艦娘ライダー吹雪 蒼き世界の破壊者   作:波音四季

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第1章はこれでおしまい。第2章は起承転結の承転結はできてるのですが、導入で詰まってるので、1~2週間ほどお待ちを。


第6話 旅の始まり

家に着いた一行は、かなり疲弊していた。とくにユニコーンは何度も襲われたことで精神的に参っていたため、早々にプリンツが部屋に連れて行った。街からはもう悲鳴も咆哮も聞こえず、すべて終わったらしい。

 

「ツカサ、あいつらが何か知ってるんじゃないか?」

 

三笠がツカサに問いかける。

 

「・・・・あぁ、知ってる。」

 

「なら教えてくれないか?一体何なんだ?」

 

「・・・・少し、整理させてくれないか?」

 

「む・・・。」

 

「三笠、彼も疲れている。休ませた方がいい。」

 

「・・・分かった。だが、後で必ず話してくれ。」

 

「そうする。」

 

ツカサはエンタープライズに感謝しつつ、自室に戻った。

 

「はぁ~・・・。」

 

机の上にバックルとライドブッカーを放り出すと、ベッドに横になった。

 

(どうなってんだよ一体。この世界にいるはずのない深海棲艦、吹雪のドライバー、ディメンションゲート・・・訳が分からない。」

 

『司令官。』

 

「!・・・朝潮?」

 

その瞬間、ツカサの部屋が消失し、灰色の空間に変わった。対面には黒髪の少女、朝潮がいる。

 

「朝潮!」

 

「やっと思い出してくれましたか。」

 

「あぁ、すまない。ずっと忘れていた。」

 

「いいんです。今のあなたにとって、私たちの世界は前世。忘れていて当然です。」

 

「悪かった・・・他の皆はどうだ?元気にしてるか?」

 

「えぇ、色々問題もありますが、元気にやってます。」

 

「そうか・・・。睦月は、どうだ?生きてるのか?」

 

その質問に朝潮は答えず、悲しげな顔で首を横に振った。

 

「あぁ・・・やっぱり、いなくなったんだな・・・。」

 

「はい。司令官と睦月さんの最期の戦いの場所には、何もありませんでした。」

 

「くそっ。・・・・朝潮、教えてくれ、何故深海棲艦はここにいる?奴らディメンションゲートを通ってきたぞ?」

 

「・・・それが、ゲートの技術が奴らに奪われたんです。」

 

「何故だ!?あれは俺と静海元帥が厳重に管理していたはずだ!」

 

「その静海元帥が裏切ったんです!」

 

「なっ!?」

 

「司令官が死んだあと、あの人は勝ち目がなくなったと言って、ゲートの技術を深海棲艦に流したんです。国の存続と引き換えに。」

 

「あの野郎!信じた俺がバカだった!」

 

「奴らは5年かけてゲートを解析し、この世界を見つけ出しました。転移する前に私たちもなんとかこちらに来ようと試みましたが、上手くいきませんでした。かろうじて私がこの空間を介しての干渉、陽炎さんがそちらのミラーワールドに入ることが出来るだけです。」

 

「5年?なるほど、この世界とそっちじゃ、時間の速度も違うみたいだな。」

 

「えぇ、しかし驚きました。この世界を調べているときにあなたの反応を見つけたときは。」

 

「俺は別人さ。記憶はあっても、そっちの俺とは違う存在だ。」

 

「例えどんな姿をしていても、あなたは私たちの司令官です。私と陽炎さんでなんとかあなたを見つけ出した時は、手遅れの直前でした。もっと早く伝えられていれば・・・。」

 

「過ぎたことを悔やんでもしょうがない。これからどうする?」

 

「私たちがこちらで深海棲艦の侵攻を食い止めます。しかし、それでもかなりの数がそちらに侵攻してしまうでしょう。司令官、あなたにはこの世界を巡って深海棲艦を倒してほしいのです。」

 

「世界を巡るって、どうやってだよ?」

 

「ディメンションゲートの技術を使って、あなたの家を特異点にします。そうすることで深海棲艦の反応が強くなった場所にあなたを家ごと転移させられます。」

 

「そんなことが出来るようになったのか。明石と夕張の技術の進歩は凄まじいな。」

 

「ただ、これを行ってしまうと、あなたと一緒にいるKAN-SENの方々も一緒に行くことになります。」

 

「それについてはこっちで何とかする。お前は転移の準備を頼む。」

 

「はい。それからもう1つ、静海元帥に一部の艦娘ライダーの力が奪われました。」

 

「お前、サラっととんでもないこと言ったな?」

 

「申し訳ありません。元帥の裏切りが発覚する前だったので、油断してました。奪われた力は元帥傘下の艦娘たちがすでに手にしてます。それにここしばらく元帥の消息が途絶えています。注意してください。」

 

「分かった。お前らも気をつけろよ?」

 

「はい。司令官、こちらの世界は任せました。」

 

「あぁ、すべてを破壊し、すべてを守護る。それが俺の、彼女の使命だからな。」

 

そう言った直後、ツカサは自分の部屋に戻っていた。

 

「皆に話さないと。」

 

 

 

「なるほど、そういうことだったのか。」

 

「艦娘、深海棲艦、別の世界の存在。それが攻め込んでくるとはな。」

 

「連中に対抗できるのは艦娘だけだ。この世界でその力を持ってるのは、俺だけ。つまり奴らと戦えるのも俺だけということだ。」

 

「ツカサよ、そのかんむすとやらの力、我らが使うことはできないのか?」

 

「無理だ。こいつを使えるのは、本来の持ち主である吹雪と適合に成功した俺だけ。」

 

「しかしツカサ、いくら戦えるとはいえ、君は一般人だ。」

 

「関係ない。俺が一般人だろうが、何者だろうが、俺は戦わなければならない。すべてを破壊し、すべてを守護る。それが吹雪と交わした約束だから。」

 

「ツカサ・・・。」

 

「それで、ツカサはこの話を私たちにしてどうするつもりなの?」

 

「俺はこれから戦いに出る。お前たちはここを離れて内地へ行け。そうすれば、奴らに殺されることはない。」

 

「イヤよ。」

 

「断る。」

 

「私も反対だ。」

 

「おい、お前ら。」

 

「我らの攻撃が奴らに通用しないのは百も承知。だが、だからと言って関係ない所で平穏な暮らしをするつもりはない。」

 

「そうだ。私たちにだってできることはある。なくても、ツカサの傍にいてやることぐらいはできる。」

 

「ここまで来たら一蓮托生よ。最後まで着いていくわよ?」

 

「はぁ、全くお前らは・・・。ユニコーン、いるんだろ?おいで。」

 

ドアが開き、ユーちゃんを抱えたユニコーンがトテトテと歩いてきた。

 

「お兄ちゃん、ユニコーンのこと、置いてくの?」

 

「本当は連れて行きたくない。ここから先はお前にとってもツライ戦いが始まるだろうから。でも、お前を1人にする方がもっとツライ。一緒に行こう。皆でな。」

 

「うん!」

 

「それでツカサ、その転移とやらはどうやってやるのだ?」

 

「分からん。朝潮が何とかしてくれるはずだが、とりあえず今日は寝よう。考えるのは明日からだ。」

 

 

 

翌日

「Zzz」

 

「ツカサ!起きろ!」

 

「んぅ?エンタープライズか、なんだよこんな朝早く?」

 

「いいから外に来てくれ!」

 

ツカサが外に出ると、目を何度も擦った。それくらいに目の前の光景が信じられなかったのだ。

 

「ここは・・・。」

 

目の前には昨日の廃墟となった街は存在せず、たくさんの桜に囲まれた和風建築の建物が並んだ母港が見えた。

 

「ツカサ、ここは。」

 

「あぁ、間違いない。重桜だ。」

 




重桜編に続く

艦娘ライダー図鑑
艦娘ライダー朝潮
キバの力を得た艦娘ライダー。ファンガイア型深海棲艦3体を従えており、キャッスルドランの主でもある。リーダーシップの高さから他の艦娘ライダー達のまとめ役も買っている。必殺技はダークネスムーンブレイク。

艦娘ライダー陽炎
龍騎の力を得た艦娘ライダー。変身状態ならば、ミラーワールドと通常世界を自由に往来できる。ミラーワールドから攻撃してくるミラー型深海棲艦に唯一対処できる。必殺技はドラゴンライダーキック。
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