最近とある手芸用品店でコンパクト式のミラー(装飾可能)を見つけて、ホクマーさんが頭に浮かんだヒラミルです。
完成したら見せると思います。
目覚め 絶海の孤島で
──青。
……俺が目覚めて最初に見た景色。
前は確か……
Lobotomy corporationって会社で管理人として働いて……
色んな残酷な事があった……思い出したくもない……
そして働き初めて50日後に……光が……光の木が……
それで……一緒に働いていた奴らは……只の機械で……
あの後……確か……
──ん
そこまで考えたところで、遠くから声が聞こえた。
何となく、聞いたことがあるような……
一体……誰の声だ……?
──にん──
「管理人!」
……“黒子”。
そこに居たのは、そう形容すべき人物だった。
「へ?」
「何をしているんですか? 管理人」その声はまだうら若い女性のものだった。
「俺の管理人生活は終わったはずじゃ……」
しかしその女性(かどうかは分からないが)は首を振った。
「あれ? まだ聞いてなかったんですか?」彼女はメモを見て失念したように言った。
そして遥か向こうを指差すと、
「管理人はあのマンションの管理人になるんですよ!」
その方向に視線を向けると、コンクリート造りの四角い建物があった。
「ほら、付いてきて下さい!」そう言って、俺の腕を掴んで黒子は走り出した。
長い間、こんなに体を動かせることは無かったといった調子だった。
彼女の後頭部の茶色いボブヘアーが揺れていた。
「うわぁ……」
俺が遠目で見るより、このマンションはかなり汚れていた。
日陰は苔がびっしり、俺が白塗りだと思っていた外壁は水垢のようなものだった。その下は灰色になっているのが確認出来た。
汚れているのは部屋の中も例外ではなく、ゴミとかびまみれだった。思わず俺は反射的にドアを閉めてしまった。
幸いにも、マンション自体の耐久性に支障が無さそうなのが唯一の救いか。
「ま……まあ私も、ここに来たばかりですし……ここまでとは思っていなかったです」視線を感じたのか、黒子は誤魔化すように言った。顔の向きが定まっていない。
「……と……とりあえず掃除すべきですよね!」
しかし、ここにはそんな機材など無い。
という事で何か掃除用具がないか探していると、
「……お」
管理人室のロッカー、そのうちの一つに箒があった。どうやら掃除用具入れにしていたようだ。
「やりましたね管理人!」後ろから覗いて来た黒子も俺と同じ感想を持ったようだ。
ザッ……ザッ……
箒の音が誰も話さない静寂の中に響く。
「……終わりそうにないな……」
「そうですね、管理人……」何時間も掃き掃除をしているにもかかわらず、黒子は一向に汗をかく気配がない。
「仕方ない、掃除ロボットでも買うか……」
考えてみたら意外とマッチした組み合わせ。