日本外人部隊 作:揚物
日本 首相官邸
「フェン王国は問題が多い」
会議の第一声はそれから発せられた。
「意図して我々を戦争に巻き込もうとした。 国家としては間違いはないが、国交を持つ相手としては様々な考慮をせざる終えん」
「交流方法を考えねばなりませんな」
「今回の一件について、パーパルディア皇国に問い合わせもいるだろう」
それから数日後、パーパルディア第二外務局から送られてきた外交文書において、日本は正式に抗議を行い、それを理由にパーパルディア皇国は、懲罰部隊の出兵を許可したことが皇族や上級貴族達に伝わった。
フェン王国討伐軍によるニシノミヤコ 侵攻。
日本として意図せず20人ほどの民間人が捕らえられた。
平和主義団体、人間の盾や平和への活動として攻撃を防ごうと、渡航禁止命令を無視し、第三国を経由して入国した者達だった。
彼らは人権を高々に叫んだが、その様な事が通じるわけもなく、フェン王国民の捕虜と同等に扱われた。
渡航禁止命令を無視して第三国を経由し、戦争の可能性がある地域に乗り込んだ問題のある一団など、帰国されても困るのだが国家としては対応せざるおえない。
長い事戦乱を繰り返した前世界でもそういった個人や団体は多くの問題を起こし、その度国家が対応に苦慮しつつ無事帰国させていた。
そのような状態でも感謝される事なく、国の対応の不手際を大手を振って叫ぶ厄介者達であった。
捕らえられた事が判明した直後、国家として捕虜返還交渉を行うもまともな対応がなされず、日本に対する属国化の命令書が送られ、魔信による一団処刑の映像が流されただけだった。
この世界においても無事帰国出来るだろうと考えていた一団は処刑され、その亡骸が返還されることもなかった。多くの国民はその団体そのものを冷めた眼で見てはいた。
フェン王国への出兵は日本としてするつもりはなかった。
何しろ軍祭に関して、フェン王国側は意図してパーパルディア皇国が攻撃してくる可能性を隠し、こちらを戦線に巻き込もうとした中々やりての国家。
クワ・トイネやクイラのように友好的で、発展の為にお互い協力するのではなく、国交が開けているだけの状況で戦時利用を考えたのだ。
しかし今回の殺害の一件において、被害者が出た以上出兵する理由が出来てしまった。
フェン王国首都 アマノキ
剣王シハンは上機嫌だった。
「よし!!よし!!」
顔は満面の笑みである。
日本が対列強戦に参加することを決めた。
フェン王国単独ではおそらく国力の差からしてやられていたであろう。
皇国監査軍ワイバーンロード部隊を赤子の手を捻るかの如く倒した日本の魔船が今度は皇国本軍と戦うためにやってくる。
フェン王国は救われた。
剣王は日本へ全面的に協力するよう部下に下命した。
一方で剣王シハンは気付いていなかった。日本が国交について改めようとしていることを。