日本外人部隊 作:揚物
第三文明 経済活動
現在パーパルディア皇国は弱っている。
日本への賠償金支払いもあるが、属領の殆どを失ってしまい、国力を失ってしまったからだ。
日本はもちろんインフラや加工食品の提供、クワ・トイネから安価な食料を輸出しているとはいえ、限度がある。
余りに疲弊しすぎては親日政策に影響が出るため、ODAの一環としてパーパルディア皇国には多額の開発資金を提供し、新しいワイバーンとリンドヴルムの開発を依頼していた。
日本でワイバーンの大型品種改良を施してはいるものの、このペースでは何十年もかかってしまう。そのため、ワイバーンロードやワイバーンオーバーロード開発成功の実績があることから依頼する方針とした。
・ワイバーンは温厚かつ輸送量の増大と垂直離陸
今後の活用目的として他国に輸出できる強みである。リンドヴルムは農作業にも輸送にも使え、ワインバーンについても物資輸送や旅行等に使える。
聞けばパーパルディア皇国の品種改良は一世代限りであり、輸出国で増えることもない。他国では出来ない品種を売る事はかなりの強みであり、戦闘に不向きな性格であれば悪用もしにくい。これはかなりの強みとなる。
戦争が終結して2年、ようやく完成した。
ワイバーン・キャーリ
垂直離陸が可能であり350kg程度の輸送ができる、雑食で温厚、日本の要求をクリアしていた。
念のため、軍事国家に回らないよう適正価格で日本が買い取り、さらに信頼できる国家に検査手数料を取り売却する。
第3文明圏平和維持軍の輸送部隊にも採用され、クワ・トイネ公国にも輸出された。
ダイダル平原基地 外交交流都市 商業担当官の日常
多くの人々が訪れる中、予想外の事態が発生していた
「塩と砂糖は一人五キロでお願いします!」
「当店での塩と砂糖の入荷は一週間後となっております!」
塩と砂糖が供給が追いつかないほど売れているのだ。
神聖ミリシアル帝国やムー国ならまだしも、他の文明国家や文明圏外国家にとって塩や砂糖は安価なものではなく、日本産と異なり不純物も多く粒度も均一ではなかった。
日本産はミリシアルやムーの輸出価格を参考に少々高めに売っているのだが、それでも商人達は仕入れる事で他国で高値で売れる為、禁止物に含まれない塩と砂糖を買い求めた。
元々計り売りであった為、当初は買い占める商人もいたほどで、今は住民にも渡るように購入量を制限していた。
外交交流都市 商業物品 担当官は状況を調べ、業界に対してレポートを送ることを仕事としていた。供給量を増やせないようであれば、このまま販売制限を続行するし、増やせるのならば販売許可量を調整する。他国との貿易摩擦とならぬよう細心の注意を払っていた。
市場調査として人混みの多い町を歩き、家族連れなどの会話に聞き耳を立てる。
「おかあさん お昼はなぁに?」
「今日は ほっとけーき よ。 日本の料理だけどふかふかでとっても美味しいのよ」
手軽に家で作れるホットケーキミックスの売れ行きも徐々に上がってきている。これも今後は商人が目をつける可能性がある、バターとメープルシロップの販売制限の準備をしておくべきかもしれない。
次に簡単な日本料理を教えている料理教室を訪れ、好評だった料理を確認。
「そうですね。 オムライスが最近好評です」
「あとは照り焼きでしょうか」
オムライスと照り焼き、そうなるとケチャップやコショウ類、みりん等の調味料の調整が必要となる。
「わかりました。 ご協力感謝いたします」
日々監査員や調整員が町を回り、不足となりえる物資の供給に走り回っていた。
軍事担当官の日常
ダイダル平原基地の会議室では、長らく行われていた交渉と査察の結果が伝えられる。
「クワ・トイネ軍守護騎士団に、コンパウンドクロスボウの販売を許可いたします」
「おぉ、許可をいただけたのですか。 ありがとうございます」
担当官は現物をテーブルの上に置く。日本に輸出されていたものを解析して製造したものだが、大使館から許可を得ていた。むろんライセンス費として大使館に支払う事になるのだが。
「200ポンド、およそ90kgの衝撃力がありますので、鉄製の鎧や盾など貫通してしまいます。 命中率はフリントロック式マスケット銃を超えますのでお気をつけ下さい。 では試射を行いますので射撃場にご案内いたします」
地下にある射撃場に案内し、40m先に固定されている鎧に向けトリガーを引く
試射した矢は的に固定されていた鎧を貫通し、クワ・トイネの軍務官が驚きの声をあげた。
「少々癖はありますが、命中精度はフリントロック式マスケットを御覧のとおりこえます。 矢は我々から購入してもらいますが、木製の矢は構造を傷めますので使用しないように願います」
書類の承認を貰い、後日発送することとなって一件目は終了した。
20分後、次の国の外務官と軍務官と交渉を行う。
「美しい姫を日本国の皇族に嫁がせますので、軍事技術の提供を」
いくら言ってもこういう国が出てくる。何度もお断りをしているのだが、文明国家や文明圏外国家は軍事技術を得るためにこのような手段に出てくる。
「我々はその様な行為、また賄賂などでは売却など致しません。 外務省と国交を正常化させてからおいでください」
丁重にお帰り頂き、次にアルタラス王国からの使者との会談となっている。
時間通りに
「ようこそいらっしゃいました」
「この度はご検討を頂き、感謝いたしております」
アルタラスの防衛大臣に着席を薦め、自らも対面の席に座る
「要請のありました ワイバーン・キャーリですが、許可が下りましたので購入が可能です。 頭数についてはパーパルディア皇国との調整が必要ですが、よほどの数でなければ問題ないでしょう。 また、ライオットシールドですが、まずは2000枚の販売許可が下りました」
「これで我々も防衛の不安が減ります。 感謝いたします」
下手に出ることもなく対等かつ丁重に礼を言うアルタラスの大臣には好感が持てる。
「ご契約にありますように、破損時の廃棄は我々が行いますので、ご注意下さい」
契約書を手渡し、後日王国側の捺印がなされ返却されることで完了となる。