日本外人部隊 作:揚物
第2鉱山区も同じく解放がスムーズに行われ、捕えられた漆黒の騎士は3人となった。
全員共通して操られていることから、情報が集まれば集まるほど、確実に魔物の軍団は外部の何者かによって、エスペラント王国の何かを狙って侵略を試みているとしか思えなかった。
「スパイについては、エスペラント王国も探しているようです」
「ミリシアル帝国の協力のもと、魔道器によって判別をかけていますが、まだ時間がかかるかと」
「操っている者を捕える事が出来ればいいのだが、さすがに危険性が高いか」
「待つのは悪手です。 ミリシアルの兵力が到着次第、攻勢に出るべきです」
「立地上、航空支援が難しいため、501も呼びましょう」
事は迅速に、そして戦力の逐次投入はしない。
数日後、輸送機によって機動対戦車中隊の501及び502が到着、戦力の拡充を行う。
準備が整い、偵察小隊を含め501・502中隊と共に侵攻を開始すると、一部の魔物がエスペラント王国へと向かい始めた。
これは確実に何かを隠す目的であることは明確であり、侵攻を停止するわけにはいかない。
待機していた601中隊と一部隊によって、西区城壁に防衛ラインが敷かれる。
城壁の上にいるエスペラント王国の兵士たちは、地面が見えなくなるほど大量の魔物に恐怖する。
「風向きよし。 散布開始」
ドラゴンブレスペッパー製催涙ガスが、ヘリによって大量に散布され、一面が真っ赤に染まる。
のたうち回る魔物の群れに対し、城壁から矢の雨が降り注ぐ。オークや漆黒の騎士を倒すのは不可能ではあるが、ゴブリン達は次々と倒され、数の暴力という優位性は徐々に失われていく。
オーク類は弩弓で打ち倒す必要はあるが、それでも安全性は確保できている。
特に獣タイプの魔獣は地獄の苦しみらしく、戦意を完全に失いエスペラント王国とは逆方向に逃げていった。
「ゴウルアスだ!」
誰かの叫びに視線を向けると、4足歩行の巨大な狼が7体も現れている。その7体には黒騎士も乗っており、どうやら一気に押しつぶすつもりようだ。
ただし、そのうち一体には黒騎士ではなく角のある者が乗っている。恐らく先頭指揮官と思われる。
「催涙弾投射!」
城壁から今度は嘔吐タイプの催涙弾が発射され、再度準備が整ったヘリによってドラゴンブレスペッパー催涙ガスの散布も行われる。
操られている鬼族が居なければ、簡単に終わらせることができるのだが、現状ではそうするわけにも行かない。
手間はかかるが、非致死性兵器によって動きを封じ、輪の破壊と危険生物の駆除を少しずつ進めるしかない。