比那名居天子(♂)の幻想郷生活   作:てへぺろん

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遂に新たな異変の序章の始まりです。


それでは……


本編どうぞ!




東方輝針城 反逆者編
63話 反逆の狼煙を上げよ


 ガサゴソ……

 

 

 何かをあさる音がする。

 

 

 「クソッ!ここにもねぇ……!」

 

 

 誰かが苛立った声を出す。

 

 

 人里離れた森の中、そこにポツンと佇む小屋の中に誰か居た。

 

 

 「どこだ……ここにあるはずなんだが……」

 

 

 ガサゴソガサゴソ……

 

 

 その誰かは何かを探しているようだ。

 

 

 「どこだ……どこだ……っ!」

 

 

 その誰かは一つの()()を見つけ、それを素早く手に取った。

 

 

 「見つけた……ようやく見つけたぞ!」

 

 

 それを強く握りしめて立ち上がり、小屋の戸に手をつけた。勢いよく戸が開かれその姿が太陽に照らされた。

 

 

 「遂に時は来た!下克上の時がな!!」

 

 

 太陽に照らされたのは小さな角を生やした少女だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こんにちはこころさん」

 

 「こんにちは……初めまして私が秦こころ……です」

 

 

 天子は衣玖と共に地上へと遊びに来ていた。それも命蓮寺にである。こころが感情を初めて表してから度々天子はこころの様子を見るために訪れていた。そんなに心配する天子を見かねて衣玖も付きそう形でついてきたのだ。衣玖もこころには興味があり、前に博麗神社で行われた能楽を堪能した際に美しい踊りを評価した。しかしそれだけではない。天子がそこまで気にする存在を放って置くわけもなく、視察に来たと言う訳だ。しかし衣玖の心配も杞憂に終わった。恋の波動を感じるのではなく、兄妹のような空気の変化を感じた。こころは天子に恋愛感情を抱いてはいないとわかった衣玖は内心少しホッとしていたりする。

 

 

 「ん?なんだ天子か」

 

 「ぬえ元気にしていたか?」

 

 「私は元気だ。またこころに会いに来たのよ……心配性だね。やっぱりこころが子供だから?」

 

 「私は子供じゃないぞー!」

 

 

 ぷんすかと怒る無表情のこころは全く怖くない。こころが初めて感情を表に出せた後は命蓮寺全員(村紗と一輪はお仕置きで存在せず)が歓喜余ってお祝いした。そのせいで天子の帰りが遅くなって衣玖にこっぴどく怒られたのはいい思い出らしい。何がきっかけかはわからないが、こころが感情を表に出せたのは事実であるために、こころはもう一度感情を出そうと頑張ったが成果は出なかった。そのおかげで落ち込むことが多くなったことを知った天子は心配になり、度々こころを訪れるようになったのである。

 

 

 「それに……天子が言っていた衣玖ってあんたのこと?」

 

 「はい、封獣ぬえさんですね?天子様からお話はお伺いしています。どうぞよろしくお願いしますね」

 

 

 ぬえは感じ取った。衣玖と言う女は聖のように怒らせたらダメなタイプだと……聖とよく似ていると。恐る恐る緊張しつつ握手をし、安全のため衣玖から距離を取った。

 

 

 「ふふふ……それではこころ殿、私と天子殿と共に人里を出歩きましょうか♪」

 

 「……神子、何故ここに?」

 

 

 天子の付き添いは衣玖だけではない……神子もまた天子が訪れる日に限って命蓮寺を訪れる。しかも何度もであるのだ。神子いわく「これは私と天子殿が赤い糸で結ばれた証拠なのです!」っと言っていたが、ここまで偶然が重なると疑わしいものである。

 

 

 「またまた天子殿は、わかっているでしょう?私と天子殿は赤い糸で結ばれている証拠だと言ったでしょう♪」

 

 「ぺッ!」

 

 「ちょっと衣玖殿、今の反応は流石にカチンと来ましたよ!」

 

 「なんのことでしょうかミミズクさん?また被害妄想ですか?」

 

 「とぼけないでください!たった今、私に対して唾を吐いたでしょう!」

 

 「さぁ?ミミズクさんもしかして酔ってます?酔い覚ましに電撃でも浴びます?」

 

 「おのれぇ……!」

 

 

 衣玖と神子が睨みを利かせている間に聖が星を連れて出迎えてくれた。

 

 

 「天子さん、今日もこころちゃんをよろしくお願いします」

 

 「私からもお願いしますね」

 

 「聖、星、こころちゃんを借りていくぞ」

 

 「いってきます」

 

 

 こころは天子の手を握りしめて人里へと歩み出した。

 

 

 「――はっ!?天子様と自然に手を繋いでいる!?ちょっと待ってください天子様ー!!」

 

 「こころ殿ばかりずるいです!私も天子殿と手を繋ぎたいですー!!」

 

 「……神子様はあんな感じでしたか?」

 

 「話によると、昔は今とはだいぶ違ったようだよ」

 

 

 星が疑問に思うのも無理はない。ぬえも話で聞いた程度しか神子のことをよくわかっていない。いつもは人々のために教えを説き、導くカリスマ的存在だと多くの者に思われているが、天子の前では人が変わったように豹変する……いい意味でも悪い意味でも。

 

 

 「星、ぬえ、人も妖怪も仙人もみんな変われるものです。神子さんは辛い人生を送って来ましたが、今ではすっかりこの幻想郷の一員です。天子さんに出会い、新たな道を歩んでいるのです。私達は見守っていきましょう」

 

 

 彼女の過去を知っている聖はそんな神子に温かい目で見つめているのであった。

 

 

 ------------------

 

 

 ……はぁ……こころちゃん癒されるわぁ……♪

 

 

 私はこころちゃんと衣玖に神子と四人で人里を歩いている。そして私は今、気分が浮いている……それは傍にこころちゃんが居るからだ。別に変な意味などない、ただこころちゃんには私を癒してくれるのだ。こころちゃんは外見は大人だが、中身は子供っぽくて色々と教えることがあって大変だ。でも教えているとこころちゃんが見せる(表情には現れないが)純粋な喜びや楽しさを見ていると私の心が温まるの。わかるかしらこの気持ち?私の汚い心が純粋なこころちゃんによって浄化される……無垢な姿程見ていると温かさがそこから湧き上がってくるような気分になるの。それにこころちゃんと歩いていると大きな妹と一緒にいるみたいでいいのよ。

 

 

 あの一件以来こころちゃんが何かと頼りにしてくれるようになった。困ったこととか悩みがあれば私に相談に来るようになって、今ではいい関係を気づいている。恋愛的感情を向けられていることはない、頼れる兄様的な感じだと思っているようだ。初め衣玖の目が冷たかったけど、それがわかった今では温かい瞳で安心だ(こころちゃんの身の安全が)

 こころちゃんはあの一件以来、表に感情が現れてはいない。こころちゃんがそれで落ち込んでいると聞いた日は寝付けなかった……それぐらいに最近こころちゃんのことが気になっています。こころちゃんにもお友達ができるようにきっかけを与えてあげないといけないわね。

 

 

 などと思って歩いていると建物の影から勢いよく何かが飛び出てきた。

 

 

 「おどろけー!!」

 

 「「「……」」」

 

 「おおー驚いたー!」

 

 

 【多々良小傘

 水色のショートボブに大きな唐傘を持った少女の姿で傘の色は紫。右目が水色で左目が赤のオッドアイ。水色のミニスカートに、素足に下駄姿。上は白の長そでシャツに水色のベストのようなものを着用している。

 唐傘お化けで、元々はただの忘れ傘だったが、ナスのようと言われる程不気味な紫色をしていたため不人気で誰にも拾われず、雨風に飛ばされているうちに妖怪になった。人を驚かし、それで腹を満たすタイプの妖怪だが、誰にも驚いてくれず、驚かし方も下手なので空腹で嘆いていることが多々ある。

 

 

 建物の影からいきなり姿を現したものの、可愛らしい女の子が舌を出して驚かせる古典的な方法ではこの幻想郷で生きている者達は驚いてもくれはしない。天子達もそうだが、こころだけは驚いた様子だったが、当然無表情のままであった。それを見て驚いていないと思い込んだ小傘は次第に元気がなくなり落ち込んでしまった。

 

 

 「うぅ……やっぱりわきちは……人を驚かせるセンスがないんだ……」

 

 

 シュンシュンとその場に力無くうずくまってしまう。

 

 

 あの……私こう見えても驚いたんですけど?いきなり建物の影から小傘ちゃんが現れたら驚くわよ……驚くよね?気を抜いて居たから小傘ちゃんが隠れていたなんて察知できてなかったから驚いたんだよ?ただ表に出て来なかっただけだからそんなに落ち込まないで小傘ちゃん!

 

 

 「小傘ちゃん、元気出すんだ。私は驚いたぞ?ほら、こころちゃんもこんなに驚いているだろ?」

 

 「うん、ビックリしたぞ」

 

 「(無表情で言われても)本当?」

 

 「ああ、本当だとも。それに衣玖も神子も驚いていた。そうだな衣玖?神子?」

 

 「えっ?そ、そうですね天子様!驚いてしまいました!」

 

 「あ、あっははは……天子殿のいう通り私も驚きましたよ!いやはや驚きました!」

 

 

 二人は慌てて、わざとらしい身振り手振りで驚きを表現する。

 

 

 衣玖と神子は絶対に驚いていない……さっき二人の目が冷めてたもん。けど、小傘ちゃんを元気づけるには二人にも協力してもらわないといけない。場の空気を読んでくれて合わせてくれた二人には感謝だ。

 

 

 天子の言葉を聞いて小傘はみるみるうちに元気を取り戻し……

 

 

 「なんだ驚いてくれてたんだ!あーあ、折角のチャンスを食べ損ねた……またひもじい思いをしないといけないのか……」

 

 「だったら飯を食わせてやる……天子の奢りだ」

 

 

 こころは胸を張って小傘に言い放つ。

 

 

 ちょっとこころちゃん、私の奢りって……まぁ別にいいんだけどね、お金はいっぱい持っているし問題はない。しかしこころちゃん私に相談もしないで決めつけるのは良くない。後でしっかりと言い聞かせてあげないと我が儘娘になっちゃう……最悪の場合、こころちゃんが不良にでもなったら……それだけはノーサンキュー。こころちゃんはいつまでも純粋じゃないと私泣いちゃう!

 

 

 「いいんですか……わきち初対面なのに?」

 

 「天子様、この子とは初対面なのですか?先ほど名前を仰っていたようですけど……」

 

 

 そうだったわ!つい名前を呼んじゃったけど小傘ちゃんとは今回が初対面だっけ。適当に誤魔化して知り合いから聞いたから知っていたとかで済まそう。

 

 

 「知り合いから話を聞いていてな、それで小傘ちゃんのことは知っていたわけなのだ」

 

 「そういうことでしたか」

 

 「天子、小傘に何か奢ってやってくれー」

 

 「ならばここはこころ殿の保護者である私が……」

 

 「嫌、知らない人から誘いは受けるなって聖が言っていた」

 

 「こ"こ"ろ"と"の"!!?」

 

 

 こころちゃん、神子を悲しませないであげてよ……泣いちゃったじゃないのよ……

 

 

 こころに拒絶されてわんわんと泣きわめく神子を(なだ)めながら、近くの団子屋に入る天子達……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……畜生……見つからねぇ……()()を扱える奴はどこに……!」

 

 

 頭巾を被り手には大事そうに何かが包まった風呂敷(ふろしき)を持っていた。

 

 

 グゥ~!

 

 

 腹の虫が鳴った。その人物は眉間にシワを寄せて唸る。

 

 

 「くぅ……!その前に腹ごしらえか……ケッ!あの店に立ち寄るか」

 

 

 近くの団子屋……天子達が入って行った店に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「う~ん♪美味しかった♪」

 

 「中々うまかったな♪」

 

 

 小傘はたらっふく団子を頬張った完食した。口の周りにあんこがついても気にせずに満足した様子だった。こころの方も残さず団子を平らげていた。こころも小傘と同じく口の周りがあんこまみれになっていた。

 

 

 「小傘さん、口の周りに食べかすがついてますよ」

 

 「ありがとう衣玖さん」

 

 「こころ殿の方は私が取ってあげましょう」

 

 「気安く触るな」

 

 「あ"あ"あ"!こ"こ"ろ"と"の"!!?」

 

 「こころちゃん、流石に神子がかわいそうだから止めてあげような?それに店にも迷惑がかかる」

 

 「天子がそう言うならやめる」

 

 

 こころちゃんいわく神子をいじると面白い感情が自然と湧き上がる気になれるらしい。こころちゃんも神子を嫌っているわけじゃないみたいだけどちょっとドSなこころちゃんに将来不安です……

 小傘とは団子を食べていると色々とお話できた。こころちゃんと小傘も同じ付喪神なので意見が合う所があるらしく、会話が弾んでいた。紙風船(かみふうせん)を見せて自慢していたぐらいだ。小傘の方も楽しそうにしていたし、この時間の中でこころちゃんが仲良くなれる相手を見つけられて私は幸せだ。

 

 

 そんな平凡な時間を送っていた(神子以外)お腹も満腹になり、天子はお代を払うだけ……そんな時、天子はふっと視線が動いた。たった今、暖簾(のれん)を潜り、すぐ横を通り抜けた頭巾を被った人物に目がいった。その人物は周りを気にしているのか店の端っこに座り、視線を動かしている。

 そして目があった。相手の瞳は鋭くこちらを睨みつけてすぐに視線を逸らした。

 

 

 あれは……

 

 

 「どうしましたか天子様?」

 

 「……いや、なんでもない」

 

 「???」

 

 

 不思議がる衣玖をよそに天子は店を出る前にチラリと先ほどの人物を盗み見た。

 

 

 そこにはガツガツと団子を貪る頭巾を被った人物が映っていた……

 

 

 ------------------

 

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁあん!誰かたすけてぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」

 

 

 誰かを追い回す者がいた。

 

 

 追い回される誰かがいた。

 

 

 追い回す者は獣の姿をし、その鋭い眼光が狙いを定めていた。

 

 

 追われる者は必死に逃げて追いつかれないように足を動かしている。

 

 

 追い回す者が近づいてくる……追い回される者は必死に逃げていたが距離を詰められていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「にゃおおおおん♪」

 

 

 猫であった。黒猫がじゃれついていた。妖怪でもないただの野良猫であった。しかしそんな猫に追い回されている者がいるのかと疑問に思うが現にここにいた。 

 

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!?」

 

 

 悲鳴であった。目には涙を溜めて体はブルブルと震えてこの世の終わりかのような表情をしていた。その者は怯えていた……何故怯える必要があるのか、それはその者がとても小さかったのだ。

 

 

 【少名針妙丸

 薄紫色のショートヘアーにお椀を被っている。服装は赤色の和服で、足元は裸足。そして彼女の特徴がそのサイズである。一寸よりは大きいが、せいぜい少女の膝下に届くか届かないかという程度のサイズなのでとても小さいのである。

 種族は小人、誇り高き小人族の末裔と自称している。

 

 

 「にゃおん♪」

 

 「ひぃい!?た、たべないで……!」

 

 

 猫は食べる気など全くない。猫じゃらしを見つけたように遊ぼうと思っていたのだが、針妙丸からしてみたら恐怖以外のなにものでもない。人間に例えるならば巨大な野生の熊が甘えて近づいてきて人間が逃げ出すのと同じ状況だ。針妙丸は猫に懇願するが猫が言葉をわかるわけはない。ずいずいと猫の顔がすぐ傍にまで近づいてきた。

 

 

 「(わ、わたしここで食べられるんだ……!嫌だ死にたくない!誰か助けて!!!)」

 

 

 針妙丸は叶わぬ願いだと思いつつも願った。ここは人里からずっと離れた場所、誰もこんなところに来るわけはないと理解していたからだ。

 

 

 死ぬ……そう思った時だった。

 

 

 「ケッ!こんな野良猫にビビりやがって、ほらあっち行けよシッシ!」

 

 

 誰かの声だった。その声に驚いた猫は走り出して去ってしまった。奇跡が起こり助かった針妙丸は力が抜けたようにその場にへたり込む。

 

 

 「た、たすかった……」

 

 「野良猫にすら負けるとは……弱っちいな」

 

 「あ、あなたは……?」

 

 

 頭巾を被って顔はよくわからない。しかし助けてもらった相手だ。その相手に訪ねてみた……

 

 

 「ん?弱者を助ける、弱者の味方だよ。そうそう、姫を探していたんだよ」

 

 「えっ?姫……?」

 

 「そうだ、あんたは姫だよ」

 

 「私は姫なんかじゃ……」

 

 「姫になるんだよ。これから起こすことで下克上に成功したらあんたは立派な姫になるんだよ!」

 

 

 針妙丸は何を言っているのかわからなかった。命の恩人だが、正体さえ把握していない。下克上と言う言葉も意味がわからなくて何もかもが理解不能だった。

 

 

 「わかってねぇ顔だな?まぁ、仕方ないか。とりあえずこれを見ろ」

 

 

 頭巾を被った人物が手に持っていた風呂敷(ふろしき)を置いた。その結び目を解き中から出てきたのは……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なるほど!弱者が見捨てられてしまう……それが今の世の中なんだね!」

 

 「ええそうです姫!あなたの……小人である姫がこの【打ち出の小槌】を使って幻想郷をひっくり返すのです!」

 

 

 風呂敷(ふろしき)に包まれていたのは【打ち出の小槌】という代物であった。針妙丸は頭巾を被った人物から様々な説明を受けた。初めは理解できなかった針妙丸も次第に事の重大さが分かっていき、その胸に大志を抱いていた。弱者が見捨てられない世の中を作ると言う大志を。

 

 

 そんな針妙丸に対して盛大に両手を広げるポーズを取る。小さい針妙丸から見えた頭巾を被った人物は輝いて見えていた。

 

 

 「わかった!この針妙丸、幻想郷の為に頑張る!ありがとう……ええっと……名前……」

 

 「おっとそうでした。私としたことが名乗るのを忘れていましたね……」

 

 

 頭巾を払いとる。するとそこには小さな角が生えていた。

 

 

 【鬼人正邪

 黒髪に白と赤のメッシュが混在した頭に、小さな二本の角を持つ。瞳の色は赤色。服装は矢印がいくつも描かれた装飾がなされているワンピースのようなものに、腰には上下逆さになったリボンを付けている。足元は素足にサンダルを履いている。右腕にのみブレスレットを付けている。

 鬼のような見た目だが妖怪「天邪鬼」である。人が嫌がることを好み、人を喜ばせると自己嫌悪に陥り、人の命令は絶対に聞かない、得をしても見返りは与えない、嫌われると喜ぶという変わった妖怪である。

 

 

 「私は鬼人正邪……さあ、弱者が見捨てられない楽園を築くのだ!」

 

 

 弱者の弱者による弱者のための異変が始まろうとしていた……

 

 

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