日本外人部隊 作:揚物
ムー国航空基地を経由し、空中給油をすることによってB-52Jストラト・フォートレスがグラ・バルカス帝国本土に到達、迎撃に上がってくるアンタレスでは、対応不可能な高高度、護衛としてF-15EXが付いていたが、自分達が飛行する高度に達する機体もなかった。
空襲警報が鳴り響く中、軍需工業区に予定通り爆撃を開始、白昼の爆撃によって人的被害は出来る限り避ける意図もある。
軍事工業区を白昼堂々と狙うことで、わざと空襲警報が鳴り響かせ、意図して民衆が防空壕などに逃げ込める暇を与えていた。
グラ・バルカス帝国国民が逃げ惑う中、爆撃によって満遍なく軍需工業区が破壊され、引火した燃料や火薬によって被害は広がり、時間を追うごとに戦争継続能力が失われていく。
必死に抵抗を試みようとアンタレスが高度を上げようとして途中で失速し、搭載機銃の射程範囲内に届く事もない。
沿岸地帯の軍需工業地区を焼け野原に変え、第一次爆撃隊は損害なくグラ・バルカス帝国本土から帰還していった。
航空隊や対空施設では何一つ抵抗することも出来ず、グラ・バルカス帝国の帝都防衛隊は屈辱を味わっていたが、それと同時に、手に負える相手ではない事を理解することができた。
グラ・バルカス帝国は何を相手にしてしまったのか、いまだ海軍艦隊全滅の報が届いていない中、軍民ともに不安に駆られていた。
それでもなお、軍部の会議は講和よりも戦争継続の意見が主流であり、レイフォル領との航路を守るための海軍の再編成や潜水艦隊の配備、そしてレイフォル防衛のために航空機部隊の編成と機甲師団の再編成など、学徒動員も含めた内容が進められていた。
生存しているグラ・カバルやカイザルなどの思惑を離れ、国家総力による徹底抗戦を取ろうとし始めていた。
しかし対策を練っている最中にも、連日爆撃がグラ・バルカス帝国を襲い、内陸部の基地から工場地帯と広がり、そして会議が行われている議事堂周辺に降伏を求めるチラシが投下された。
“明朝までに降伏をしない場合、帝都に爆撃を行う”
議会は紛糾し、講和及び降伏を訴える声は上がるも、それでも休戦はしても講和及び降伏をした事のないグラ・バルカス帝国は、その判断を下せずに逃げ出した国民を除き、翌日首都は空爆によって焼き払われた。
唖然とする軍・民は講和及び降伏を主とする意見が主流となるも、すでにそれが許されるときは過ぎてしまった。
占領する為に向かっている日本・神聖ミリシアル帝国・ムーの3国合同艦隊が到着するまであと半月、帝国終わりの時は迫る。