日本外人部隊   作:揚物

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バルチスタ沖海戦 その後

 日本 防衛省

 偵察衛星で戦況はずっと確認されていた。

 神聖ミリシアル帝国の空中戦艦と思われるものが使ったと思われるMOABと同等と考えられる爆弾、偶然に近いだろう砲撃による一隻の空中戦艦の撃沈。

 双方の被害とこれからの起こるだろう事態への対策。

 

「さて、それではグラ・バルカス帝国についてだが、今回の一件で一時的に海軍の動きは鈍るだろう」

 

「それは世界連合も同じかと、しかし困りました。 ミリシアルが勝ってくれれば色々猶予があったのですが」

 

「ミリシアルの艦船技術は解析でじきに上がる。 それまではどうしようもない」

 

「いくらなんでも、グラ・バルカス帝国の艦船の数からして、我々だけで対応するのはコストが掛かり過ぎる」

 

「しかし、ラヴァーナル帝国の新たなる指標が出来ました。 空中戦艦という存在。 誘導弾の強化が必要です」

 

「電磁加速砲で撃ち抜けないか? あれは誘導弾や砲弾よりも低コスト故に搭載したのだぞ」

 

「試験する価値はあるかと思いますが、さらなる初速と射程の強化改良が必要かと」

 

 元より電磁加速砲は対艦・対地攻撃用ではなく、コア魔法と思われる大陸間弾道弾迎撃用に搭載されている。M6.4で飛翔するので航空を飛ぶものであれば、パル・キマイラさえ効果があるはずであった。

 何よりも強大な運動エネルギーそのものが武器となるため、弾薬の搭載を必要としてないことから弾体も強固に出来る。

 実包である56cm砲弾よりも射程も破砕力も圧倒的に上回っていた。

 

「今後だが、ムー国とのシーレーンの確保が厳しくなる。 ムー大陸周辺はもはや安全とは言えない状況になった」

 

「第二艦隊を護衛に付けるしかないでしょう。 一部の旧式艦も引っ張り出すことになりますが、仕方ありません」

 

「どうしたものか。 我々はAFTAほどの軍事力も工業力もないぞ」

 

 いくら技術的に優れてるといってもいかんせん少数であり、生産力も限られる。

 AFTAのように戦力や物資の大量投入などできるはずもない。

 

 

 

 

 

 第2文明圏 列強国ムー 

 

 1台の車が大通りを飛ばしていた。

 

「課長!!間もなく日本大使館に着きます」

 

「絶対に交渉は成功させなければならない!!!」

 

 車は日本大使館の前に到着した。

 白く、洋風に作ってあるが、シンプルで品格を感じさせる建物。

 

 ムー国外務省列強担当部の課長オーディグズは交渉を成功させる事を決意し、日本大使館の扉をたたいた。

 

 

  第2文明圏 列強 ムー 日本大使館

 日本大使館では緊急の会議が行われていた。

 

1 世界連合推定被害

 〇 第二文明圏竜騎士団約700騎 全滅

 〇 世界連合艦隊 三分の二 撃沈

 〇 神聖ミリシアル帝国艦隊 半数 撃沈

   同国 古代兵器 空中戦艦1隻 轟沈  航空兵力損失不明(非公開)

 

2 グラ・バルカス帝国推定被害

 〇 艦隊 半数が大破もしくは撃沈

 〇 航空兵力 400機以上を撃墜

 〇 推定中破……

 

 世界を率いて、世界最強と呼ばれた国が、自国の主力を出して戦った。

 しかし、グラ・バルカス帝国を第2文明圏から……少なくとも海上兵力を追い出すという目的達成には至らなかった。

 

 同日 会議室

 会議室には、緊張した面持ちで、ムー国外務省列強担当部 課長オーディグスが座る。

 

「会議の場を設けていただいて、ありがとうございます」

 

 簡単な挨拶の後、オーディグスが話始めた。

 

「今回は、日本国にお願いがあって参りました。

 ムー国北西にある高原の街、アルーという人口13万4千人の町があります。

 同街は、旧レイフォル領国境から20kmの位置にあり、国境の町といって良いでしょう」

 

 話を要約すれば国境の町がグラ・バルカス帝国の軍に侵略される可能性があり、ムーの軍だけでは相対するのが難しいため支援が欲しいとのことだ。

 しかし、日本としては戦力が限られ、その為に前もって技術支援を行っていたのだが、どうやらムー内部においてグラ・バルカス帝国の脅威について理解が足りていなかったようだ。

 外交官は言葉を選びただ冷静に話す。

 

「ムー国は、我が国にとって最も大切な友好国の一つです。私も今お受けした要望を、可能な限り早く本国へ伝えます。

 しかし、すでに軍事支援、具体的に言いましては戦車を技術解析に貸し出したはずです。 航空機につきましても疾風M1の販売、マリンの改造、海上についてもラ・カサミの改造を受けております。 これ以上となりますと、直接的軍事行動しかありませんが」

 

 

「我が国は、日本軍が来た場合、最大限の支援を行う準備があります。

 重ねて申し上げますが、1日の意思決定が早まるだけで、数千人の命が救われます。

 どうか……1日も早い意思決定と支援を……何卒……なにとぞよろしくお願いします」

 

 オーディグスは、日本国外務省の担当者たちに、深く頭を下げた。

 第二列強と言う立場にいる外交官が頭を下げる。さすがにこの光景には驚く。

 

「頭を上げて下さい。

 本件要望は、可能な限り早くとりまとめ、すぐに本国に送ります」

 

 

 

 

グラ・バルカス帝国レイフォル自治区情報局技術部 レイフォル出張所

 

 情報局には軍の上層部も詰め、幹部達による会議が行われていた。

 

「知ってのとおり、今回の海戦で帝国は転移後初の甚大な損失を出した」

 

 東方艦隊司令長官カイザルが出席しているとあり、情報局職員にも緊張が走る。

 情報局として、空中戦艦の存在を察知出来なかったのは痛手であり、バミダルの額から汗が噴き出る。

 

「艦の運用基数、開発能力は現在神聖ミリシアル帝国に渡った収集部が全力で調査中です。

 技術部についても、収集部が持ち帰るであろう情報を元に全力で調査致します」

 

「政治家や他官庁はイマイチピンと来ていないらしいが、軍部は今回の海戦結果を重く見ている。

 何よりも日本軍だ。 ミリシアル以外は敵ではないという話だったが、カルトアルパス沖では3隻が鹵獲され、グレードアトラスターも損傷を負った。同じ転移国家と思われる日本国についてだが、情報局は何か掴んでいないか?」

 

「それが……情報封鎖が厳しく、軍事方面については情報がほとんど入っておりません。 しかしムーとの交易を原因として、経済力が増しているようです」

 

「……まずは第2文明圏列強と呼ばれるムーを落とす必要がある。

通商破壊作戦を実行して、少しでも国力を落とした方が良いだろう。

さらに情報局としては日本軍について詳細に調べて欲しい」

 

「全力を尽くします」

 

 会議では、ムーの国力を弱らせるため、他国との交易や通商破壊作戦、そして陸軍によるムー攻撃準備が並行して行われることとなった。




海戦は当初意図していませんでしたが急遽書きました。
正直とても難しいです。

誤字脱字報告および感想やメッセージには感謝いたしております。
(,,゚Д゚)<それではまたそのうち
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