学園都市の第六位   作:さかき(ヒロタカリュウ)

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導入話ですので、短めです。


序章_Overture

 学園都市という名を聞けば、どこへ行っても、有る程度の印象は決まってこうだ。

 

 即ち、『科学技術が発達した街』である。

 そしてその印象、ないし噂は正しいし、5メートルほどの壁の外側に出てしまえば、学園都市と日本の都道府県の技術差は目に見えるところにもたくさんある。

 電線が地下にまとまっているか、中空をだらりと垂れているか。

 風力発電で都市内全ての電力を賄っているか、発電に火力発電だので環境破壊を起こしているか。

 紙幣の中に、小型ICチップが内臓されているか、否か。

 

 無論、学園都市の場合は前者だ。

 他にも、気象衛星として衛星軌道上に放った人工衛星が、実は世界一のスーパーコンピュータ(ツリーダイヤグラム)を内蔵していたり(ただし現在は原因不明の砲撃で消滅)、別の人工衛星には、学園都市を隈なく監視するカメラを内蔵したものや、上空から砲撃するためのレーザー照射器まで備えたものもあったりはするのだが。

 

 しかし、やはり『学園都市』と聞いて多くの人間が思い浮かべるものと言えばこちらだろう。

 

 『超能力開発』。

 

 開けっぴろげに『脳をいじくっています』とは言えないせいか、『記憶術』だの『暗記術』だのという名目で脳の状態を最適化し、能力の芽を開花させる技術。

 

 学生なら誰しもがこの能力開発を受けるのだが、実際に身に宿る能力の強度(レベル)は、学生の期待を裏切って60%ほどがゼロ、つまり無能力者(レベル0)無能力者(レベル0)の中にも、傷を癒したり、スプーンを曲げたり、草が巻き上がる程度の風を生み出すような、『何かしらの能力』を宿している者もいるが、ほとんどが発動しても効果は低いか、結果が見えないほど小さい。そこから努力してレベルをあげて行けば、いつかは頂点である超能力者(レベル5)になれる、と思われている。

 だが、そんなことはない。

 

 『素養格付(パラメータリスト)』と呼ばれる電子データがある。

 上述したスーパーコンピュータをはじめとした演算装置によって、その人物の成長度合いが演算された情報が詰まっているものだ。

 

 とどのつまり。

 超能力者(レベル5)としての素養を持つ者は、学園都市から最適なカリキュラムを与えられて想定通りに超能力者(レベル5)に到達するし、

 多くの晩成型の無能力者(レベル0)たちは、適当な低予算のカリキュラムを与えられて努力させられる。

 大人の都合によって、実る努力をするか実らない努力をするかが定められる世界。

 

 そんな世界にも、しかし大人が想定していないような()()は存在する。

 

 例えば、学園都市第六位の超能力者(レベル5)

 

 

 25年前、初の能力開発を受けた被験者で、その時に最初から強度(レベル)5を発現し、今も現存しておきながら、第六位である『特定の何者か』の存在を誰も知らない。

 

 これは、そんな異物の物語。

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