【リレー小説】 この紅魔の乙女達に恋愛を!   作:勾玉

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第2話 この余計なボタンに大罪を!【執筆:Cero】

「『エクスプロージョン』 ーーーーッッ!!」

 

アクセルの街から少し離れた静かな草原に、私はモヤモヤした気持ちをのせて爆裂魔法を放った。

ごおおっという盛大な爆発音に続いて猛烈な爆風を起こし、近くにいたカエルを巻き込んだ大きな爆発が起こる。

それが終わると、目の前にはいつもと同じく大きなクレーターが出来ていた。

 

今日の爆裂はあまり出来が良くない…

私は今日の出来に満足できず、溜息を吐きながら地面に倒れ込んだ。カズマならきっと70点ほどしかくれないだろう。

そう思い横を向いてみると、そこには爆裂ソムリエであるカズマではなく、ボッチ少女のゆんゆんの姿があった。

 

ゆんゆんは土木工事のおじさんが埋めてくれるであろうクレーターを見つめながら肩を竦めて言ってきた。

 

「相変わらず、馬鹿みたいな威力よね。それに加えて前よりも威力が上がってるし…。馬鹿だけどやっぱりめぐみんは凄いなぁ。馬鹿だけど」

「おい、人を馬鹿馬鹿言わないで貰おうか!私は学年トップ。そんな私の何処が馬鹿なのか詳しく聞こうじゃないか!!」

 

ゆんゆんは馬鹿馬鹿言ってくるだけで、私の欲しい爆裂魔法の採点結果は返ってこない。

 

「ええ、いくらでも言ってあげるわよ!爆裂魔法しか覚えないところも、すぐに問題を起こす所も全部よ全部!……そんなに馬鹿じゃないって言い張るなら勝負よめぐみん!めぐみんが勝ったら、馬鹿だって言ったこと取り消して謝罪してあげるわ!」

「良いでしょう、受けてたちますとも!!……でも、とりあえずおんぶしてください。勝負はその後です」

「……しょうがないわね…。その代わり、勝負の内容は私が決めるからね!」

 

そう言って私をおんぶしてくれるゆんゆん。

やっぱりこの子はチョロすぎる。うちのお嬢様といい勝負だ。

私は今もせっせと働いているであろうララティーナお嬢様の事を思い出しながら、おんぶするゆんゆんに身体を預けた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

街に入るまで、私達はあまり何かを話すわけでもなくいつもの道を歩いていた。……私は負ぶわれていただが。

街中を歩いていると、ゆんゆんが私に尋ねてきた。

 

「そういえばめぐみん、私はあなたをどこに連れていけばいいの?」

「屋敷にお願いします。そうですね、どうせならついでにあがってってもいいですよ?今はアクアしか居ませんし」

 

すると、ゆんゆんは驚いた顔をした後、もじもじしだして。

 

「え?い、いいの…?で、でも、家にはアクアさんがいるんでしょ?その、いきなり行くのは少し迷惑じゃないかな…」

「本当にこの子は!家に遊びに行くぐらい迷惑になんかなりませんよ!特にアクアとカズマは一日中ごろごろしてるだけですから気にしなくていいんです!」

「そんなこと言われても…。で、でもめぐみんがそう言うなら、今日はお邪魔させて貰おうかなあ…」

 

そう言ってゆんゆんは嬉しそうに鼻歌を歌い出した。そんなに嬉しいならいつでも遊びに来ればいいのに…。

こんな所を見ていると、里を出てからもゆんゆんは全然変わってない気がしてしまう。強いて言うならあのチンピラと一緒にいる所をたまに見かけるだけで… 。

 

「そう言えば、噂で聞いたのですが、ゆんゆんはダストという男と付き合っているのです…」

「それは無い」

 

私が最後まで言い終わる前に、ゆんゆんが真顔で即答してきた。ちょっと怒っているようにも見える。いや、相当怒っているような…

しかし、この様子だとゆんゆんはあの男の事が好きなわけでは無いみたいだ。あの男の事が好きだとか言い出したら、友人として見逃すわけにはいかなかった。が、違うと言うのなら問題無さそうだ。

 

「では、ゆんゆんは好きな人はいないのですか?」

 

私はいないんだろうなと思いながら何となく聞いてみたのだが… 。

 

「そ、それは…その…」

 

ゆんゆんは顔を背けながら、小さな声で答えた。

……私にも分かる。多分これは好きな人がいる反応だ。

しかし、ゆんゆんに男友達なんてダストとカズマ以外にいるのだろうか…

私の知らない所で、実は男の人と関わっているのかもしれない。しかしもし、ゆんゆんが好きな人がカズマだと言うのならゆんゆんだからと言っても容赦はしない。

 

「それは好きな人がいる反応ですね。因みにその相手とは…?」

「ええっと…」

「言ってしまいましょう!全て吐き出してしまえば楽になりますよー?」

「うう…」

 

ゆんゆんは顔を背けるだけでなかなか白状しない。ここは、最終手段を使うしか無さそうだ。

私が最終手段を使うために口を開こうとしたその時。

 

「あっ!屋敷に着いたわよ!は、早く入りましょう!アクアさんにお土産持ってきてないけど大丈夫かしら!」

 

ゆんゆんが慌てて言ってきた。確かに、気が付くともう屋敷は目の前だった。

仕方なく、私(ゆんゆんに背負われた)は追求するのを止めて玄関に近づきドアをノックして中に入る。

 

「アクアー、帰りましたよー!」

「お、お邪魔します…」

「あ、めぐみんおかーえり!それと、ゆんゆんも一緒?ゆんゆんもいらっしゃい」

 

ゆんゆんと共に家に上がると、ソファーでアクアが寝転がってダラダラしていた。

カズマは…まだ帰ってきていないようだ。

 

私がゆんゆんと一緒にテーブルに座ると、アクアがいつの間に入れたのか、ゆんゆんにお茶を持ってきた。

 

「粗茶ですけど」

「ど、どうも…」

 

見ると、お茶の中身はどう見てもお湯だった。

アクア、毎回わざとやってるのではないだろうか…

私はすたすたとソファーに戻るアクアに尋ねた。

 

「アクア、お茶を出すとき毎回わざと浄化してませんか…」

 

すると、アクアはビクッとして。

 

「え!?な、なんの事かしら…。私は別にわざとそんな事したわけではないわよ?そ、そう!お茶を入れる時に手が触れちゃうだけ!ああっ、そう言えば今からやる事があったんだったわ!それじゃあまた後でね!」

 

そう言い残して、逃げるように自分の部屋へと帰って行く。

さすがアクア、言い訳が凄く下手だ。どうやったらお茶を入れる時に触れると言うのだろう。

私はその後ろ姿を見て、アクアらしいなと思いながら笑いちゃんとしたお茶を入れるため台所に向かった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

お茶を入れてからゆんゆんと話していると。

 

「ああっ!」

 

ふと、ゆんゆんが何かを思い出したかのように叫んだ。

 

「どうしたのですか、いきなり叫んだりして。もしかして、アクアみたいになんとなく叫んでみたかったとかですか?」

「そんなわけないでしょ!ていうかアクアさん、何やってるのよ…。いや、そうじゃなくて!めぐみん、さっき爆裂魔法を撃ちに行った時話してたこと覚えてるでしょうね!」

 

爆裂散歩の時…

 

「ああー、ゆんゆんの好きな人の話ですね」

「違うわよ!それは絶対話さないからね!そっちじゃなくて、勝負の話よ!」

 

ああー、そう言えば。

 

「そう言えば、そんな話もしていましたね」

「何で忘れかけてるのよ!私は勝負に負けない限り、めぐみんの事馬鹿って呼んだ事謝らないからね!これから馬鹿みんって呼ぶからね!」

「おい、馬鹿みんとは言ってくれるではないですか!早く勝負内容を決めてもらおう!どんな勝負でも受けてたちます!」

 

紅魔族は売られた喧嘩は買う種族。喧嘩を売られては買わないわけにはいかない。

それにしても最近は、ゆんゆんも人を乗せるのが上手くなってきた。 一体誰に影響を受けたのだろう。

 

「そうと決まれば勝負よめぐみん!そうね…勝負内容は…」

 

ゆんゆんは少し悩んでから、少し顔を赤らめて。

 

「ど、どっちが先に、彼女を作るか…」

「ほう、彼氏ではなく彼女ですか。ゆんゆんは実はそっちが好きな人だったとは知りませんでした」

「ちちち違う!!間違えた、間違えただけだから!彼氏!彼女じゃなくて彼氏!!ねえ、お願い!お願いだから耳を塞がないでええええ!」

 

 

一通りゆんゆんをいじり倒した後、ゆんゆんに、勝負について詳しく聞く事にした。

ゆんゆんが鼻をぐすぐす鳴らしているが、そこには触れないでおいてもらいたい。

 

「それでゆんゆん。彼氏を先に作った方が勝ちって事でいいのですか?」

 

私が尋ねると、ゆんゆんはテーブルに伏せていた顔を上げて

 

「……やっぱりちょっと変えてもいいかな。先に男の人に『好き』って言わせた方が勝ち。私が負けたらめぐみんを馬鹿みんって言ったことを謝罪するわ。私が勝ったら…」

 

ゆんゆんが勝ったら、どうするのだろう。

 

「私が勝ったら、めぐみんに、私の恋を応援……手伝って貰うわ」

「なるほど……良いでしょう。その勝負、受けてたちます。しかしいいのですか?この勝負、カズマといい感じである私がとても有利だと思いますが」

 

私がそう言うと、ゆんゆんは年齢に対して不相応な胸を張りながらドヤ顔で。

 

「私だって男の人とデートだってした事あるのよ?そんなに余裕もっていていいのかしら」

 

ゆんゆんが男の人とデート。友達すらまともにいないボッチにそんな事はあるわけが無い。そして、知らないおじさんとデートした…とは思いたくない。となると…。

 

「首席である私の頭脳をバカにしないで欲しいですね。どうせ私と張り合うために、男の人に頼み込んでデートでもしてもらったのでしょう?その証拠に、あなたは『私の好きな人』ではなくて『男の人』といいましたね?」

 

私の名推理は図星だった様で、ゆんゆんはオロオロしながら必死に誤魔化そうとしてきた。

 

「そそそ、そんな訳ないじゃない!頼み込んではいないわよ!」

 

頼み込んでは、か。

これ以上追求すると、また泣き出してしまいそうなので止めておく。

しかし、私の名推理。これはもうカズマの言っていた、見た目は子供、頭脳は大人が決め台詞だという名探偵、コ〇ンを名乗ってもいいのではないだろうか。……見た目は大人だが。

 

「そうですか。まあとりあえず、勝負は受けてたちます。私が勝ったら、馬鹿みん発言をした事を私に謝罪。そしてお願いですから許してくださいと、私の言う事をなんでも聞いて貰うと。そしてゆんゆんが勝ったら、私を馬鹿だと言ったことは謝らず、ゆんゆんの恋を手伝えばいいと。これでいいですか?」

「ええ、それでいいわ…ってあれ?ねえ、めぐみん、何か途中に変なこと言ってなかった?」

「いいえ、言ってませんよ。では決まりということで。私はもう一杯お茶を入れてきますね」

 

私は、あれ?と言って首をかしげているゆんゆんに背を向けて台所へと向かった。

……ゆんゆんの恋なんて、別に勝負なんかしなくても手伝うのに…。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

私がお茶をいれて戻ってくると、玄関のドアが開いてあの人が入ってきた。

 

「ただいまー。おっ、めぐみん、今日はゆんゆんも一緒か。ゆんゆんいらっいゃい」

「カズマですか。お帰りなさい」

「お、お邪魔してます」

 

私はカズマが帰ってきたのが嬉しくて声が弾んでしまいそうになる。最近どんどん頬けできてしまっている気がする。しっかりしなければ。

 

カズマはと言うと何かをテーブルに置いてからゆんゆんの斜め前、私の隣の席に座った。

私はゆんゆんの前にお茶を置き、自分の為におかわりを入れておいたコップをカズマの前に置いく。

 

「サンキュー、めぐみん」

 

そう言ってカズマはお茶を啜った。私は私のコップでお茶を飲むカズマをしばらく見てからカズマの隣に座り…。ふと、テーブルの上にある物が目に入った。

 

「それはそうとカズマ、そのテーブルの上にある物は何ですか?」

 

するとカズマは、それを手に取り見せてきた。

 

「ふっふっふっ、凄いぞこれは。どういう物か気になるか?」

 

そう言って勿体付けてくる。私はゆんゆんの反応が気になりゆんゆんの方を見てみると。スキル『コミュ障』を発動させたらしいゆんゆんはこちらの話は聞いておらず、自分のコップの中身をしげしげと眺めていた。

ゆんゆんの一人遊びはどうやらここまで進化してしまったらしい。少し残念に思う。

 

これ以上は可哀想で見ていられないので、私はもう一度カズマの持っている物を見た。

一言で言うと、それはボタンだ。どっからどう見てもただのボタン。

そして、ボタンがそこにあるならどうするか。それは決まっている。

 

「確かに気になりますね」

「そうかそうか、やっぱり気になるっておいやめろ!!ボタンを押そうとするな!後で見せるから1回落ち着け!」

 

私がボタンを押そうとすると、カズマが邪魔をしてきた。

 

「どうしてですか!そこにボタンがあるなら押すしかないでしょう!それとも何ですか!?私には押させないって言うのですか!」

「いや、そうじゃないから本当に1回落ち着け!」

 

カズマが必死にそう言って来るので、仕方なく私は席に座りカズマの話を聞く。

 

「これはな。さっきウィズの店で買ったんだが…。なんと、ウィズの店にしては珍しい事にデメリットが無いんだと」

「本当ですか!?そんな物があの店に売っているなんて…!」

「……自分で言っておいてなんだが、ちょっと驚き過ぎじゃないか…?ウィズが可哀想というか…」

 

何を言う。ウィズの店でそんな物を売っているなんて…。今日は空からジャイアントトードの卵でも降ってくるのかもしれない。

私の反応を見ていたらしいカズマは、ごほんと咳払いをして続けた。

 

「まあそれは置いておこう。これはな、デメリットが無いだけでなく、効果も凄いんだ。聞いて驚くなよ?なんと一定範囲内にある同じもの、同じ種類の物を一瞬ですり替えられるボタンだそうだ。つまり、アクアの部屋の前で安酒を持ったまま使うと、あいつの隠してる高い酒とその安酒を入れ替える事が出来るんだ!」

「例えが凄く現実的なのが気になりますが、確かに凄いですね!その例えからするに、入れ替える物も指定できるのでしょう?それだと範囲はそんなに広くないとしても、対人戦などでは相手と自分の剣をを入れ替えたりできるではないですか」

「その通りだ。回数制限はあるが、これは凄く実用的!まさかウィズの店でこんなに役に立つ物を手に入れられる日が来るとは思ってもなかったよ」

 

やはりウィズには申し訳ないが、カズマの言う通りだ。しかし、その効果が本当だとすると相当強力な魔道具なわけで…。

 

「あの、それは本当に入れ替える事ができるのでしょうか?カズマは試してみたのでしょう」

「いや、それがまだなんだよ。ちょうどいい、ちょっとそこのお茶で試してみよう!……と言い

たいところなんだが。ゆんゆんは何で俺のコップを見つめているんだ?と言うか、その手に持ってる薬みたいなのはなんだ?」

 

突然話を振られたゆんゆんは話を聞いていなかった様で、一瞬ビクッとしたかと思うと手に薬のようなものを持ったまま、どうしていいのか分からないのかオロオロしだした。

 

「こ、これはその…。そ、そう!これは魔法薬です!さっきウィズさんのお店で買ったんです!」

 

何を慌てているのだろう?別に薬を飲むことに慌てる要素はないと思うのだが…。

カズマの方をみてみると、カズマは薬が気になるのかゆんゆんの持っている薬を見つめている。

 

「……なあ、ゆんゆん。それはウィズの店で買ったんだよな?」

「…はい」

「もしかしてそれ、経験値の入る薬じゃないか?確か飲み物に入れると味が劇的に変わる変わりに経験値が入るっていう」

 

なんの事か分からないが、多分カズマはあの薬の事を知っているのだろう。経験値が入る様になる薬。確かにそれは凄い薬だ。そんなものまであったとは、私はウィズの事を少し誤解していた様だ。

ゆんゆんの方を見てみると、ゆんゆんは困った顔をしてから聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でおずおずと答えた。

 

 

「えっと、違う意味での経験値が入る薬というか…」

「やっぱりか。なあゆんゆん、それひとつ貰ってもいいか?」

「え?……ま、まあ、構いませんけど」

 

そう言って薬をひとつ手渡した。

 

「ありがとう、ゆんゆん」

 

カズマはそれを受け取ると、自分の飲んでいるお茶にその薬を入れた。

ゆんゆんが驚いた顔をしているが、どうかしたのだろうか。

そう言えば、ゆんゆんは違う意味で経験値が入る薬と言っていた。もしかして、カズマは勘違いをしていて、本当は別のものだったりするのだろうか。

 

「ゆんゆん、本当にそれは危ない物では無いのですよね?」

「え?あ、えっと、うん。自分で入れて自分で飲む分には問題ないと思う…」

 

ゆんゆんはしばらく考えてから、よく分からない事を言ってきた。私はその反応を見て、少し心配になり、カズマに顔を近づけ小声で呟いた。

 

「カズマカズマ。確かにゆんゆんは危険な薬は買わないと思いますが…。最近ゆんゆんがダスト

とかいうダメ男と一緒にいる所を見かけるので、もしかしたらその人に騙されて変な薬を買わされている可能性もあるのではないでしょうか」

 

するとカズマは少しだけ悩んだものの、

 

「確かにダストのやつだったらありえるかもしれないが……。でもゆんゆんに危険なものを買わせる程悪いヤツではないし、第一にゆんゆんが言ってただろ?経験値の増える薬だって。心配ないから大丈夫だよ。それよりもこのボタン、早く試してみようぜ!」

 

そう言ってボタンを手に取りソワソワし出した。

少し気になる所もあるが、確かにダストはゆんゆんに危ないと分かっているものを買わせるような人ではない……と思いたい。未だにゆんゆんが不安そうな顔をしているのが少し気になるが…。それ以上に私もボタンが使えるのかが気になる。

 

「そうですね、カズマの言う通りです。では、ここはカズマがボタンを押してください。私は成功したかを確認します」

 

今気が付いたのだが、その薬を入れたお茶は、少しだけ色が濃くなっていた。これがわかっていたから、カズマは薬を貰ったのだろうか。

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいカズマさん!そのボタンはなんなんですか?一体何が起こるんですか!?」

 

話を聞いていなかったゆんゆんが騒いでくるが、今はそれに構っている暇はない。

 

「ゆんゆん、少し黙っていてください。さあ、カズマ。押してください!」

「おう!いくぞー!」

 

カズマはボタンに指を乗せて、勢いよく叫びながらボタンを押し込んだ。

 

「よろしくお願いしまあああああああすっ!」

 

カチッ。

 

「…ど、どうだめぐみん?」

 

カズマが鼻血を垂らしながら不安げに聞いてくる。なぜ鼻血が出ているのかが気になるが今は

かないでおこう。私は2つのコップを覗き込んで…。

 

「成功です!カズマ、成功しましたよ!!」

「おおー!やったぞ!使える回数は1回減ったが、これはいい買い物をしたな!」

 

私とカズマがハイタッチして喜んでいるのを、ゆんゆんはきょとんとしたまま眺めきた。

 

「あ、あのぉ…」

「よし、これは使えるみたいだし、早速アクアの部屋の前で使ってくるとするよ。それじゃあめぐみん。めぐみんは大好きなゆんゆんと2人で楽しんでくれ」

「分かってま…って変な事言わないでください!!それに私が大好きなのは…っ!」

 

カズマは余計な事を言い残すと、最後まで聞くことなく逃げる様に階段を登って行った。その姿が、先程のアクアと少し重なる。やっぱり2人はなんだかんだ言って似てるなと思い少し嬉しくなった。

 

私はカズマを見送った後、ゆんゆんの方を見た。するとゆんゆんは私の事を見ながら口をわななかせていた。

 

「め、めぐみんが、私の事を大好きだなんて…!」

「ゆんゆん!その事は忘れてください!カズマは毎回余計な事を言いますから間に受けてはいけませんよ!それに私の大好きな人はカズマですから!」

 

── 私はカズマの事が好きだ。だけどカズマはゆんゆんに対して優しかったり、ダクネスとも色んなことをしていたり、アクアと気があっていたり…。このモヤモヤとした気持ち。これがきっと嫉妬なのだろう。

……カズマは私の事が好きなのだろうか。

 

私が恋について真剣に悩んでいる中、ゆんゆんはというとししょんぼりしながら先程カズマが薬をいれたお茶を啜っていた。その光景を見て、ふと、薬の事が気になった。

結局あの薬は経験値の薬だったのだろうか。

 

私はしばらくお茶を飲むゆんゆんを眺めてみたが、特に顔を顰めたり、美味しそうな顔をするでもなく、まるで味が変わっていないような様子でお茶を啜っていた。

私はその様子を少し訝しげに思いながらも、自分の席に座り直し、自分も目の前にあるお茶を啜った。そしてもう一度カズマの事を考える。

 

── カズマは優しい。皆に優しい。だから私に対しても、その優しさと女好きの性格のおかげで構ってくれているだけのかもしれない。

……でも私は。私はカズマの口から好きだと言ってもらいたい。カズマに好きになってもらいたい。だからそう言って貰えるまで何度でもアプローチしよう。カズマが私の事を好きになってくれるまで。

……そしてついでにゆんゆんとの勝負に勝って馬鹿みん呼ばわりした事を後悔するまで謝らせよう。

 

そう心に決め、私はゆんゆんと話そうと思いゆんゆんの方を見ると。

 

 

 

── ゆんゆんは何故か2階の方をじっと見つめていた。

 




皆さんこんにちは!寝るのも忘れて朝まで小説を書き続けた頭のおかしい男子高校生、Ceroです。

まず初めに、この度は本作を読んで頂きありがとうございます!
また、こんな書きずらくて読みずらいストーリー展開にしてしまったことを他の担当者の方々及び、読んでくださった方々に深く謝罪させていだだきます。

気を取り直して、僕は今回のプロジェクトの担当者の中では一番の新参者です。投稿している作品も未だ4つしかありません。そんな僕がリレー小説なんかをやってもいいのかという思いもありましたが、好奇心の方が勝り、参加する事にしてしまいました。笑
今回書いた第2話は、めぐゆん多めのワイワイ回になっています。カズめぐが足りない!と思う方は、是非続きを楽しみにしていてください!きっと心が満たされる事だと思います。

こんな至らない僕をプロジェクトに呼んで頂いた勾玉さんを始め、僕の執筆を優しい目で見守ってくださっためむみんさん、めぐさん。素敵な挿絵を描いてくださったMOSさん。
そしてなにより、このお話を読んでくださった皆様に深く感謝致します!是非ほかの4方の作品にも足を運んでみてください!

では最後に皆様にささやかながら。
── 皆様の幸せを祈り、女神アクア様と女神エリス様の祝福を!『ブレッシング』!!
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