってたわよね?でもブルーローズはあの設計図と比べるとかなり簡略化されてるけど?」

 

確かに、元々サイドスカートは大型の折り畳み式可変翼を取り付ける予定だったはずだが、これはレールガンが取り付けられていてそこに更に飛行用の翼を外付けする形になっている。

 

動力に関してもシンプルにフォトンドライブ1基にイオンパワーセル2個となっている。

 

ルウ「ああ、あれね。試作段階で運用にかなりの技量を要求することが判明したからブルーローズへの搭載は取り下げたのよ。一応私用のISに取り付けてはいるけど、そっちはまだ未完成だし、今はブルーローズを完成させるのを優先させようと思ってね。」

 

どうやら扱いが難しすぎてオミットされたらしい。確かに腕が4本もあるのに更に複雑な機能を持った可変翼まで付いたらかなり厳しいだろう。

 

あれ?今ルウさんは「私用は未完成」「ブルーローズの完成を優先」と言っていたけど、なにか引っかかる言い回しだな?

 

ルウ「まぁ、とりあえずどんな武装が欲しいか決めないとね。PDAにひとしきりデータを送っておいたから各々データ上でカスタマイズしてみて。」

 

まぁ今はこっちに注力するべきだろう。

 

そう思って俺たちはPDAを開き、データに目を通す。

 

画面に起動状態の素体のブルーローズが映し出され、表示されているハードポイントをタップすると取り付け可能なアタッチメントパーツが表示された。

 

シュトゥルム・ファウスト、対IS用滑空砲、4連装マイクロミサイルポッド、シールドビットにIS用の太刀等々・・・。

 

補助スラスターやプロペラントタンク、フォトンフィールド発生装置等機体性能を強化するものまで様々だ。

 

ストライカーパックも複数種類存在するが、デフォルトではフィンファングストライカーが指定されている。

 

・・・

 

・・・・・・

 

一夏「中遠距離用にミサイルポッドが欲しいし・・・後はシールドビットを・・・数は2セット4基でいいか・・・。ああ、ミサイルポッドに小さいアーマーブースターを更に外付けして重量増加の影響を減らしつつミサイルポッドを守る追加装甲としても機能させるか。」

 

しばらく悩んだのちにある程度の設計が完了した。

 

近中遠距離全てにそつなく対応できるバランス型だが、サイドスカートに外付けした可変翼による巡行形態への簡易変形が可能という高速戦闘型でもある。

 

因みに手持ち武装にはプリセットのビームライフル2丁以外にあちらの世界でもらったレーザーガンポッドと靖国刀「重桜」を設定することにした。

 

アン「・・・滑空砲をつけて・・・と。」

 

周りを見渡すとアンは相変わらずの火力優先の様だ。一方の鈴はというと・・・。

 

鈴「う~ん・・・もっと大出力のスラスター無いのかなぁ・・・。」

 

機動力を優先させたいようだが、その要求を満足させてくれるようなものが無いようだ・・・。

 

マドカと箒の様子も見てみたが・・・。

 

マドカ「もっとたくさんビットつけてみようかな・・・。」

 

箒「う~ん・・・刀だらけになってしまった・・・。」

 

・・・二人とも相当極端な機体になりそうだった・・・。

 

箒が格闘武器に傾倒しそうなのは薄々解っていたが、マドカがドラグーンに傾倒するとは少々想定外だった。後で束さんに聞いてみたところ、実はマドカはドラグーンへの適応が非常に高いらしい。

 

しかし、こうしてみてみると案外バランスが取れているように思えた。

 

鈴と箒が切り込み、マドカが大量のドラグーンでかき乱す。俺とアンは状況に応じて距離を調整しつつ柔軟に動きつつ、隙を見せた敵に一撃を叩き込む。

 

中々理想的な編成と言えるかもしれない。

 

・・・

 

・・・・・・

 

ほどなく他の4人の設計も完了し、皆で束さんに提出した。

 

束「え・・・もしかしてこれを作らせる気なのかな・・・?」

 

ルウ「箒さんとマドカさんのは純粋に武装の数が多いし、鈴さんのはバックパックに注文がついているか・・・。そういえば、鈴さんと箒さんのはドラグーンを一切使っていないタイプか・・・。」

 

ルウさんは暫し考えたのち、束さんと何やら話し始めた。

 

ルウ「この二機は___装置を降ろして___?」

 

束「___。使わないもの載せてても___。」

 

ルウ「じゃあ少し___も作るかな?」

 

束「そうしよっか。」

 

ルウ「鈴さんのスト___は、こっちで___えておくから。」

 

束「あの___は?」

 

ルウ「___足りないみたい。」

 

束「同じの___にしてみたら?」

 

ルウ「それ良いかもしれない。」

 

聞き取れない部分もあったが、どうするべきかアイデアを出し合っているのだろう。

 

俺たちは自分のISがどのように完成するのかに思いをはせた。

 

 

 

・・・そのころとある道場では・・・

 

 

 

???「さて、今日の稽古はここまでじゃ。獪岳、冴姫、善逸、少し休んだら夕餉にしよう。」

 

獪岳「俺がやるよジジイ。義足の調子悪いんだから無理すんなって。」

 

善逸「俺も手伝うよ。」

 

冴姫「じゃあ、私先にお風呂入って来るね。」

 

獪岳「おう。タイマーセットしておいたからそろそろ沸いていると思うぜ。」

 

・・・

 

善逸「しかしまぁ、今更だけどなんていう因果だよ・・・。」

 

獪岳「・・・何がだ?」

 

善逸「生まれ変わったと思ったら獪岳がじいちゃんの孫になってるし、しかも妹迄いるなんて・・・。」

 

獪岳「俺だって冴姫の事に関してはよくわからねえんだよ。前世の俺に妹なんかいなかったし。大体、他に生きる道が無かったとはいえ、ジジイを切腹に追い込んだ俺がそのジジイの孫になってるなんて我ながら笑える冗談だぜ。」

 

善逸「そんなこと言わないでよアニキ・・・にしても、鬼はもういないはずなのになんでったってこんな嫌な時代になっちゃったんだろうなぁ・・・。」

 

獪岳「・・・全くだ。女性利権団体だったか?あいつらのテロのせいで俺らもお前も両親を亡くし、ジジイも片足を失う羽目になった。・・・俺が死ぬんだったらまだ解るけどよ・・・。」

 

善逸「ア”ーーーーー!!!(汚い高音)やだやだやだ!!そんなこと言わないでよ獪岳ぅ!!!(スパンッ!!)イテッ!?」

 

獪岳「いきなり耳元で汚ねぇ高音で叫ぶんじゃねぇ!びっくりするだろうが!」

 

慈悟郎『なんじゃ?今の大声は?』

 

獪岳「何でもねぇよジジイ!また善逸の発作だよ!」

 

善逸「酷い!?」

 

獪岳「事実だろ?大体、俺だってむざむざ死んでやるつもりはねぇよ・・・。・・・なぁ、話変わるけどよ、冴姫の戦い方どう思うよ?」

 

善逸「・・・よくは解らないけど・・・なんというか、危うい感じがするんだよな・・・。それにいつも何か怖い音がするんだよな・・・特に・・・。」

 

獪岳「『女性利権団体の話題が出るとやたらと「怖い音」とやらが出る』・・・だろ?」

 

善逸「・・・うん。」

 

獪岳「あいつああ見えて結構堪えてるんだよ・・・俺でもあの団体に復讐してやりたい気はあるさ。だが、冴姫は多分俺以上にあの団体を憎んでいると思うぜ。」

 

善逸「・・・俺だって凄く憎いさ。『どうしてなんだ!?俺たちの両親が何をしたんだ!?そもそもなんで関係ない人たちを巻き込んだんだ!?』って。」

 

獪岳「・・・あいつ、キメツ学園高等部に進むってよ。ISの適正もあったらしいが、それを蹴ってキメツ学園に残るつもりらしい。」

 

善逸「・・・なんで?獪岳と離れたくないから?」

 

獪岳「多分、ISに対して忌避感があるんだろうよ。ISそのものに罪は無いだろうが、あの団体がのさばり始めたのはISが発明されて直ぐだ。まだ割り切り切れてねぇんだろうよ。」

 

善逸「俺もな・・・最初の頃は八つ当たりと解っていてなお発明者の篠ノ之博士の事を恨みもしたよ。でも、その篠ノ之博士が一番悔しい思いをしていたと知ったら、なぁ・・・。」

 

獪岳「ああ、ジジイが篠ノ之博士の親父の知り合いだったからそこから聞かされた話じゃ、自分の発明のせいで世界がおかしくなっちまったってずっと苦しんでいたんだってな・・・自分を偽らなきゃ耐えられない程に・・・。」

 

善逸「あーあ。本当にどうしてこんなことになっちゃったんだろうな・・・。」

 

獪岳「・・・全くだ・・・。」




WR-ISX01 ブルーローズ:

青色をメインカラーにした次世代型ISです。
デザインとしては武装神姫のアルトレーネ系のアーマーユニットを参考にしています。
余談ながら、ISの武装等はゲーム「ガンダムブレイカー3」を活用して考えています。
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