閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

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今年はこれが最後の投稿になります。

これから正月前後の臨時編成、並びに正月の朝刊配達に備えて体力を温存しなければならないので。

また、現在43話を執筆中ですが、どうもアイデアが纏まらず停滞状態になっているため、新年の初投稿はかなり遅れると思われます。


【36】盾を受け継ぐ者 -Inheritor the Aegis-

【視点:ガイア】

 

サクヤ「ねえ、ガイアちゃん。うちって『自前の装甲兵』って居ないよね?」

 

ガイア「え?確かにアレは自前じゃないですけど・・・。」

 

三月頭の昼過ぎ、食堂で対面になったサクヤさんが話しかけてきた。

 

確かにSFSは基本的に装甲兵に相当する戦術人形がいない。

 

一応アイギスやニーマム、マンティコアが少数いるにはいるが、あれは元々正規軍からの外注生産でしかなく厳密にはSFSの自前ではない。

 

現在SFSに配備されている個体は鉄血工業時代に初期生産されていた動作試験用や負荷耐久試験用の個体を引き続き使わせてもらっているだけだ。

 

それらも相当前から使われ続けていたものだったらしくてかなりガタが来ており、SFSになって以降は輸送部隊や訓練相手、重量物や危険物を取り扱う作業用としての運用しかしていない。

 

実際、それらの個体は古い倉庫の中で埃をかぶっていたものをS09地区へ移動する際にその倉庫をマテリアルに分解した際に偶然見つけたもので、鉄血工業時代は相当酷使されていたらしく発見時点ではほぼ自力行動が出来ないほどに傷んでいた。

 

解体・廃棄しても良かったのだが、ボロボロの躯体を軋ませながら「まだ働ける」と訴えかけてきた彼らの心を無碍にすることも出来ず、一緒に連れてきて何とかオーバーホールして今に至るというわけだ。

 

尤も、オーバーホールしても戦闘に耐えられるようなレベルにまでは復旧出来ず、今のような後方勤務に落ち着いている。

 

その為、SFSには現状装甲兵が存在しないのだ。

 

ガイア「でも、現状装甲兵が必要な状況は限られてますよ?いずれ必要になる日が来るかもしれませんけど・・・。」

 

サクヤ「実はね、正規軍の装甲兵たちも近々新型に変更するって連絡があったの。確かマンティコアをヒュドラという発展型に更新させて、ニーマムも半数をケリュネティスという別モデルに交代させるって。」

 

ガイア「あーそういえば近々仕様書を送るって連絡があったっけ。」

 

アーキテクト「あれ?そういえばアイギスは?」

 

ふと、アーキテクトとゲーガーがやってきて隣に座った。

 

サクヤ「アイギスは当面そのままだって。」

 

ゲーガー「まぁ、アイギスは今のモデルからだと弄りようがないからな。いっそ一から設計をやり直した方が早い。」

 

アーキテクト「ふぅん。じゃあ、いっそ私達で作ってみるっていうのは?アイギスの新モデル。」

 

アーキテクトのこの発言にゲーガーは「え?」と言った感じの表情を向けたけど・・・。

 

ガイア「それ、いいかも。良いのが出来れば逆に正規軍に売り込みかけることもできるし。」

 

私は「それアリ」と言った感じで乗っかった。

 

実は、私にはどこかの誰かの言うだけのブラフではなく、一つ腹案があったのだ。それは・・・。

 

ガイア「実はね、私が元居た世界にはEDFっていう組織があってね、その中の兵科の一つに『重装甲のパワードスーツを纏った装甲兵』という兵科があるんだよね。」

 

そういってPDAに記録された資料を見せる。詳細なデータではないが、それでも基本的な仕様は充分伝わる資料だ。

 

ゲーガー「重装甲化した強化外骨格を着込むというタイプか・・・。」

 

アーキテクト「各部のパワーアシストシステムによって生身では運搬することすら不可能な重火砲をも扱える・・・。」

 

サクヤ「総重量の関係で機動力が低いけど、それを補うためにバックパックに高速移動用のスラスターを備える・・・。」

 

私が提示した装甲兵「フェンサー」は機能的には相手の攻撃を自前の装甲で物ともせずに突き進み、歩兵では運搬すら不可能な強力な重火砲や巨大な質量武器を扱い相手を粉砕するかなり攻撃特化の兵科だ。

 

そして、重量からくる機動性の低さをスラスターで補っている。しかもこのスラスターは平面方向だけでなく、大ジャンプが出来る「ジャンプブースター」としても使える。

 

加えてシールドも装備できるため、総じてアイギスと比べて数段高性能だ。

 

総重量と製造コストは犠牲になっており、運用にかなりのコツが必要な部分がある等欠点もあるが、手持ちの技術を応用することで既存の戦術人形を中身として流用したり、人間の兵士が入って運用することも可能だろう。

 

なお、シールドは本来相手の攻撃に合わせて起動することで相手の攻撃を反射することが出来る「ディフレクター」というシステムが内蔵されているのだが、そのシステムの詳細に関しては機密事項なのでデータが手元に存在せず、現状再現は出来ない。

 

???「ふーん、けっこうおもしろそうじゃないか。」

 

そういって会話に混ざった少年はつい先月整備士として入社したデールさんだ。

 

オペレーターとして同日入社したシーアさんとは異父姉弟とのことだ。

 

デール「正規軍は人間だけの部隊も未だに多数存在していると聞いているから、人間でも運用可能というのは受けがいいんじゃないかな?」

 

私も「正規軍の中には戦術人形に対してあまりいい感情を持っていない人も少なからずいる」という話を噂としてだが聞いたことはある。

 

そうでなくとも「人権団体」という懸念材料がある。穏健派はそうでもないが、過激派ともなると人形そのものの排除を声高に叫ぶものが多い。

 

そして、それはかの悪名高い「女性利権団体」も同じだ。方向性こそ異なるが、この女性利権団体も「過激派人権団体」に分類される。

 

何故女性型が多い人形に対して女性利権団体がいちゃもんをつけるのかというと、どうやら「外観が女性なだけのロボットが我々人間の女性と並び立つなど許せない」という事らしい。

 

・・・それを言ったら、正体がAIである私自身も女性利権団体からは目の敵にされるという事になる。いや、もうすでに目の敵にされているかもしれない・・・。

 

ひょっとしたら、火逐さんをはじめとした艦娘達にも噛み付いてくるかもしれない・・・。

 

そんなゲンナリするような想像を頭の中から追い出し、私は午後の会議でこの新型装甲兵の新規生産に関する議論をする為に、この後の予定の確認と調整を始めたのだった。




年明けの最初の投稿となる37話では、ドルフロ世界の正規軍よりあの人が登場します。

原作ではあのような事になってしまいましたが・・・?

取り敢えず、来年の投稿までお待ちください。

それでは、良いお年を。
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