それでは……
本編どうぞ!
「天界の桃だ。甘くておいしいから食べてみてくれ」
「……」
「どうした?腹が減ってないのか?」
「……いや……腹は減ってな……」
ぐぅ~!
「……」
「――!い、いまのは……あれだ!その……あれなんだ!」
天邪鬼なのに体は正直者である。
鬼人正邪は天界にいた。連れて来られたと言っていい。その連れてきた人物というのは勿論……
私だよ♪はい、っと言う訳で正邪を天界へ招待しました。「何故そんなことを?」と思うかもしれない。けれどね……真面目な話見捨てることができなかったの。正邪が異変を起こしたのは間違いない、どんな異変かと思っていたけど原作と変わらない打ち出の小槌を針妙丸に使わせて幻想郷で下克上を起こすことだった。そこまでは何ら変わりがないから霊夢達に任せても問題ないし、最近仕事が多くなっていたので今回は見送ろうとした。折角地上へと寄ったから気分的にブラブラ見て回ってから帰ろうとしていたら森の中で大怪我を負った人物を発見した。私はすぐさま飛び出してその人物を救い出すことに成功した。しかもそれが後で正邪だったことに驚かされた。危うく正邪がロストするところを結果的に守ることができた。あの時の妖怪は話の分かる相手で良かった……また血を流すことになるのは痛ましいからね。
そんなこともあって正邪を永遠亭に運び込み治療を受けて後は待つだけ……永琳さんは正邪を受け入れるのを良く思っていなかったけど仕事だと言っていてもちゃんと見てくれた。永琳さん本当にありがとう……あなたがいなかったら正邪は本当に死んでいた可能性があったから……それだけで終わったら何もなかった。しかし今回は異変と言うより正邪の方がおかしかった。
何かが割れる音が聞こえて来て、永琳さんと共に病室へと向かった。正邪が逃げ出そうとしているのかと初めは思ったけど、病室の前までやってきた私達は感じ取った。不穏な空気を……急いで中に入ると目に飛び込んで来たのは鈴仙の首を絞める正邪の姿だった。本能が先に動いて止めに入り、私は見た……
正邪の泣きそうで苦しみを感じている瞳だった。表情はそれに反して怒りを表しており、殺気に満ちていた。けど私は見た……見えたの……とても悲しそうだった。
気絶させた後、永琳さんは怒っていた。それも無理はないわよね、危うく鈴仙の命を奪うことになりかねなかったもの……永琳さんは正邪を拒絶した。目が覚めたら正邪を追い出すつもりだったらしい……待ってくれるだけでも心が広いわね……本当に感服するわよ。でも、正邪をこのまま野放しにするとまずい気がした。私の勘……霊夢みたいにビビッと来る感じじゃないけど、放っておけなくなった。
正邪は幻想郷のバランスを崩すことにもなりかねない異変を犯し、どんな訳があったか知らないけど霊夢にガチで退治されそうになった。そして……正邪には何かある。正邪の悲しい瞳は何かを物語っている……そう思えてならなかった。だけどリスクが高い……正邪は必ず幻想郷の皆から睨まれる……
「――だから私は腹が減ってなんかいねぇって言ってんだ!聞いてんのかこらぁ!」
「おっ!すまない、考え事をしていて……何かな?」
「クソッ!余裕ぶっこきやがって!」
「ところで桃はいらないのか?」
「……し、しかたねぇから食ってやるよ……で、でも勘違いすんじゃねぇ!放って置いたらカビでも生えちまうからな!!」
一口恐る恐るかじる……すると目を見開き次から次へと、もしゃもしゃと口の中に桃を運んでいく。
お気に召してよかった。
天子は正邪を天界へと連れて帰って来た。正邪は天邪鬼……嫌われ者だ。きっとこれから多くの妖怪だけでなく人からもその他多数から嫌われる存在になるだろう。恩を仇で返すのが天邪鬼だ。しかし天子はそのことを知っており、リスクが高いとわかっていた。それでも尚、正邪を
それは……私だからじゃダメかな?私が正邪を助けたいと思ったから。永琳さんにも言ったけど天邪鬼だからなんなの?天邪鬼だって生きているし、私達と同じように喜んだり、楽しんだり、悲しんだりする。息もしているし、寝ることも必要。種族の違いなだけ、天邪鬼は嫌われるのを好むそう言う種族なんだからやめろと言うのは無理な話……でも、天邪鬼でもお互いに話し合って、交流を深めて絆を結めば気にしてくれたり、優しく接してくれると信じている。漫画やアニメの中でも絆や優しさって何よりも凄いのよ?
次々に桃を口に運び入れて頬がパンパンに膨れ上がった正邪を見てクスリと笑みを浮かべた。その一瞬を正邪は見逃さない。
「
「すまない、勢いよく食べている姿が微笑ましくてな♪急いで食べても誰も取らないぞ?」
「
急いで口に入れていく姿がとても微笑ましい♪文にカメラ借りておけばよかった……絶対に撮らせてくれないだろうけど。でも、正邪だって普段はこんな子なんだ。正邪に何かあるのは間違いないけど、あの後、先に目を覚ました鈴仙が言うにはいきなり襲って来たとか……もしかしたら正邪の過去に何かあるのかもしれない……断定はできないけど、何かが引き金となって豹変した可能性がある。だから無暗に聞き出そうとするのは得策ではないと思う……まずは信頼を得てそれからよ、病み上がりの体なんだし、もうそろそろ異変が解決するんじゃないかな?あれから結構時間が経つ……正邪が異変の黒幕だったとバレるのも時間の問題だろう……しかし天界にずっと置いておくわけにはいかない。私の独断で連れてきたんだから他の天人達は関係ないし、巻き込むことはしたくはない。しかも紫さんも関わってくる可能性が大きい……けれど!
「はぐぅ!はぐぅ!むぐむぐむぐぅ!?」
正邪の表情が苦しみに変わった。喉に詰まらせたのか苦しそうだ、天子は特製桃ジュースをコップに注ぐと差し出した。正邪はそれを奪うと口に含んで飲み込んでいく。
「ぷはぁ!死ぬかと思った!!」
そう言う割には笑っていた。無言で空になったコップをしばらく見つめていた。正邪は特製桃ジュースが気に入ったのかコップから視線を逸らしたら今度は天子を睨んで「もっとよこせ!」と脅しているようだった。睨まれている天子は全く怖いとは思わない……寧ろ微笑ましいと思えるがグッと堪えて、何気ない顔で再びコップに注いでやると今度は味わうように飲み進める。飲んで食べ、飲んで食べ……山盛りの桃が今では半分以下の量になってしまっていた。そんな光景を見ている天子は温かい目をしていた。
正邪だってこんなに笑っている……嘲笑う笑みでもなく、ほくそ笑んでいる笑みでもない。正真正銘の純粋な笑顔だ。桃を頬張って喜んでいる姿は天邪鬼なんて関係ない素敵な笑みだ。正邪だって女の子、正邪の過去のことは私にはさっぱりわからない。そして今の正邪には針妙丸も傍にいない……今の正邪は一人ぼっち……一人ぼっちの苦しさは私もよくわかる。私だって比那名居天子に転生する前はそうだったから……そして私は今、ここで誓う!
例え幻想郷の皆が相手で、追手として現れても私は正邪を守る。そして正邪に教えてあげる……天邪鬼だって皆と笑い合えることができるってことを!天邪鬼だって
天子は正邪の笑顔を守ってみせると心に約束した。
「そういうことなんだ衣玖」
「いきなりそんなことを言われましても……」
うん……困惑するよね……ごめんなさい。でも衣玖にはこのことを知っておいてほしいの。私の顔が広いと言っても天界の全員を説得するのは難しいし、正邪のことを説明したら流石の天人でも「うん」とは言わない。私一人の力では限度がある、そこで衣玖にも手を貸してほしい!こんなこと衣玖にしか頼めないのだから!!
「すまない……衣玖に迷惑をかけることになると思う。けれど私はどうしても正邪を放って置けないんだ」
天子は衣玖に土下座する。天子の誠意だった。
「て、てんし様!?あ、あたまをお上げになってください!!」
流石に土下座された衣玖は動揺してしまう。衣玖でもあの鬼人正邪の行いを天子から聞いて首を縦に振るのは難しいと感じた。悪意100%で異変を起こし、幻想郷をひっくり返そうなど妖怪の賢者が飛んでくるような異変を実際に引き起こしたのだから。そして何よりもその黒幕である正邪を
「(天子様はお優し過ぎるのです……)」
天子は優しすぎた。危ないぐらいに……自分が傷ついてまで救い出そうとする始末……けれどそこが素敵なことだと衣玖は知っている。
「(だから私は天子様のことが……)」
だが、今は心を鬼にする。天子に味方をすれば天界中を巻き込んでの騒動に発展する可能性が高い。聞けば天邪鬼は大怪我を追っていたそうだ。そして今も異変が続き、地上はピリピリとした空気が漂っているのを衣玖は感じ取っている。異変の黒幕が正邪だと知った者達が天子と共に天界に居ると知れば……天界が戦場になってしまう。そうなってしまえば正邪に加担した天子が悪い事になり、他の天人から悪く言われる可能性だってある。天子の敵を天界に作らないようにするためには心を鬼にするしかないのだ。だから……
「……それでも今回の件……私は協力……できません!」
衣玖はハッキリと拒絶した。今まで衣玖は天子のお願いを聞いて来た。なんやかんや言いつつもこなしてきたが、今回は天子自身の身を守るためには協力することはできないのだ。
「……そうか……」
諦めたように顔を伏せる天子。
そうよね……衣玖も流石に協力はしてくれないか。衣玖だって私のことを思って断ってくれたに違いない。でも私は正邪を守るって決めちゃったの。確かに他の天人を巻き込みたくない……正邪を説得して紫さん達にもうこんなことは二度としないと言わせられたらいいけどそう簡単にいかないのが正邪だ。口先だけの約束をしそうで怖い……誰かが傍に居てやらないと正邪は今度こそ本当に誰かを殺してしまうかもしれない。それはさせたくない、皆に睨まれることになると思うけど、正邪の秘密を明かして少なくとも大人しくさせないといつもの平和な日常に戻れないと思う。今の正邪を放って置くともっと危険な異変を起こしそうだもの……だから誰かが傍に居てあげないと!
天子は正邪のことが心配だった。永遠亭で見てしまったあの瞳が忘れられない……
衣玖の協力を得られないとするなば……私ができる行動は一つ!
「……衣玖」
「は、はい……なんでしょう?」
「……衣玖……私に何かあれば父様と母様を頼む……」
「て、てんし……さま?」
天子は踵を返して部屋から出て行った……その顔は何かを覚悟した表情であった。
「……正邪、聞いてほしいことがある」
「むぐむぐ……な、なんだよ……」
私は一つのことを決意した。
「正邪……」
「私もレジスタンスに入れてくれないか?」
天子が言うレジスタンスとは一体なんなのか……?それは天子のみが知っている……
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一鼓『暴れ宮太鼓』!!!
無数の弾幕がこころに襲い掛かる。それを避けながら雷鼓に接近を試みる……
「甘いよおチビちゃん!」
二鼓『怨霊アヤノツヅミ』!!!
更なる弾幕がこころの進行の邪魔をする。
「――ぬっ!」
こころが退く……様々な方向から弾幕が襲い掛かり、身を翻しながらそれらを避けていく。
「中々やるじゃないか!次のこれはどうだい!?」
三鼓『午前零時のスリーストライク』!!!
今度は三つの太鼓が現れて、それぞれの太古から大量の弾幕が発射される。これもこころは身を翻して避けようとするが……
ジジジジジッ!
ギリギリのところでグレイズすることに成功したが危うく弾幕の餌食になるところであった。無表情のこころでも焦りと疲労が能面から伝わってくる。そんなこころを見て雷鼓は素直に感心した。
「ほぉ……おチビちゃんのくせにやるじゃない!見直したよ!」
「チビって言うな!私は小傘よりも宿敵よりも背が高い!」
こころが意外にも身長は気にしている様子だった。手に持った薙刀をブンブンと振り回しているのが実に子供っぽい。
「悪いね、こころだっけか?あんたの印象がどうも幼い印象が私の中では似合っていてね……ついついそう呼んじゃうのさ」
「ムムム!こっちの方が年上だぞー!」
「そうなんだけどね……そうなんだけど雰囲気って大事ってことがわかるわね」
「ム~キ~!!!」
「怒らないでよ、私達はここで負けるわけにはいかないのさ。私達は楽園を築くまでわね」
「そのために異変を起こして人に迷惑をかける……聖が言っていた。人に迷惑をかけることはいけないことだって」
「異変を起こした?何を言っているのさ?私達は異変なんか起こしていないわ」
「嘘をつくな、楽園を築くと言って異変を起こし道具達を暴走される悪者め!この秦こころが成敗するぞー!」
「(勘違いされているわね……やはり降して誤解を解くしかなさそうね)そうかい……ならこのまま押し通らせてもらうわ!」
「あっちは苦戦しているね♪」
こいしはこころと雷鼓が戦っているのを眺めていた。
「どっちが勝つと思う琵琶のお姉さん?」
「私はやっぱり雷鼓姐さんに勝ってほしい……ってこんなことしていていいの?」
弁々は今の状況に疑問を感じていた。何故なら弁々の膝元にはこいしが寝転がっていたからだ。いわゆる膝枕をされていた。
「いいのいいの♪それに琵琶のお姉さんをやっつけてやろうと思ったけれど、こころが勝ったら琵琶のお姉さん達は勝手に投降してくれるっぽいから別にいっかって思って♪」
「そ、そう……雷鼓姐さんが負けたら私達じゃ勝てないのは当然だし……でも私達は敵なのにいいの?膝枕していて言うのもあれだけど……?」
「戦った後は友達だもん♪それに膝枕されているとお姉ちゃんを思い出す」
「お姉ちゃん?あなたにお姉さんがいるの?」
姉がいると聞いて興味を持った。同じ姉としてどういう人物なのか気になった。
「いるよ。いつも書斎でう~んう~んって唸って書類と睨めっこしているの!よく薬を服用したり、徹夜で書類をまとめていたこともあったなぁ……あっ!寝ているときによくうなされている姿をよく見るよ」
「あ、あなたのお姉さん大丈夫なの?」
「う~ん……大丈夫じゃないんじゃない?たまにストレスが爆発して壁を殴っているを見かけるし」
「(苦労人なのね……)」
こいしの他人事のように平然と言ってのける。苦笑いしてこいしの姉に同情する弁々だった。
「それでお姉さんのことは好き?」
自分自身も姉だが、八橋とは先の異変で付喪神になっただけで、血の繋がりはない。しかし今は八橋の姉として生きている。妹がどう自分を見てくれているのか同じ妹であるこいしに聞いてみた。
「うん!大好きだよ!私達は覚妖怪だけど心が読めるからって理由で気持ち悪がられていたんだけど、いつもお姉ちゃんが守ってくれたんだ!」
「……そう……」
笑顔のこいしの頭を撫でる。覚妖怪というものがよくわかっていないが、今までこの姉妹は苦労してきたんだと思うと自然と愛着が湧いた。
「くすぐったいよ~」
「ごめんさない、でもなんだかこうしたくなっちゃったの。迷惑だった?」
「ううん、もっと撫でて♪」
こいしは撫でられて身を任せていると傍に近づいてくる二人……小傘と八橋の姿があった。
「弁々姉さん何を仲良くなっているのさ!」
「八橋……なんだか愛着が湧いちゃって」
「こいしは楽でいいねぇ……」
「小傘っちどうしたの?ボロボロだよ?」
「わちきはさっきまで戦ってたの!何とか勝てたけど……終わってみたらこいしと弁々さんが仲良くしていたし…わちきは何のために戦ったのさ……」
肩を落としてため息をつく。
「勝ったんだ凄いね小傘っち!後はこころが何とかしてくれるだろうからこっちで鑑賞しよ」
「呑気だね……わちきはもう体力も残ってないから休めるならいいけど……」
「お琴のお姉さんも一緒に鑑賞しよ」
「……まぁいっか。後は雷鼓姐が何とかしてくれるしね」
こいし達はこころと雷鼓の勝敗を見守ることにした。
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小弾『小人の道』!!!
無数の弾幕が逆さ城内を駆け巡る。綺麗な色とりどりの弾幕が人々の心を動かすのには十分な魅力を持っている。
ルールの無い世界では弾幕はナンセンスである。弾幕ごっこに求められるもの……
●妖怪が異変を起こし易くする。
●人間が異変を解決し易くする。
●完全な実力主義を否定する。
●美しさと思念に勝る物は無し。
弾幕は美しさ、誰でも異変を起こすことができ、人間が解決し、絶対的な実力を否定して平等に争うことができるものである。今までもこれからも通されるルールである。しかしこの場にはそれ以上のものを求める小さな小人がいる……
負けない!負けたら無駄になっちゃう……ここで私が負けちゃったら……私達のような弱い者達が見捨てられてしまう……それは絶対に嫌だ!!
少名針妙丸はあがいていた……
小槌『大きくなあれ』!!!
目の前にいる人間……たかが人間されど人間……博麗の巫女である博麗霊夢と対峙する。そして霊夢と針妙丸の戦いを静かに見守る二人の人間……霧雨魔理沙と十六夜咲夜は異変の終幕を見守っている。
針妙丸の弾幕が霊夢を襲う……だが……!
ひょい!
「――!?」
霊夢は針妙丸の弾幕をすいすいと避けていく。次々とスペルカードルールが破られていく針妙丸……
妖剣『輝針剣』!!!
小槌『お前が大きくなあれ』!!!
無数の針状のナイフが霊夢を襲ったり、小槌の力を使い霊夢自身を巨大化させて弾幕に当てようとも試みたが……それでも霊夢は被弾することはない。難なく針妙丸に反撃を繰り返す。
くっ!?このままじゃ……負けちゃう!!
針妙丸は揺れ動く……心が動揺する。自分が出せるスペルを使って何度も挑むが霊夢には届かない。諦めるという選択肢が脳内に表示される。けれど針妙丸はその選択肢を決して選ぶことなどしない……
正邪と約束したんだ!弱者が見捨てられない幻想郷に変えてみせるって!悪者の八雲紫に尽くして弱い者いじめをする博麗の巫女なんかに負けるわけにはいかないの!!
霊夢のお祓い棒が針妙丸を打倒さんと迫りくるが、それを針剣で受け止める。
「観念しなさい、あんた程度じゃあがくだけ無駄よ」
「貴方達には弱者の気持ちがわからない。だから下克上するの!」
「弱いって判ってるんなら大人しくしてないとね。それが幻想郷の理よ!大体弱者がどうやって私に勝つつもりなのかしら?」
「やはり強者と弱者は相容れない……か」
だけど……だけど!
「だが私の手には夢幻の力がある。それが秘宝【打ち出の小槌】!」
「打ち出の……小槌だって!やっぱりその手にあるのが……!」
冷たい視線であった霊夢に初めて動揺が走る。その一瞬を針妙丸はチャンスと捉える。
――今だ!
動揺が走った霊夢に弾幕を飛ばす……しかし霊夢は辛うじてそれを避けることに成功する。
これも避けられた!?もう少しで当てられたのに!!
針妙丸は歯がゆい思いをしていた。不意をついた一撃を避けられてスペルカードも残り少ない……このままいけば確実に負けるのは必然だ。
でも……私には叶えたい願いがあるんだ!!
「あわてふためくがいい!私には逃げ惑う強者の姿が見える」
私には願いを叶えてあげたい相手がいる。だから私は……!
「さぁ、
その小さな勇者は誰よりも大きく見えていた。