日本外人部隊 作:揚物
日本国 防衛省
ミリシアルからアルファ3を、鹵獲した戦艦の先行解析と引き換えに5機入手。技術者やパイロット数人と共にクワ・トイネの外人部隊 ダイダル平原基地 において説明と分析が進められていた。
「つまり、調整すればその力を発揮するわけだな?」
「バイパス比が無茶苦茶なのです。それさえどうにかすれば、現行機の推力はどうにかなります
おそらく発掘した技術に頼りすぎ技術を理解できていないのでしょう」
「航空力学等を理解していないという事か?」
「構造は模倣出来るが、何故その形になったのかを理解していないという意味において、同じです」
「そのエンジンの技術レベルはどう思う?」
「材料が魔法により強化されるので、どの程度強化出来るのかにもよりますが、おそらく……少なくとも1970年代に先進国で開発されたジェットエンジンと同程度の技術は持っているものと推定されます。
発掘されたものが最新式とも限りませんので、古代文明は、さらに上の可能性も当然ありますが……」
「仕方あるまい。 今回は神聖ミリシアル帝国も戦力として、こちらから“丁寧に”頭を下げてそれとなく情報を流そう」
「では、5機は改造を施しバイパス比率を調整いたします。 最悪機体が耐えられず空中分解する可能性もありますが、そこはミリシアル側の技術者に任せましょう」
「それでは次の議題ですが、ムーからラ・カサミが到着し、造船所に入渠しております」
「直せそうか?」
「長門や榛名より旧式ですのでそれほど難しくはありませんが、技術面で苦労しているようです。 なにぶん要求の一つにある大口径主砲の搭載ですが、榛名のものを流用しようにも重量がかさみすぎて搭載できず、新造するにはFCSの兼ね合いもありますので。 ようやく日高見の建造が終わったのに、また忙しくなったと現場から泣き言が上がってきてます」
「そういわれてもな。 政府の決定を覆すわけにもいかんだろう。 申し訳ないが現場には頑張ってもらうしかない」
「それでは。 搭載武装についてですが、砲塔は時間がないため連装一基のみ前部に用意します。 後方の砲塔につきましては撤去しますが、代わりに93式近距離地対空誘導弾を改造し80発ほど搭載します。 グラ・バルカス帝国の空母一隻の搭載数が、およそ75機程度なので充分ですが、念のためCIWSに付きましても4基搭載します」
「対空は万全か。 問題は対艦だが」
「艦対艦誘導弾を搭載するわけにはいきませんので、必然的に魚雷となりました。 これは現在開発中です」
「我々としては旧軽巡洋艦のように対空・対潜特化にしたいものだが、そうもいかんか」
「対潜装備はイージス艦の標準装備を整えております。 全てデチューンを施しますが、グラ・バルカス帝国なら問題ないでしょう」
「次の問題ですが。 外人部隊には空中強襲特化連隊がありますが、ムーには恐らくありません。 またそれに適合した自動小銃が必要ですが今のところ確認できておりません」
「それについては、ラインメタル 日本支社から案が出ております」
ラインメタル社。日本では小規模な製造工場しかないものの、技術者などが日本支社出向中に転移したため、現在では防衛関連企業として仕事に従事していた。
「なにかね?」
「WWⅡ時代の ラインメタル FG42自動小銃 の詳細な図面や鋼材データがあるそうです。 自動小銃としてはそれなりのもののようです。 要請があれば少数を先行生産すると話がきております」
「本社のデータが残っていたとは、助かるな」
「他にも色々あるそうですが、そこは彼らの資産ですので、こちらから必要な物が出たら問い合わせるべきでしょう」
「時代としてもちょうど良いだろう。 急ぎ少数を生産するよう打診し、残りはムーにライセンス権を販売するとしよう」
「研究用に保管してあったIMI UZIについても、構造が極めて単純なため豊和に生産を開始させています。 これも同じく弾薬はムーに生産させるのがよいかと。 イスラエル大使館からは許可を得ています」
「UZIは構造が簡単すぎる。 我々の世界のAKにならぬよう、UZIは当面日本国内生産だけにしておこう」
「ムーに一部兵士の訓練も打診します。 もちろん費用は取りますが」
「弾薬の生産だけはムーに先行して依頼しよう。 彼らも単発式ながら銃弾は作っている」