ついつい筆が乗ってしまい徹夜で書いてしまった……皆さんはちゃんと睡眠はとらないといけませんよ?
そういうわけで……
本編どうぞ!
「はっ!」
始まりの合図と共に仕掛けたのは天子の方だった。一切の迷うことなく幽香に対して緋想の剣を振るう。
「(ふふ、突っ込んで来るなんてね……おバカさんになっちゃたのかしら?)」
単純な軌道だと思った。幽香の脳天に振るわれる緋想の剣を受け止めるために左手に掴まれた傘を動かした。
「!!?」
悪寒が走った……全身の筋肉が訴え、幽香の勘が危険を察知した。咄嗟に後ろに退き天子との距離を空けようとした。
ヒュンッ!と言う音がすれば先ほどまで脳天に狙いを定めていた緋想の剣が横に薙ぎ払われていた。そして地面には黄色のリボンの切れ端が落ちていた。そのリボンは幽香が首に巻いていたものだ。そのリボンが地面に落ちていたのだ……
先ほどまでにそこには幽香がいた。しかも黄色のリボンは幽香の首に巻かれていたものだ、それが切り裂かれ地面に落ちた……もしその場に幽香がとどまっていたならば落ちていたのはリボンではなく……
その事実が衝撃を与えたのだろう。幽香は呆然としてこれでもかと言うぐらいに目を見開いていた。
「――うそ!?」
幽香の口からこぼれてしまったであろう言葉は驚きを含んでいた。その光景を見た天子の口がクスっと笑った。
「驚いてくれたみたいですね幽香さん、今のが決まっていれば終わっていたものを」
「……」
舐めたつもりなどなかった。目を見た時に確実に強くなっていることは確信できたはずだった……しかし、結果は危うく自分の首がリボンと入れ替わることになっていたことに動揺を隠せない。
「……天人さん、危うく死にかけたわよ?私の脳天をワザと狙って、そのまま私が防ごうとしたら
「そうだな、でも幽香さんならばこんな
「ふふ……
今までは負け犬と思っていた天子の攻撃が見切れなかった幽香。何もできずに死ぬところだった……その現実が今まで圧倒的な力を見せていたプライドに傷をつかせた。だが同時に……
オモシロイ!
幽香の中で冷めていたモノが再び息を吹き返した。
以前とは違う男、今まで出会った仲で類を見ない自分に関わろうとする変わり者、負け犬から今度は自分を追い詰めようとする狼に変わった。自分を超えるために修行し、仙人にまで弟子入りした。そして何よりもバカバカしい理由がこの男にはあった……
「(私と【
オモシロイ!
オモシロイ!!
オモシロイ!!!
幽香は思った……
「(やっぱり……あなたに期待してよかった!!!)」
今日は幽香にとっての
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「やぁあああ!」
「くっ!」
重い一撃がのしかかる。体全体に振動が伝わり足の力を少しでも抜くとそのまま押しつぶされてしまいそうな感覚が襲う。
くぅう!?やっぱり幽香さんは強い!何この一撃は!?まるでトラックを受け止めたみたいな衝撃を感じる……でもトラックなんて受け止めたことないからわからないけど、そんなすごい衝撃が伝わってくるの。傘は舐めたらいけないものだと再理解したわ。某ゲームでもとある企業の名前も
「つぶれなさい!」
「お断りさせてもらうぞ!」
そう言って天子は幽香の脇腹に蹴りを一発入れた。飛ばされる幽香は体勢をすぐさま立て直す。
「あは♪天人さんあなた本当に私を楽しませてくれるのがうまいみたいね!」
「私も今、楽しんでいる……以前のようにいくとは思わない事だ」
「ええ、同じことが通用するあなたじゃないことはわかったわ。だからどんどん攻めさせてもらうわよ!」
幽香さんが走って向かって来る。その光景は子供が見たら失神するか黄金水を漏らしてしまう光景だろうが、今の私にとっては苦でもなんでもない。パワァアップした私は幽香さんにダメージを与えることができている。前は軽く流されてしまったけど今度は!
「ふん!」
「甘いぞ!」
私が攻撃を受け止め流す。
「はっ!」
「ぐぅ!?」
私が反撃する。
現在の状況は私が有利にはかどっている。幽香さんが攻撃し私が受け流す……以前とは逆の立場になっていた。それが何度も続き、私が緋想の剣で斬りつけ、要石で強打する。幽香さんはそれを受け止めたりしたが、受け止められきれずに肉を切り裂き、要石にぶち当たる。破れた服から見える傷は私が幽香さんに背負わせたもの……以前では傷つけることすらできなかったことが今の私にはできた。
そして次第に幽香さんの様子が変わって来た。鼻息が荒くなり、頬は気持ちの高ぶりなのか赤かった。まるでトレジャーハンターが長年探し物めていた宝物を遂に見つけたような目がそこにあった。
「ふふ……ふふふ……!」
幽香さんが笑った。笑顔など無く、俯き笑い声だけを発する姿は普段ならば恐怖を抱くだろうが、今は戦い高揚しているせいか気にも留めない。それか私の中の戦闘狂魂がそうさせているのか、今の状況をとても嬉しく思う。寧ろ恐怖など一切感じない爽やかな気分だ。
「ふふ……ふふふ……あはははははは!!!」
高らかに響いた笑い声。静観する者達の中には体を震わせる者もいたがその笑い声はしばらく鳴りやむことはなく戦場に木霊していた。
「これよ!私が望んでいたのはこれよ!!一筋縄ではいかない強者、只の荒れ狂う獣なんかじゃない正真正銘の強者!私が求めていた者はあなただったのよ!!」
幽香さんが私を求めていた。ようやく私は幽香さんの期待に応えることができたようだ。だが、これで終わらない……幽香さんがこの程度で終わる訳がないもの……
「天人さん、私は今まで待っていたのよ……あなたみたいな素敵な方をね。でもね、私はここで負けてあなたの
「そうだな、それでこそ幽香さんだ」
「それって褒めているのかしら?」
「もちろんだ!」
「ふふ、嬉しいわ♪」
そう言いつつ、無数の弾幕を天子に浴びせようとする。すぐさま身を翻し、緋想の剣で弾幕を断ち切る。
「まだまだよ!」
更なる弾幕が命を狩ろうと攻め立てる。無数の弾幕が戦場を飛び交い、嵐となって天子を飲み込もうとする。
「行け要石!」
負けじと天子の要石が幽香に狙いを定めて向かって行く。
「邪魔よ!!」
無残にも幽香が放った弾幕の餌食となった要石は只の石ころに成り果てた。
「ほらほら!私をその気にさせておいて終わりなんて言わないでよ!まだ私は半分も力を出していないわよ!」
傘の先に集束した光が天子目掛けて放たれた。
――ヤバい!?
間一髪のところで天子は身体を逸らして放たれた光線を避けた。天子に向かって来た光線は頬を
や、やばかった今のは……!さっきの光線が私の頬を
天子は障害物が存在しない戦場を駆け巡る。無数の弾幕が嵐となって天子を襲うとする場で障害物が何一つとしてないのは不利な状況だ。
盾が欲しいわね……そうだわ!久々に天子ちゃんの能力を使わせてもらいましょう!えっ?何をするのかって?忘れたわけじゃないでしょうね?私、比那名居天子には『大地を操る程度の能力』があるのよ。それでこの場を……見てなさい!!
「ふん!」
「(剣を地面に……一体何をするつもりなのかしら?)」
天子は緋想の剣を地面に突き刺した。その瞬間にも弾幕が迫るが
「(地面が盛り上がって盾の役割を果たしたと言うの!?)」
『大地を操る程度の能力』は「 有効範囲は狭いが、幻想郷内なら遠隔地でも揺らすことが出来る 」また「 地盤沈下や土砂崩れなどの災害もお手の物 」でもあるなど、天災と言える水準のその能力の影響力を及ぼせる。それと同時に「地震を起こす」ことができ「地震を鎮める」こともできる能力でもある。それを応用し、自分の周りだけの地形を変え、大地の盾を作りあげたのだ。
「(面白いわね、これが天人さんの能力……!?)」
幽香は天子の能力について考察した。その瞬間気がついてしまった。
「(いないですって!?)」
弾幕から身を守ったはずの天子の姿が掻き消えていたのだ。幽香が考える一瞬にその場から姿が消えたことに驚いた。だが、一つ見つけたものがあった。
「(中心に穴?……まさか!?)」
その瞬間、幽香の背後の大地が揺れたかと思うと地面が膨れ上がり土が舞い上がった。
ガキンッ!
「くっ!?」
幽香は咄嗟に傘で身を守り衝撃で吹き飛ばされたが踏ん張ることができた。一体何が起きたのか……
「ふふ、まさか地面の中を移動するなんて……ねぇ天人さん?」
「びっくりしたか?」
「ええ、天人じゃなくてモグラじゃないの?」
「残念ながら、正真正銘の天人さ」
なんと天子は能力を使って地面の中を突き進み幽香の背後に周り強襲したのだ。
本来ならばこんなことは元天子ちゃんでもできるわけがない芸当。しかし、今の私は昔と違う。SYUGYOUのパワァーで能力の限界を超え、こんなトリッキーな芸当まで身に付けてしまいました。凄いでしょ?修行ならぬSYUGYOUのパワァーは計り知れない。華扇さんの様々な鬼畜な試練は無駄ではなかった!
「まだまだこの比那名居天子の力はこんなものじゃないぞ」
「そう……それを聞いたら増々ワクワクしちゃうじゃない♪」
幽香が嬉しそうに狂ったように天子に向かって行く。追い求めて来た獲物を狩るが如く……
今度は幽香さんが接近戦に持ち込んで来るつもりらしいけど上等!私は天人くずれの比那名居天子だ!二度目の敗北は……決してない!!
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「はわわっ!!な、ながれ弾ががぁああ!!?」
観戦者は遠く離れた物陰から戦場の様子を見ていた。
「あやや!?これは凄い!伊吹様と天子さんが戦った時よりも派手で尚且つ凄まじいぶつかり合い!これはカメラに収めなければ――だぁあ!?私のカメラが飛ばされて行くぅう!!!」
「おい!文屋!物陰から出るんじゃねぇ!」
「離してください!!私の命の次に大切なカメラが吹き飛ばされてしまったんですよ!迎えに行かないと!!それと私のことは文屋ではなく、文と呼んでください妹紅さん。初めて会った仲ではないのですから」
「……お前意外と冷静だな」
無数の弾幕や激突の衝撃で近くに居れば被害が出てしまうために私達は安全(絶対とは言っていない)な場所まで避難した。それにしても何という戦いなの……
華扇は慎重に物陰から戦場の様子を窺った。そこには血しぶきをまき散らしながら戦う二人の闘士がいる。その二人の戦いは決してごっこ遊びではなく、その場は正に戦場だった。地面は複数の陥没した跡、流れ出した血が染み込んで黒ずんだ大地、そして二人の体には無数の傷跡が付けられていた。
「ね、ねぇ……そろそろ止めませんか?このままだと本当に死んじゃったりするんじゃないかって思ったり思わなかったり……」
早苗が遠慮がちに、しかし確実に二人の身を心配して言ったことだった。だが……
「無理だと思うぜ。今のあの二人を止めるなんてできる気がしないぞ」
「妹紅のいう通りよ。今の天子と幽香を止められる者はここにはいない……いえ、止めるべきではないわ。二人には譲れないものがあるのだから」
「華扇さん……」
「早苗の心配はわかるけどどうしようもないの。本当に死にそうになってしまった時は私が無理にでも介入するから。だから今は見守りましょう」
今は見守るしかできない……二人の戦いは本気の本気だ。いつ一撃を受けて命に関わる状況に陥るかもしれない、もしかしたら一撃を受けてそのまま帰らぬ人になってしまうかもしれないのが今だ。だってあそこは戦場なのだからいつ死んでもおかしくはない。心配なのは私だってそう……天子に死んでほしくない。彼と過ごした時間は温かいものだしたし楽しかった。だから天子……勝って!勝ちなさい!私達が見守ってあげているのだから!
「私のカメラぁあああああああ!!ぎゃぁああああああああ!!?」
「おいバカ!だから出ていくからだぞ!!」
「ふ、奴は私達東風谷四天王の中でも最弱……」
「早苗お前こんな時に何言ってんだ!?ってか四天王って私達のことかよ!?」
「そうです!今ここにいる私、妹紅さん、華扇さん、文さんの四人で東風谷四天……きゃぁあああああ風にさらわれるぅうう!!?」
「だぁあ!お前もかよー!?今助けに……ぐわぁああ流れ弾がぁああ!!?」
……こっちはこっちで大変ですのでもしかしたら見守ることができないかもしれませんので……後は頑張ってください天子……
空に舞った3人を連れ戻しに行く華扇であった……