働いて外出している方、学校に行っている方みんな帰ったら手と口はしっかりしておくことが大切だとこの歳になって思い知らされました。皆さんも体調には気をつけてください。
それでは……
本編どうぞ!
「やあ、霊夢こんにちは」
「来てくれたのね、賽銭箱はそこよ。今日も入れて頂戴ね♪」
「相変わらずだな。まぁ、入れてあげるけど……」
チャリンと小銭を入れると霊夢の好感度がぐぐーんと上がった。天子にとっては既に見慣れた光景である。
「~♪それで天子、今日はどのようなご用件かしら?」
「いや、今日は霊夢じゃなくここに時々来ている方に会いに来たんだ」
縁側でのんびりとお茶を飲んでいる霊夢に話しかける。賽銭を入れてあげたおかげでそれ相応の対応をしてくれている。入れなければ邪険に扱われることもしばしばあるらしいが、天子はここに来るたびに賽銭を入れているので快く歓迎されている。お茶もお菓子も出してくれる(賽銭を入れない者には、白黒魔法使いの証言によると生ぬるい水と2、3粒の米粒が出迎えてくれるらしい)
昨日無事に退院して妹紅たちと別れて天界へと帰った後、色々と心の整理をつけてきた。そして私は一つの覚悟を決めて博麗神社へとやってきた。体の方はもう大丈夫よ。
永琳さんの医学薬学は世界一ィィィィーーーーッ!!!なのですから。
それで何故ここへやってきたのかと言うと、私はもっと強くなるために何かいい方法はないかと探していたのだ。それで早苗が話してくれた。博麗神社に時々現れるという仙人の話を……その仙人の名前も聞いた。それで確信した。その仙人に会うべきだと……それで私はここにいると言う訳よ。
「一体誰に会いに来たの?」
「それは……」
その時、鳥居の方から誰かがやってきた。その誰かは真っすぐに霊夢の元へ行き……
「げっ!?」
霊夢はその人物を見るなりあからさまに嫌な顔をした。
「こら霊夢!私を見て『げっ!?』とはなんですか!それにまた修行をサボってのんびりしているんじゃありません!博麗の巫女ともあろう者が怠けるのではありません!あなたは危機管理能力がないのですか!ちょっと、ちゃんと聞いているのですか霊夢!!」
そのまま説教が始まってしまった。私が会いたかった人物が今、目の前に居ると言うのに話しかけるタイミングを逃してしまった。そのため話しかけずらくなってしまった……
めっちゃ嫌そうな顔しているわね霊夢。誰だって説教されるのは嫌だもんね。それにしても一方的なマシンガントークならぬマシンガン説教か……ここの華扇さんは説教好きと見えるわね。
【茨木華扇】
頭にシニヨンキャップを被っており、右腕全体を包帯でグルグル巻きにしている。左手首には、鎖のついた鉄製の腕輪をつけている。胸元には花の飾りがあり、服の前掛けの部分には茨の模様が描かれている。
普段は茨華仙と名乗り、本名は茨木華扇という。妖怪の山に『茨華仙の屋敷』を構え、そこで暮らしている仙人である。仙人といっても本人曰く、まだ修行中の身らしい。以前からときどき人里などに顔を出しており、隠者ながらその存在は意外と知られている。ただし説教臭いという点以外、あまり人々からも記憶されていないようである。
霊夢が嫌々説教を受けている様子を黙って見ていると、このままでは一向に終息がつかないと判断した霊夢が天子を指さした。
「私は今、お客さん相手にしていたんだけど?」
「――それであなたはいつもいつもだらしなくて……客?」
ようやくこちらに気がついたのか視線を天子に向ける。
「どうも」
「あっ、こ、こちらこそ……どうも……」
天子の存在に気がつかなかった様で初対面の人物に説教姿を見せてしまったことへの羞恥心で頬がほのかに赤くなる。それに天子の顔をチラチラと窺っていた。先ほどまでの説教姿と打って変わって身を縮める姿に愛着が湧いてしまう。
きゃ~わ~い~♪華扇さんの恥じらう姿にブヒィいいいいーーッ!って叫びそうでございます!それにさっきからチラチラとこちらを見ては逸らしての繰り返し……はっ!?私がイケメンだからかしら!?華扇さんはイケメンに弱い!間違いない、私だってイケメンが目の前にいたら見たくて仕方がない。乙女顔になっている華扇さん……ますますブヒィブヒィ言ってしまいそうですね。
おっと、いけないわね。おふざけしている場合じゃなかったわ。今日は華扇さんに
「初めまして華扇さん、私は比那名居天子、天界に住む天人くずれです」
「こ、これはどうも……私をご存じですか?それに……天人?」
天人と聞いて物珍しそうにしていた。先ほどの羞恥心は身を潜め好奇心が勝ったようだ。
「天人が何故地上に?それに私が知っている天人は自ら地上にさえ下りることを嫌うのに……」
天人のイメージ悪いわね……まぁ、確かに天界でも地上を良く思っていない天人達が多いけど、私のおかげで以前よりかは地上を悪く言う者は少なくなったわ。そう、この私のおかげでね!そうよ、わ・た・し・の・お・か・げ!大事なので2回言いました。これぐらい言っても誰も文句は言わないはずよ。元々地上に居た私達の扱いなんて最初は酷い物よ。よく耐えたと自分で褒めてあげたいところよ。それに私が披露する料理には地上の食材も使っているからそれも効力になっているのだと思うわ。天人達の胃袋を掴んだ私に抜かりはなかった。
「ちょっとあんた新聞読んでないわけ?」
「新聞……あっ!あなたはもしかして烏天狗の新聞に載っていた方ですか?」
「ああ、そうだ。その比那名居天子だ」
華扇の瞳が一瞬だが鋭さが宿ったのを見逃したりはしなかった。その一瞬に込められた思いがどんなものかまでは私には読み取ることが出来なかったが……
「へぇ……あなたが萃香を倒したという……」
声のトーンが下がり、品定めをするかのような視線が隅から隅まで天子を観察していく。
「……なるほど、それじゃ私はお邪魔のようね。霊夢、私は失礼するわよ」
「待ってくれ華扇さん!」
「どうしたのですか?部外者の私はいない方が良いのでは?」
「いえ、そうではなくてですね……実は博麗神社に来たのはあなたに会いたかったからなのです」
「あら?霊夢じゃなくて私に……何の御用ですか?」
「華扇さん、私を強くしてほしい!」
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そう彼はそう言った。
【比那名居天子】
天界に住む天人で私が知っていることと言えば次の通り……
●「名居」一族の部下であった比那名居一族の一人息子であること
●あの伊吹萃香を打ち負かした天人
●幻想郷で起きた異変を解決した立役者
●人里で人気者
●超イケメン(←これ重要)
だいたいのことは新聞に載っていて知っていた。興味は新聞を読んだ時からあった……あの萃香に勝利したんだから興味を持って当然だった。萃香を倒すことができるほどの猛者が居ようとは思わなかった。天人は誰も彼もがいい印象を持ってはいない。私もそうだ、天界は私にとって魅力溢れる場所ではあるが、そこに住まう者達が問題であった。地上を軽く見ており中には命を物と同一視している人物もいるとか……昔はそうだった。だが、今はどうだろうか?新聞を読み進めていくうちに比那名居天子に対する印象が変わってきた。
天人としての価値観がずれていると言った方がいいのやら、地上の者達と良好な関係を築いている。それに新聞に載っていた彼の証言だと以前の天界とはだいぶ変わっているようだった。天界を変えたのは彼の存在であることは明白だ。私は変わりゆく天界に失っていた好奇心が再び芽生え始めていた……そして比那名居天子にも。
出会いは博麗神社で怠けているだろう霊夢に説教するため足を運んだ時だ。霊夢に気を取られていてもう一人傍に居たのに気がつかなかった。そして目があった。
目の前に居たのは超がつくほどの美青年だった。顔立ちは例えるならば王子様、髪は腰まで届く青髪のロングヘアに真紅の瞳が印象的で、服もとてもカラフルで目立つ。幻想郷にこんなイケメンがいるなんて……私の好みのタイプ……ゲフンゲフン!まぁ、とても凛々しい青年が博麗神社に来るのは珍しいと思いながら話した。
うまくしゃべれていたかしら……?
超イケメンと会話するなど思ってもいなかったのでうまく話せていたか心配になった。正直に言うと緊張しない訳が無い。目の前に超イケメンが居て平静を装おうなんて無茶です……仙人だから耐えろだって?仙人である前に私は女です!仙人にも欲を我慢する術や修行はありますが、目の前に私好みの殿方が居たら……って何言わせるんですか!もう話が脱線しました!って私は一人で何を言っていたの!?そ、そこのところは今は置いておいて話を元に戻しましょう……
そして彼と話をしていると私が茨木華扇だと知っていた。普段は茨華仙と名乗っているのだが……何故知っていると思った。そして彼は自分を天人……比那名居天子だと名乗った。烏天狗の新聞に載っていた写真に写っていた人物と同じであることに気がついた。
この者があの萃香を……ね……
心の底から湧き上がった久しぶりの感情……長い間忘れていた……いえ、封印していた昔の感情が彼を意識すると感じてしまった。猛者との死闘を意識してしまった。こんな感情は仙人である私には無縁であるはず、無縁でないといけないのに感じてしまったの……
私はこの感情を抑えるべくこの場から立ち去ろうとした。しかし、立ち去る前に彼が私を引き止めた。そして……
「998……999……1000!!!」
「うむ、よくできました。タオルどうぞ」
「ありがとう華扇さん」
彼は私の
何があったかって?それは彼がいけないんです……
妖怪の山の目立たない場所にそれは在った。【茨華仙の屋敷】で比那名居天子、今では彼を天子と呼んでいます。彼がここで私の元で修行することになったのです。
『「華扇さん、私を強くしてほしい!」』
綺麗な90°のお辞儀を見せられた。私は考えた……しばらくの沈黙の後に何故かと聞いた。萃香を倒した彼ならば私に頼ることなど必要はないと思ったからだ。そして何故初対面のはずの私にわざわざ博麗神社を訪れて会いに来たのか……?
理由を聞いてみると私は呆気に取られていた。強くなって誰かを見返してやるのでも、復讐とも違うものであったわ。
『「
そう言った。誰を?と聞くと驚くべき回答が帰って来た。友達になりたいと言う人物はあの危険人物の風見幽香だったのだ。耳を疑ったが本当のことだったようだ。彼女の期待に応えられずに敗北してしまったが、あの風見幽香と友達になるために諦めず、今よりも強くなりたいと言った。彼女が『「変わった天人』と呼んでいるのが分かった気がした。彼はとても珍しい天人のようで、確かに彼ほどの天人ならば天界も変えてしまうだろうと納得した。とても素晴らしい心意気だが、私は初めは断ろうと思った。もし天子に私の
一時的なことだが、彼は私の弟子になるということ……誰かを弟子にするなんて初めてだった。誰かに教えを乞うのは今まで何度もやってきているのですが、弟子になりたいと言って来た者はおらんし、弟子を取ろうとも私はしなかった。私は仙人ですがまだまだ未熟……それに陰では説教のうるさい奴とか思われているみたいですし……そんな天子にも弟子がいることを知る。
魂魄妖夢……冥界に住む幽霊たちの管理人である西行寺幽々子の従者にして庭師の娘。その彼女の師を務めているらしい。天子が言うには妖夢さんの師でありながら無様な姿を晒したくないという彼なりの誇りがあった。その妖夢さんは現在地下でただ働きしていて頑張っているのに自分だけのんびりとしていられないとも言っていました。私への弟子入り志願は妖夢さんのためでもあるみたいなのです。彼の瞳から熱い意志を感じ取りました。断るにも断れなくなってしまいましたが……とてもいい瞳でしたし良しとしましょうか。
それにイケメンと共同生活♪
「?どうかしたか?」
「いえ、別になんでもありませんよ。さぁ、あなたがこの屋敷に来たからには思う存分に働いて修行を受けてもらいますよ!」
「わかった。よろしく頼む華扇さん」
天界のことは他の天人達に任せて天子は己を徹底的に鍛えなおすために華扇に修行の教えを乞うことにした。天子の父と母は自分の息子のことは自由にさせているので何日も帰って来なくても文句は言わないし、天人達には天子が口添えしておけば当分の間は問題はない。衣玖ならばあれこれ言って来るのだが、衣玖もまだ天界には帰って来る様子はない。それならばと言うことで、天子は泊まり込みで華扇の屋敷にお邪魔することになった。
そして現在天子は華扇の屋敷を掃除している最中だ。日常的なこともまた修行の一つとして華扇が与えた……決して掃除が面倒なので押し付けた訳ではない(華扇談)
霊夢とは違い、天子は真面目に掃除をしている姿をチラリと横目で観察する。
天界では相当慕われているとか……それにしても霊夢と違って真面目に掃除してくれている。塵一つ残さずにテキパキと動く姿を見るに天子は家事が得意のようですね。様になっていますね……家事ができてしかもイケメンと屋根の下で二人っきり……これは私にも春が訪れるのでは!?
華扇の心臓がバクバクと高鳴っている時に邪魔するように袖を引っ張る存在がいた。振り向くとそこには一匹の虎と虎の背中に乗る二匹の大鷲の姿があった。
「彭祖、竿打と久米も……何か言いたそうな顔ね」
彭祖とは華扇が飼っている虎で、竿打は若い大鷲、久米は年老いた大鷲の名前である。
そんな三匹が華扇に視線を送る。まるで桃色の思想は止めろと言っているように見えた。
「な、なによ?別にいいじゃない。私だって一人の女性なんですから夢見るぐらいは許してほしいですね」
仙人のくせに欲丸出しにして恥ずかしくないのか……っと言いたそうな表情の三匹。
「そっちこそペットのくせに……主人に対してなんですか?だいたい三匹とも最近怠けていて……」
また説教が始まった……長い説教を左から右へ聞き流しながら三匹はやれやれと言った感じであった。
「これは……とても美味しいですね!」
「気に入っていただけて光栄だ」
夕日が沈みかけて辺りが暗闇に支配されていく中で、屋敷の中でテーブルを囲む天人と仙人がいた。そのテーブルの上には和食が並べられ、盛り上げられた料理はどんどん数を減らしていた。
「これも!これも!魚なんてとてもいい塩加減です!味噌汁の濃厚な味……堪りません♪」
修行の一環として天子は料理を振舞った。それがやけに大好評で華扇は手を休めずに料理にあり着いていた。
うっま!この米は家にあったものですけどまるで別物みたい!?ふわふわとした弾力に口に入れて噛めば味が広がり溶けてなくなっていく……焼き魚と一緒に食べれば丁度いい塩加減が味を更に引き立たせてくれる!味噌汁もご飯にマッチしていて漬物もとても美味しい!私だって一人でここに住んでますし、料理はできますがここまでの味は出せません。なんですか……食べれば食べる程おかわりしたくなるこの美味しさは!?まるで味の宝石箱みたいです!ああダメです!手が止まりません!うわっ!?この玉子焼きうっま!!?
「うまうまっ!
「……華扇さん?」
「――はっ!?」
食べるのに夢中になってしまっていた華扇はようやく気がついた。天子がテーブルの向かいに座ってずっとこちらを見ていたことを……あまりの美味しさに料理をがさつに貪る姿を晒していることに……!
「「……」」
二人の間に沈黙が流れる……
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……………………
…………
――は、はずかしい!!!わ、わたしは何をしているのですか!?しかも初日にこんな醜態を天子に晒してしまうなど!?いつもならゆっくりとよく噛んで味わい、優雅に食事している頼もしい姿を見せれたはずなのに!?
「……華扇さん顔が赤いが大丈夫か?」
「――はうぁ!?」
天子の言う通り、華扇は自分の恥ずべき行為を晒したことで顔は羞恥に染まっていて真っ赤になっていた。天子としては心配して声をかけたつもりなのだが、それが更に華扇の羞恥心を刺激した。
「て、てんし!こ、これはち、ちがうのです!その……そうこれはその……これも修行です!」
「……修行?どういった修行だ?」
「ええっと……食べたいと言う食欲を抑えずに思う存分食す修行です!」
「それは修行と言えないんじゃ……?」
「……その通りです……」
私は何を口走っているのやら……また醜態を晒すなんて……初日でこれとは自分が恥ずかしい……
恥ずかしさのあまりに体が固まってしまい静けさだけが広がった。
「……それで味はどうだった?」
「……えっと……とても美味しかったわ……」
「……そうか」
気まずい……どうしましょうか……天子の作った料理の美味しさに我を失っていたとは言えこんな姿を見せてしまってどう思っているのでしょうか……?もしかしたら教えを乞う相手を間違えたのではとか思われていたりするんじゃ……
華扇は意外に繊細な性格であった。修行を積み貸させて心を鍛えてはいるが彼女も一人の女性である。仙人であっても人間と変わらず悩みも心配事もある。それ故に自分の姿が天子にどう映ったのか気になっていた。自分を頼って弟子入りを志願して来たのに、教える立場の華扇がみっともない姿を見て、もし幻滅されるようであれば布団に包まって朝まで泣いているだろう……そんないらぬ自信があるほどだ。どんな言葉がかけられるのか……後悔が募る……
「ありがとうございます」
「――はえぇ?」
返って来たのは予想外の言葉だった。それは感謝の言葉だったからだ。
「何故と言う顔してますよね?」
「だ、だって……私は感謝されることは何もしていませんよ?修行だって今日は掃除したり動物たちの餌やりをしたりと修行らしいことではないことしかしてませんし……」
「いえ、あれらも私にとって貴重な体験だ。そんな体験をさせてもらえるだけでもありがたいけど、先ほど述べたのは華扇さんが私の料理をここまで美味しいと思ってくれていることが嬉しくてな。それで感謝していたんだ」
それで『「ありがとうございます」』と言ったのですか……
よ、よかったぁあああ!幻滅されずに済んだぁあああ!天人は高貴で綺麗好きと聞いていたものですから「食事中にこのような醜態を見せるとは……華扇さん幻滅した」とか言われずに済んでよかったわぁあああ!布団の中で泣きわめくことが無くなったわ……よかった優しい方で!!!
「そんな感謝されるまでは……でも美味しかったのは本当ですよ。天子の料理は私自身が作るよりも遥かに美味しかったです」
悔しいけど天子が作った料理は私が作った料理よりも遥かに美味しい……料理ができる上に優しいイケメンでしかも強い……完璧じゃない!?完璧超人なの天子は!?あなた私から教えを乞う必要性ある!!?
「はは、そこまで言ってくれると益々嬉しいな。それに華扇さんの笑顔いっぱいで料理を食べてくれる姿を見ていると私も作ったかいがあったよ」
その笑顔は卑怯ですよ……イケメンのスマイルとか……ご褒美じゃないですか。体が熱く火照っているのがわかります。私これから天子と当分の間はここで寝泊まりするってことよね……本当ならば不埒な行為かもしれませんけど……
「華扇さん、まだまだお代わりありますのでいっぱい食べてくださいね」
まぁ……ペットたち以外は私一人なので少し寂しいと思っていましたし、こんな美味しい料理が毎日食べれるならば本望ですしね。天子にもしっかりと修行をつけるためですしこの生活も……
悪くない