閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者 作:ガイア・ティアマート
しかし、万能者世界は生態系が色々と異常だ・・・。
-海上プラント 格納庫-
どうやらここは別の世界の海上プラントだったらしい。
話の整理のために一行はプラントの一角にある格納庫に集まったのだが、何故かもう一人のウロボロスがシゴに妙な視線を向け続けており、シゴは完全に怯え切っていた。
・・・原作を見ればわかるが、原作ではウロボロスはUMP45によって撃破されている。
だが、ガイア達の世界ではウロボロスとシゴの関係は姉妹、つまり家族だ。
その為にシゴは別の世界とはいえ、ウロボロスからそのような視線を向けられる理由が全く理解できないのだ。
結果、シゴは完全に蛇に睨まれた蛙状態となっていた・・・。
【視点:ガイア】
万能者「よし、一回整理しよう・・・というかさせてくれ、割とマジで。」
表情は解らないが、万能者さんは見るからに精神的に疲れているように見えた。
無理もない。
目的地に到着したと思ったら、居るはずがない別世界の団体が二つも居たら私だって頭を抱える。
万能者「まずレイヴンだっけ?その組織の関係者からだ、アンタ等はグリフィンと戦闘中にその戦場が正体不明の霧に包まれて気づいたらここにいたってことなんだよな?」
アウレール「ああ、その通りだ。」
万能者「そんでそこのグリフィンの指揮官とその部下がその戦闘での敵対対象ってことだな?」
アデリナ「ええ、その通りよ。」
万能者「・・・・・・これまためんどくさい方々が現れたもんだなオイ。」
アウレールさんに関してはシゴ達から話を聞いていた。
ただ、フィアーチェ曰く「前に見た時よりも若く見える。」とのことだ。
もしかしたら、時間軸が違うのかもしれない。
・・・しかし。
ガイア「・・・夫婦が敵対関係になるなんてどんだけなのよ・・・。」
私は小さくぼやいた。
・・・
もし仮に読心能力を持つルウがこの場にいたなら「お互いもうちょっと素直になればいいのに・・・。」と思っただろう。
二人は別に憎み合っているわけでは無い。ただ、互いの立場もあっていがみ合っているだけだ。
というか、お互い意固地になっているだけであり、膝を突き合わせて腹を割って話し合えば和解することもできただろう。
尤も、元の原因が何であれ敵対関係となってしまっている以上、最早それも難しいだろう。
組織のボスであるアウレールも、組織に属しているアデリナも、方向性に違いはあれど自分の都合を優先するわけにはいかない。
最早「二人がどうこうすればどうにかなる」という範疇から完全に逸脱しているのだ。
・・・閑話休題。
万能者「次はSFSだっけか?アンタ等はとある仕事のために異星人のワープゲートを使ったら、なんか白い光がピカって光って気づいたらここにいたって感じか。」
ガイア「大雑把にいったらそんな感じだね。」
万能者「・・・・・・分かったありがとう・・・ちょっと考えさせてくれ。」
そういって万能者さんは考え込み始めたのだが・・・。
アウレール「またやるか?」
アデリナ「ええいいわよ?」
ステンMk.Ⅱ「や、やめてください!?こんなところでまた喧嘩なんて!?」
シゴ「な、なんかそっちのウロボロスの目が怖いんだけど・・・というかなんでこっち見ているの?」
また喧嘩を始めようとするシュレンドルフ夫妻をアデリナさんの部下(実はアウレール側のスパイ)のステンMk.Ⅱさんが宥めようとする。
加えてまだ妙な視線をシゴに向け続けているレイヴン側のウロボロスさんに対してシゴはずっと怯えっぱなし。
お世辞にも落ち着いて考えられるような環境ではなかった。
ガイア「えっと、お二人ともちょっと静かに出来ますか?万能者さんの邪魔に成るので・・・。そちらのウロボロスさんもシゴが怯えるので視線送るのは止めてもらえると・・・。」
が、トドメの一撃は想定外の方向から飛んできた。
リヴァイル「そんなことより嬢ちゃん達のその『IS』っていうパワードスーツを見せてくれ!!」
404特務小隊メンバー「「「「「へ、変態だぁーーー!!!」」」」」
ガイア「声が大きい・・・!」
ブチィッ!
明らかに聞こえてはならない音を聞いた私たちは万能者さんの方を向き直った。
私は嫌な予感がしたが、万能者さんがもの凄い怒気を纏っているのを見るや否や卒倒しそうになった。
リヴァイルさんの変態染みた発言によって遂に万能者さんがガチギレしたのだ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
万能者「すまん、この現象の原因は今は分からん・・・時間が経てば戻れるやつかもしれんし、何かしらのことをやらないと戻れないやつかもしれん・・・・・・そこで提案があるが、俺らと同行する形でいいか?ここの海上プラントは今、補給が入ったとはいえ結構疲弊している状態だ・・・・・・そんな状態で修羅場バリバリ作りまくるアンタらがここにいたらここの人が休めるものも休めないってことだ・・・いいよな?」
最後の「いいよな?」部分の凄みと、万能者さんによる制裁によってぼろ雑巾同然の見るも無惨な状態と化したリヴァイルさんの有様に、私たちは直立不動姿勢で首を縦に振った。
シュレンドルフ夫妻も完全にあっけにとられたらしく、「あ、ああ。」や「は、はい。」と返すだけだった。
・・・
・・・・・・
海上プラントを出発して一日たったこの日・・・。
【BGM:「ブラッドボーンの醜い獣、ルドウイーク戦」より「Ludwig The Accursed & Holy Blade(前半部分)」】
SFSメンバー『OH!!ジーラフ!!!!』
眼前のあり得ない現実に私たちは汚い絶叫を上げた。
万能者「覚悟はしてた・・・うん、覚悟はしてたんだ・・・何かしらありえんことが起こるんだろうなぁ・・・って・・・・・・だからってなんじゃこりゃーーーー!!!??」
万能者さんも絶叫していた。
私たちの乗る船は現在サメに包囲され、攻撃を受けている真っ最中だった。
その問題のサメの総数、「多数」。
最早数えるのも嫌になるほどの異常な数のサメの大群だ。
アウレール「・・・びっくりした。最近のサメは船に直接乗り込んで来るのか。」
一同『そんな訳あるか!!!』
こんなのが船めがけて飛びかかってくるのだから溜まったものではない。
しかも、こいつらはただ多くて飛びかかってくるだけではなかった。
シイム「嘘でしょ!?銃弾が小さいのにしか通らないんだけど!?」
ナイン「なら・・・フォトン・バーストスナイプ!!」
ガキィン!!
ナイン「・・・うそでしょ!?火力に全振りしたのに!?」
アサルトライフルの銃弾は小型のサメにしか通じず、ヴィーラ追跡時に使ったのと同様にISから供給されるエネルギーを使って放たれたナインの一撃はさも当然の如く弾かれてしまった。
他の面々も迎撃をしているが、全体的に攻撃が通りにくい。
加えてサブマシンガンの銃弾に至っては小型のサメにすら効果が無い。
必然、三姉妹は大苦戦を強いられた。
シゴはまだ対装甲ダガーナイフの「リジル」を使った格闘戦があるが、フィアーチェの「アスラウグ・ガンビット」は銃弾がUMP40と共通なので普通に撃っても効果は無く、ナインのスナイパーレーザーライフルも何故か通じない。
結果、二人は比較的防御が薄い口内や目等の粘膜部分めがけて攻撃するという難しい戦い方を強いられた。
三姉妹のIS「トリファリオン」はまだ調整中で飛行出来ないため、飛びかかってきたところにカウンターを決め、衝突される前に殴り逸らすしかない。
ゲーガー「こいつらどれだけいるんだ!?」
アーキテクト「迎撃追い付かないよ!?」
アーキテクトのロケット弾はそれなりに効いているが連射性能は高くないし、ゲーガーのライフルソードはビームソードモードでないとダメージを奪えなかった。
一方・・・。
ウロボロス「やはり硬いな・・・!マシンガンでも効果が薄いか・・・!」
シイム「これじゃあこっちがすりつぶされちゃうわよ!?」
ティア「破滅の黎明を打ち鳴らせ・・・!インパルス・グラム!!・・・一匹しか貫通しない!?」
自由飛行能力を持つ「ラファール・リヴァイヴ」、「ラルゴバニス」、「レングストン」を纏ったウロボロス、シイム、ティアもサメの猛攻の前にあまり船から離れられず、防戦に徹するほかない。
一番貫通力があるティアの必殺技「インパルス・グラム(拳で大型レーザーブレードの「グラム」を撃ち出して敵を貫く)」を以ってしてもサメ一匹を貫通させるだけで精いっぱいという有様だ。
ガイア「この!!」
グシャッ!!
サメ「ギャオオ!!」
私はと言えば、即席で組み上げたヘビーアーマーブロックで飛びかかってきたサメをぶん殴るという超原始的なスタイルだった。
元々予定外だったので手持ちのマテリアルが少なく、サメに有効打を与えられる武装が作れないために已む無く物理で殴り倒すしかなかったのだ。
アウレール「どうやら不測の事態の様だな・・・サメは確か食えるよな?」
アデリナ「貴方ね・・・まぁ、フカヒレと美味しいわよね。またエミーリアと食べに行こ。」
アウレール「・・・少し羨ましいな。」
アデリナ「本当はかなりでしょ?」
ガイア「余裕ですねお二人とも!!」
この非常事態時にどこかズレた反応をしている二人に私は思わず叫んだ。
一方船員の方も別の意味で叫んでいた。
船員A「オイ、あのサメ今弾かなかったか?艦砲とレーザーを弾かなかったか今!?ガチでどうなってんだ!!」
船員B「おまけにレールガンもな!!っていうかあれ姿がどう見ても鮫の様には見えないのだが!?骨みたいな鎧を纏ってる感じなんだが!?」
一際巨大なボスザメが最早別格としか言いようがない防御スペックを発揮してみせたのだ。
艦砲が実弾、光学問わず無効化されているのだ。
骨みたいな鎧を纏っているという船員の例えは言い得て妙だが、私が知る硬いサメは惑星クレイドルの「ボーンシャーク」だけだ。しかもここまで硬くない。
船員A「というかめちゃくちゃ速っ!?何を食ったらあんな感じになるんだよ!?」
船員B「・・・なんかこのサメ共、群れでの連携が明らかにうますぎないか?おかしくないか!?」
明らかに自然の進化にしては不自然すぎるオーバースペックなサメの大群。
と、そこへ・・・。
リヴァイル「簡単な話だ。この手のサメはだいたいガスボンベや研究成果横取りしようとした傭兵とかに爆弾括り付けたのを食わせて中から爆破すれば呆気なく散るもんだ。だが生憎ここにはガスボンベはなかった。故に残るは後者だが、捕まえた海賊使うのも悪くないが、ちょうどここに替えの効く奴がいる・・・つまり、私自身が餌となることだッッ!!」
昨日万能者さんの鉄拳制裁によってボッロボロになったリヴァイルさんがそのボロボロボディに何やら色々と巻き付けた姿で何気にぶっ飛んだ事を言い出した。
要は彼、自ら自爆特攻しようというのだ。
アーキテクト「・・・正気?」
ゲーガー「・・・奴の目を見ろ・・・シラフでマジでやる気だ・・・。」
アーキテクト「OH・・・ジーラフ・・・。」
ガイア「あ、まるで「因幡の白兎」みたいにあのサメの群れを踏み台にしている・・・。」
リヴァイル「オラそこのボス鮫ェ!!こんなボロっちい人間相手に逃げるなんて情けねぇ事しないだろぉ?さぁ・・・Eat Meeeee!!」
ガイア「・・・巨大ザメ相手に「私を食べてぇ~!!」って叫びながら飛びかかるなんて・・・絵面だけ見ると異常だよね・・・。ぬしへの輿入れじゃあるまいし・・・。」
パクッ!
・・・
チュドーン!!!
ガイア「・・・やっちゃったよ・・・。」
アーキテクト、ゲーガー「「ええ・・・。」」(茫然)
リヴァイル(新ボディ)「オッシェェェイ!!みたかこのヤロー!!」
ガイア、アーキテクト、ゲーガー「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」」」(エネル顔)
即座に予備のボディに乗り換えて何事もなかったかのように出てくるリヴァイルさんに私たちは思わず驚愕の叫びをあげた。
だが、ボスザメもこの程度で終わるような存在ではなかったようだ・・・。
メキメキッ!!グチャァ!!
なんと、リヴァイルさんの自爆特攻で消し飛んだはずのボスザメの頭部が再生したのだ。
流石に鎧までは再生しなかったようだが、それでも完全に生物の常識から著しく逸脱している。
SFSメンバー『シィィィィィスッ!!!!』
思わず私たちは、間違いなく関係ないであろう某マッドサイエンティストドラゴンに対して八つ当たりの叫びをあげていた。
だが・・・。
マルタ「隊長!RPG-7を持ってきました!」
一同『んな馬鹿な!!?』
マルタさんがバレットM82A1とRPG-7とそれの予備弾を片手持ちで持ってきたのだが、その姿に皆が驚愕した。
何故皆が驚愕したのかというと、持ってきた銃器の重量だ。
M82A1は約13Kg、RPG-7でも予備弾抜きで約7Kgある。どちらも片手持ちするにはキツイ重量だし、RPG-7の予備弾まで含めるとその重量は女性が一人で持ち切れるとは到底思えない。
アウレール「よし。マルタはそいつで彼処で何か再生して暴れている骨のサメを殺れ。仕留めきれなくても良い。まともに動けなくしてやれ。ウロボロス、イントゥールーダー、スケアクロウ。群れを一掃しろ。アサルトやサブの通りきらないサメだがお前達の火力なら潰せる。アデリナ。お前の人形も動けるか?」
アデリナ「こんな事態は始めてだけど何時でも。カラビーナは狙撃でマルタを援護。あのデカブツを牽制して狙い撃ちしてる味方に誘導。AK47はサメがマルタとカラビーナに近づきそうになったら撃ち落として。ステンは貴方の銃じゃ火力が足りないけど手持ちの手榴弾で集まったら吹き飛ばして。」
そのまま流れるように展開し、サメ軍団に対しての殺戮劇場を開演させる二人の部隊。
ウロボロス「これが実戦に鍛え上げられた軍人の力なのか・・・。」
シゴ「・・・でもさ。」
フィアーチェ「流れ弾が・・・。」
ナイン「味方の船がFFで沈みそう・・・。」
手当たり次第に撃ちまくっている影響かちょくちょく流れ弾が味方の船の方に飛んで行ってしまっている。
ガイア「ま、まぁ最悪轟沈さえしなければ私が修理するから・・・。」
冷や汗を流しながら私たちも襲い掛かってくるサメの群れを撃破していく。
戦闘の影響で海がサメの鮮血で朱に染まっていくなか、島にたどり着く前から私たちはこの任務が只では済まないという事を身を以って思い知ることとなった・・・。