日本外人部隊 作:揚物
ロウリア王国クワトイネ征伐隊東部諸侯団 殲滅
ムーラは西に向かって飛行していた。
強行偵察部隊の一員としてギムに向かい、ギムの防衛線の状況を確認するためだ。長距離飛行になるため、森林を見つけ一旦休憩を入れていると何かを感じ、上空を見る。
ワイバーンの飛行可能高度のはるか上空を、白い尾を引き、とんでもない速度で何かが多数西へ向かい、飛行していった。
ロウリア王国東部諸侯団
副将アデムはイラついていた
「どうなっているのですかぁ!」
「現在強行偵察中でして・・・」
「たかだが蛮族相手にどれだけ時間がかかっているのですか!!」
静まり返る。
「将軍!一度ハーク城へ出頭し、戦況の報告に上がろうと思います!!」
「わかった。 だが戦線はこれから開く、早く戻るように」
「御意に」
数刻後、上空を警戒していたワイバーンが突如として煙に包まれ、バラバラに寸断される。見えない何かによって警戒飛行していた50騎がいきなり消える。
「なっ何だ!?何が起こったあ!」
軍上空を『それ』は凄まじい速度で通り過ぎ衝撃波が彼らを襲う。
衝撃波に翻弄されながらも、彼らが見たのは、マッハ2.5という猛烈な速度で上空を抜けたF-15J改の姿だった。
上空から精鋭ワイバーン部隊が一掃され、東の空から大きい鉄竜が多数飛来し、大きい何かが多数投下される。
「何だ、あれは!何かを落とされたぞ!!」
B-52Jによる絨毯爆撃によって東邦征伐軍は壊滅した。
数日後----------
工業都市ビーズル・・・
ロウリア軍が兵力を結集している事がわかり、下手にトップを捕らえることで、軍の大部分が野盗になられても困るため、戦力が集中しているビーズル基地を徹底攻撃する事を日本外人部隊司令部は決定した。
空爆も考えられたが、民間人の被害を出し過ぎないよう、手間はかかるが陸上から徐々に侵攻すること方針となる。
偵察中隊から9式装甲歩行戦闘車及び10式装甲歩行戦闘車、機甲中隊から90式改が複数投入され、地上を走破することで意図して敵を防衛拠点に追い込んでいく。
脅威となる敵の数は多くないため停車する事なくただ前進していく。
「ゴっ、ゴーレムや鉄竜を侵入させるな! 」
騎兵や歩兵が次々と迫り、弓兵や一部の魔道士が炎などで援護するが、防衛として借り出された重装兵士や騎士達と共に銃撃によって物言わぬ肉片と化し、大して時間が要さず総崩れと成り防衛拠点となる城へと逃げ込んでいく。
あとは防衛拠点ごと爆撃によって吹き飛ばすだけとなったが、その時予期せぬ事態が発生した。
「微弱ながら電波を確認。 機動対戦車中隊に連絡し対象を確保せよ。 これより電波妨害を開始する」
監視を行っていた哨戒機はこの世界で初めて電波を観測し、急ぎ行動をしている機動対戦車中隊505に情報を送った。
「この世界に電波だと? 第5分隊 標的を捕縛せよ。 フォルクスの使用を許可する。 急げ」
フォルクスパンターはドイツで作られた第二世代AWGSであり、12式と異なり装甲も薄いがその分機動力と量産性に勝る。ドイツ領事館の許可を取り付け、現在急ぎ生産体制に入っていた。
即座に飛行状態になると電波が発せられた場所に到達し、民家の壁を踏み潰しながら着地した。
崩れた室内には銃を携帯する兵士が驚き銃を向けており、未確認の敵兵士であることは明白であった。両腕部に装着されているガトリング砲を掃射し威嚇すると、その場に銃を捨てて両手を挙げた。
「対象を捕縛。 人員を至急送れ」
「捕縛を確認。 では、予定通り空爆を行い殲滅する」
その日ビーズルの拠点はF-2による空爆によって完全に壊滅した。
その後、日本の国内法に縛られない日本外人部隊によって丁寧に“撫でられ”、後日グラ・バルカス帝国の諜報員だという事がわかった。
そしてグラ・バルカス帝国が転移国家であり、極めて好戦的な覇権主義国家である事も、日本外人部隊を通して日本政府に知れ渡った。