日本外人部隊 作:揚物
日本 首相官邸
「それではグラ・バルカス帝国と対話は不可能と言うことか」
「そうでしょうな。 一時対話で戦争を回避したところで、技術が迫れば確実に戦争を仕掛けてくるでしょう」
「好戦派を徹底的に潰し、平和を遵守する考えを浸透させなければ、何度も戦う事になるかと」
「情報では、グラ・バルカス帝国の諜報員がロウリアの軍港やパーパルディアにも居るようです」
「我々の情報を知られては困る」
「軍事技術レベルと国家の位置については?」
「大よそWW2時代です。 長距離通信もモールスでした」
「SR-71偵察機による写真と整合しまして、西方の中規模の島にある国家かと思われます」
SR-71 超音速・高高度戦略偵察機
AFTAより提供されて、日本の沖縄基地でモスボール状態で保管されていた。
「当分は情報の精査で苦労しそうだな。 情報を与えないように対処すべきか」
「聞きだした結果ですが、《攻撃を受けている。》 としかまだ送られていないようです。 幸いロウリア国には他に諜報員は居ないようです」
「詳細を知られる前に諜報員ごと消すには民間人の被害が大き過ぎる。 軍港攻撃には護衛艦のみの砲撃でやるしかあるまい」
「一手間ですね。 ですが、覇権主義国家相手に技術的アドバンテージの情報を知られるわけにはいきません」
「やれやれ。 パーパルディア皇国相手には擬装兵器でも用意しなければならんな」
「ドイツから融通してもらった兵器や保管されていたモノを利用いたしましょう。 AFTAからも色々押し付けられていましたし」
「偵察衛星も安くはないのだが、GPS衛星とあわせて配備を急がなければな」
首相や防衛庁長官はため息を付きながらも、幹部の報告が進められていく。
「次は魔帝と呼ばれる件についてですが、どうやら核搭載型大陸間弾道弾を所有しているようです」
「伝承や得られた情報を分析中ですが、カルアミーク王国で決定的な石版が確認されました」
「軍拡は確実だな。 財務省の連中が胃潰瘍にならなければ良いが」
すでに日本政府は、第三文明圏全域の支配を試みるパーパルディア皇国との戦争の準備を進めていた。そしてまだ見ぬ敵である魔帝に向け、順調に軍備を拡張していった。
ロウリア王国首都 ジン・ハーク ハーク城
ビーズルに送っていた15万の兵力を失い、もはや継戦能力は失っていた。
それだけではなく、ビーズルからの大量の避難民によって王都は溢れ帰り、軍港も昨日空爆と砲撃を受け、海軍司令部は壊滅。陸・海・空と戦力は失われ、ハーク・ロウリア34世は無条件降伏した。
日本にとって食料及び資源国であるクワ・トイネとクイラさえ無事であるならば、ロウリア王国に対して悪感情は無く、無条件降伏を受け入れ戦費の回収と海に面する一部地域の租借だけで戦争は終了した。
しかしロウリア王国にとっては恐怖の存在であり、敵対的ではないものの諸侯は独自に行動を開始、一部はクワ・トイネに謝罪と国交開設の書状を届けられるなど変化がおき始めていた。
また、クワ・トイネからエジェイ近郊にある不毛のダイダル平原、その土地を日本外人部隊の駐屯地として利用の許可を得た。かなり広い為滑走路や大使館なども移設し、交流の本拠地と作り変えた。