日本外人部隊   作:揚物

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バルチスタ沖海戦 終

バルチスタ海域 北側 

神聖ミリシアル帝国 魔導連合艦隊 旗艦ロト

 艦橋は怒号が飛び交い、あわただしく報告が飛び交う。

 

「第6飛行隊、全滅、被撃墜機3」

 

「第8飛行隊より入電、敵の機数は150機を超える。

 現在地、艦隊南西方向約50km、間もなく目視範囲に入ります!!」

 

「直掩隊、向かいます!!」

 

 今まで1度も負けた事の無い神聖ミリシアル帝国海軍は、かつてない敵に焦りを感じ始めていた。

 敵は我が方の天の浮舟の位置が手に取るように解るらしく、攻撃隊はことごとく迎撃され、甚大な被害にあっている。

 戦争の技術において、初めて劣勢に立たされようとしている事を痛感する。

 

 

 10機のアルファ3プラス部隊の隊長は、最高高度で命令をずっと待っていた。

 日本との交流で改修されたアルファ3プラスは大幅に性能が向上し、最高速度720kmとなり最高高度も旋回性能も遥かに向上した。日本国の話ではあらゆる点でアンタレスを超えるらしい。

 ただ、改修には時間がかかり、パイロットの訓練を含めて今回の出撃には10機しか間に合わなかった。日本で航空戦訓練を行ったのは彼を含めて5人であり、その性能差を身を持って理解しているものは他には居ない。

 アンタレスの性能について他のパイロットや技術者が説明するも、聞き入れられることはなく、試作最新鋭機として今回の派遣に組み込まれたが、主力部隊には組み込まれなかった。

 何よりも誇り高き神聖ミリシアル帝国が、他国の技術によって性能が向上したアルファ3プラスをあまり快く思っておらず、艦隊指令にはこの状況においても最高高度での待機を命じられ何も出来なかった。

 

 

「アルファ3プラス部隊にも直掩に当たらせろ!」

 

「対空戦闘用意!!」

 

 各艦の対空魔光砲にエネルギ―が充填され始める。

 

「エネルギー充填完了!属性振り分け完了!」

 

「自動呪文詠唱開始!!」

 

 超高速で、呪文が自動的に詠唱される。その声はあまりにも速く、人が聞くと不快以外の何物でもない。

 

「対空魔光砲、発射準備完了!」

 

「攻撃待て!」

 

 数の不利こそあれど、全てにおいて勝り、同等以下の戦闘機としか戦った事がないグラ・バルカス帝国の航空機部隊は酷く混乱していた。

 アルファ3プラスのパイロットは技量に勝る教官相手に訓練を行い、教官機はアンタレスを上回る性能を持っていた。

 すべてにおいて劣る相手である以上、混乱する事で数の利点を使わなければ相手ではない。

 連携は乱れ、各個でアルファ3プラスを追おうとするが、初めて見る者には危険な航空機動と速度でアンタレスは突き放され、背後や側面からの機銃弾によって次々と撃墜される。

 

「あれが、新型のアルファ3プラス……か」

 

 上空を見上げていると、他空母から発艦した友軍が数を増し、高空の敵を駆逐しつつあった。

 

「今回の攻撃は凌げたが、敵艦隊を早く見つけなければ」

 

 急降下爆撃は耐え切った。しかし魚雷に関しての知識について、神聖ミリシアル帝国にはない。日本が情報提供をしようとしたのだが、断わったのでその知識はない。

 繰り返される嵐のようなグラ・バルカス帝国の猛攻、波状的にやってくる航空機の雷撃は「猛烈」そのものであり、最強を誇るはずの神聖ミリシアル帝国魔導艦隊の被害は拡大し続けていた。

 雷撃に対して対応できる手段がアルファ3プラスのみであり、敵航空機の圧倒的数によって6機まで減っていた。

 複数回にもわたる猛攻の後、空からの敵は去って行った。

 

 

 〇 戦艦  轟沈1 小破3

 〇 空母  轟沈2 中破3

 〇 小型艦 轟沈5

 〇 重巡洋艦 操艦不能1 後自沈

 〇 巡洋艦 大破2

 

 

 

 

 

  バルチスタ北方海域

 神聖ミリシアル帝国 古代兵器 空中戦艦パル・キマイラ

 

 空中を200kmを超える速度で飛行する円形260mの古代兵器 パル・キマイラ。

 迫りくるグラ・バルカス帝国の航空機を物ともせず、光のシャワーのように撃ち出される対空砲火によって集るハエでも撃ち落すかのように片付けていく。

 皇帝の命を受け、グラ・バルカス帝国の艦隊を壊滅させるため、古の兵器は海上を進んでいく。

 

「敵、中型艦轟沈……次のターゲットに移ります」

 

 無機質な報告が艦内に流れる。

 艦橋に設置された大型ディスプレイにはこちらの攻撃を受け、爆発炎上する敵艦が写っていた。

 淡々と、そして確実に神聖ミリシアル帝国の敵となる存在を攻撃、グラ・バルカス帝国第1打撃群36隻は1時間と持たず全滅した。

 そして次の標的たる本隊に向けて飛行を開始するのだった。

 

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