ヒューマギアの幽霊がいる――
飛電或人が初めてその噂を聞いたのは、まだ飛電インテリジェンスの社長として就任する前――売れないお笑い芸人として活動していた頃の話だ。
人気のない場所にふらりと現れる、幽鬼のようなヒューマギア。
ヒューマギアのボディなのに明らかに人間的な反応を見せるという、SNSを中心に広まった噂話。
当時こそよくある都市伝説だと深く考えはしなかったが、飛電インテリジェンスの社長の座を継ぎ、滅亡迅雷.netの存在を知ってからは、「ひょっとして彼らの仲間ではないのか?」と考えた。
その為秘書であるイズに情報収集を頼んでいたのであるが――
「アルト社長――以前頼まれていた件ですが……」
イズから具体的な報告が上がったのは、頼んだことすら忘れた頃。
ZAIAエンタープライズによって飛電インテリジェンスが買収され、新たに飛電製作所を立ち上げてしばらく経った頃の話であった。
なので思い出すまでに、少し時間がかかったりもする。
「怪我の功名にはなりますが、ヒューマギアが回収されたことで目撃情報が浮き彫りになりました。大まかな所在はつかめています」
「どうなさいますか?」と見つめてくるイズに、或人は考え込む。
既に滅亡迅雷.netの主要メンバーは割れている。
なので“ヒューマギアの幽霊”が彼らのメンバーだったところで、大きな役割は持っていないとも考えられるが……
「行こう。今の状況で動いているヒューマギアが何者なのか、確かめたい」
発見には、そう手間取ることはなかった。
都市部から離れた廃墟の一つ。
その中で、何をするでもなく佇むヒューマギア。
或人とイズは駆けよってコミュニケーションを試みるが――どうにも様子がおかしかった。
「人類は滅亡しました」
壊れたレコードのように物騒な台詞を繰り返すだけで、その焦点がこちらにあっているようには思えない。
見た目は取り立てて目立つところのない、通常の男性型ヒューマギア。
――なのだが、明らかな異物が一つ。
その腰に半ば融合するかのように取り付けられた、白いゼツメライザー。
ゼツメライズキーこそセットされていないが、滅亡迅雷.netとの関りをうかがわせるものであった。
とはいえ、不調を来たし壊れているように見えるヒューマギア。
放っておくわけにもいかず、一旦飛電製作所へと連れ帰ろうと二人は相談する。
しかしそんな或人たちの前に立ちふさがったのは、天津垓。
ZAIAエンタープライズの社長にして、飛電インテリジェンスの現社長その人。
見慣れた男性の部下二人を伴い、悠々と歩みよる。
「そのヒューマギアは、我々が責任をもって廃棄処分します」
彼らもまた、このヒューマギアの目撃情報を得て対処すべく行動した者。
多忙な社長家業の中、度々自ら現場に出てくるというのは、見方によっては仕事熱心だと言えるのかもしれない。
垓がサウザンドライバーを構えれば、示し合わせるように或人もゼロワンドライバーを構える。
垓はライダモデルとロストモデルに囲まれ、仮面ライダーサウザーへと。
或人は無数の鋼の
バトルレイダーへと変じた部下二人の援護を受け、サウザーが刃を振るう。
相対するゼロワンは
数度切り結んだところで、お互い弾き合うように距離を開ける。
そのタイミングで、イズが口を開いた。
「アルト社長――少々おかしなことが」
「それ今話さなきゃいけない事!?」
「はい、あのヒューマギア――仮称ゴーストですが、スキャンの結果人工知能が機能していません」
「へ?」
或人は思わず手を止め、ゴーストへと視線を送る。
垓たちもまた、武器こそ降ろさぬものの一時的に交戦を停止していた。
「それってどういう――まさかホントに幽霊だとか?」
「ゴーストがどのような原理で稼働しているかは不明ですが、仕様上、今の状態で動くことはないはずなのです。仮説を立てるとすれば、あの白いゼツメライザーが何らかの干渉を行っていると考えるのが妥当かと思われます」
「――御明察、と言ったところか」
突如、男の声が響いた。
或人ではない。垓でも、その部下の二人でも、当然イズでも。そしてゴーストでも。
その男はいつの間にか、そこに居た。
特徴的な紫の衣服に身を包んだ男が、木を背に或人達を睥睨していた。
「あなたは――何者ですか?」
「通りすがりのアナザーライダー、と言いたいところだが――」
垓の問いかけに男は異形の面が付いた時計のようなものを取り出し、起動する。
『DARK DECADE』
「今回は仕事だ」
黒の帯が男を覆い、頭部に無数のプレートが突き刺さる。
現れたのは、悪鬼としか形容しようのない異形。
ゆっくりと歩を進めはじめるマギアともレイダーとも異なる怪人に、轟音と共に無数の弾丸が突き刺さった。
「社長、下がってください!」
射線の元には二人のバトルレイダー。
反射的に怪人の危険性を察したのか、垓の命令を待たずに前に出て射撃を合わせる。
連続する射撃音とマズルフラッシュ。
短機関銃トリデンタの銃口から吐き出される銃弾は高いエイム力で怪人を捉え、弾けるような火花を散らせる。
生身の人間では扱うことも難しい、人外の膂力を持つレイダーが使用することを前提とした高威力の武装。
しかし怪人は痛痒を感じさせず、鬱陶しそうに片手を上げ――爆音。
突如としてバトルレイダーたちの足元で立ち上がった爆炎は二人を飲み込み、その衝撃で変身が解除される。
そんな光景を尻目に或人の脳裏に過るのは過去の――否、なくなったはずの歴史の一ページ。
打ち上げられたアーク。
ヒューマギアに支配され、崩壊した人類社会。
父との戦い――そして別れ。
巨人とバイクが融合した怪人
共に戦った■■■とその仲間たち――
そして――
「アナザーライダーだと……あんた、タイムジャッカーか!?」
己が目的のため歴史を書き換える時間渡航者の存在。
その名を口にする。
「――さて、な」
「惚けるな! 何が目的だ!?」
「ふん、嫌われたものだな。まあいい――
「
あの時は■■■達の介入もあり事なきを得た。
だがその幸運が、今回も起こるとは限らない。
ならば――
「お前を止められるのはただ一人――オレだ!」
或人の意思にクラスターセルが応え、ゼロワンの飛電メタルが無数のバッタと化し怪人――アナザーダークディケイドに襲い掛かる。
それは規模こそ小さくとも個の脅威が膨れ上がった、未だ人類が克服できぬ災害の疑似的な再現。
鋼色の嵐はその内に取り込んだものを食い尽くさんと荒れ狂い――
『KIBA』
吹き荒れる黒い竜巻によって破裂するように包囲が崩される。
「お前にオレを倒すことは不可能だ」
竜巻を構成する“黒”の正体は、無数の蝙蝠。
蝙蝠たちはクラスターセルに食らいつき、その蝙蝠に数匹のクラスターセルの顎が突き刺さり、更にそこに蝙蝠が群がる。
鋼と黒の食らい合い――もはや一つの巨大な生き物が、己が身に齧りついているようにさえ思える光景。
或人はその光景を横に、クラスターセルに転用したことで薄くなった装甲を顧みず、アナザーダークディケイドへと切りかかる。
「先ほども言ったが、お前に用はない」
プログライズホッパーブレードを片腕で受け止めた状態で、アナザーダークディケイドは語る。
「オレの目的はあのヒューマギアもどきの破壊だけだ。アレは本来この時代に存在しないはずのイレギュラー……お前が関わるべき事象ではない。この場は退き、自らの物語に注力するがいい」
「そんな言葉信用できるもんかっ! お前の仲間が何をやったと思っている!」
「……
アナザーダークディケイドが剣を受けとめていた腕を振るうことで、或人の体は後方に押し飛ばされる。
「言っておくが、あのヒューマギアもどきは特大の爆弾だ。アレを放っておけば、この世界の人類滅亡は確定することになる」
「そんなことはオレがさせないっ! オレはヒューマギアと、彼らの可能性を信じる!」
「ならば、負の可能性にも目を向けるべきだろう」
「――何?」
「どこまで覚えているかは知らんが、お前は見てきたはずだ。AIによって人類社会が滅んだ世界を」
あくまで静かに語る男に、或人は攻撃の機を失する。
「別にこの世界だけの話ではない。
「それは――」
反論しようとする或人に、男は更に畳みかける。
「
単なる絵空事として切り捨てることのできない、言葉に詰まった現実感。
戯言と一蹴してはいけない――それがヒューマギアを生み出しだした男の孫であり、その夢を継いだ者としての責務。
故に問いただす。
「……アンタはそれをオレに話して、何をしたいんだ?」
だからこそ――
「何――
「はっ?」
その純粋さを、逆手に取られる。
「肝心なのは、あのヒューマギアもどきの破壊のみ。
「――まさかっ!?」
「アルト社長!」
イズの鋭い声が響く。
とっさに振り向けば、そこにはゴーストの前に立つサウザーの姿。
「アナザーライダーとやらも気になりますが、まずはこちらを優先させてもらいましょうか」
「人類は滅亡しました」
「――ふんっ、戯言を繰り返すばかりとは。ただでさえ不要なヒューマギアが更に壊れた以上、存在価値など塵芥以下。蓄音機の方がまだマシな働きをする」
サウザンドジャッカーの切っ先が天に掲げられる。
「やめろっ!」
或人の声が響くが、当然のように無視される。
サウザーの右腕に力が籠められ、黄金の刃を振り下ろさんと――
「外敵に対する自己保存機能をアンロックします。周辺のヒューマギアは直ちに避難してください」
「なにっ?」
急な言動の変化に、刃が止まる。
そしてゴーストの手には、ゼツメライズキーが握られていた。
『VANISHING HUMAN』
「はっ?」
告げられた名に垓が呆けたような声をあげ、その隙にゼツメライザーへとセットされる。
『ZETSUMERISE』
ゴーストの人皮が剥がれ落ち、露わとなった素体の口から無数の黒い管が飛び出す。
絶望の叫びが形となったかのような光景。
その管の量と勢いは通常のマギアと比較にならないほど。
空を裂き、大地を抉り、とっさにサウザンドジャッカーを盾にしたサウザーを弾き飛ばし、呑み込むように素体に絡みつき、変容させる。
『VANISHING HUMAN』
変容に果てに顕われたのは、マギアとしては意外なほどのスマートな姿。
基本としてヒューマギアの素体に近く、そのボディを更に洗練化させた流線的かつ鋭利な、流麗な彫刻を思わせるフォルム。
純白の装甲の隙間からは赤黒い燐光が漏れ、神々しさと禍々しさを併せ持つ。
そしてその能面のような顔の虚ろな眼孔にも、赤黒い光が灯る。
「バニシングヒューマンゼツメライズキー」
真っ先に口を開いたのは、アナザーダークディケイド。
「ゼロワンの世界の
「人類種の・・・・・・ゼツメライズキー?」
「……1000%、ありえない」
或人の呟きに、サウザー――天津劾が怒りを噛みしめるように言葉を吐き出す。
無理はないだろう。
ゼツメライズキーはプログライズキーの一種・・・・・・絶滅種のデータが封入された記録媒体。
その中に、現時点での霊長たる人類の名が刻まれていいはずがない。
「ヒトのロストモデルだと? アークめ、ふざけた真似をっ!!」
「人類は滅亡しました」
激昂する垓に、アナザーヒューマギアはあくまで平坦な声音を返す。
それがますます垓の癪にさわるが、そんな事は知らぬとばかりに白い人型は二つの手の平を合わせ、離す。
手と手の間に生まれたのは、小さな空中投影型のスクリーン。
スマホの画面程のサイズだったそれは瞬時に人間大にまで拡大し、二つに増え、人影が映る。
そしてそれは、スクリーンの中から現実へと歩を進める。
その姿は、或人にとって見慣れぬ……同時にあまりにも見慣れたモノで――
「ゼロ……ワン?」
「ゼロワン・スパーキングジラフ、並びにゼロワン・ホッピングカンガルー、マテリアライズ。積極的自己保存活動に移行します」
ゼロワンの似姿が、襲い掛かる。
転生者愚痴りスレ
2302:名無しのごとき氏
やっぱライダー系の世界は緊張するわ。
2303:名無しの記憶探偵
ほう、どのライダーだったのだね?
2304:名無しのごとき氏
ゼロワン。
2305:名無しの魔法提督
令和1号ライダーかー。
そーいやゼロワンのアナザーは人間サイズだったな。1号なのに。
2306:名無しの寺生まれ
マンモス使えばワンチャン巨大化ないっスか?
2307:名無しの鬼っ娘
ミッシングパワー!!
2308:名無しのごとき氏
>>2307
さすがに本人に試す気にはなれんよ。どんな影響が出るか分からんし。
2309:名無しの装者
ですよねー。
ゼロワンは確か、人工知能をテーマにした作品でしたよね。
2310:名無しの記憶探偵
テーマ自体は珍しいものでもないな。
科学系の作品なら、主題でこそなくても多かれ少なかれどこかで登場するだろう。
科学サイドでなくとも、人工精霊なども存在するか。
私のいる軌跡世界でも人形兵器なんかがいるからね。
2311:名無しの装者
そういえば、ウチだとオートスコアラーの皆さんもそうでしたね。
2312:名無しの魔法提督
リリなの世界なら言わずと知れたインテリジェンスなデバイスとかが有名な。
あとはギアーズ姉妹とかも一応そうなるのか?
2313:名無しの寺生まれ
>>2312
となるとギアーズ時空なんスか。
確かあの姉妹、人間な世界線もあったっスよね?
2314:名無しの魔法提督
実の所よく分からん。
会ったことないし、地球は接触禁止だからな。
2315:名無しのごとき氏
そーいや気になってネットで調べた時、やたら原作崩壊してたな。
リリなの世界は。
2316:名無しの記憶探偵
最大の転生者数を誇ると言われる世界だからね。
修正力も匙を投げたか。
2317:名無しの鬼っ娘
運命もボイコットするんだねぇ。
2318:名無しの装者
修正力ってあるんですか?
2319:名無しの記憶探偵
あるんじゃないか、とは噂されている。
とはいえ世界線によって形は違うだろうし、オカルトの領域だがね。
確か暇を持て余した超越者たちが研究していたはずだ。
2320:名無しの魔法提督
因果律制御とか抑止力とかがその一種じゃないかって言われてるな。
問題は“誰が行使しているのか?”って点なんだが。
2321:名無しの寺生まれ
ごとき氏のアナザーウォッチもその範疇になるんスかね?
ほら、歴史の書き換えとか。
2322:名無しのごとき氏
“封じた力とそれにまつわるモノが存在しない歴史に書き換える”って点じゃそうなるのかもしれんな。逆に修正される側になりそうだが。
――まあ、今回のゼロワン世界もその手の問題だったんだが。
2323:名無しの装者
そう言えば今回は何をしてきたんですか?
2324:名無しのごとき氏
いつも通りの依頼、だが……きっかけはゼロワン世界への転生者だな。
そいつが持ち込んだ転生特典という名の爆弾処理だ。
2325:名無しの魔法提督
世界観的にヤバいブツとか?
2326:名無しのごとき氏
順を追って話せば、そいつは神様転生者でな。
転生特典として、「なんか強いゼツメライズキーくれ」って頼んだそうな。
2327:名無しの記憶探偵
参考までに、プログライズキーではダメだったのかね?
2328:名無しのごとき氏
ゼツメライズキーの方が格好いいと思ったらしい。
2329:名無しの寺生まれ
なる。
2330:名無しの魔法提督
分かる。
2331:名無しのごとき氏
そこでゼロワン世界の事をあんまり知らなかった神様、軽く調べて「ゼツメライズキーってヒューマギアってのが主に使うんだな。じゃあ転生先はこいつらにするか」って考えたらしく、そいつはヒューマギアに転生……というか憑依させられたそうだ。
2334:名無しの装者
あー……
2333:名無しの鬼っ娘
よかれと思ってですね分かります。
2334:名無しのごとき氏
で、ヒューマギアの体に順応できなかった。
2335:名無しの寺生まれ
なんかバグったんスか?
2336:名無しのごとき氏
機能的には何も問題がなかったらしい。完全に感覚的な問題。
要は人間の感覚が残ったまま機械の体に入ったから、そのギャップに耐えられなかったってさ。
2337:名無しの記憶探偵
……なるほど。生理的な問題か。
三大欲求が残っているのに、それを行使する機能がないと。
2338:名無しの鬼っ娘
あー、そりゃきついねぇ。
あたしの場合は、その手の部分は人間の時とそう変わらなかったから良かったけど。
2339:名無しのごとき氏
改造でも何でもすればそれっぽい機能は将来的につくかもだけど、生身の人間の時との差はどうしても残るだろうしな。
第一有機的な機能を機械的に再現するのって難しいし。
2340:名無しの装者
想像するしかないですけど、それはきついですね……
ごとき氏さんはその辺りの解決の為に呼ばれたんですか?
2341:名無しのごとき氏
うんにゃ、その後始末になる。
結局そいつ自身は、電脳生命体になって今は電脳世界で過ごしてる。
リアルと変わらない再現度らしいからな。快適だろう。
2342:名無しの魔法提督
うん? ゼロワンの世界でそんな真似出来たのか?
アークはそれっぽいけど。
2343:名無しのごとき氏
リンカーネットの運営元に交渉したってさ。
そっちの社員になるから助けてくれって。
2344:名無しの鬼っ娘
へ? そんなサービスまであったの、コレ?
ってか運営元って誰なのさ、そーいえば。
2345:名無しの記憶探偵
運営はそれこそ人工知能が行っていると聞くな。恐ろしく高度な存在になるが。
それにリンカーネットの基礎技術はFate/EXTRAのムーンセル・オートマトンのモノを流用してあると噂で聞いたことがある。
確かにアレならば、魂の電脳化すら容易いだろう。
2346:名無しの魔法提督
オレも聞いたことがある。
ムーンセルを生み出した文明圏に転生したヤツが製作者の一人だって。
ウチの方からもアルハザードに転生したヤツが力を貸したとか何とか。
2347:名無しの装者
そうなんですか!
たまに迷惑なのもありますけど、そういう現代を超える古代の営みってロマンがありますよね。
特にそういう未知の部分に思いを馳せるのって……
2348:名無しのごとき氏
あっ、運営に問い合わせたらマジらしい。
シンフォギアの先史文明も一枚噛んでるってさ
2349:名無しの装者
……私のロマン……
2350:名無しの鬼っ娘
どんまい。
2351:名無しの魔法提督
ごとき氏空気読め。
2352:名無しの寺生まれ
ま、まあその辺でw
でも案外素直に答えてくれるんスね、運営。
2353:名無しのごとき氏
>>2349
なんかスマン。
>>2352
別に隠すほどの事でもないってさ。
オレらの使っているリンフォンも、元はムーンセル・ポータブルって名前だったらしい。
2354:名無しの記憶探偵
運営に直接、か。それは盲点だったな。
しかし結局後始末とは何だったのだね?
レジェンドライダーのプログライズキーならまだしも、早々問題になるようなゼツメライズキーが存在するのかね?
2355:名無しのごとき氏
それがあったんだよ。
バニシングヒューマンゼツメライズキー。
ゼロワン世界の人類が滅んだ“もしもの未来”において開発されたゼツメライズキーだ。
2356:名無しの魔法提督
おおう……名前からしてもう厄い……って言いたいけど、何がそんなに問題なんだ?
ゼツメライズキーもプログライズキーも、極端な話名前の違いだろ。
中のデータが絶滅種か否かって話なだけで、単なるヒトのデータが入った記録媒体じゃないのか?
2357:名無しのごとき氏
まあ確かに、コレ単体ならそこまで問題じゃない。
精々がライダー系のラスボスクラスの怪人が1体増える程度の話だ。
2358:名無しの装者
それ十分問題じゃないですかね?
2359:名無しのごとき氏
まあ確かに問題だけど、本当にヤバい部分は他にある。
このゼツメライズキーが未来において作られたもので、それがその未来に繋がる可能性を持った世界の過去に送り込まれたってことだ。
2360:名無しの鬼っ娘
うん? タイムパラドックス系?
2361:名無しの寺生まれ
人類が滅びたから存在するものが、その過去に存在する・・・・・・あっ(察し
2362:名無しの記憶探偵
逆説的証明……なるほど、未来の保証。ある種の因果律兵器という訳か。
2363:名無しのごとき氏
あのゼツメライズキーが存在する限り、人類が滅亡する未来は固定される。
歴史改変というよりは歴史誘導機能といったところだな。
2364:名無しの装者
そんな事が起きるんですか?
2365:名無しのごとき氏
もちろん作り出した段階ではそんな機能はなかっただろうな。
元々は人類絶滅の記念碑らしいし。
だけど過去に辿り着き、結果的にではあるがそういう役割を果たすことになった。
2366:名無しの魔法提督
そんな劇物を持ち込んだ挙句、放置してきちゃった訳かー。
2367:名無しのごとき氏
本人曰く、壊したつもりだったらしい。
だが他のゼツメライズキーと違って特別性だったみたいでな。
自己保存機能に自己修復機能。
一度壊されかけたことで自己保存機能が最大限に機能して、その転生者の器だったヒューマギアを乗っ取ったみたいだ。
転生者の意識自体は電脳化が間に合って避難したけど、リンカーネット運営との約定もあって最早自分自身で手出しは出来ず。
2368:名無しの記憶探偵
それでごとき氏に解決を依頼した訳か。
ゼロワン世界の未来を破壊しないために。
2369:名無しのごとき氏
それもあるけど、他の理由もある。
まあ自分の身を守るためなんだが。
2370:名無しの装者
電脳生命体になってリンカーネットの電脳空間にいるんですよね?
まだ何か危険があるんですか?
2371:名無しのごとき氏
オーマジオウ。
2372:名無しの寺生まれ
あっ、そうか。確かゼロワンの世界って……
2373:名無しの記憶探偵
ゼロワン世界の歴史改変が、ジオウ世界に波及したという実績があったな。
つまりまた、魔王一行が出張ってくる可能性があっという訳か。
2374:名無しの魔法提督
そしたら元凶である転生者にまで辿り着いちまう可能性もあった訳か。
2375:名無しの鬼っ娘
ごとき氏、今回の依頼実は結構ヤバかった?
よく引き受けたね。
2376:名無しのごとき氏
オレもすき好んで魔王と相対したくはないし。
もちろんゼロワンともだが。
フィーニスの件もあってめっちゃ警戒されたからなぁ。
適当にそれっぽい事言って敵か味方か有耶無耶にしてきた。
でもまあ、魂の電脳化辺りに興味があってな。
2377:名無しの魔法提督
なんだ、ごとき氏肉体パージするのか?
2378:名無しのごとき氏
別の方面で相談を受けていてな。
R-TYPEの方でちょっと……
《ちょっとした設定集》
○バニシングヒューマンゼツメライズキー
人類種のロストモデルが搭載されたゼツメライズキー。人類の築いた文明や兵器類のデータを蓄積し、流体金属を用いて再現する力を持つ。
また“他種の犠牲の元繁栄する人類”を再現してあり、犠牲を重ねれば重ねるほど力が増していく。特製のゼツメライザーとセットで扱い、マギアとしての見た目はスパロボVのネバンリンナをマイルドにした感じ。
人類滅亡後に製作されたゼツメライズキーであり、人類滅亡の記念碑にして墓標。
当初想定された機能ではないが、仮にゼロワン原作の時間軸に出現した場合は“人類が滅亡する未来”へと導く因果律誘導装置として機能する。
《とある戦いが終わって――》
「アンタが言った”時間稼ぎ”。アレは、適当な言葉だったのか?」
「いや、全て事実だ」
「そっか……人とヒューマギア共に生きる未来。飛電の――オレの夢。でもその夢のために世界の未来を賭けるのは、傲慢な事なのかもしれない」
「――急ぎ過ぎた、という部分はあるかもしれんな」
「否定はしないんだな」
「優しい言葉が返ってくるとでも?」
「さすがにそこまで期待してない」
「ヒューマギアは人に依り過ぎている。
「そっか」
「……ただしとあるAIに言わせれば、人は完全でないからこそよりよい未来を求めるそうだ。自分たちは、その人類の夢そのものだと。”わたしたちが人類の味方であるのに、理由は要らない”んだと」
「え?」
「受け売りだがな……お前は好きにするといい。オレはもう行く――何、魔王のように記憶を消したりはせん」
以上、仮面ライダーゼロワン編でした。
今回は敢えて、本編中では絶対に扱われそうにないゼツメライズキーを採用してみました。
或人の劇場版の記憶に関しては、本作中ではジオウ周りが失われておりそれに違和感を抱かない状態になっています。
ゼロワンの物語も佳境に入ってきました。ヒトと人工知能の関係は昔から創作物の中で多く扱われてきたテーマですが、ヒューマギアは良くも悪くもかなり“人間的”な部類。ゼロワンの中ではどんな結末を迎えるのか。
それでは今回はこの辺りで失礼します。