女神エリス兼アクア感謝祭は色々あったとはいえ、無事終了した。
私にとっては残念な面もあったが最高な期間であった。
あの人達が私を助けようと乗り込んできてくれた事から始まり、またあの人の覚えておかないといけない言葉も出来た。それにあの人との約束が果たせず落ち込んでいたあの日。私は銀髪盗賊団の二人に遭遇し、何時でも渡せるように書き認めて置いたファンレターを渡せたのだ。二人を見た時の高揚感は今も忘れられない。
あの時二人の会話を見て感じた胸の痛みは今も分からないが、仮面の人は特にカッコイイ。仮面のセンスは勿論。仮面の下から見えるあの瞳にも惹かれた。最近抱くあの人への感情とは少し違うけれど、なんとも言い表せないと言う点ではよく似ている感情だ。このモヤモヤする感じは何とかならないだろうか?
今日はその片方と決着を付けようと覚悟を決めている。
・・・とは言え何をするかは決めていない訳だが。約束はしてしまったし、どうたものか?
「めぐみん如何したの?さっきから悩んでいるみたいだけど」
「何でもありません。今日の予定を思い出してただけです」
ゆんゆんは疑っているが嘘は言っていない。
「ふーん。そう言えば今日は何処まで送ればいいの?」
「屋敷までお願いします。ダクネスは仕事がありますし、カズマとアクアは家から一歩も出ていないでしょうから」
ダクネスが領主代行で必死に働いてる中、あの二人は仲良く寝転がって何をしているのだろうか?偶にあの二人はこっそり付き合ってるのではないかと思いたくなる程に通じあっている時がある。その時に来る胸の痛みはあの時のモノと酷似している気がするが、一緒だとするとこのモヤモヤが再び分からなくなってしまう。
「前から思ってたんだけど、カズマさんって何時からあんなになっちゃったの?」
「それはニートって事ですか?」
「・・・うん。初めて会った時は出来た良い人だなあって思ってたから気になって」
・・・ゆんゆんはあの男が気になっているのだろうか?
「急にどうしたのです?あれですか?カズマの子供が欲しいとか言ってたのは本気だったのですか?」
「ち、違うわよ!あれは勘違いで、知り合いの男の人がカズマさんしかいなくて仕方なく」
勿論そんな事は知っている。でも急にこんな話しされたら疑って当然だろう。こんな話をしていたら思い出してムカついてきた。
「では如何してカズマについて聴くのですか?」
「そ、それは、最近めぐみんってカズマさんの話が多いから話しやすいかなって思って」
・・・やはりあの感情は考えている通りのものなのかもしれない。と言うかでないと困る。既に好きと言ってしまった訳だから。
「そうでしょうか?他の話もしていると思うのですが、まあいいです。カズマの性格は元からあんな感じです。生活が苦しければ勤勉に働き、お金に余裕が出来たら後は怠惰に過ごす、それがあの男の性癖なんですよ」
出会った頃はよく働く人だと思っていたのに開けてみれば、里のニートと変わらない人で驚いたものだ。いや、自分の稼ぎでニートしてるから親のスネを齧ってる里の連中よりはマシか。でも働かないのは良くない事である。最近は一日一爆裂にすら付き合ってくれない。これは由々しき事態だ。
「そうなんだ。そう言えばめぐみんとカズマさん達の出会いってどんな感じだったの?」
「それはあなたがアクセルを出て直ぐ後の事で―――」
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どうしよう。失敗した。中々予定が合わずやっと約束を果たせたのに。
あんなに迫られると怯むものがあった。ちょむすけの話をした後に色々話そうとしていたけどその所為で出来なかった。
しかし、あの人もあの人で如何してこうムードもへったくれもない事を言いだすのだろう?そりゃあ良く考えれば好きだと伝えた相手に夜、話があるなんて言って、部屋に誘った私にも落ち度はあるかもしれないが、もうちょっと自重して欲しい。ダクネスとの件を引き合いに出して逃げてしまったが、実際にそこら辺の事はどう考えているのだろうか?私を見てくれているのかそれとも女であれば誰でもいいのかとか気になる事が多い。
「今日も悩み事?」
「違いますよ。所で今日は何処に寄って行くのですか?」
「ウィズさんのお店に買いたいものがあって」
ウィズの店と言えば確か今朝カズマが珍しく商品を持って出ていったような。
カズマに会えるかもと言うだけで心が踊る。これを学生時代の私に伝えても信じてくれないだろう。
「私も用があるので丁度良かったです」
そして店に着くと。
「めぐみんさんゆんゆんさんいらっしゃいませ」
「あれ、めぐみんとゆんゆんどうしたんだ?」
予想通りカズマが居た。バニル不在で商談が進んでいないらしい。
ウィズは私達を見るなり奥へと入っていった。恐らくゆんゆんが何か注文していたのだろう。
「このぼっちが買いたい物があると言っていたので着いてきてあげっ、ちょっと揺するのやめてください!」
急に襲い掛かるぼっちから逃げ、カズマの後ろに隠れた。
「・・・」
流石のぼっちもカズマに退くように言うコミュ力はないようだ。
「・・・カズマさんが飲んでいるポーションの効果はなんですか?」
「これか?ただの水だぞ。アクアが浄化しやがったからな」
浄化・・・
液体に触れただけで浄化出来るアクアは本当に女神だったりするのだろうか?蘇生魔法もそうだがそこだけを見ると普通に女神の実力を持っていると言っても過言ではない。ただ日頃の行いがその全てを相殺して女神と言う評価を無くしてしまうのだけれども。
「そ、そうなんですか。あのウィズさん、私もその水ください。いくらですか?」
「これ欲しいのか?全部買い取ったからあげるよ」
カズマは如何してゆんゆんには優しいのだろうか。まさかゆんゆんの事が...
「えっ、いいんですか?」
「大量にあるから大丈夫だし、要らない物渡してるようなものだからな」
ただの在庫処分か。とは言っても水を貰って嬉しそうにしているゆんゆんを見ていると腹が立ってきた。これが所謂嫉妬と言うやつなのだろう。
「カズマ、私にもください。あと今日は爆裂に付き合って欲しいのですが」
私の要求に対して瓶を渡してカズマは言った。
「嫌だ。てかゆんゆんについてって貰うんだろ?俺必要ないな」
「偶には良いじゃないですか。私はカズマと行きたいのです」
最近はゆんゆんとしか行っていないから採点がなくて物足りない。カズマの精密な評価が欲しいのだ。
「ゆんゆんこいつの事頼んだぞ」
あれ?
「ちょっと待ってください!さっきの話聞いてましたか?」
「だから何だよ。俺はな!その場の雰囲気に流される様な軽い男じゃないし、前にも言ったがお約束に乗ったりもしない!」
ああ、こんな事ならあの日カズマに合わせてその日のうち済ませるべきだった!ちょっと前ならこれでついてきてくれただろうに。焦らし過ぎた所為かひねくれた性格に磨きがかかってしまった。故意にやった訳では無いから余計に辛い。
「分かりましたよ!ゆんゆんと行けば良いのでしょう!さあ、ゆんゆん行きますよ!」
言ってゆんゆんを見るとカズマの方を見て呆けていた。
「ゆんゆん!行きますよ!」
「へ?あっ、うん。ちょっと待ってね。ウィズさん待ってるからそれが終わったら行くから」
ウィズを待った後に私はコミュ障を煩わせ話について来れなかったぼっちを引き連れ店を後にした。
最初に当作品に足を運び、更にこの話をご一読頂いたみなさん、ありがとうございました!
私はこのプロジェクトの大罪人兼トップバッターのめむみんです。どうぞよろしくお願いします。
罪状はそのうち判明します笑
今回は8巻の後、実質9巻の始め辺りの物語で、全話めぐみん視点中心となっており、またカズめぐが題材な訳ですが、実を言うとカズアク書こうという話にもなっていたのですよ。こうなった経緯はどなたかに語ってもらう事として、次へ行きましょう。
メンバーは少し変わりましたが今回もCeroさん勾玉さんめぐさんと私のカルテットな訳ですがなんと今回もMOSさんが挿絵を担当して頂きクインテットになっております!
MOSさんに足を向けて寝られません。そもそも前回と今回の参加者皆様方に足を向けて寝るなんて出来ません。京都の縦筋に皆さんが居られない事を願います。
では私のターンは終わりましたので、後の御三方に毎日土下座しながら完成を待とうと思います笑
最後にこれを機に各製作者様の作品にも足を運んで頂けると幸いです!私のは一番最後でも見なくてもいいのでお願いします!