「いやぁ、お客様なんてほんとに久しぶりだよ。」
場所はツカサの家、テーブルにツカサと三笠が座っており、2人と対面するように綾波と高雄が座っている。そこへエンタープライズが上機嫌で料理を持ってきた。
「ツカサはここに友達を連れてくることがないからな。来てくれて嬉しいよ。」
「余計なこと言うなよ。」
(ぼっちなんだ。)
(なぜユニオンのエンタープライズがここに?)
目の前のやりとりを見てこんなことを考えている綾波と高雄をよそにエンタープライズは料理を並べていく。
「うちで採れた野菜を使った麻婆茄子だ。好きなだけ食べてくれ。」
「ナス・・・。」
ツカサはナスという言葉に心底嫌そうな顔をすると、エンタープライズが目を逸らしている隙に箸を取ってナスだけを綾波の皿に放り込む。
「ちょ、ナスだけいれないでほしいです。」
「お前ナス好きだろ?俺のナス分けてやるよ。」
「ツカサ、好き嫌いは良くないぞ?」
「嫌ってない。コイツがナスが好きだって言うからあげてるんだ。」
三笠がたしなめるが、ツカサはやめない。分かっているとは思うが、綾波がナスが好きというのはツカサのでっち上げであり、皿がナスばっかりになってしまった綾波は迷惑な顔をしている。
「あなた、ほんとに悪魔みたいな人です。」
「なんだよ?その悪魔ってのは?」
「ある人に言われたです。近いうちに悪魔が現れ、この世界のすべてのKAN-SENを滅ぼすって。」
(十中八九静海の仕業だな。さっきの山風たちといい、どこかで俺のこと監視してやがるな。)
忌々しい裏切り者の顔を想像して、頭を抱えるツカサ。
「君はその言葉を間に受けたのか?誰とも知れない人物の言葉を。」
「綾波だって、最初は信じられなかったです。でも、あの人はアンノーンの出現や奴らに綾波たちの攻撃が通じないことも予言してたのです。だから、悪魔のことも信用できると思って。」
「ツカサ、その様子を見るに綾波に接触した人物を知ってるみたいだな。」
「三笠の言うとおりさ。綾波、お前はあいつに騙されて都合のいい駒にされてんだよ。俺がお前らに何かしたか?」
「確かに。ツカサ殿は拙者たちを助けてくれた。それにアンノーンの闇のゲームとやらも阻止してくれた。」
「でも、あの力は強力すぎです。戦ったから分かるです。あなたの力は悪魔の力、あんなのがもし重桜に向けられたら。」
「違う!」
「ユ、ユニコーン?」
「お兄ちゃんは悪魔なんかじゃない!だって、ユニコーンのこと、助けてくれたもん!守ってくれたもん!」
「あ、えっと・・・。」
「ユニコーン、あっち行きましょう。」
プリンツがユニコーンを連れて部屋から出て行った。
「綾波、俺の事をどう言おうがお前の勝手だ。だが、あの子の前で悪魔とか2度というな。」
「・・・・・。」
「ま、闇のゲームは阻止したし、この国で俺がやるべきことも終わった。明日にはいなくなるよ。」
「何?ツカサ殿、この国を去るのか?」
「あぁ。お前らが気にすることなんてなにもない。」
そう言ってツカサは少し冷めた麻婆を口に運んだ。
その夜、重桜母港の沖、聳え立つ大桜の麓に老人―静海元帥は立っていた。
「ふん。闇のゲームを阻止しただと?バカめ、そう簡単には終わらせんぞ。」
そう言い終えた瞬間、ディメンションゲートが出現し、黄金の制服を纏った淡い水色の髪の少女が現れた。少女は手に青いバラを1本持っている。
「原理は不明だが、重桜の連中はこの大桜によって海上での加護を受けている。つまりコイツが枯れてしまえば、加護もなくなるというわけだ。海風、やれ!」
海風はベルトに装着してあったカブトムシのような機械の角をレバーのように押し倒す。
『Maximum Rider Power』
続いてブレスレットに装着されたコーカサスカブトのような機械のボタンを押す。
「ハイパー、キック・・・。」
『Rider Kick』
昼間、山風が使用したライダーキックよりも遥かに強力なエネルギーの込められたキックが大桜の幹に直撃した。大桜から桜の花びらが次々と散り、木そのものが朽ちていく。
「これでいい。これでこの国は滅びる。ツカサ諸共な!」
そう言い残し、2人はゲートの中へ消えていった。
元帥は大変な物を盗んでいきました。あなたのハイパーゼクターです。
艦娘ライダー海風
仮面ライダーコーカサスの力を得た艦娘ライダー。静海元帥傘下の艦娘。仲間に対しては献身的で優しいが、敵に対しては驚くほど冷酷。倒した敵の死体に青バラを置いていくというよく分からん美学を持っている。
ハイパークロックアップによる神速と圧倒的な攻撃力から静海元帥の精鋭部隊七天の1人に入っており、朝潮たちからは「ゴッドスピーダー」の二つ名が付けられている。