日本外人部隊 作:揚物
日本 防衛省
「やれやれ、結局こうなるのか」
ムーからの打診があったものの、戦力が少ないという不利も厳しいところなのだが、距離の不利はなんともしがたい。その可能性を考慮しつつ、戦車や航空機の技術支援をしたのだがどうやら間に合わなかったようだ。
「少数ですが三式中戦車の生産はできているようです。 時間は稼げるでしょう」
「疾風M1は現在50機輸送予定です。 自国の防衛くらいはできるでしょう」
「第一艦隊は全てメンテナンス中です。 まだ2~3ヶ月はかかるかと」
戦力不足にため息を付きたくなる。ラヴァーナル帝国相手にはさらなる軍備増強が必要だろう。
「さて、どうすべきか案はあるか?」
「残念ながら、数の不利を覆すには、501から505全てを投入するしかないかと」
「第3外人部隊の投入も必要でしょう。 場合によっては駐屯もやむなしでしょうな」
「難しいところですが、戦闘機がどうしても必要です。パイロットの負担も考慮すべきですね」
「AFTA駐屯地に保管されていたMOABを使いますか? 司令官は在庫を全て売ってくれるそうです」
AFTA 日本駐屯部隊に C-17と共に保管されていた兵器の一つ。
大規模爆風爆弾兵器 GBU-43/B MOAB
核を除く最大の武器となり、最大直径1・5kmを殺傷。爆風による加害半径はそれ以上となる。
問題は日本では生産しておらず、設計図も何もないため使い切ったら終わりと言うことだ。
「……持ち込む必要性もあるか」
「非核型の大規模爆弾も開発中です。 間に合わないとは思いますが」
「出来ればグラ・バルカス帝国の本土にMOABで爆撃したい所ですが、政府はいまだ人命を考え躊躇しているようです」
「本土爆撃は別件だ。 いま話す事ではない」
「……まずは敵の侵攻を止める事を優先しましょう。即応できる第3外人部隊をムーに送ります」
「第3外人部隊には、予定より早いですが、改良した装甲ブルドーザーの数を40台に増やし、84式無反動砲の配備数を倍にします。これでいくらかは耐えられるはずです」
会議は続けられ、まず第一陣として 第3文明圏外人部隊の派遣が行われる事となった。
ラ・カサミ改壱
日本の技術によって改修が施され、現在引渡し前の最終チェックが行われていた。
無論短い工期の為に万全な改修ではないのだが、ムー国から早期の戦線復帰を打診され、段階を別けて改修を施すとして切り上げられた。
試製ながら35.6cm45口径単装砲を前部に一基のみ搭載している。ラ・カサミ級にぎりぎり搭載することができる大口径砲であった。
むろん艦長のミニラルや副長は単装化に反対したが、重量バランスと自動装填装置やFCSの兼ね合いでこれが限界であった。
改修後
全長 137m
全幅 23.2m
速力 最大34kt
兵装 主砲
口径:35.6cm 単装砲1基
艦首魚雷発射管 4門
89式魚雷12発
両舷短魚雷発射管
口径:32.4cm 3連装2基
93式近距離艦対空誘導弾発射機
8連装10基 ミサイル搭載数約80発
CIWS1A 4基
見てくれは戦艦に近い状態を維持しているが、性能としては旧帝国海軍の軽巡洋艦に近く、主武装となるのは魚雷である。
性能を落としたとはいえFCS・レーダー・ソナーなども搭載している。新たなシステムに困惑するムー国海軍兵には、ムー国にとっては未知の兵器の使い方や威力などのレクチュアー、そして基本とする戦術など合格点が出るまで訓練が続けられた。
少々恰幅のよかったミニラルも体重が落ちて少々やつれた頃、兵員の訓練が終了し艦の引渡しが行われた。
盛大な祝儀が行われ、ラ・カサミ改は、護衛である第一海洋艦隊と、ムー国への陸上支援や物資を搭載した艦隊と共に、ムー国に向け出航した。
今回はここまで。
(;´Д`)<申し訳ない