『音声データ・コードG-01』
回収された音声データ-01
この音声データは暗号化された所属不明団体の記録と断定、解析を開始
『警告』
こちらのデータは強力な
クラス4以上のクリアランスを保持する職員の許可を得て下さい。
これより閲覧職員の権限を確認します。
権限を確認、承認しました。
現在解析中、しばらくお待ち下さい。
解析完了、これよりデータの閲覧に入ります。
「…………あれ?これ、オンになってる?」
≪周音マイクを素手で擦る音≫
「入ってるよ9、ライトが付いてるから」
「本当だ!えへへ、なんか緊張するね」
「でも、何を喋るの?」
「ノープランだった……えーと、自己紹介しよ?ね?」
「じゃあ9からね」
「え、う、うん…………ゴホンッ、私はUMP9!好きなものは45姉で嫌いな物はムカつくやつ全部!ああ、あと指揮官も好き!はいじゃあ45姉」
「……そんなんでいいのかな~、名前はUMP45、好きなものは9と指揮官、嫌いものは敵……ほかに喋るの事はないの?」
「うーん………………えっと、私達ね、今すっごく幸せだよ、ゴーストの皆は優しいし、指揮官もいる……この場所をすごく大事にしたいなって思うの!」
「急に………でもそうね、指揮官に拾われたあの日から全てが狂って全てが変わった。良いことも、悪いことも、世界の価値観さえも裏返ったような日々」
「そうそう……この録音が残るかどうかも分からない、けどね、もしも誰かこの声を聞いてる人がいるなら、まだまだこの世は捨てたものじゃないって頑張ってね!」
「こんな世界でも生きていく価値はあるの、私達がこうして生きているように、例えそれが、誰かに生かされている操り人形であっても、どんなにきつく縛られていようとも、そこに存在しているだけで貴方には生命の権利があるのよ、それを忘れないで」
≪扉が開く音≫
「ん、そんな隅っこで何をしてる?」
「うわ!指揮官!?」
「特に何もしてないけど」
≪マイクに衝撃音≫
「まぁなんでもいいが、そろそろ食事の準備をしよう」
「手伝いまーす!今日の献立はー?」
「今日はラタトゥイユとパスタ、チーズ包みのサラダパイだ、45も来るか?」
「もちろん~」
≪三人分の足音が遠ざかっていく音≫
≪しばらく後、一人の足音が近付いてくる≫
「替えの絆創膏が確かここに……ん?」
≪録音機器に触れる音≫
「テープレコーダー……?あいつらがいじっていたのはこれか……仕方ない奴らだ……」
≪電源ボタンに触れる音≫
「………ゴーストはこの世に存在しない……………………ゴーストアウト」
≪音声が途切れる≫
『記録終了』