日本外人部隊 作:揚物
意識を取り戻したイーネは上半身を起こし、周囲を見回すと医者らしき人物がこちらに気づいた。
「気が付いたかね?」
「ここは……」
「言葉が通じるようだね。 ここは病院、君名前は覚えているかね?」
「私は……、イーネ・コルメス です」
「私は軍医のバルサス。 半日ほど寝ていたが、大した怪我がなくて何よりだよ。 聞きたいことは明日でいいでしょう」
用意されていた食事を取り、その日は再び眠りについた。
翌朝になり、新しく用意された食事を済ませ、検診を行いながら話す。
「ここはどこでしょうか。 また私の荷物などは」
「荷物については後日渡されるよ。 ここはエスペラント王国、世界で最も安全な地だよ」
「エスペラント王国ですか……、初めて聞きました」
医師のバルサスは首を傾げながら、診断書に情報を書き込んでいく。
「初めて? この国の外にあるのは荒れ地と魔物の闊歩する世界だけだろう。 君は一体どこから来たんだ? まさか大陸の外から来たとでも?」
「私は、グラメウス大陸ではなく、フィルアデス大陸から来ました」
医師バルサスは診断書を書いていた手を止め、驚きの表情を浮かべる。
「フィルアデス大陸!? あの伝説の地はまだ人の手にあるのか!?」
「人の手のも何も、私はロデニウス大陸東方の国家、クワ・トイネ公国の公爵家のものです」
「なんということだ……我々以外にも……」
なにやらトーパ王国より南方と情報が異なっているようだが、そのことをどう説明すべきかイーネも悩み始める。
悩んでいると看護婦の女性が鎧を着こんだ男たちと部屋に入ってきた。
騎士2人に対して兵士は6人。
「お前が空から落ちてきた者だな」
代表者と思われる男は混血エルフと思われる短い耳と赤みがかった茶髪で30代くらいだろう。
「そうです。 あなたは?」
「無礼だろう。 お前が先に名乗れ」
無礼なのはどちらだろうか、しかしこの程度で動じていては、団長であり総隊長としてよくはない。
「クワ・トイネ公国 防衛騎士団団長そして第三文明圏外人部隊 総隊長 イーネ・コルメス です」
「私はジャスティード・ワイヴリュー。 このノバールボ区を警備する騎士団であり憲兵署の署長である」
「クワ・トイネ公国だと? どこだそれは。 この世界にエスペラント王国以外存在などしない。 大方魔族が化けているのだろう!」
「私は人間です。 トーパ王国からグラメウス大陸の魔物の討伐及び魔帝の遺跡発掘を行いに来ました」
「トーパ王国は魔王に滅ぼされ、エスペラント王国以外世界に存在しない!」
「魔王でしたら、先日日本外人部隊によってトーパ王国で討伐されました。 その為グラメウス大陸に侵攻を」
騎士や兵士たちが驚いている中、ジャスティードという騎士は怒りの表情を浮かべている。
「でたらめを言うな! 伝説の4勇者達でさえ敗れ去ったのだ!! 世界中が魔王に滅ぼされているなど子供の頃から教えられていることだ!!!」
こちらを魔族とした前提として話をしているらしく、まったく聞く耳がない。魔物とでも言わないと、この騎士は納得しないだろう。
「世界中も何も、魔王は4勇者に封印され、最近復活したのです。 それまで世界中は発展し、フィルアデス大陸にも多数の国家が」
「いい加減なことを! どうせ貴様は魔王が送り込んできた手先か何かだろう!!」
「ですから、私は飛行機械の事故により、墜落しないために降下したのです」
ジャスティードという騎士が剣に手をかけようとしているのが目に入る。