起床して外に出たツカサは、顔をしかめた。そこには昨日とまったく同じ重桜の景色が広がっていた。
「どういうことだ?まだ終わってないのか?」
「ツカサ、我とともに母港へ向かってくれないか?何か嫌な予感がする。」
「分かった。」
ツカサと三笠はマシンディケイダーに跨り、母港に向けて走り出した。
母港では警報が鳴り響き、人や艦船たちが慌しく走り回っている。
「これは一体?あ、おい!お前!」
「ん?あ、隊長殿!」
ツカサが声をかけたのは、先日門番をしていた憲兵だ。
「何が起こったんだ?」
「母港の沖にアンノーンの大群が出現したんです。しかも、大桜が枯れてしまって、艦船たちは力を発揮できなくなってしまっているんです。」
「大桜が枯れただって!?」
「三笠、どういうことなんだ?」
「我ら重桜の艦船は、重桜の領海内では特殊な加護で守られている。その大元となっているのが大桜だ。あれがある限り、重桜の艦船たちが沈むことはありえない。だが、それが枯れてしまったということは。」
「まずいな。相手は加護が合っても、轟沈寸前まで追い込む連中だ。加護なしで戦えば、確実に死者が出るぞ。」
「隊長、我々はどうすれば?」
「非戦闘員を連れて安全なところに避難しろ。三笠、行くぞ。」
「戦える者は海に出ろ!奴らに重桜を攻めたことを後悔させてやれ!」
「加賀殿!いくらなんでも無茶だ!大桜の加護がなければ、みなまともに戦えぬのだぞ!」
「そんなことは分かっている!だが、どうしろというのだ!?このまま重桜が滅ぼされるのを指を咥えて見てろというのか!?」
「そ、それは・・・。」
「おい!お前ら!」
「貴様、あの時の!」
「ツカサ殿、どうなっている?闇のゲームは阻止したのではないのか?」
「そのはずだ。ゲームを尊重するグロンギ型がなりふり構わずこんなことするとは思えない。誰か、裏で糸を引いてるやつがいる。」
「何をこそこそ話している!この非常事態に!」
「赤城と長門はどこだ?」
「赤城殿は長門様と陸奥様の避難を護衛している。」
「加賀さん!長門様と陸奥様の避難が完了したと、報告がきたです。」
「ご苦労綾波。よし、アンノーンを迎え撃つ!勇気あるものは私につづ「どけ。」うわっ!貴様!なんの真似だ!」
「お前らじゃ奴らは倒せない。無駄死にするだけだ。俺がやる、1人でやる。」
「寝言は寝てほざけ!艦船でもない貴様に何ができる!?」
「確かに俺は艦船じゃない。でも、艦娘ではある!」
バックルを装着し、吹雪のカードを構える。」
「変身!」
『KANMUSURIDE FUBUKI』
ツカサの姿がマゼンタのセーラー服に緑の瞳の少女に変わる。
「貴様、その姿は?」
「三笠、こいつらを安全な場所に連れて行け。まともに戦えない奴がいても邪魔になるだけだからな。」
「・・・・分かった。」
「ツカサ殿、拙者も共に行こう。」
「必要ない。来るな。」
「しかし、敵は大群だ。とても1人では・・・。」
「来るなって言ってるだろ。足手まといなんだよ。」
「な!?」
吹雪はマシンディケイダーに跨ると、アクセル全開で海に飛び出した。その様子を見ていた綾波は1人、誰にも悟られぬようその場を後にした。
海上、枯れてしまった大桜を横に目にしながら疾走していた吹雪はマシンディケイダーを停止させた。前方からは無数の深海棲艦が迫ってきている。重巡、戦艦、空母、さらにはゲゲルの資格を持たない駆逐、軽巡までいる。吹雪はライドブッカーから睦月のカードを取り出す。
「睦月、ケンカ別れみたいになっちまったな・・・。いつか再会できたら、謝らないとな。そのためにも、今は力を貸してくれ!変身!」
『KANMUSURIDE MUTUKI』
吹雪の姿が赤いセーラー服の少女、艦娘ライダー睦月に変わる。バイクから降りると、睦月はグロンギ型深海棲艦の群れに向かって走り出した。
次回、原作ディケイドが使用してないライダーカードが出ます。
艦娘ライダー睦月
仮面ライダークウガの力を得た艦娘ライダー。睦月の姿のまま服が赤く染まった姿は、「マイティフォーム」「マイティ睦月」と呼ばれ、格闘戦に特化している初期形態。
他の艦娘ライダーと違ってフォームチェンジで服の色だけでなく顔つきまで変わるかなり異質な存在。吹雪を除けば、艦娘ライダー最強ともいわれている。