日本外人部隊   作:揚物

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出発から1ヶ月……

 森を切り開き魔物や魔獣と戦いながらであるため、1ヶ月かかっても大して進む事ができず、小さな広場を切り開いては輸送ヘリから補給物資を受け取り、簡易的な拠点を設営しては徐々に侵攻していく。

 いくらか第三文明圏外人部隊から怪我人は出ているが、それでも重傷者や死者は出ておらず、比較的順調に経験を積んでいた。

 

 2ヶ月が経とうとした時、輸送ヘリの高度から人類が住んでいると思われる場所が見つかり、部隊はそこに向け動き始めた。

 

  エスペラント王国 カルズ地区

 王国の数ある壁内地区の中でも、外縁部に位置するカルズ地区、同場所は魔物たちの闊歩する土地と接しているため、街の人口は少なく、田舎ではあるが余りある土地を利用して農業が行われていた。

 

 

 外壁に囲まれた都市、その様子をみて第三文明圏外人部隊 隊長イーネは12式のコックピットから周囲を見回す。

 

「これは、まさかトーパ王国が言っていた者達の生き残りだろうか? 各員攻撃を控えよ」

 

 外壁の上からは人の姿が見える。弓を構えているようだ。

 

「我々はトーパ王国より、遺物探索及び魔物討伐に来た! あなた達は何者だ!」

 

 ライオットシールドを念のため構えながら外壁に向って声を張り上げる。

 

「トーパ王国だと!?」

 

「まさか、世界の門はまだ機能しているのか!!」

 

 様子が慌しくなり、人が集まりだす。

 

「我々はその世界の門から来たのだ! 再び問うがあなた達は何者だ!」

 

「我々はエスペラント王国。 魔王征伐軍の末裔だ」

 

「まさか……本当に生き残りが居たのか」

 

 どちらにとっても驚愕の事実であった。

 エスペラント王国側にとっては、自分達が唯一の生き残りだと考え、その他の国は征伐軍は壊滅したと思っていたからだ。

 

 

 

 外壁を守る兵士達は急ぎ中央に伝えに向っていた。

 開かれた門を通り、その日は内側とはいえ外壁の近くで日本外人部隊及び第三文明圏外人部隊は夜を過した。

 夜を過すといっても、外壁を警備していた兵士達が集まり、外の世界の話をしたり、エスペラント王国の成り立ちを聞いたりと騒がしい夜となった。

 

 

翌日

 馬に乗り正装であり、腰にサーベルをもった男達が外人部隊に向ってきていた。

 

「責任者は前に出ろ!」

 

 余り好意的ではない声に嫌悪感を持ちつつも、第三外人部隊の総隊長 イーネが代表として前に出た。

 日本人は外見的に印象があまり良くないらしく、今回はイーネの服装は自衛隊と同じ服だが、国家の紋章や勲章を沢山着けている為見栄えが良いのもある。

 本来戦闘時につけるべきではないが、車内であるため例外とされている。

 

「お前らは魔物ではないのか!? 最近の王国への侵攻の真の目的はなんだ?! 答えろ!!!」

 

 剣を向けようとする騎士の意図を読み取り、一歩先に踏み込むと抜いた腕を掴んで馬上にかけ上がると、騎士の肩を掴み馬上から叩き落す。女性でありながら若くしてクワ・トイネ防衛騎士団 団長と成った実力は伊達ではない。

 イーネは腰に佩いている儀礼用の剣を抜いて騎士に向ける。

 

「突然何をする! 失礼ではないか!!」

 

「王国は人類最後の砦、他に国があるなどと、今さら信じられるか!

 神話においても、大規模な援軍を約束し、それでも援軍は来なかったとある! こいつらは魔物の送った刺客である可能性が高い!!」

 

 騎士ジャスティードはまくし立てる。

 

「我々はトーパ王国から来たと伝えたではないか!」

 

「では聞こう! お前は、グラメウス大陸の外から来たと言った! ならば神話に残っているはずだ!!

 何故お前たちは、我が先祖が苦戦している時に、援軍を約束したにも関わらず、送らなかったのだ!!!」

 

「伝承では探索隊を送ったが発見できず、壊滅したとなっている! 我々とて空から確認できなければ、ここを発見する事が出来なかった!!」

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