閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者 作:ガイア・ティアマート
-調査隊上陸地点 臨時拠点-
上陸地点に設営してあった臨時拠点に戻ってきた調査部隊の撤収組は、回収した小さいドラム缶の中に入っていた物質の確認調査を行っていた。
流石に確認も抜きに船内に持ち込むのは危険なので当然なのだが。
それでもスキャナーで調べた分にはその物質の正体は「キノコ系の菌の類」とまでしか解らなかった。
データが不足していたためにはっきりしたことは解らず、辛うじて「生物に対して異常な作用を引き起こす可能性が高い」という事は解った。
だが、その本質的な性質はとある調査員の機転による実験で判明した。
島の土を入れたバケツにその物質をいくらか注いだ結果、その土から既存のどの種類とも異なる多彩なキノコが生えてきたのだ。
そのキノコの内いくつかは、あの異常変化した蟲達同様異常な早さで腐り堕ちて土へと還ろうとし、そこから異常な速度で木々が生え始めている。
アーキテクト「・・・ねぇ、これって・・・。」
ガイア「この島の異常の原因って、大方これだね・・・。」
ゲーガー「墜落地点が他と変わらないジャングル同然の状態だったのも、墜落時にぶちまけられたこの物質が原因だったのか・・・。」
シゴ「じゃあ海の生物たちも?」
ガイア「そこまでは解らないけど、状況証拠を積み上げるとその線は濃厚だね・・・。」
ナイン「でも、これどうするの?こんなのどこにも置いておけないよ?」
フィアーチェ「かといってここに置いとくのも危険だし・・・。」
ガイア「詳しい事を調べない事には何とも言えないけど、こんな異常変化を齎す物質なんて、少なくともこの世界のどこにも置き場所が無いね・・・。どこに置いても長期的に見れば何かしらのトラブルの原因になってしまう。」
ゲーガー「かといって、処分するとしてもどうやって?」
アーキテクト「下手したら星全体がこの物質に汚染されるかもしれないからね・・・。私は資料でしか見たことないけど、下手したらあのベイラン島事件の二の舞になりかねないし・・・。」
フィアーチェ「そもそも、この物質って元々は輸送機が空輸していた物だったんだよね?こんな危険な物質を誰が何のためにどうやって作って、何のために空輸していたんだろ?」
この物質、どうするべきか・・・。
そして、何を目的にどうやって生み出されたのか・・・。
そう皆が考え悩んでいるところにウロボロスたちが撤退してきた。
ガイア「え?ウロボロスどうしたの!?」
アーキテクト「肩が・・・!何が起きたの!?」
ウロボロス「その説明をする前に、一つ皆に言っておかなければならないことがある。・・・何を聞いても、絶対に調査隊の救援に行こうとするなよ。」
シゴ「え?」
ウロボロス「その理由はすぐにわかる。今山頂の遺跡を調査している部隊は謎の存在と交戦中じゃ。しかも、かなり不利な状況じゃ。アウレールどのとアラマキどのは負傷、リヴァイルどのも行動不能にされておった。」
その言葉に全員がどよめく。
ウロボロス「儂は偶然その山の近くまで近づいていたのじゃが、その謎の存在に何かしらの攻撃をされて、一撃でこのザマよ。ヴォーテクスストライカーもその一発で失った。」
ガイア「そんな・・・。」
ウロボロス「その一撃だけで儂は察してしもうた。儂らとその謎の存在との間には、どうしようもないほどの実力の隔絶があった。儂らが救援に行ったところで何の役にも立てぬのならまだ良い方。大凡足手まとい止まり、最悪死にに行くのと同義という結果が関の山じゃろう。」
その言葉に一同は静まり返った。
ウロボロス「こうなってしまった以上、儂らに出来るのは彼らを信じて待つことだけじゃ。下手に手出しすれば全滅も見えてきてしまう。それだけは避けねばならぬ。」
一同『・・・。』
ウロボロス「・・・しかし、この腕はどうするかのう・・・。サクヤさんにどう申し開きすればよいか・・・ん?」
その時、ウロボロスの目にバケツに入れられた土から生えたキノコが映った。
既にキノコの大部分は腐り堕ち、大部分はジャングルと同種の木々に生え変わっていたが、まだいくらかキノコが残っていた。
ウロボロス「あれは?」
ガイア「あのドラム缶の中の物質を土にかけたらああなったの。キノコ系の菌類の類みたいだけど、恐らく能力的には植物なんかに使う栄養剤や成長促進剤の類だろうね。・・・明らかに異常だけど。」
アーキテクト「この島の異常の原因じゃないかって。」
ウロボロス「そうか・・・。しかし、気になったのはそのキノコじゃ。」
ウロボロスは残っているキノコを指さして、やや青ざめた顔で言葉をつづけた。
ウロボロス「さっき言った調査隊と交戦中の謎の存在なんじゃが・・・はっきりとした姿までは見えなかったが・・・。」
・・・頭部の形状が・・・キノコのようじゃった・・・。
最後の部分、ちょっとはホラーチックになっただろうか・・・?