日本外人部隊 作:揚物
「我がトーパ王国騎士団は現在、城塞都市トルメスにおいて、各種族の敵、魔物を制御できる魔王とその配下の魔王軍と戦っています。
ゴブリン等は我が国の騎士団で何とかなるのですが、魔王の魔力が伝承のとおりなら、我が騎士団に相当の被害をもたらします。魔王とレッドオーガ、ブルーオーガを倒すため、小隊規模で良いので軍隊を派遣していただけませんか?」
「魔帝の復活ではないのですね?」
すでに魔王や魔帝については情報部から得ていた。伝承が殆どであるため信憑性こそ薄いものの、危険な対象である事はかわりがない。
「確認しているのは魔王だけです」
「そうですか。 では早急に話を通しておきます」
後日、日本外人部隊から機甲師団のトーパ王国への派遣を決定した。
城塞都市トルメス
「おお、日本の方々、よくぞ来て下さった。私はトーパ王国魔王討伐隊隊長のアジズです。」
「日本外人部隊トーパ王国特別派遣部隊、隊長の柏木です。よろしくお願いします」
挨拶を交わし、一同は円卓に座り状況の確認を行い始める。
騎士団がなんとかトルメス城内に被害が及ばぬよう必死に戦っていたが、魔王の側近相手に手も足も出せず、ただひたすらに損害を出しながら耐え忍ぶ現状であった。
作戦会議が進む中、黒い物体が1体、窓から飛び込んで来た。
「魔王の側近、マラストラス!」
誰かが叫ぶ。
「ホホホ・・・人間の頭を討ち取るために、我が足を運ばねばならぬとはな・・・。永き時をへて、なかなか進化し」
「敵性生物確認、撃て」
躊躇などなく銃を構えていた外人部隊の兵士達は、89式5.56mm小銃を連射した。
「がっ!!!」
断末魔をあげる暇もなく、穴だらけになったマラストラスは崩れ落ちる。そして、警戒しながら近付いていくと、頭部に二発銃弾を撃ち込み確実な死を確認した。
状況を理解できず一時的に場の空気が凍りつくが、ようやく状況理解が追いついた討伐隊長が口を開いた。
「柏木隊長、マラストラスを滅していただき、助かった。礼を言う」
「いえ、相手が油断していた為です。 しかし私どもも即時発砲できず、まだまだ甘い限りです」
2日後―早朝
日本外人部隊トーパ王国特別派遣部隊は、ミナイサ地区へ城門から足を踏み入れるのだった。
大通りに陣取るレッドオーガの頭部に狙いを定められた対物狙撃銃 バレットM82が建物の上から見下ろすようにタイミングを計り、87式自走高射機関砲が大通りに突入すると同時に、レッドオーガの脳漿がばらまかれその場に倒れる。
「87AW狙いを外すな! うてーーーっ!!!」
87式自走高射機関砲の90口径35mm対空機関砲KDA二門が咆哮をあげる。
人間が触れれば蒸発するほどの威力のある35mm砲により、魔物の群れは圧倒的連射によって全て沈黙。物言わぬ肉塊となってその場に転がった。
別働隊の民間人救出部隊によって順調に人々は解放され、敵性生物は徐々に数を減らし、広場にいた魔獣は駆逐された。
トーパ王国騎士団は、その動きに呼応し、城門から出発、広場に向かってきている。
日本外人部隊は市民の避難誘導を開始し、民間人をつれ城門までの距離、約1.5kmを進んでいる。近いが遠い距離。誘導される市民は不安げに歩いている。
約500m進んだ所でトーパ王国騎士団と合流、共に城門に向かいはじめた時だった。
「グォォォォォ!!!」
雄叫びが聞こえる。
「ちくしょう!ブルーオーガだぁぁぁぁ!!」
騎士達の叫び声に民たちはパニックになった。
北方からブルーオーガがオーク40体を引きつれ、走ってくる。
「分隊前へ!」
日本外人部隊は横1列に並び、銃口を向ける。
「うてーーーっ!」
光の弾がオークたちに吸い込まれ、オークがいともあっさりと崩れ落ちる。オークのほとんどは倒れたが、光弾を受けながらも突進してくる魔物が1体。ブルーオーガだ。
「足を狙え!」
脚部に多数の銃弾を受け、さすがに動きが鈍くなった所へ榴弾が何発も投げ込まれ、爆発によって転倒してしまう。
城壁近くに陣取っていた狙撃部隊の対物狙撃銃バレットM82の銃弾を頭部に受け動かなくなった。
「敵性物体を排除、民間人の移動を優先、隊列を組みなおし移動を開始せよ」