閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者 作:ガイア・ティアマート
万能者「・・・すまんまた情報の整理をさせてくれ、色々と・・・。」
ガイア「・・・ですよね。」
調査船の会議室で万能者さんは今ミッション二度目の情報整理を始めた。
端的に言うと、上陸部隊は阿鼻叫喚の地獄絵図だったようだ。
異常変異した蟲や植物に襲撃されてガタガタのメタメタにされてしまい、負傷者もそこそこ出た様だ・・・。
・・・一部は別の理由で負傷したようだが・・・。
海側の方ではそこまでの事態にはなっていないが、それでも割かし酷い目に遭ってはいる。
なお、万能者さんが海のどこかでこの異常事態の原因と目される要素の情報を掴んだようだ。
万能者「原因関係の詳細関しては、有識者と船の国連の奴らと一緒にどうするかで今考えているから後で話すが・・・恐らくもう一回上陸するなこりゃ・・・。」
その言葉に上陸部隊の面々が一応に苦い表情を浮かべた。・・・それほどの仕打ちを蟲と植物から喰らったのだろう・・・。
万能者「そして・・・オマエだ、なんでここにいるんだよ!?」
そして万能者さんはとある人物に向き直り、指をさしながら大声を出した。
そのある人物とは、万能者さん曰く「腐れ縁」という関係の存在・・・『蛮族戦士』であった。
蛮族戦士「ココ ニ ツワモノ ガ イル カン ガ シタ タダ ソレダケ デ キタ ソシテ ソノ カン ハ セイカイ ダッタ ナ」
万能者「・・・勘だけでこの島に来んなよ・・・というかいつ頃きたんだよ・・・・・・下手したら確認できてない頃に来てるかもしれんぞこりゃ・・・。」
ただでさえ頭痛の種が多いうえに、これまた規格外の蛮族戦士さんの推参に万能者さんは頭を抱え続ける羽目になってしまった・・・。
SFS一同『OH・・・ジーラフ・・・。』
私たちも規格外の蛮族戦士さんの存在にカルチャーショックを感じていた・・・。
・・・
・・・・・・
数時間後、私たちは今度は上陸部隊の一員として全員で島に上陸していた。
ウロボロス、ティア、シイムの三人はISの自由飛行能力を活かして航空探索に回ったが、ヴォーテクスストライカーは外していない。
海中も陸上も危険な変異生物が多数存在したのだ。上空に危険な変異生物が存在していないという確証はない。
その結果、飛行能力をある程度犠牲にしてでも防御性能に秀でたヴォーテクスストライカーを引き続き装備し続けるという結論に達したのだ。
幸い、島そのものはそこまで広い訳では無いので多少飛行能力を削っても探索に支障はない。
ただ、ISの通信装置もやはりこの島の中では役に立たない。それは上空でも大差なかった。
今回は有線接続するわけにもいかなかったため、「フラッシュライトの明滅で情報伝達を行う」という古典的な光通信に頼る事となった。
元々ヴォーテクスストライカーに搭載していたフラッシュライトのうち、手にもって使用するものは通信装置が使えない状況も考慮して古典的な光通信にも使えるようにするオプションパーツが追加されていた。
デジタル通信が使えない時は、やはりこういう古いアナログ式の通信手段に限る。
シイム『此方シイム ソレラシキ 地形ヲ 発見 コレヨリ 接近シテ 確認スル』
ウロボロス『ウロボロス了解 迂闊ニ 接近シ過ギナイヨウ 留意セヨ』
ティア『此方ティア 西方約1キロヨリ 正体不明ノ生物ノ群レ 接近中 数15』
ウロボロス『ウロボロス了解』『此方ウロボロス 西方ヨリ生物群接近 数15 留意セヨ』
シイム『シイム了解』
だが、やはりこの島は色々と異常であった。
猛スピードで飛んできた生物は鳥のようだが、まるで矢のように襲い掛かってきたのだ。
加えてくちばしが異様に長く鋭い。
ティアは咄嗟にシールドモジュールで受けたが、あまりの衝撃に弾き飛ばされそうになる。
加えてシールド表面には小さくない亀裂が複数走り、いくつか穴が開いてしまった。
いくら絶対防御があるとはいえ、こんなのが目の前で起きれば生きた心地がしない。
即座にG11を乱射して数匹を撃墜するが、大部分は離脱してしまった。
ティアは歯噛みしながら再突撃してきた鳥に向けて発砲した。
・・・
・・・・・・
陸上部隊もかなり厄介な状況に立たされていた。
ガキィン!!
ガイア「これの元が『蟲』だなんて、俄かには信じられないよ!!」
ヘビーアーマーのビーム材で辛うじて振り下ろされた4本の斬撃を受け止めながらガイアは悲鳴のような声を上げた。
4本の鋭い両刃の鎌がついた腕足を振りかざしながら襲い掛かってくるカマドウマらしき生物は、最早蟲というより別の体系の生物だと言われた方がまだ納得がいく。
その鎌の鋭さは頑強なヘビーアーマー材に大きな切り傷を刻み付ける程だ。
木の上から突如音も無く襲い掛かってきたカマドウマの剣客の奇襲を辛うじていなし、即座にナインがレーザーライフルの高圧レーザーで反撃する。
カマドウマの剣客は鎌でレーザーを切り裂こうとしたが、高圧レーザーの熱量に鎌の方が耐えられず溶け落ちてしまう。
獲物がダメになった衝撃と激痛にひるんだ隙にガイアはヘビーアーマーのビーム材を頭部めがけて投げつけた。
ビーム材はひるんでいたカマドウマの剣客の頭部を潰し、更に体もその重量で押しつぶした。
ぐしゃぐしゃになったカマドウマの剣客は少しの間藻掻いたが、やがて事切れたのか動かなくなり、即座に亡骸は腐り果てて土へと還った。
ナイン「・・・腐るの早すぎない?」
アーキテクト「どういう原理なんだろ・・・?」
背後ではシゴが襲い掛かってきた大蜘蛛をナイフで何とか返り討ちにするが、そのそばでは蜘蛛糸に巻かれてわたあめ状態になったフィアーチェと彼女のガンビットが転がっていた。
シゴ「今、糸を切るからね。」
フィアーチェ「ありがとうシゴ・・・。」
ここに来るまでに様々な蟲の襲撃を受け、結構SAN値を削られている地上部隊だが、ここで踏ん張らなければ何時まで経っても事態は好転しない。
時折密林の切れ目から見える空を飛行しているウロボロスたちと光通信で交信しつつ、少しずつ問題の地点へと一丸となって歩みを進めているが、なにぶんここは蟲たちのホームグラウンド。その歩みは遅々として進まない。
なにせ四方八方から様々な蟲たちが襲い掛かってくるのだ。そのたびに迎撃するために進軍速度を落とさなければならないのだ。
ゲーガー「進めば進むだけ蟲が湧くなぁ!!」
アーキテクト「一気に進みたい所だけど、突出して囲まれたら私達間違いなくこいつらの餌食になっちゃうからなぁ。」
ガイア「確実に歩みを進めるほかないよ。」
シゴ「けど、ISのシールドエネルギーにも限りがあるし、あまり時間をかけ過ぎたらジリ貧だよぉ。」
フィアーチェ「悩ましいよねぇ・・・。」
ナイン「アーキテクト姉さんのロケットランチャーは使えないの?」
アーキテクト「障害物が多すぎるし、視界も悪すぎるから無理だね。下手に撃ったら自爆や誤爆をする危険性があるよ。」
ナイン「そっか・・・。」
ガイア「兎に角、少しずつでも前に進もう。少しずつだけど確実にゴールには近づいているんだから。それに、私たちだけでどうにかしなきゃいけない訳じゃないし。」
そう側面から襲い掛かってきた大蜂の大群をリッパーのサブマシンガンで撃墜しながらガイアは言った。
そんなこんなで、調査隊はジャングル同然の密林を一歩ずつ確実に前へと進んでいく。
・・・そのゴールに、悍ましい怪物が潜んでいるとも知らずに、調査隊は足を進めていくのであった。