私立運命学園!   作:萩村和恋

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第一話というか前日譚、開始です!


前日譚〜それは月村という者の話〜

 …少年には家族はいない、いや、正確に言うと()()

??)…そうだ、俺の家族はもういない。いたはずなのに…逝ってしまった……。……名乗りおくれた、俺の名前は月村悠雪。獣と死の二重魔術師だ。今から送る物語は、次回から始める物語の前日譚のようなものだ。語りはこの俺が…では始めようか。

 ー眩しい太陽の光で目を覚ます。寝起きに頭を無理やりシャキッとさせてから、明日から学校が始まることを思い出した。

 悠雪)去年入学したから…もう二年生か。

 ここで俺の境遇でも話そう。

 住居は緑宮市にある和風の建築、『英母(えいほ)荘』の一室に住んでいる。

 御歳17である俺は、私立運命学園に通っている。

 立派なマスターや英霊を育てる為、学園長が数年前に建てたらしい。

 『英母荘』には俺以外にも何人か住んでおり、管理人のブーディカが俺を孤児院から連れ出してくれ、10歳からここに住んでいる。

 エレナ・ブラヴァツキーとエリザベート・バートリーという女性と少女の二人と同居している。エリとは孤児院の頃…三歳の頃からの仲であり、エレナとはこっちに来てからの仲だ。二人とも可憐な為毎日理性の危険が危ない。そのうち手を出すかもしれない…。

 悠雪)…そうだ、エレナとエリどこに行ったんだ…?

 可愛らしい二人だ、普段なら出掛けてる時は俺が着いていっている。荷物持ちなども必要だろうし。

 悠雪)とりあえず着替えるか……どうすっかはその後その後。

 布団から出てタンスの方に行く、タンスからジーンズ、白の半シャツに黒の革ジャンを取り出して着替え、顔を洗いに行く。

 鏡に映る自分を見る、長い金髪にアホ毛、顔立ちは整っているが目は狐のよう、瞳の色は血のような赤。メガネを掛けているが伊達眼鏡である。

 自分で言うのもなんだがイケメンの部類に入るだろう。

 

 今日の予定!

②9:00〜15:00くろひーと出かける

③15:30~18:00エリとエレナを愛でる

 後は三人で飯食って風呂入って川の字で寝る……そんな感じだ。

 

 …とりあえず朝食を取ろう、確かカップラーメンがあったはずだ……。

 悠雪)ん…?なんだコレ…っとメモ書きか?

 飯を取りに台所へ向かうと、黒くて何かわからないもの(ダークマター)と、エリによるメモ書きが置いてあった。

 悠雪)えー何何…

 『私とエレナは二人で出掛けてくるわね!帰りは16:00くらいになるからヨロシク☆ご飯は私が作ったものだから!後で感想…聞かせなさいよねっ!絶対なんだから!Byエリザベート』

 悠雪)このダークマター……食べ物なのか…?しかしエリが作ったんだ、食べるか。

 リビングの机に持っていき、スプーンを使ってダークマターを口にする。………意外と食べれるものだった、シャクシャクとした食感が楽しいし、味も辛いようなしょっぱいような感じが最高だ。

 

 くろひー、本名はエドワード・ティーチらしい。

 そんな彼は普段はバリバリに働き、休日になるとオタクとして勤しむ……そう!メリハリのある最高にカッコイイのだ!

 …俺は仕事の時のくろひーを見たことは無いが、同僚の人から話によると凄いらしい、何の仕事をしているんだアイツ。

 アイツの部屋は俺の部屋の右にある、『エドワード』と書かれた表札がかけられたドアをノックする。

 そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ので、()は待つことにした。

 中から音がし、玄関が開く。

 ティーチ)普段ならノックしたら入ってる…の…に…………よよよよよよ幼女!?なんでこんな所に幼女がいるんでござるかー!?

 ???)ヤッホーティーチお兄ちゃん♪、この前見たいって言ってたんでしょう?悠雪()に。

 ティーチ)ティーチ…お兄ちゃん…だと!?……あー、そういやハルユキにそんなこと言いましたなぁ…。幼女の姿になれんならそっちにしろって。……つまり…サチコたん?

 祥子)せいか〜い、そういう事よそういう事。

 私はニヤっとした笑顔で彼に笑いかける。

 

 月村祥子、見た目は中学生くらいの大きさの金髪ツインテロリ、ピンクのクマのヌイグルミを片脇で抱えてるその子は月村悠雪のもう一つの姿だった。

 

 ティーチ)いやでもさ、今日はエッチィ同人誌とか買いに行くじゃん?ハルユキならまだしもサチコたんの容姿だとアウトじゃね?

 祥子)………へ?

 ティーチ)いやだから、今日はハルユキの方がいいんじゃねぇかなぁって黒ひげ的に思うわけよ。

 そうだ、今日はエッチィものを買いに行くのだ……。私ではなく悠雪に変わった方がいいかもしれない。

 祥子)ちょっとまってて!直ぐに戻ってくるぅ!

 ティーチ)ほいよー。

 

 

 あの後、直ぐに悠雪に戻ってからくろひーと街に出た。

 関東の某県に属される緑宮市は、都会でも田舎でもないごく普通の都市だ。そしてこの緑宮市には御滝(おたき)区という、オタクには嬉しい場所がある。『英母荘』は御滝区のすぐ隣の千秋(ちあき)区にある為、御滝区までおおよそ徒歩十分くらいだろう。

 春の麗らか日差しの中、俺は横を見た。

 日本人の中だったら、俺も身長は高い方だと思う。それでも外国出身の彼には勝てない、なんせくろひーは2m10cmの長身なんだから。

 悠雪)くろひーって身長高いよな……スゲェ羨ましい…。

 ティーチ)いやいや、流石にここまでデカくなると不便よ?家に入る時しゃがまなくちゃ行けないしー。ハルユキも小さくはないんだしいいんじゃね?

 悠雪)そう……かねぇ。

 と、二人で他愛もない話をしながら歩いていたら、目的の店に着いた。

 

 『オタクの道』という名前のこの店は、外見は一軒家のようなのだが、中は広く、沢山のグッズが売られている。当然その中にはR指定のある代物もあるが、そういうものはくろひーに買ってもらい、後でその分のお金と引き換えに代物を貰う、という手を取っている。

 ちなみにだが、ここにはガタイのいいオッサンの店長の鈴木さんと、可愛らしい女性で鈴木さんの娘さんであるゆーちゃんこと本名有美(ゆみ)ちゃんがいる。

 店番をしていたゆーちゃんが俺らの方に気づき、元気に挨拶をしてくる。

 有美)黒っちとハルちーいらっしゃ〜い!オタッス〜!

 くろひーと俺は挨拶を返した。

 ティーチ)ゆーたんオタッス〜!今日も見させて貰いますぞwww

 悠雪)オタッス〜、ゆーちゃん。店番お疲れ様。

 有美)二人ともゆっくり見てってね〜♪

 悠黒)うーっす。

 

 悠雪)こっ、コレは……!

 俺が手に取っていた本には、可愛らしい女の子とエッチィイラストが描かれていた。そしてその絵の女の子が…

 悠雪)エリに似ている…!買わねば…コレは買わねば!

 ティーチ)ハルユキ氏どうしたし、なんかいいもんでもあった?

 悠雪)コレだ!エリに似ている…!そしてエロい!

 ティーチ)いやマジ…?まだRモンみる?

 悠雪)ああ、あともう少しみる。選び終わったらいつも通り…いいか?

 ティーチ)あーそれね、多分バレてると思うし自分で買えば?

 悠雪)えーヤダよ…あんな可愛い子にエロ本見られるんだぞ!性癖バレるんだぞ!?

 ティーチ)ソレを拙者に擦り付けるのもどうかと思うよ!?良いから自分で買ってこい。

 俺はくろひーに肩を叩かれ、漢の決意(エロ本を買う決意)を決めた。

 手には先程のエロ本とロリモノ二冊、触手モノ一冊、ふ●な●モノの合同誌を手に取ってレジに向かった。

 

 有美)へー、ハルちーって、こーゆーのが好きなんだ?

 ゆーちゃんが悪戯っぽい笑みで話しかけてくる。

 悠雪)まあな、何円だ?

 有美)1890円だよ〜。……にしても…エリちー似の子が出てるエッチな本…コレ、エリちーにバレたらやばいんじゃないのん?

 悠雪)だよなぁ…保存場所は気をつけないとな。

 有美)バレたら嫌われるかもねー?ソ・レ・か…

 ゆーちゃんは俺の耳元で、こう囁いた。

 有美)罵られるかもね?ハルちーはそういうの好きでしょ?

 悠雪)バッ、バカッ!んなわけないだろ…!?

 俺はドギマギしながら狼狽える。きっと顔は赤くなってるだろう。

 有美)なーんだ…ハルちーにそういう趣味があったら…、私、してあげたのに♪

 悠雪)とても魅力的で死ねる程だが勘弁して欲しいな?俺にはエリがいるんでね!可愛い可愛い我が幼馴染がね!

 有美)いーいーじゃーんー!やろーよー!

 ゆーちゃんは俺の肩を揺さぶってくる、あーあーやめてくれ、脳みそがシェイクされる。グルグルされるー!

 悠雪)欲求不満かよこの野郎!他のやつにしろよ俺はヤラねぇ!

 なんなのこの子!凄い怖いんだけど!?メッチャ必死じゃん!

 有美)他のやつ!?ハルちー以外にこの身体は渡さないもん!

 悠雪)断わるぅぅぅうう!やだネ!俺はエリとエレナとキャッキャウフフするまで寝ないんだからネ!

 と、ギャーギャー騒いで居るとくろひーが来た。

 ティーチ)痴話喧嘩は外でやってくれませんかねェ?チッ………

 悠有)ちがわぁぁぁぁぁい!

 

 

 

 

 

 

 ティーチ)なあ、ハルユキィ…。お前今度女の子告白を無下にしたらぶち殺すからな?

 家までの帰り道、珍しく真面目な顔で俺に語りかけるくろひーに俺は怖気付いていた。

 悠雪)アッ、アレは告白だって気付かなくて…!今度からは気付くし無下にしない!

 ティーチ)…………本当か?その言葉信じるぞ?清姫に聞いて確認するからな?

 悠雪)ああ…本当だ!嘘など吐きますか!この目を信じてくれ!

 ティーチ)真っ赤な血のような目が見えますが?……信じるぞ。

 悠雪)ああ…。

 

 

 

 

 悠雪)ただいま。

 自宅に帰り、俺はエロ本をいつもの場所へと仕舞うべく、袋からエロ本を取り出した。その時だ、そう、エロ本を広げて眺めていた時なのだ。

 エリ)たっだいまー!………ってきゃあああ!

 エレナ)今帰ったわよ!……きゃああああああ!

 そう!この今の瞬間!俺はエロ本を眺めている変態にしか見えないのだ!

 悠雪)はぁぁぁぁぁいぃぃぃいい!?おまっ、コレは違う!いや違くないけど違うんだよぉぉおお!

 エリ)ヘンタイ!ヘンタイ!このヘンタイ!クズ!アンタなら絶対やると思ったわ!エロ本にかこつけて襲うつもりでしょ!?私達を!

 悠雪)ちっ、ちち違うし!?お前らみたいなが気になる興味なんて無いし!

 エレナ)わかってるわ、わかってる。

 悠雪)なら逃げようとしないで!俺が近づく度自分を守るように抱きながら後ず去らないでよ!

 どうしてこうなってしまったのだろうか………その日、高校二年生となる前日、俺、月村悠雪は同居人から『超助平獣魔術師(ドスケベケダモノキャスター)』の称号を貰ってその日を終えた。




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