日本外人部隊   作:揚物

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アルタラス王国の使者

  クワ・トイネ公国

 第一王女であり外交官であるルミエスはクワ・トイネにある日本大使館を訪れていた。

 外交官として日本を訪れ、その軍事力を知った事で、パーパルディア皇国からの圧力が増える中、最悪の事態を想定し技術を求めていた。

 

「私どもとしては 魔石の優先的輸出なども考えております」

 

「我が国は魔石を必要としておりません」

 

 日本にいま必要なのは、戦略的壁である。

 前世界において日本の役割が、米国にすぐに戦火が及ばないよう、防衛線として扱われたように、資源と食料が充足したいま、日本が欲しているのは第一防衛ラインと成りえる国家であった。

 クワ・トイネ、アルタラスに駐屯地を建設できるとなれば、西部の海峡をほぼ封鎖できる。それが目的であった。

 政府内において武器の販売が決定し、こちらの条件が決まっている以上、後は交渉次第となる。

 

「それでしたら……、食料や鉱石の輸出などを」

 

「それほど安価な技術ではありません。 軍事技術が非常に高価なのはあなたもご存知かと思いますが」

 

 クワ・トイネやクイラの二国も、食料と資源の非常時と言うことで、フリントロック式マスケット銃等の技術を開放する事による自衛力を与えたが、他国への輸出を禁止し、ロウリア国やガハラ神国等には一切輸出していない。厳しく流出する事さえ監視している。

 緊急的とはいえ、高価な技術を輸出した事で、対価として長い間食料や資源を無償で得られることになっている。アルタラス王国に対しても相応のものを要求しなくてはならない。

 

 繰り返す交渉の末、かなり厳しい条件の下

・東部に基地駐留用の無料租借地150年

・技術料の50年間の分割支払い

・ブラックボックス化による一切の解析を禁止

・捕虜の扱いは日本外人部隊を準拠する

・軍規は日本外人部隊を準拠する

・軍事教練を日本外人部隊が請け負う

等、

 アルタラス王国にとっては苦渋の選択であったが、迫り来るパーパルディア皇国の脅威から国を守るためであった。

 しかしルミエスは外交官としてかなり有能であり、日本政府として当初予定していなかった

・条件付軍事同盟の締結

 を取り付けた。

・国家の非常時においてのみ日本政府はアルタラス王国存続に協力を行う。

 というものだった。

 日本としては海峡を守る第一防衛ラインに新たな駐屯地を設営し、アルタラス王国を防衛線として使える最低限の兵力をおくことが出来る。

 クワ・トイネおよびクイラに対して、アルタラス王国へのフリントロック式マスケット銃及び、大型ガレオン船の輸出販売許可を出し、アルタラス島の東部に駐屯地の設営が急がれた。

 

 

 

佐世保基地

 

「確かに保管はされていますし、砲弾に在庫もありますが……。 あれはドイツとの国交150周年かつ技術交流で作られた一点物ですよ? 砲弾は作れますし整備は出来ますが、砲身の替えが効きませんし」

 

「構わん。 予算も下りてしまったしな」

 

「わかりました。 ですがFCSや自動装填装置が不可能なのは理解してくださいよ」

 

 対策を取られないよう主力兵器を隠蔽するため、一点物や国内に残っていた旧式兵器をかき集めていた。

 

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