何の為に剣を振るうか 作:虹眼の代替竜
他作品キャラ台詞のみ微登場
デュエルの決着がついたのでソリッドビジョンが消えていく。
「いやぁ、負けました。完敗です」
「……ああ。
丸藤先輩は釈然としない様子で言葉を続けた。
「単純にデチューンしたわけではない。以前は使っていなかった相性の良いカードも入っていた。『発展させつつ出力を抑えた』と言ったところか」
「ご明察」
ただギミックを劣化させれば、手を抜いていると思われる。だったら、ギミックそのものを入れ替えればいい。
本筋から枝分かれした細いルートを選び、そこを精一杯辿ればそれは『本気』だ。
「だがそれは『本気』であっても『全力』ではない。そしてそれは『禁じ手』が存在するサイバー流にも言えること。ゆえにその事に関して俺は文句を言うことができない。なんとも君らしい理論武装だ」
「……今日は疲れたので、もう休みます」
「ああ。疲れてる中、誘ってくれてありがとう。
……そして俺の自己満足に付き合わせてすまない」
僕は話の途中からデュエルフィールドの出入り口に向かっていたので、最後の言葉を丸藤先輩がどんな顔で発したのかは分からなかった。
自室へ戻り、ドアの鍵をかける。
「……疲れた。久しぶりに長めのデュエルだったな」
平均的な同年代とのデュエルでは、ナグルファーが出たあたりでほとんとの人が戦意喪失する。
「満足したかい?
僕がそう言うと、周囲に黄緑・紫・金色の光る粒子が現れ、それぞれが人型に集まっていく。
《ええ、フィールドと墓地の反復横跳びがなければ尚良かったですわね》
《すまぬ……、わらわの守備力が足りぬばかりに主様の負けに……》
《お二方、主君はお疲れになっておられる。そのような心労を与える言動は
粒子の発光と凝縮が止むと、そこには《光の
「マルデルはごめんね。ヘルは気にしないで。フローディは気遣ってくれてありがとう。他の子たちは?」
《
少し不機嫌だけど、他の王たちの様子を伝えてくれるマルデル。
「あー、現状で短時間で可能なことならなんでもするから機嫌直してよ、マルデル」
僕がそう提案すると、マルデルは『待ってました!』と言わんばかりに満面の笑みに早変わりした。どうやら不機嫌な様子はポーズだったらしい。
《それではご主人様。わたくし、膝枕というのをしてみたいですわ。もちろん寝転がる役はご主人様の方でしてよ?》
いそいそとベッドの枕側に座り、実体化してから自らの太ももをポンポンと叩いてこちらを急かす。
《なッ!? マルデル!
「出てきてからずっと謝罪し続けるあなたが相手では、ご主人様も気が休まらないと思っての配慮ですわ」
《ぐっ、その通りなので言い返せぬ……》
「というわけでご主人様。どうぞこちらへ♪」
僕は促されるまま、マルデルの太ももに頭を乗せて仰向けに寝転んだ。
花のようないい匂いがして、若干強張っていた身体の力がゆるゆると抜けていく。その心地よさに、
「夕食のお時間には起こして差し上げますわ。今はどうか、お休みになってくださいませ」
先ほどまでと違い、穏やかな声色でマルデルは囁く。
《しばし休まれよ、主様。因果ある者との決闘は消耗しやすい。心も、
《警備はお任せを。主君の安寧を妨げる者は何人たりとも近づけさせません》
うん、おやすみ。
声に出す前に途切れた僕の言葉に、3つの返事が聞こえた気がした。
同時刻、イエロー寮内。
「えーと、霧遊くんのお部屋は……あれ? どこなの?」
「おかしい。キリューの部屋に辿り着けない」
「ここ男子寮やねんから、はよう見つけんと騒ぎになるで?」
「カイザー先輩の証言だから、少なくともアカデミア内にはいるはずよ」
「もしかしたら、まだ寮に帰ってないのかもしれないよ?」
「丸藤のやつもデュエルフィールドで別れたらしいからねー。今日はとりあえず退却しましょ」
6人の女子生徒が侵入していたが、幸か不幸か寮生には気づかれることはなかった。
夕飯の時間の10分前、マルデルに揺り動かされて目を覚ました。
その後、軽く身支度を整えてから寮内の食堂へ出向いた。
イエロー寮の在校生には『見ない顔だな』と首を傾げられたが、食事前に寮長の
ラーイエローはオベリスクブルーほどではないが選民思想に染まっている者もいると聞いていたが、少なくとも表立って敵意や悪意を向けてくる人はいなかった。
夕飯のカレーは、本格的でとても美味しかった。
さーて、6人ほど正体不明ガールズが少しだけ登場しましたが、本格参戦はもう何話か先の予定