この物語、ロイヤル編、鉄血編までは大方構想できてるんだけど、ユニオン編が難しくてね。もしかしたらユニオンの前にワン、ツークッション挟むかも。
重桜の母港は和風建築が多い一方で、階段もとても多い。どこへ行くにも石や木でできた階段を上ったり下がったりしなくちゃいけない。健康にはいいかもしれないが、普段から運動は必要最小限に抑えてるツカサにとってはいい迷惑だ。
「くそっ、ほんといい迷惑だぜ。」
長い階段を上りきると、海が見える茶屋があった。辺りを見渡すが、数名の少女がお茶をしているだけで道がない。
「行き止まりかよ。構造が分かんねぇ。」
さっきの憲兵に地図を貰っておけば良かったと後悔しつつ、ポケットを探る。財布を取り出し中をのぞくと、小銭は重桜の硬貨に変わっている。ツカサは気が利く別世界の仲間に感謝しつつ、茶屋に入った。
「うん。この羊羹うまいな。お茶のお供にぴったりだ。」
ユニコーンたちへのお土産にしようか、と考えていると。
「ちょっと、そこのあなた。」
向こう側でお茶していた黒髪に犬耳の少女が話しかけてきた。
「見かけない顔ね?新しく来た人?」
「あぁ、今日来たんだ。角谷ツカサ、覚えなくていい。」
「私は時雨、幸運の駆逐艦よ。覚えておくといいわ。あ、ちょっと!あんたたちも挨拶しなさい!」
「わぅ?なんだ?メシか!?」
「違うわよ。新しく来た人なんですって。」
「角谷ツカサだ、覚えなくていいぞ。」
「夕立だ!」
「雪風様なのだ。」
「綾波、です。」
「新入りってことは、ここは初めてなのよね?この時雨様が案内してあげるわよ?」
「いや、いらん。1人旅の方が気楽でいい。」
「なんですって!?私と一緒じゃ気が休まらないって言うの!?」
「そういうとこなのだぞ、時雨。」
「なぁなぁ、お前ケンカ強いか?」
「お前って言うな、ツカサって言え。ケンカは、まぁ強い方だぞ?」
「じゃやろう!今すぐやろう!」
「引っ張んな!あとやらねぇよ!大人はむやみやたらにケンカなんかしないんだよ!」
「え~、夕立つまんないぞ~!」
「ったく、ゆっくりお茶もできやしねぇ。そろそろ行くよ。じゃあな。」
「あの。」
「うん?綾波、だっけか?なんか用か?」
「・・・いえ、別に。」
「ん?ま、いいや。じゃあな。」
「綾波?何か気になることでもあったの?」
「はい。ちょっと、気になって。」
「もしかして、一目惚れとか?」
「何!?綾波!アイツに惚れたのか!?」
「わぅ?何言ってんだ?」
「そういうのじゃないです。ただ、なんていうか、違和感っていうか、異物感を感じて。」
「異物感?」
「あるべき場所でないのに、居る。そんな感じがしたです。」
再び探索を始めたツカサは道場のような建物の傍まで来ていた。庭では黒髪に白い服の女性が木刀を振るっている。
「ちょっといいか?」
「ん?拙者に何か用か?」
「道に迷ってな。地図があれば貰いたいんだが。」
「少し待っててくれ。探してくる。」
女性は数分もしないうちに戻ってきた。
「ほら、地図だ。」
「サンキュー、えっと・・・。」
「高雄だ。KAN-SENの高雄。そなたは?」
「角谷ツカサ。今日来たばかりだ。」
「新人だったのか?以前はどこに?」
「民間人上がりだからここが初めてだ。」
「民間人・・・にしては・・・角谷殿、ひとつ拙者と手合わせしては貰えぬだろうか?」
「ツカサでいい。手合わせって、おっと。」
言い終わらぬうちに高雄が別の木刀を投げ渡す。高雄は持っていた木刀を正眼に構える。ツカサは地図を仕舞うと、刀身を撫でてから顔の横で構える。
(この男、やはり只者ではない。)
(めんどくさいけど、やるか。)
「参る!」
先に動いたのは高雄、振り下ろした木刀はツカサの木刀で受け止められる。ツカサは高雄を押し返し、横に薙ぎ払いつつ距離を取る。
「ハァ!」
「っ!」
再びツカサに木刀が振り下ろされるが、今度は木刀を振り上げて弾き返す。さらに返す太刀で袈裟懸けに切り下す。高雄は身体を仰け反らせて辛うじて回避する。
「やるなぁ!民間人上がりとは思えんくらいだ!」
「そりゃどうも。もういいか?」
「あぁ、時間を取らせてすまなかった。」
去っていくツカサの背を見ながら高雄は考えていた。
(KAN-SENの一撃を受け止めたり、弾き返したり、一体彼は何者?)
「どこだここ?」
とりあえず海を目指していたはずなのだが、いつの間にか桜に囲まれた広めの東屋のような建物が橋でつながれた場所に来ていた。構造が複雑すぎて地図を見てもほとんど理解できなかったのだ。
「幻想的だな。」
そう言いつつカメラのシャッターを切るが、出てきた写真はいつもの如く歪に写っている。
「レンズ越しに切り取った景色はいつも歪む。俺に撮られることを望む景色はこの世界にないのか。」
「そこにおるのは誰だ?」
不意に幼い子供のような声が聞こえてきた。歩を進めると、一際大きな桜の木の下の東屋に黒髪に狐耳の少女が座っている。
「誰だ?」
「質問しておるのは余だ。その方から先に名乗れ。」
「・・・角谷ツカサ、今日来たばかりだ。」
「ふむ、新入りか。見学の途中で迷ったといったところか?余は長門、重桜の長門である。」
「アンタが長門?噂には聞いていたが、思っていたより・・・。」
「幼い、か?」
「あぁ。最初はもっと厳つい頼りがいのありそうな女性かと思ってた。」
「物をはっきりという奴だな。まぁ確かに、最近の執務は赤城に任せっぱなしだからな。威厳がないと言われても仕方ないが。」
「仕事を他人に任せて、アンタは何してんだ?」
「余と妹の陸奥は重桜の象徴たる存在、おいそれと人前に出られんのだ。」
「それでこんな所で引きこもってんのか?いい場所だが、長くいると飽きるだろう?」
「四六時中ここにいるわけではない。ところでツカサとやらよ。1つ質問してもよいか?」
「俺に答えられることなら何でもどうぞ。」
「お主から妙な違和感を感じる。まるでこの世の者ではない奇妙な感覚だ。」
「ふん、バカな。俺は生まれた時からこの世界の人間だ。」
「そうだろうな。では、この違和感の正体はなんだ?いるべき場所を違えたかのような感覚、それにお主からは別の存在の気配も感じる。」
「・・・・・。」
「お主は、何者だ?」
「・・・俺は、」
その時、母港中に警報が鳴り響いた。
「なんだ?」
「えぇい、また奴らか。」
「奴ら?アンノーンか?」
「あぁ、これで4度目だ。奴らに我らの攻撃が通らぬ故、手をこまねいておるのだ。」
「なるほどな。」
「待て、どこへ行く気だ?」
「長門、さっきの質問だが、俺は通りすがりのカメラマンだ。それ以上でも以下でもない。そして、俺は俺にできることをしにいく。」
そう言い残し、ツカサは長門の許を去った。
「自分にできることか。やはりお主は只者ではなさそうだな。では、見せてもらおうか。お主のできることとやらを。」
なげぇよ。自分で書いててもそう思う。
特殊深海棲艦
通常の深海棲艦とは異なり、特殊な能力を有している深海棲艦群のことを指す。大きく分けて9つに分類されており、そこからさらに細かく分類される。
・グロンギ型
・ロード型
・ミラー型
・オルフェノク型
・アンデット型
・魔化魍型
・ワーム型
・イマジン型
・ファンガイア型