日本外人部隊   作:揚物

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海戦準備期間

 ダイダル平原基地 

 第零式魔導艦隊は現在ダイダル平原基地の北の軍港で停泊し、机上演習とグラ・バルカス帝国の兵器について会議が日本外人部隊と行われていた。

 

「潜水艦は現有装備では対処できないわけですね……」

 

 旗艦エクスの艦長であるインフィールは眉間に皺を寄せながら話を聞いてた。

 潜水艦についての情報が入ったのは今回がはじめてであった。

 

「水中の敵に対する備えはソナーで発見し、魚雷もしくは爆雷による攻撃が必要です。 残念ながらそれ以外での対処は難しいかと」

 

 外人部隊の担当官の説明により、現在のミリシアル艦艇では対応策がないことがわかり頭を抱えた。

 

「まだグラ・バルカス帝国の艦隊が動くまで時間はあるでしょう。 それまで急ぎ開発と訓練を続けましょう」

 

 シミュレータを使用した戦術訓練、グラ・バルカス帝国の兵器考証が幹部レベルでは進められる。

 

 

  航空基地

 以前ダイダル平原基地で訓練を行い、バルチスタ沖海戦で生き残ったアルファ3プラスのパイロット達は、エースとして今回の戦いにも組み込まれていた。

 その為、訓練場を訪れ今はムー国の疾風部隊を訓練している、前回世話になった教官に頭を下げていた。

 

「もう一度お願いします!」

 

 以前は吐き戻し、耐え難かった訓練が自らを助けたこともあり、元訓練教官になんとしてもグラ・バルカス帝国と戦う力を求めていた。

 パイロット達の必死の願いに元訓練教官が骨折り、交渉の末用意されたF-2練習機と現役教導隊教官、直接の操縦こそ出来ないが、高レベルの戦闘機動をその身に体験し学ぶ事ができる。

 

「お前達覚悟はいいか! 今回は前ほど甘くはないぞ! 泣き言を言おうが加減はしない!」

 

「「「はっ! 覚悟しております!!」」」

 

「よし!」

 

 前回のバルチスタ沖海戦で生き残った7名は複座搭乗し、体験したことがない最大マッハ2.0及び高速戦闘機動を気絶するまで叩き込まれた。

 目覚めた翌日には再びアルファ3プラスに搭乗し、同型及びムー国の疾風部隊と航空戦訓練を行う。

 

 

 航空技術者も再びダイダル平原基地を訪れていた。バルチスタ沖海戦によってアルファ3プラスが高く評価され、発掘技術ではなく航空技術者の地位も高くなり、帝国も設備を整えようとしているのだが、現在も建設中であり、ダイダル平原基地の方が設備が優れていた。

 そのため設備を利用しアルファ3プラスをさらに性能を高めようと訪れていた。

 

「では、エンジン調整を行うには耐熱温度を高めなくてはならないのですね?」

 

「これ以上となりますと、魔法が使えない我々では不可能です」

 

 日本の技術者では比率調整等は出来ても魔法材質には触る事はできない。

 

「それでしたら我々でもできます。 何卒調整をお願いします」

 

「そう……ですか、それでしたらできると思いますが、航空機も形状を少々変えませんと800kmには耐えられませんよ?」

 

 目指すべきところはアルファ3の新たなる先、それを目指して工作作業者も同行させていた。

 

「形状はなんとしても我々が割り出します!」

 

 それからミリシアルの航空技術者は寝る暇も惜しみ、日本製のエナジードリンクやコーヒーを飲んでは作業を続け、アルファ3という枠組みを超える制空機を作ろうと計算と粘土モデルと試験を同時進行で進めていった。

 誰が見ても体や心を壊すような作業量だというのに、何かに取り憑かれたように作業を続け、余りにも狂気的な取り組みにこれ以上の技術的情報を与えることを禁じられていた日本の航空技術者も一つだけヒントを教えた。

 

《軽量、小型、空力的洗練を追求すれば自ずと高性能が得られる》

 

多くの名航空機を設計開発したとある航空技術者の言葉だ。

 その言葉に、航空技術者はいままで古の魔法帝国の模倣だけで手をつけていなかった全体的な形状にも手を加える。

 少しでも全体的に細身に、コックピットを僅かでも推力と軸の中心に移動させ、風洞実験で得られた空気の流れを参考に空気放出口のデザインも変更する。

 無駄と思われる意匠までも削り、許可を得ていないため仮名としてアルファ3ダブルプラスとして設計製造された試作一号機は最大速度840kmに達した。

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