日本外人部隊 作:揚物
パーパルディア皇国 皇軍
将軍シウスの命を受け、皇国陸戦隊はニシノミヤコを出撃し、約100km南東にある首都アマノキに向けて侵攻していた
フェン王国 ニシノミヤコ沖合い約30km先海上。
パーパルディア皇国皇軍 海上竜母艦隊は隊列を組み、整然と並んでいた。
竜母はワイバーンロードの発着を行うため、他の戦列艦に比べ、2回り大きい。
他国とは隔絶した圧倒的な造船技術があるからこそ、この船は造る事が出来る。
だが、刻一刻と日本外人部隊 航空旅団に所属するF-15J改の編隊が放った空対艦ミサイルが迫っていた。
日本空軍による対艦ミサイルの波状攻撃は、数分と掛からずパーパルディア皇国海上竜母艦隊とその護衛の砲艦、計20隻を全艦撃沈するに至る。
竜騎士小隊長バルオスは眼下の惨状を見て、言葉が出なかった。突然竜母が連続して大爆発を起こした。
「前方に未確認物体!!真っ直ぐこちらへ飛んで来ます!!!」
一番目の良い部下が報告してくる。バルオスは目を細める。
「なんだ!?」
何か矢のような物が超高速で突進してくる。すれ違う気配。そして彼の後方の空に黒い花が咲く。
味方の精鋭ワイバーンロード竜騎士隊8機がズタズタに引き裂かれて落ちていく。
考える暇もなくそれは上空を通過し、『それ』が通過した後、音が遅れてやってくる。
「は……速すぎる!!!」
竜騎士団の何騎かは飛行物体を追おうと機首を未確認飛行物体に向けるが全く追いつけない。
「っ!!なんなんだ!!あいつは!」
F-15J改の発射した04式空対空誘導弾(AAM-5)は超高速でバルオスの乗騎するワイバーンロードを襲い、回避の暇は無く、彼とその部下は空対空ミサイルが着弾し、地上に落ちていった。
パーパルディア皇国皇軍陸戦隊
陸戦隊と陸将ドルボはニシノミヤコを出発し、フェン王国の首都アマノキに向け進軍していた。その数約3000名。
その進撃の中には、皇国の誇る陸戦の主力、地竜32頭と、偵察用ワイバーンロード12騎を含む。
ワイバーンロードは地竜にけん引された台車に乗り、地上を進んでいたため、F-15の攻撃から洩れていた。
現在陸戦隊は山岳を迂回中であり、ニシノミヤコの旗艦艦隊からの魔信不感地帯で一時休憩に入っている。
自らの進軍進路で、敵の隠れる可能性のある場所は事前にワイバーンロード3騎体制で索敵し、敵がいた場合、上空からの導力火炎弾でダメージを与え、歩兵のマスケット銃により殲滅する。
すでに3回、フェン王国の小隊を滅した。
「コウテ平野に出れば、この戦争は勝つ!!」
陸将ドルボは陸戦策士ヨウシに話しかける。
「はい……コウテ平野に出れば我が陸戦隊の本領が発揮出来ます。得意な布陣になった我が陸戦隊は組織されてから今まで、一度も負けた事はありません。
それに……今回は支援攻撃として砲艦20隻が加わります。
フェン王国程度……いや、もしかしたら日本が参戦してくるかもしれませんが」
フェン王国 コウテ平野
パーパルディア皇国陸戦隊の約3000名はコウテ平野に至り、布陣を整えていた。
この平原を抜けると首都アマノキに至る。
この場所では、フェン王国軍が死に物狂いになって突進してくる事が想定されていた。
陸将ドルボは南側を注視する。
南の海上には、支援攻撃のための砲艦20隻が見える。
列強戦列艦の雄姿を見る。
絶対の自信。
「フ……これでいかなる戦力が来ようとも、負けるはずがない!!」
一呼吸おいて、彼は命令を下す。
「よし、進軍するぞ!!」
上空にワイバーンロードが12騎天空に舞い上がり、進軍進路上の偵察を開始する。
横1列に並んだ地竜の先頭に、隊は進む。
「首都アマノキを落したら、そこの人間はやりたいようにするよう兵に伝えろ!!」
「ウォォォォ!!!」
兵たちは、様々な想像をし、士気も上がる。
「今回も……皇国が!」
突如としてはじけるような炸裂音が鳴り響く。
「何の音だ!!!」
音のする方向、上空。
偵察に向かっていたワイバーンロード12騎がバラバラに粉砕され、肉片が雨のように落ちてくる。
「な!!何だ!!!???」
ドルボは海を見る。
「!!!」
陸将ドルボの目に、見たことも無いような巨大な艦が1隻映る。
当初は自分の遠近感がおかしいのかとも思ったが、そうでは無いらしい。
その艦を望遠鏡で覗く。
巨大艦の上には太陽が輝く旗がはためく。
「日本の艦? だがなんだあれは!?」
常軌を逸しているほど巨大な筒、天高く掲げられ巨大な爆発煙があがる。
「まさか、魔導砲なのか!?」
その直後信じられないものが目に映る。降り注ぐ何かによって、味方の精強な戦列艦がなす術も無く連続して爆発する。
「そんな……そんな馬鹿な!!」
信じられない事に、一発ごとに味方の戦列艦数隻が爆発し、撃沈される。
「わ……我が方の魔導砲を遥かに凌駕している!!」
敵の砲撃で、自分たちを支援するはずの戦列艦は海の藻屑となった。