日本外人部隊   作:揚物

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ムー国 アルー防衛

 ムー国 アルーの街 西側2km地点

 平らな平原が広がる

 防衛に全く適さない大地。砲撃でも受ければ手に負えない。

 防げるのはグラ・バルカス帝国が油断している一回のみ。

 防いだならばその後は迅速に撤退しなければならない。

 

「塹壕の改良を急げ! 敵は必ずここを抜けてくるぞ!!」

 

 本格的攻撃の前にかならず威力偵察を行ってくるのは明白であった。それに対応するために塹壕を改良、出鼻をくじきアルーの住民が避難するまで時間を稼ぐ。

 立地上グラ・バルカス帝国もムー国も航空攻撃が可能なため、ムー国も航空支援を行うが余り期待はできない。

 10台の装甲ブルドーザー、そして50個の84式無反動砲、これが現状の戦力となる。

 大型ブルドーザーによる土木作業にはアルー防衛隊も驚き、土や土嚢作りだとしても見たこともない速さで防衛及び砲撃陣地が設営されていく。

 少しでも的を小さく、そして優位に立たなくては数の暴力相手に時間を稼げない。

 ただ、武装の性能が落とされている12式単機だったとしても、戦車100台程度の排除が容易な事を、イーネ自身の思考から完全に抜け落ちていた。

 

 準備が整い半月、ムー国陸軍の偵察隊隊員は、新たに納入された日本製のバイクにまたがり、西の方向を眺めていた。

 

「敵を確認! 戦車5! 車両10! 二輪車4!」

 

 威力偵察なのは間違いがない。航空支援がないのはムーを甘く見ている証拠だろう。

 

 新しく供給された、

 ボルトアクション式ライフル BOLT Long Range Hunter

 弾丸 6.5 Creedmoor

 特に才能があった20名に狙撃兵として訓練を追加で施し、400m程度を確実に殺傷できるよう訓練を受けていた。

 

 先頭を走る4台のバイクに対して、必中を含めて16人で射撃、バイクに乗っていた兵士の胴体を貫き転倒。

 グラ・バルカス帝国の歩兵に騒ぎになり陣形が乱れていく。

 

「攻撃開始! 敵戦車に対して攻撃を集中!」

 

 塹壕の上に土色に似た布をかけ乾いた土や雑草まで植えて擬装を施していた84式無反動砲は、布を取り払い敵戦車に狙いを定める。

 何もいないと認識していたグラ・バルカス帝国の戦車は回避さえ取れず、先行してた戦車5両と車両4両が吹き飛ぶ。

 

「撤退! 撤退!!」

 

 塹壕に戻り急ぎその場から離れる。蛇行するように掘られた塹壕だが、一撃を加えて逃げる程度にしか役には立たない。

 急ぎ撤退しなければ攻撃を受けてしまうため、所々にある爆薬を起動し、通り過ぎた塹壕を埋めながら走り続ける。

 

「攻撃を受けていない側面塹壕に移動せよ! 正面は姿を見せず銃眼から攻撃を続行!!」

 

 上手く先行していた戦車を破壊した事で優位性は確保できた。

 2分ほどして、前線で戦車を攻撃した部隊が帰還。

 

「よし、前線塹壕を爆破せよ!」

 

 塹壕は突出してきた敵歩兵もつかう。だからこそ爆薬を仕込んでいた。

 

「着火!」

 

 連続した爆発が起こり、塹壕を利用していたグラ・バルカス帝国の歩兵が吹き飛び地面に散らばる。

 

「側面塹壕より攻撃! 敵車両は84を使え!!」

 

 1時間ほどで最初の戦闘はムー側の勝利で終わり、グラ・バルカス帝国の威力偵察と思われる部隊は壊滅した。

 残る住民はあと2割ほど、しかしもう戦線を支える事はできない。威力偵察が失敗した以上、数日以内に航空支援のある本格侵攻が始まる。

 アルー守備隊は、結局避難を拒否した1万人ほどの住民が残る町を守る覚悟を決め、勝つ事の難しい戦いに挑み、アルーは陥落した。

 その報を聞いたのは避難民の殿を務める第三外人部隊が空洞山脈を抜けたときだった。




一万六千突破してました。
誤字脱字感想を加えて皆様に感謝!
それではまたそのうち
(,,゚Д゚)ノシ
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