何れ死ぬであろう私が鬼滅の世界を生き抜いた話。   作:蔓桔梗

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評価ありがとうございます…!
そして11/3に『惡鬼滅殺』一部修正しました。
年数を間違っていただけなので読まなくても支障はないです。


何れ死ぬ私が同士に出会った話:壱

 

 

「うむ、炎柱、煉獄杏寿郎だ!」

 

相変わらず、暑苦しい人だ。褒め言葉だよ?

 

槇寿郎さんが何時絶望して柱をやめたのか知らないのでワンチャンしのぶさんと一緒に柱にいた時期があったのではと思ったがそんなことなかった。

もうすでにお代わりになっていた。

 

 

炎柱 煉獄杏寿郎。

 

この人、戦隊なら熱血ヒーロー主人公ポジション。熱き正義がうんたらかんたら。

正直言って、初見で見たとき主人公とポジション一緒じゃね?と思った。即斬首案を聞いてそんなことはなかったと思ったが。

 

 

 

でも、この人一番最初に死ぬのである。

 

 

 

第一印象と同じく、熱血漢で正義漢。責任感がとても強いが後腐れはしないというさっぱり風味。

懐も深いためみんなの兄貴っていう感じの人だ。容姿の遺伝とか、語気とか主張が激しいけど…。

 

濃ゆいかまぼこ隊を俺の継子にしてやろうって懐と面倒見が良すぎませんか…?

 

 

 

だがしかし、柱の中で一番最初に死ぬ人物である。

 

 

 

お前…お前…!普通、最後まで生きるだろ…!最後まで生き抜いて主人公を支えろよと思ってしまうが、主人公たちを守って死んでしまうのである。

四天王最弱もとい、柱の中で最弱である私を差し置いて。

私が先にやられるのがテンプレだと思うんですけど?ホント、何でだよ。

この世は地獄です…。

 

 

◇◆◇

 

 

「む。胡蝶、そんな量では倒れるぞ。俺のを分けてやろう」

「いえ、これが私の通常の量ですのでお気になさらず」

 

煉獄さんと食事を一緒にする機会があったので行ったら食の細さを心配された。

貴方と比べたらどんな人でもそんなものですよ。

 

近いうちに貴方より食欲旺盛な人(どこかの捌倍娘)と出会いますけど。

 

 

 

話がずれた。

この人、戦闘能力がどっかの鍛錬魔が褒め立てたように高い上に指揮能力もズバ抜けて高いのである。

クセの強すぎる柱たちの中でこの指揮能力も兼ね備えている人はすっごい希少。

 

考えても見てみなよ。

生活に支障が出るレベルのコミュ障な冨岡さん、足手まといは要らない派の不死川さん、他人に一切興味がない時透くん。

 

あれ?1/3くらい指揮能力なさそう…。

 

不死川さんは知性があるからやらなきゃいけないならやりそうだけど、蜜璃ちゃんがね。

炭次郎タイプもとい、感覚派だからね…

 

 

うん、惜しい。

どこかの上弦の参のように惜しい。

 

あの人がいるだけで無限城の決戦とかだいぶ楽になると思うんだ。

確かご子息が指揮を執っていたはずだけど、現場でも指揮出来る人もいた方が良いと思うし。

 

 

無限列車編で死んでしまった原因は守る対象が多すぎたのと上弦の参が襲来してきたからなんだよね。

もう一人、守れる人がいればきっと死なずに撤退に追い込めたはず…

 

 

その『もう一人』に私という選択肢はない。

私には守るという戦いが出来ない。攻撃力もないし、戦い方そのものが向いていない。

あの場で出来るのは治療だけでむしろ守る対象を増やすことになる。

 

あそこに自然に来れて尚且つ、守るということも出来る人。

 

やはり…蜜璃ちゃんだな。

あの子は煉獄さんの元継子だったし、列車には美味いと12回連呼するほど美味しいお弁当がある。

 

時期が来たら蜜璃ちゃんに煉獄さんが呼んでいたとウソをつこう。

 

 

ーーー列車の怪事件を調べるのだけど、そこには美味しい弁当も売っていると聞いたから一緒にどうだーーーと。

 

 

もし、ウソが発覚しても師弟の時間をサプライズで作ったと言えばいい。

納得はしなくても結果オーライだからそこで有耶無耶にしてしまえばいい。

 

本当は言えたらいいんだけどね。

小娘の戯言を聞く人はいないだろう。聞いても頭がおかしくなったと思われ、医者に連れていかれる。

そうなってはいけないのだ。

 

とてつもなくずるいという自覚がある。

彼の誇り高き正義の精神に反するかもしれない。

だが今、私がドロップアウトするわけにはいかないのだ。

 

 


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