日本外人部隊 作:揚物
リュウセイ基地
ムー国空挺部隊は、最終試験であるゴム弾頭の弱装弾の実弾による訓練で半数以上が負傷、それさえも生き残った精鋭中の精鋭である。
それがリュウセイ基地に集まり、出撃を待っていた。
武装
・ラインメタル製FG42
専用に急ぎ製造されたARの祖先ともいえるが、わずか120丁、それでもグラ・バルカス帝国の装備よりも確実に上回っている。
・IMI社豊和製 UZI
ムー特殊部隊向けに調達されたUZI。
生産するに当たりバレルを13インチに変更延長、個々の体格に合わせ、オプションカスタマイズも行われている。
・アイアンサイトorミニリフレックスサイト
・ウッドストックorアイアンストック
・グリップなしorフォアグリップ
・30ラウンドマガジンor40ラウンドマガジン
・タクティカルトマホーク
小型の軍用片手斧。
以上を装備している。
信頼性の問題で、FG42を持つ者はストックなしのUZIも携行。その為FG42を持つ者は空挺部隊の中でもさらに屈強で優秀な者のみとなる。
複数機のラ・カオス型航空機に乗り込みその時を待つ。
日本外人部隊の航空機が順次離陸、空中で合流しバルクルス基地へと向い始める。
「レーダー及び通信妨害を開始せよ」
これから一度に全てを終わらせるため、日本外人部隊・ムー国軍・第二文明圏連合軍、その全ての飛行戦力がバルクルス基地へと向っていた。
バルクルス基地
偶然であったが、グラ・バルカス帝国皇太子、グラ・カバルが皇帝や周囲の反対を押し切って視察に訪れ、広く複雑な地下施設を案内中であった。
そのころ、レーダー士官や通信士官は謎の現象に設備のチェックに当たっており、レーダーや無線機の故障を疑って新たな機器の入れ替えや調整が行われていた。
同じころの日本外人部隊の爆撃機隊はグラ・バルカス帝国のアンタレスでは飛行不可能な高高度を飛行し、レーダー妨害と迎撃される事もなく悠々と予定ポイントに到着した。
「予定ポイントに到着。 投下を開始する」
高高度からB52J編隊による爆撃が開始。任務内容はバルクルス基地を絨毯爆撃し更地に変える事だ。
空気を切り裂くを音を立て、無誘導爆弾の雨がバルクルス基地に落下、爆発と衝撃波を撒き散らし建物や人を消し飛ばしていく。
この状況になり警戒に当たっていたアンタレスが上空に機首を向けようとするが、護衛であるF-15J改及びF-2の空対空誘導弾によって撃墜。
その間も絨毯爆撃に地上施設はその面影を失い、吹き上がる爆炎と噴煙だけが地上を覆い隠していく。
「任務完了。 帰還する」
全ての無誘導爆弾の投下を終え、B52J編隊は護衛のF-15J改と共に帰還。
次にムー国マリンプラス部隊による爆撃範囲からそれた小さな施設への爆撃と、日本外人部隊空中強襲特化連隊とムー国空挺部隊による第一次降下作戦が実行される。
爆撃が完了した時には地上は巻き上がる噴煙が徐々に薄れていき、地上に建っていた全ての建造物が消え去っていることが確認。念の為破壊し損ねた設備攻撃のために上空で待機していたF-2も帰還をはじめ、空挺降下が行われる間はF-35Aによって他の基地から飛来してくるアンタレスを迎え撃つ。引継ぎとしてムー国の疾風部隊が到着するまでの間制空権を維持する。
空挺降下が始まり次々と日本外人部隊空中強襲特化連隊がバルクルス基地に向って降りていく。
「降下! 降下!」
ムー国空挺部隊も掛け声が行われラ・カオスから次々と降下。
まだ瓦礫も多く噴煙の舞う中、空中強襲特化連隊は重装備でありながら着地すると同時に合図が送られ、次々と予定ポイントである地下設備への扉に集まる。
誰一人一言も話さず、合図で僅かに扉を開けスタングレネードを投げ込む。破裂した音と共に内部に飛び込み、近くでスタングレネードによって視界と聴覚を奪われたグラ・バルカスの兵士を射殺、第一橋頭保を確保した。
いくらか遅れてムー国の空挺部隊も集まり、 地下施設の内部構造までは不明のため、空中強襲特化連隊とムー国空挺部隊は二手に分かれ司令部施設制圧に向う。
「侵入者だ! 撃てぇ!!」
「本部に連絡しろ!」
「くそ! 何でも良いから盾になるものもってこい!」
グラ・バルカス帝国の兵士は小銃を向けようとするが、地下通路という狭い空間ではその長さが邪魔となり動きが鈍る。
狭い室内戦ではライフルのような小銃よりも、取り回しの良さと即応性が良い銃火器が優れる。威力があっても連射が利かなければ意味がなく、壁や遮蔽物に引っ掛かり易い長物は取り回しで邪魔となる。
空中強襲特化連隊は一言も声をあげず迅速に行動、HK417A2によって淡々と始末していく。家具や鉄板で防壁を張っている場所には銃身下部アタッチメントに装着されているM203A1グレネードによって吹き飛ばし、留まる事無く迅速に侵攻、グラ・バルカス帝国の兵士は抵抗一つできず、ただ死体のみを積み上げていった。
「撃て撃て!」
空中強襲特化連隊の一言も発さない静穏かつ冷酷な侵攻と異なり、気勢を上げながらFG42とUZIを連射、薬莢をばら撒きながら通路に対して面射撃、正確な識別などせず動くもの全てを攻撃してしまっている。
幾ら精強なムー国の精鋭部隊からの選抜きとはいえ、僅かな訓練期間ではいまだ戦場の興奮と恐怖に、冷静な精神状態ではいられなかった。
地下要塞司令部では、総司令官たるガオグゲルが状況を見極め、一部の兵を連れカバル皇太子に緊急避難路を利用して脱出するよう進言していた。
「殿下! すぐに退避してください!!」
想像以上の侵攻の早さに焦り、避難経路へと誘導しようとしたとき、爆発と共に隔壁が吹き飛ばされる。
グラ・バルカスの兵士は即座に鉄製の机を蹴り上げ、盾にすることで拳銃による迎撃を試みるが、7.62x51mmNATO弾は100m以下の距離なら20mmの鉄板さえも容易く貫通する。装甲鋼板なら話は別だが、鉄製のテーブルなど容易く貫通し身を隠していた兵士を射殺。
防衛に割り当てられていた精鋭をまるで相手にしない戦力に抵抗は無駄だと悟り、銃を捨て降伏した士官と思われる者を複数捕縛、その中にいた司令官と皇太子はダイダル平原基地へと輸送された。