日本外人部隊 作:揚物
本隊による攻撃は夜明けと共に行われる。
夜明け前に艦隊による全艦対艦誘導弾による攻撃、もっとも精神的肉体的につらく油断が出る時間帯、例え訓練で理解していても、避けようがない時間となる。
「レーダー及び通信妨害を開始します」
第零式魔導艦隊は正面攻撃を行うが、外人部隊は大きく迂回し側面から攻撃を行う。
そして最大射程ではなく前進しながらの砲撃、考えさせる暇もなく一気に仕留める。そのためにタイミングを合わせる事が重要であり、第零式魔導艦隊とは通信を密におこっている。
レーダー及び通信妨害を開始してから五分、レーダーには戦艦や重巡洋艦が搭載していたのだろう下駄ばきの水偵が次々と発艦している様子が移った。
どうやらレーダー妨害をこちらの行為だと認識しているようだ。相手の司令官はかなり理解力がある。
「艦対空誘導弾発射」
たった3隻による艦対空誘導弾による攻撃が行われる。全方向へと向けられた水偵を全て撃墜するが、艦隊の航行方向が変化した。
「敵艦隊、こちらに向かい始めました。 船速増加も確認」
「水偵を犠牲にして位置を確認したか」
距離がある以上、誘導弾でも水偵の撃墜タイミングはずれる。そこから大よその方角を推定したのだろう。
「残存する重巡洋艦以下の対象に、艦対艦誘導弾による攻撃を開始。 続いて各砲塔に対艦徹甲弾を装填」
白い尾を引きながら艦対艦誘導弾が夜空に消えていく。
グラ・バルカス帝国の艦隊は被害が増えていく中、歩みを止めず主砲射程に捕えるべく進む。
「標的確認、残存数35」
対艦誘導弾の攻撃も耐えきり、いまだ戦意を保たせたままなのは、さすがグラ・バルカス帝国海軍の主力艦隊と言える。
そんな中、日高見の艦長である沖田大佐は冷静に作戦を練り直していた。
「長門と榛名は日高見の5km西を進み、日高見の砲撃開始から10分遅れて攻撃を開始せよ」
たった3隻の戦艦ではどうしても不利になる。
その為第零式魔導艦隊とタイミングを合わせていたのだが、その策はこちらに向け速力を上げたことで崩されてしまった。
それなら少しでも優位性を確保できるよう、ごく少数でも多方向からの砲撃を行い、第零式魔導艦隊の影響力が及ぶまで時間を稼ぐしか策はない。
グラ・バルカス帝国の艦隊は、数日間にもわたる攻撃を受けたにもかかわらず、突貫してくることから死を覚悟している。僅かな油断もすることはできない。
「各員に次ぐ。 今度の相手は死を覚悟し、国の命令を順守し曲がりなりにも国民を守るために挑んでくる。 決して侮ることなく、兵士として礼儀をもって」
沖田大佐は一呼吸を置き、自らの中でも覚悟を決める。
これは諸外国で戦闘を行う外人部隊員、そして国家を守る“暴力発生装置”である以上、決して目を背けられない。
「殺せ」