感想を受けて作ってみました。
それでは楽しんでいってください……
本編どうぞ!
54話 最大の危機
やぁ皆、私は超絶イケメン美男子の天人である比那名居天子です。ちなみに転生者です。
私は元々引きこもりの女の子だったのだけれど、単純な事故にあい、あっけなく私の人生は終了するはずだったのだけど転生しました。しかも私が大好きだった東方の世界に、しかもしかも!あの比那名居天子として!憑依って言ったらいいかわからないけど私は比那名居天子として生まれ変わったの……外見は男、中身は女の子と言う複雑な状態でね。初めは動揺した。だって男の体になってしかも自分自身がイケメンになるとは夢にも思っていなかった。正直言うと私はラッキーなことばかり起きていた。イケメンサイコー!!
しかし重要なことがあった。本来ならば比那名居天子は女の子でなくてはならないのに男、しかも私が比那名居天子としてこの幻想郷に生れ落ちてしまったのだ。元々の天子ちゃん……元女の子の天子ちゃんはここには存在しない……私が彼女の人生を奪ってしまった……だから私は決めた。元天子ちゃんの分まで生きて、彼女の名に泥を塗らないように生きようと決めたの!それが今の私、比那名居天子として彼女に送る心からの謝罪で私にできることだから……
そのため比那名居天子という私は原作とはかけ離れた存在に進化してしまった……
外見は勿論性別の違いで、身長や筋肉の付き方は男らしいし身長も幻想郷の中では高い方だ。元天子ちゃんの我が儘さは私にはなく、総領息子として立派な存在となり、天界では他の天人達から「天子様」と呼ばれるようになってしまった。天界も大革命して今では遊びも良し、食事も良しと言った本当の楽園に変えてしまった。もう原作無視しちゃった♪
そして私が起こすはずの異変は当に過ぎていてタイミングを逃してしまった……それ以前に優等生である私が異変を起こすなんて真似したら不味くない?って感じにまでなってしまっていたぐらいだ。そんな時に地上(地底)で異変が発生し、ひょんなことからこれから私が幻想郷に大きく関わっていくようになった。
今まで色々なことがあった。鬼と喧嘩したり、弟子に志願されたり、宴会したり、異変を解決したり等々……時には翻弄されながら生きてきた。だが、私は今まで全てを乗り越えて生きてきた。そして私は初めの頃よりもパワァーアップしたのだ。しかしそんな私に今までとは比べものにならないような危機が振りかかっていた……
「……一体どうすれば……」
天子は霧の湖で一人
「……」
私は考えて、考えて、考え抜いていた。しかし答えが出て来なかった……私は今、人生の中で最大と呼べる試練が立ちはだかった。
またこの試練を乗り越えるつもりだ。しかし今回は今までとは難易度が違いすぎる……ルナティック以上の試練が私の前に姿を現したのだ。
その試練とは……
久しぶりに天界へ帰って来た天子は相変わらず何も変わらない天界を見てホッとしていた。
私が長いこといなくてもやっぱり天界はのんびりしているなぁ……何一つ変わらない。私が居ない間は皆仕事休んでいたんじゃないかな?衣玖もいないし、私がいるのといないのとではやる気がだいぶ違うみたいだからね……なんでだろう?
まぁ、天界はいつも通りね。深く考えないでおこう。それにしても幽香さんと
天子は上機嫌だった。鼻歌を歌いながら久しぶりの我が家の扉を開けた。
するとそこには意外も意外な人物がいた。
「ふむ、天子よ久しいな」
「あらら天子、ママよ~」
天子の父親と母親がいたのである。
意外過ぎる……私はそう思った。だって父様と母様は我が家にはいない。豪華な別荘があってそこで何不自由なく暮らしているのである。勿論私がプレゼントしたものだ。二人には苦労をかけたくないし、何よりも私を見向きもしてくれなくなった親とは違い、私を見守っていてくれたのだからこれぐらいはしないと罰が当たる。まぁ、元々地上に住んでいたんだし、他の天人達とは違っているけど基本的のんびりしているのは変わらない。父様は私と同じくイケメンだ。きっと地上ではキャーキャー言われていたに違いない。そして母様はまさしく天人みたいなお方だ。喋り方でもわかるようにのほほんとしている。幽々子さんよりものほほんとしているのではないかなぁ?
ちなみに父様は母様のことが好きすぎるのだ……残念なぐらいに。残念なイケメンとは父様のことを示すのだ……決して私なんかじゃない。そして母様も父様のことが好きすぎる……つまりこの親はバカップルよ。壁ドン代行に依頼するぐらいのね。見ていればその内嫌でもわかる……
「父様、母様、お久しぶりですね」
「あらあら~天子、そんなに硬くならなくていいわよ~?」
「そうだぞ天子、パパとママの前だ。思う存分に甘えなさい。男だからって遠慮はするでない。パパちゅき~とか言ってごらんなさい!さぁさぁ!!!」
「あら~パパったら~大胆ね~♪それじゃママのことは~?」
「大ちゅき~❤」
……ね?残念なイケメンってことわかったでしょ?私は慣れてしまったけど、初め衣玖の顔が引きつっていたことをちゃんと見たんだからね。
「……それで父様と母様、私に何か御用ではないでしょうか?」
「スルーか、流石出来た息子だな」
「そうね~誇らしいわ~♪」
天子が立派に育ってとても嬉しそうな両親だ。その笑顔に偽りなどない。
「それで天子、パパらここに来たのにはお前に大事な話があるからだ」
「大事な話?」
父様と母様から大事な話があるとは珍しい。我が家を任せて父様と母様は別荘で暮らすことを話し合った時ぐらいだ。それ以外であんまり大事な話をした覚えはない……どんな話だろうか?
「天子、あなたそろそろいい歳よね~?」
「……まだ若いですけど?」
そうよ、まだ若いはず……まだ若いよね私?どれだけ生きているかが問題ではなく外見が肝心なのよ!!私はまだピチピチです!!
天子も中身は女の子なので歳にはうるさいのである。
「ふむ、まぁ何がともあれパパらは元々地上の者……早く事が進んだ方がいいということがあるだろう」
「うふふ~♪そうよね~ママみたいに早く動くといいわよ~」
母様……あなた朝ごはん食べるの何時間かけていると思っているのですか?食事に時間をかけることは良い事なんだけれど……半日は流石に草生えちゃう……
「……っで?一体なんなのですか?その大事な話とは?」
「おっとそうじゃったな、実はな……」
「天子、そろそろ結婚せぬか?」
ふぁ?
「……結婚……!?」
えっ?結婚って……あれだよね?ウェディングドレスを身に纏って式場を歩いて誓いを立てて指輪交換して……最後は……!?
ううぇえええええええええええええええええええぃ!!?
ちょ、ちょっと!?意外も意外過ぎない!?ウェディングドレスに身に纏うの!?って私は男か……って違う!!なんで!?なんで結婚話が出てくるの!?あっ!きっとそろそろいい歳なんだから相手探しなさいよっていう警告をしに来たんですねきっと!そうに決まっているわ、ふぅ……焦ってしまったけどそれならば話を曖昧にすればいいだけのこと……
しかし天子は忘れていた。この親は只の親ではない。親バカでバカップルでハチャメチャな存在であるということを……
「ママたちの天子ならもうそこまでしっかりと計画立てているだろうと思ってね、既に結婚式場を確保しているのよ~♪」
「……はっ?」
えっ?なに?どういうことなの母様?いつもはのんびりとのほほんと生きている母様が動いているだと……!?わけがわからないよ……!!?
「ふむ、パパたちの立派な天子ならそこまで考えていてもおかしくないと思ってな、パパも知り合いに声をかけて結婚式に出席してくれるよう既に頼んであるのだ」
はぁ!?なにしてんの!!?私ならばそこまで考えていてもおかしくないって……私どんだけ有能だと思われているのよ!?まぁ確かに有能だと思うけれど……当の本人に確認取ってよ!結婚式場確保しているって……あれか!?私が天界の改革に乗り出してノリで作ってしまったあの結婚式場のこと!?天界に神聖的な結婚式場があると雰囲気イイなぁってノリで作っちゃったあれのことかぁ!?誰も使わないからモニュメント化していた結婚式場を確保しちゃったの母様……もう勝手なことして……ん?知り合いに声かけてあるって父様言ったけど……それ誰?
「ああっと……父様、つかぬ事をお聞きしますが……知り合いに声かけたって言いましたよね?」
「ああ言ったぞ」
「……それってどなたなのでしょうか?」
「『名居』の一族の皆さんだ」
上司じゃない!!?なにバカなの!?ああ……父様も母様も親バカでしたね。二人して何故私の外堀を埋めてきているのですか?新手のいじめですかね?
天子は訳がわからないと困惑している。当然だ、いきなり結婚決まったから出席しろ、ちなみにその結婚式お前のだからって言われているようなものだ。一体何をしてくれているんだと天子は思ったが、ふっと思うことがあった。
「……父様、母様……結婚するには相手が必要なはずですが……?」
そうだ、結婚するためには男女必要だ。天子は願った……もしこれで相手も勝ってに決められていたならば昔の政略結婚かと叫んでしまうところである……外れてくれと神に祈った。
「ん?相手は天子、お前が連れてくるのだぞ?何を言っている?」
何を言っているのはこっちのセリフなんですけど……でもまだ温情はあった!神はまだ私を見捨てはしなかったようだ。ありがとうございます神奈子様!諏訪子様!
知らぬところで神奈子と諏訪子の信仰心が高まった。しかしまだ天子はこの滅茶苦茶な案から逃れていない……
なんとしてもこれを阻止しないといけない。私はまだ結婚する気はないし相手もいない……悲しいことにね。私はまだやりたいことがいっぱいあるし、女性にとっての結婚は特別なの。こんな形で決まりたくないってのが私の本音よ。でも父様と母様を悲しませたくない……こう見えても私のことを一番に考えてくれる大切な両親だから。それに下手に断ったら比那名居家としての名が傷つくのは嫌だなぁ……何か考えないと……!
そんなことを考えていた。そして気がついた。父様と母様がもうその場におらず、書置きだけが残されていた。その書置きを見てみると……
『結婚式は3日後だ
楽しみにしているぞ!
by愛するパパとママより❤』
「……」
「Oh!Noooooooooooooooooooo!!!」
哀れな天人の悲鳴が木霊した……
……っという回想だったのよ……
ひどくない?私泣いちゃうわよ?しかも3日後とか鬼畜じゃない?っと言うかもう1日たってしまった……報告を受けたその日は打ちひしがれてしまい何もやる気が起こることはなくなって過ぎてしまった。それから色々と頭を使って考えていたのだが……結局2日目に突入していよいよ明日が結婚式当日……私はまだやりたいことが山ほどあったのに……
天子はどうするべきか考えていた。そして今も考えている状況が続いている……
「……本当に困った父様と母様……どうすれば……!」
そんな時である!天子の身にあることが起こった!!
……あれ?ここは一体……!?
天子はいつの間にか丸いテーブルを中心に一つの椅子に座っていた。そして驚くべき光景を見た。
えっ!?なにこれ!?私と
自分を含めると6人の天子がそこにいた。顔は同じだが服装や態度が皆バラバラであった。
「困惑しているようだな
声をかけてきたのは天子……顔は同じだがその姿は威厳があり、まるで裁判所の裁判長らしい風格があった。
あの……誰?私そっくりなんだけれど……?
「ああ、私はあなた自身だ。混乱するかもしれないが、簡単に言えばここは比那名居天子あなたの脳内会議の光景だ。あなたならその意味わかるだろう?」
ああ……よく某アニメとかで自分と同じ姿をしたキャラが何人も居て話し合う場面を見たことがある……それと一緒か。
「そう、話が早くて助かる。そして私がこの場の最高責任者の
「そうだ、気にしないでくれ。他のメンバー4人も紹介しておこう」
「この堅物が
「お初にお目にかかる比那名居天子殿」
顔以外の全身を鎧に身に纏う天子が
メイン盾来た!って叫びたくなる格好だな……
「そしてその隣が
「……どうも……」
眼鏡をかけた頭が良さそうなのが
めっちゃ頭良さそうな私がいる!
「ちなみに名前は
……ちょっとそれって詐欺じゃない?
「そして次が……」
私のこと無視された!?
「戦い以外の興味を持たない
「よぉ、幽香との戦い実に楽しめだぞ♪」
服がはだけ、至る所に傷があるのが
お前か!私に巣くっていた戦闘狂の正体は!?結局私自身だったよチクショー!!
「そして最後は……」
「ヒャッハー!私は男の体を手に入れたことを誇りに思うぞ!そして子作りだ!快楽を求めようぜぇ!!」
「一番の問題児である本能に従う
髪型がモヒカン仕様で体中に
私の中にこんな私がいるの!?既に問題発言しているんですけど!?ショックが大きい……
「いずれも本体である比那名居天子のために集まったのだ。抱えている問題を皆で解決しようではないか」
「うむ、それでは緊急招集により集まってもらった天子一同、今抱えている問題について一刻も早急に解決しなければならない!手をかしてくれ!!」
天子による天子たちの天子のための会議が行われた。
「発言宜しいか?」
「発言を許可する
「はっ!父殿母殿には申し訳ありませんが、ここは断るべきです。そもそも無茶難題を押し付けて花嫁を持ってこいと言う方がおかしな話である。これには比那名居天子殿には一切の非は存在しないかと」
「確かに一理ある……しかしそれは本体である比那名居天子が望まないのでは?」
「そうですか……それは中々難しいことでございますね」
「おいおい本体の私よ!そんなことどうでもいいじゃんかよ!結婚すると言う事は女を抱くと言う事だぜぃ!私達は中身は女でも外見は男なんだから快楽求めようぜぇ!下半身の緋想の剣を突き刺してヒィヒィ言わせようぜぇい!!!」
「ジャッジメント!!」
「ぐぎゃあああああああ!!?」
暴言を吐く
うわぁ……私の中にあれがいるって思うと……テンション駄々下がりよ……
「そんなことより喧嘩しようぜ?こっちの事情を無視して進めるんだし一発殴ろうぜ?そんでもって天界の全員に喧嘩売って盛り上がろうぜ!」
「あれと一緒にするなよ。私は喧嘩が出来ればそれでいいんだからよ?」
ニタリっと笑う
「ふむ……困ったな、私はこういうことには
どうやら
頭を抱えていると静かに手を上げる者が一人……
「ん?
「……答えが出ないならまずは一緒に考えてくれそうな相手を探した方がいい……私達は皆同じ……いくら考えてもそれは天子としての答えしか出て来ない……選択肢が少なすぎる……」
「おお!確かに
「ふむ、確かにその案は素晴らしいと思うぞ
「私はどっちでもいい。喧嘩できないならばどうでもいい」
「そんなことよりも私の緋想の剣で快楽を……!」
「ジャッジメント!!」
「わぎゃああああああ!!?」
「して、
「……私的には……華扇さんがベストだと思う……頼りになる存在だから……」
華扇さんか……確かに華扇さんならいい案を出してくれるかもしれないな。よし!とる行動は決まった!
「ふむ、決まりのようだな。本体の私よ、また私達が力を貸す時が来るやもしれん。その時までさよならだ」
ありがとう
「武運を祈っている」
「……頑張れ……」
……一応
「私は戦えればそれでいい……ただそれだけだ」
「おいおい私のこと無視かよ?こうなったら私が表に出て行って手当たり次第に下半身の緋想の剣で……!」
「ジャッジメント!!」
「ばぎゃぁあああああああ!!?」
そんな光景を最後に天子の意識は元に戻って行った。
「よし、早速華扇さんの元へ行こう!」
天子は華扇に会うために走り出した。草陰に隠れている存在を見落として……
「……天子はさっきから何ブツブツと言っていたんだ?」
そこに➈代表のチルノがいた。
「天子がけっこん?とか言ってたな……けっこんってなんだ?」
天子は脳内会議をしている間に知らず知らずのうちに口に出していたようだ。それを草陰からチルノが聞いて居たようだが、チルノがいくら考えてもその意味がわからなかった。
「けっこん?……かせん?よくわからない……そうだ!そういう時は誰かに聞いたらいいって大ちゃんが言っていたっけ!」
チルノはすぐに行動を起こした。それが大波乱を呼ぶことも知らずに……