見渡す限りの荒れ果てた草原、黒く淀んだ空。
・・・やっと着いたようだ。地図も確かに指している。
そして何より体が少し軽い。
どうやらここがジャパリパークのようだ。
長い間船を漕いでいたせいか、だいぶ疲れが溜まっている。
今頃俺を見送った奴はどうしてるだろうか、そう考える余裕もないほどに。
出来ればこのまま眠ってしまいたかった。
そして目が醒めたらゆっくり観光でもしたかった。
そんな思いを打ち消してしまうほどの深刻な状況に、俺は足を踏み入れてしまった。
そんな思いに耽る暇もなく、まずはなにをしようか。
実のところ、あんまり深く考えていなかった。
なんせ、
「三十分で、五万!」
「ありがとナス!」
で来てしまい、その後のことを深く考えていなかった。
いや別に何も考えていないわけではなかったが・・・。
まあどうにかなるだろう。
まずはこの付近を歩き回ってみるとするか。
どうやら持っている地図とは色々変わっているようだ。
まあこれは開園していたときのものなので当然ではあるが。
見渡してみるといろいろ見つけることが出来る。
今自分がいる遥か向こうにある火山。
あれこそがジャパリパークの生命の源であるサンドスターを吹き出す山だ。
昔は学校でもあの火山のことは教えられていたが、閉鎖され廃墟と化した今はもう過去の遺物扱いだ。
俺は最終的にあそこへ行かなければならない。
そしてそれからしばらく離れたところに見えるのは遊園地だろうか?
確かかつて「パークセントラル」と呼ばれていたエリアだろうか。
しかし持っている写真とは違う、正に「廃墟」と言ってもいい。
おそらくあそこにも直に行かなければいけない。
しかし、行くのは火山の後になりそうだ。
となると、来て間もない今行ったほうが安全だろうか。
行ってみるか。
・・・しばらく歩くと遊園地が見えてきた。
近くの看板に目を向けると「パークセントラル」と書いてある。
やっぱりここがかつてパークの中心だった場所か。
かつてはここにあったカラオケボックスに行きたかったフレンズなどもいたらしいが・・・
それほどに賑わっていたのだろう。
しかしそれは昔の話。
かろうじて残っている、そんな感じがするほど錆びている。
今後ここで何か起きたら壊れてしまう。
そんな不安を胸に、しばらく歩き回ってみることにした。
やはり人影、いやフレンズ影は一切ない。
俺の存在に気づいて出迎えてくれてもいいのにとも思ったが、そんなのは承知の上だ。
むしろ、
まわりから音が全くしないことから察するに、まだ気づかれてはいないようだ。
来て正解だった。
ブラブラ歩き回っていると、
「お化け屋敷か?」
そう口走ってしまうほど、おどろおどろしい外観のコンビニを見つけた。
無論営業はしてないが。
ちょっと入ってみるか・・・。
何があったのかは知らないが商品が並んでいる。
別に衣食住には困っていないのだが、一応見てみるか。
・・・消費期限が10年前。
するとパークが閉園する少し前か?
まあいいか。
他には・・・本物のお化け屋敷があるな。行ってみるか。
・・・まさかコンビニじゃないだろうな?
・・・よかったお化け屋敷だった。
なんとなく誰かいそうだな。
ちょっと叫んでみるか。
「誰かー!」
虚しく響き渡るだけ。
誰もいないな・・・
なんかいたような気が・・・
もしかして鳥のフレンズとかで、もう飛び去ってしまったとか、
そんな感じだったらいいんだけどな・・・
誰もいないな。
と思ったが、何やら後ろに気配が・・・
・・・もう追われていたのか。