日本外人部隊   作:揚物

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閑話 前線とは違う戦争

 クイラ臨設停泊地

 順次入港してくるイージス巡洋艦に艦対艦誘導弾や燃料の補給が急ピッチで行われていた。

 

「海洋第一艦隊から通信! 1時間後帰還予定! 敵戦艦一隻鹵獲!!」

 

「補給の終わったイージス巡洋艦に第一桟橋を開けさせろ! 補給停泊できんぞ!!」

 

「急げ! 時間はないぞ!!」

 

 慌しく整備及び補給が続く中、慎重に艦対艦誘導弾が装填されていく。

 その最中にも簡易的ながら船体の洗浄も行われ、万全の体制をとるべく処置が行われていく。

 

「第一艦隊が来たぞ!」

 

「第一桟橋は空いてるな!? クレーンを廻せ!」

 

 慌ただしい港はさらに忙しくなり曳船によって港に接舷、砲身の洗浄から砲弾の輸送、兵員の一時的な陸上休息など、数日の距離まで迫っている敵本隊との戦闘への準備を急がなくてはならない。

 休憩時間を削って急ぎ大量な整備や補給を進めていく。

 

 

 

 ダイダル平原基地

 グラ・バルカス帝国本隊との戦闘に向け、現在急ピッチで航空機のメンテナンスと弾薬の補給が進められていた。

 

「クイラ臨設停泊地より連絡、明朝に捕らえたグラ・バルカス帝国幹部を護送するそうです」

 

「受け入れ準備を、滑走路は着陸したら急いで開けさせろ」

 

 幹部が乗せられた輸送機が到着し、格納庫にまで移動すると、グラ・バルカス帝国の幹部達が下りてくる。

 準備が進められる航空基地では、多くの航空機の準備が進められ、普段なら見られない兵器の姿が見える。

 幹部達はその様子を遠巻きに見たことで青ざめ、戦うべきじゃない相手に戦争を仕掛けたことに気づいたようだが、もはや手遅れである。

 戦争はどんな相手だろうと徹底的に調べ上げ、時には辛酸をなめてでも勝つための準備期間や情報を得るもの。

 世界最強であると自負し、不明な国家であろう日本をいかなる手段を講じてでも、情報を得てから戦うという策を講じなかった時点で勝敗は決している。

 少なくとも、日高見と外交官は日本の技術レベルを身をもって体現しているはずだが、それを蔑ろにしてしまったのが悪い。

 

 幹部達はこれから情報の聞き取りが行われる。一応本作戦では“捕虜返還”も考慮されているため、非人道行為や拷問は行わないが、これまでの捕虜についてはすでに生存者はいない。

 グラ・カバル皇太子の申し出もあり、非公式ながら人道行為に関する取り決めを行っている。それを破るわけにはいかない。

 

 

 ダイダル平原基地の取調室に一人一人押し込められ、担当官から聞き取り前に説明を受ける。

 

「グラ・カバル皇太子との取り決めによりジュネーヴ条約の3条のみ、あなたたちにわかりやすく言えば 捕虜の待遇に関する条約 を仮で取り決めましたので、危害を加えることはありません」

 

 所詮は仮ではあるが、それでも戦争を行うならば先に決めておかなければならない。グラ・バルカス帝国は負ける事を考えていないので、そのような条約のことなど考えもしないだろう。

 この3条とて、日本で戦争条約について説明を受けたグラ・カバルがなんとか理解し、日本に働きかけることで日本が勝利した場合の利益と引き換えに得たものだ。

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