――聖杯戦争。
7人の魔術師と7騎のサーヴァントが、万能の願望器たる聖杯を求め争い戦う魔術儀式。
極東の地日本――その地方都市の一つたる冬木で行われるこの戦いも、此度で5度目。
これまでの4度の戦いで聖杯を手にし、願いを叶えた者はただの一人も存在しない。
今度こそ勝利を――今度こそ聖杯を――
目的と手段は反転し、原初の願いは忘却され、因縁ばかりを膨らませ絡まり引継ぎ、それでもとっくに壊れた儀式は続く。
――その、はずだった。
「はっ、はははははははははははははははは!!」
夜の校舎――その屋上に、哄笑が響く。
狂ったように笑う少年に浴びせかけられる、少女の冷ややかな声。
「早々に敗退したことで、おかしくなったのかしら? 間桐君」
「敗退、ねぇ」
少年――間桐慎二は笑いを止め、屋上に倒れ伏した自らのサーヴァントを一瞥し、興味をなくしたかのように少女――遠坂凛と傍らにいる衛宮士郎に視線を戻す。
「ライダーは確かに虫の息だが……止めも刺していないのに勝利宣言ってのは、さすがに気が早いんじゃないかい? 遠坂。それとも生かしておいて、自陣に加えるつもりとか?」
「生憎とサーヴァントの複数使役なんて無茶をするつもりはないわ。この悪趣味な結界を解除するためにも、キッチリと退去してもらうわよ」
――“殺す”という言葉を使わなかったのは、傍らにいる素人同然の、魔術師未満の少年への配慮か。
それでも学園という日常の場に、生徒たちを生贄にする結界を張った危険なサーヴァントを逃す気はない――その意思を視線に乗せ、慎二へと叩きつける。
「慎二……もういいだろう。お前の負けだ。降参して、この結界を解除してくれ」
衛宮士郎は、友人へと説得の言葉をかける。
色々と問題がある人物ではあるけど、決してそれだけの人物ではない。
何かが掛け違ってしまっているだけど、悪いだけの人間ではない。
そのことを、知っているが故に。
だが――
「ふん、お前まで上から目線で勝者気取りか? 衛宮。半端物の魔術師モドキが」
冷めたように――しかし瞳の奥に確かな激情を押し込んで慎二は告げた。
「たまたま最優のセイバーと契約して、気が大きくなっているんじゃないのかい? 少し強い使い魔を得たところで、お前自身が何か変わった訳でもないっていうのにさ」
「マスターへの侮辱は止めてもらおう」
金髪の少女――セイバーが前に出る。
「言葉で止まらぬというのなら、サーヴァント諸共に切り捨てる。――お前もその覚悟をもって聖杯戦争に挑んだはずだ」
「――っ!? 待ってくれ、セイバー!」
「二人とも、落ち着いてちょうだい」
緊迫感が高まる状況に、凛が待ったをかける。
「間桐君。見栄を張るのも大概にしなさい。あなたのサーヴァントは既に敗北した。退去こそしていないけど、アーチャーとセイバー相手に戦える状態じゃない。――さっきあなたが衛宮君に言ったセリフ、そのまま自分に当てはまることくらい自覚はあるでしょう? この手のやり方はあまり好きじゃないけど、敢えて言わせてもらうわ。
凛は躊躇いを押しつぶし、慎二にとって最も残酷な一言を告げる。
未だ解除されていない結界への焦りもあり、速やかに心を折り戦いを終わらせるために。
だが――
「ははっ」
慎二は唇を歪め、嗤った。
「だったら試してみるかい? 遠坂」
「……ここまでね」
人差し指を構え、銃のような形をとり、慎二へと向ける。
ガント――凛の十八番にして、呪いの魔弾。
一挙動で放たれるフィンの一撃は、慎二の意識を速やかに奪うべく放たれ――
――突如競りあがった岩盤によって受け止められた。
「なっ!?」
「くく……」
驚愕する凛の耳に、岩盤で姿が見えなくなった慎二の低く嘲笑う声が届く。
「僕が魔術師じゃないなんて、一体いつの話をしているんだい?」
岩に手を当て、まるで幽鬼のように暗く嗤う慎二が、再び姿を見せた。
「凛――気を付けろ。何かがおかしい」
凛の契約するサーヴァント――アーチャーが愛用の黒白の双剣を構え、主人を背に前に出る。
「間桐君……あなた、体に纏うその異質な魔力は一体……」
「もともと、ライダーは使い物になれば儲けものくらいにしか考えてなかったさ。なんせ、あのどんくさい桜が召喚したサーヴァントなんだからな。元から大して期待はしていなかったよ」
「なっ!? 何でそこで桜の名前が――」
「そんな事どうだっていいだろうぉ!? 衛宮ぁ!! ――見せてやるよ。僕が手に入れた“力”を!!」
セイバーが地を蹴るよりも早く――
アーチャーが双剣を投擲するよりも早く――
慎二は手に持った“ソレ”を押し込んだ。
『WIZARD』
慎二の体に闇色の帯が巻き付き、怪人が顕現する。
その顔は赤色を基調としたひび割れた宝石のようで、瞳は窪みドクロの様相を思わせる。
後頭部には異形の怪物の手に鷲掴みにされたかのような異様な装飾が誂えられ、ベルト部分には人の手の骨じみた紋様が浮かぶ。
「なんだよ、それ……」
「危ない、士郎!」
声と同時に、士郎の体はセイバーによって抱えられ一気に跳ぶ。
直後、自身が一瞬前までいた場所を奔った“ナニカ”。
それは屋上に設けられた貯水槽にぶつかり、一瞬で緑色のオーラへと変え霧散させた。
「衛宮君っ!? ――っ、今のは魔術、なの? 一体どんな外法に手を出したって言うのよ!」
「ははっ、ははははははははは!! どうだ遠坂ぁ!! 衛宮ぁ!!」
異形へと姿を変えた慎二が吼える。
「これがっ、僕の力だ! この力が――この力さえあれば、僕だってやれるんだ! もう誰にもっ、出来損ないなんて言わせない!」
「慎二、お前……そんな――そんな姿がお前の望んだものだって言うのかよ!?」
「ああそうさっ!!」
絞り出すように、吐き出すように叫ぶ。
俯く異形の表情は、まるで苦悶と悲痛に満ちた罪人のようにも見え――
「お前には分からないよ、衛宮。スタート地点に立つことさえできなかった、僕の気持ちなんて! 魔術師の家に生まれながら魔術を振るう資格がなく! 間桐の長兄でありながら後継者としての座を、よそから貰われてきた子に譲るしかない惨めさ! 良い兄であろうとしたのに、その義妹からは同情される始末! 今となっては家ではいらない子扱い! そうさ――魔術師でさえあれば、こんなことにはならなかったんだ!」
「――っ!!」
凛が唇を噛みしめるようにするが、慎二はそれに気づかない。
「この力さえあれば、僕だって魔術師に――いいや、僕はもう魔術師なんだ! あの恐ろしいお爺様だって、この力の前には敵わなかった! は、あははは、すごい……この力はすごいぞ! これで僕は間桐の後継者に……桜とだって、またちゃんと家族とし――て? ――ああちくしょう……何を口走っているんだ、僕は!?」
頭を抱える慎二に、凛は声をかけようとし――
「アナザーウィザードになった影響か。情緒が不安定になっているな」
割り込まれた男の声に、機先を制された。
その場にいた全員の視線が一か所に――屋上の出入り口に集中する。
そこには腕を組んで佇む見慣れぬ男の姿。
そしてその傍らには、見慣れた少女の姿。
「綾子? 何であなたが――まだ入院していたはずじゃあ……」
「抜け出してきたんだよ。悪いけど、慎二の相手は私に任せてもらう」
「何を言って――」
「
「なっ――」
遠坂凛にとって、美綴綾子は日常の象徴のような人物である。
その彼女の口から出た、聖杯戦争の名。
凛はキッと、隣に立つ男を睨みつける。
「あなたね……綾子に妙なことを吹き込んだのは。一体何者かしら? 聖杯戦争のマスター?」
「別に、そういう訳ではないのだがな。さて――」
男――スウォルツは視線を慎二に向け、それを受けた当人はたじろぐ。
「アナザーウィザードウォッチ――どんな経緯で流れ着いたのやら。まあいい。美綴、本当にやるんだな?」
「ああ、あのバカは私が止める」
あまりにも堂々とした物言い。
それに真っ先に反応したのは、士郎だった。
「なっ、やめろ美綴! 無茶だ! 今の慎二は――」
「無茶だとか、アンタに言われたくないセリフトップ3に入るね」
綾子は苦笑して見せ、それでもアナザーウィザードと化した慎二から視線を逸らさない。
それが勘に障ったのか、伽藍の双眸に怪しい光が宿る。
「止める、だって? はっ、どうやってだ? ライダーに吸血されて寝てたやつが何を言って――」
「お前の意見は求めていない」
スウォルツが取り出したものに、慎二の動きが凍り付く。
何故ならばそれは、つい先ほど自身が使ったものと瓜二つで――
「お前に新しい体験をしてもらう」
『AGITΩ』
綾子の背中に押し当てられるウォッチ。
先ほどの光景の焼き増しのように、彼女の体を闇が包み込み。
「……やれそうか?」
「ああ、問題ない」
緑を基調とした異形――アナザーアギトと化した美綴は、はっきりと答える。
「最初に言った通り、制御できないようならオレが全て片付ける。精々燃え尽きないようにするがいい」
「これ以上手を煩わせないようにするさ」
「綾子――その姿は……」
「後で全部説明するから、ちょっと待っててくれ。――行くぞ慎二、指輪の準備は十分か?」
アナザーアギトが長刀状の武器を構える。
「ふざっ――けるなっ!! ここで負けたら、僕はただの道化じゃないか!!」
アナザーウィザードは左手に嵌めた指輪をかざす。
聖杯戦争の中で、アナザーライダー同士の戦いが始まった。
◇
「道化というのも、そう捨てたものではないのだがな。貴様はどう思う?」
アナザーアギトとアナザーウィザードの戦いは校庭に移行し、士郎と凛に、セイバーとアーチャー――二つの主従はそれを追いかけていった。
屋上に残り戦いを見下ろすのはスウォルツと、突如現れた黄金の王。
「直接見に来るとはな――ご自慢の千里眼はどうした?」
「質問に質問で返すとは、不敬なヤツよ。……ふん、我が眼に映らぬ不届きな影がいた故、直接見定めに来たまで」
傲岸不遜が形になったかのような男であり、それが許される男。
人類最古の英雄王・ギルガメッシュはスウォルツと対峙する。
「星の外側からの来訪者か」
「如何にも」
「脆弱な小娘に力を与え高みの見物とは、よほど自らに自信のない小心者と見た」
「身寄りのない子供を電池代わりにするよりはましだと思うがな。
「受肉したこの身には本来不要であるが、献上品として受け取っているに過ぎん……が、貴様――我の臣下の名を引き合いに出した以上、首を差し出す準備は出来ていると判ずるぞ?」
黄金の王が纏う気配が変化し、赤い瞳が鋭く細められる。
鎧こそ纏っていないものの、その威圧感は肌を刺すように膨れ上がる。
魂を押しつぶすかのような圧迫感を前に――スウォルツは己がウォッチを掲げて見せた。
「まったく――藪蛇だったか」
「我をさして蛇と言ったか。この痴れ者が」
「お前の財とオレのウォッチ――どちらが上か試してみるか?」
「戯け! 試すのは裁定者たるこの我よ!」
空間に金色の波紋が幾つも浮かぶ。
揺れる空間から剣が、斧が、槍が、弩が――あらゆる宝具の原典たる財たちが顔を覗かせる。
王の意思一つで爆撃とも称される武器群は射出され、来訪者を穿たんと迫り――
『DARK DECADE』
低い音声と共に撃ちだされた無数のプレートとぶつかり合い、弾かれる。
散らばったプレート群は意思を持ったかのように本来あるべき場所――スウォルツの頭部へとその身を躍らせる。
怪人――アナザーダークディケイドと化したスウォルツに、ギルガメッシュは嗤って見せる。
「何者かと思えば、
「確かにその気になれば、人理定礎の一つや二つ、破壊できるかもしれんがな。元は世界の破壊者の力――そこに理があるかまでは知らんが」
「ほう――世界の破壊ときたか。ならばその大口が真実のものか――我に示してみるがよいっ!!」
宝物庫から
――同時にこの戦いを呼び水に、抑止力は1騎のサーヴァントをカウンターとして召喚した。
「これは――懐かしい気配がするね」
緑色の髪を持った、美しき土人形を――
◇
転生者愚痴りスレ Part21
511:名無しの装者
なんか私、調ちゃんからは苦手に思われているっぽいんですよね。本当にアレで良かったんですか?
512:名無しの魔法提督
だいじょーぶだいじょーぶ。時間が解決するって。
513:名無しのごとき氏
乙。あとおひさー。何の話してるの?
514:名無しの寺生まれ
あっ、ごとき氏久しぶりっスね。ちょっと装者ちゃんのことで、何でも人間関係がうまくいっていないとか。
515:名無しのごとき氏
へぇ、原因は分かっているの?
516:名無しの装者
調って子なんですけど……多分その子と敵対していた時に問題があるのかなって。
今は仲間として一緒に戦っているんですけど。
昔敵だった時にその子から「偽善者」って罵られたことがあって……
その事で提督さんに相談したことがあったんですけど、その時は「一方的なとらえ方だから、真に受ける必要はない。君はよく戦っている」って。
517:名無しの鬼っ娘
大人な物言いだね。
518:名無しの装者
あと「格好いい言葉で相手を否定したら自分が正しい気になれる年頃ってだけだから、生暖かい視線で見守ってあげるといい」って。
「相手が嫌いだったら今の内に録音でもしておけば、将来脅迫の道具になる。数年もしたら絶対に黒歴史になるから」とも。
519:名無しの記憶探偵
最悪の助言だね。
520:名無しの魔法提督
この上なく現実的な助言だったと思うんだけど。
ところでごとき氏は何してたんだ? しばらく来てなかったけど?
521:名無しの寺生まれ
あからさまに話題を変えたッスね。
522:名無しの装者
あっ、私のことは後回しでもいいのでどうぞ。
523:名無しのごとき氏
あー、ちょっと修羅場っててね。
fate/stay night? の世界線に行ってたんだけど……
524:名無しの鬼っ娘
名作だねー。でもなんでクエスチョンマークつき?
そーいやfateっていえば、今幻想郷にもカルデアの連中が来てるんだよ。
525:名無しのごとき氏
闇鍋だったから、かなぁ・・・・・・いや、世界観的にありうる話ではあったんだけど。
ちょっとダイジェストに説明していくよ?
まずその世界にいた転生者は、美綴綾子。転生だか憑依だか知らんけど、そうだった。
526:名無しの鬼っ娘
あの子かー。チートとかあって聖杯戦争に巻き込まれたとか?
527:名無しのごとき氏
うんにゃ。天然ものの転生者で、別にチートはなしの一般人。
原作通りちょっと巻き込まれはあっても、がっつりは絡まない。そんな立ち位置。
でも間桐慎二を助けたいって相談をうけてね。
528:名無しの魔法提督
あー、まあ展開次第じゃ普通にバッドエンドだからなぁ、彼。
そこは主人公もだけど。
転生前にファンかなんかだったの?
529:名無しのごとき氏
いや――アレはどっちかといえば友情か、それとも男女的な感情というか……
まあそれはいいや。どっちにしろ、彼をまともな人の道に戻したいってね。
でも問題になったのが、慎二がどこからかアナザーウィザードのウォッチを手に入れていたこと。
530:名無しの装者
へ? それって元々あるようなものじゃないですよね?
531:名無しの記憶探偵
ふむ、あり得ざる物品か。我々転生者が絡む以上、度々ある話だね。
以前の転生者の遺物か、何かの拍子に流れ着いたか、何者かが敢えて渡したか。
532:名無しのごとき氏
本人に聞いたら、間桐雁夜の遺物だとか。
雁夜本人が力について知っていたかは、今更分からんけどな。
……正直慎二が力を使いこなせているようなら放っておいてもよかったけど、明らかに暴走している感じだったから取り上げることにした。放置したら、誰にとっても碌なことにならないし。
――で、ここでみつづりんが自分の手で目を覚まさせたいって言いだしてなぁ。
533:名無しの寺生まれ
みつづりんって一気にフランクになったっスねw
でも彼女、一般人なんでしょ? いったいどうやって……
534:名無しのごとき氏
アナザーアギトウォッチを貸した。
アレは、基本的に使う人間を選ばないからな。
535:名無しの装者
えっ? でもそれって危なくないですか?
536:名無しのごとき氏
危ない。でも本人がやるって言ったから。
まあ暴走しても、慎二諸共オレが抑え込めば済む話ではあったし。
なりたてのアナザーライダーならどうとでもなる。
結果としては杞憂だった訳だけど。意思が強かったのか、よほど慎二を助けたかったのか。
力に飲まれず、ちゃんと戦えていたよ。
オレはオレで、成り行きでAUOと戦うことになったけどそれはまあいいとして……
537:名無しの魔法提督
良くない。全然良くないんだけど。
538:名無しのごとき氏
あの世界な時点で、可能性はあるかなーと思ってたから。
むしろここからが問題だった。
最初はアナザーウィザードのウォッチを回収して終わりかなーと思っていたけど、抑止力が余計な仕事しやがりやがった。
オレのことを人類の脅威だが世界の脅威だかと判断して、カウンターとしてサーヴァントを召喚してきた。
539:名無しの鬼っ娘
うんー? ごとき氏世界の敵だったの?
540:名無しのごとき氏
まあ性質的には、そういう面もなくはないのかな?
加えて召喚したサーヴァントがこれまた問題で……
多分その場にいたギルガメッシュの縁から引っ張ってきたんだろうけど、エルキドゥ。
しかもこっちそっちのけでギルガメッシュと仲良く喧嘩始めて。
冬木の森とイリヤ城が吹き飛んだよ。
541:名無しの記憶探偵
とんだとばっちりだね、彼女も。本人たちは無事だったのかい?
542:名無しのごとき氏
ちょうどメイド共々城を離れていたみたいだ。
ただなぁ……ギルガメッシュとエルキドゥが遭遇したことで、神代に女神イシュタルが残しておいた呪いが起動したんだ。
543:名無しの装者
呪い、ですか……? いったいどんな?
544:名無しのごとき氏
イシュタルは昔、二人にトラウマ植え付けられててね。
もし将来的に二人が出会ったら、復讐してやるってやつ。
当然イシュタル本人は神霊になってとっくに地上から離れているから、残っているのは本人じゃなくある種の残渣。
それが近くにいた、一番相性のいい依代に憑りついた。
545:名無しの魔法提督
あー、つまり遠坂凛。イシュタリンになった訳か。寺生まれ、出番だぜ。
546:名無しの寺生まれ
無茶言わないでほしいっス。
547:名無しのごとき氏
FGOみたく、疑似サーヴァントになった訳じゃないけどね。
あくまで性質の悪い呪いに憑依された人間。
英雄王とエルキドゥもその気配に気づいて一先ず矛を収めたけど、エミヤもマスターの豹変に気づいて……具体的に言えばあくま度合いが急上昇したことで危機感を覚えたのか、速攻でルールブレイカー投影して契約を解除。
イシュタリン、さすがにこの状況じゃ復讐なんてできないと判断したのかオレに協力を求めてくる。
548:名無しの装者
受けたんですか?
549:名無しのごとき氏
そんな訳ないだろう。ぜってー碌なことにならないし、秒で断った。
するとイシュタリン、顔を真っ赤にして肩をプルプル。昔のトラウマを思い出したんかね?
英雄王大爆笑で腹筋崩壊太郎。
おかげでオレまで復讐対象に入ることに。
550:名無しの寺生まれ
災難っすね。女神に絡まれるとか……
551:名無しのごとき氏
基本マイルールな生き物だからなぁ。オーフィスの方がだいぶ聞き分けがある。
でもそこは腐っても女神というべきか。包囲網から離脱して柳洞寺地下に直行。
大聖杯を手中に収める。
552:名無しの魔法提督
既に聖杯戦争の意味がなくなってきている件について。
553:名無しのごとき氏
元々第三次の時に儀式自体壊れたようなもんだし、今更だろうさ。
そこでオレ、全陣営にコンタクトをとり現状と大聖杯の汚染について説明。
ギル陣営は元々知っていた訳だけど、イシュタリン登場もあって何とか全員で協力して事に当たることに。
554:名無しの装者
戦わなくてよくなったのはいい事ですね!
でも慎二さんとかも大丈夫だったんですか?
555:名無しのごとき氏
そこはみつづりんが頑張ってくれた。
アレだな、夕焼けがさす河原で殴り合った的な感じである程度毒が抜けたというか。
リアルに世界がヤバいって説明したら、ぐちぐち言いながらも協力者に。
蟲爺も桜諸共スリープの魔法で眠らされていたけど、叩き起こして現状を説明。
とにかくもう聖杯は使い物にならないってことを、重点的に。
油断していたとはいえ、慎二にこっぴどくやられたことも効いたんだろうな。
すっかり大人しくなったよ。
セイバーも落ち込んでいたけどさすがは英雄か。世界の危機は見過ごせないと。
桜はもう士郎に任せた。
で、全陣営に協力を取り付けた訳だけどそれが裏目に出たというか……
イシュタリン、大聖杯の裏コードを起動。聖杯大戦開幕。
556:名無しの魔法提督
事態が更に悪化してるじゃねーか!?
オートでアポコラボ始めるなよ!
557:名無しのごとき氏
不可抗力だったと主張する次第であります。
さすがは女神というべきか、聖杯の泥を回避しつつ大聖杯を魔力のバックアップに。
新たに召喚したサーヴァント全騎のマスターになりやがった。
まずはバーサーカー・フワワ。
558:名無しの寺生まれ
最初っからフルスロットルじゃないっスか!?
559:名無しの鬼っ娘
ヤバい奴なのー?
560:名無しの寺生まれ
滅茶苦茶。
561:名無しの鬼っ娘
ふーん。戦ってみたいなぁ。
562:名無しのごとき氏
まあ本命はフワワだけだったみたいだから、後は適当に召喚してた。
そのせいか、5次鯖に関連があるのが多かったかな。
セイバー・モードレッド
アーチャー・エミヤオルタ
ランサー・メドゥーサリリィ
ライダー・ヒッポリュテ
この辺までは、まだまともだった。
563:名無しの記憶探偵
ふむ、結構な面子だとは思うが、それ以上のサーヴァントが?
564:名無しのごとき氏
アサシン・謎のヒロインX
キャスター・英霊トーサカ
565:名無しの魔法提督
ヤメロヨ、真面目な戦いに唐突にイロモノを放り込むのは。
566:名無しのごとき氏
まだこれじゃあ終わらないぜ!
ルーラーとして、ルヴィアを依代にアストライアが召喚。
その時一緒にいたロード・エルメロイⅡ世を拉致って現地入り。グレイも一緒に。
前回の聖杯戦争経験者として、ナビにしたらしい。
567:名無しの装者
拉致ですか……アストライアって確か、ギリシャの方の女神様でしたよね?
568:名無しのごとき氏
ああ。本来神霊は召喚できないはずだけど、イシュタルに呼応したのか、それともこの世全てに悪に汚染された大聖杯の最後の抵抗か。
――で、こっちとも顔合わせした訳だけどギルとかアルトリアに因縁があるエルメロイⅡ世、気まずい。
グレイもアルトリアにバッチリ顔合わせし、お互い気まずい。
モードレッドにも遭遇して更に気まずい。
ヒロインXに至っては、未知との遭遇。
569:名無しの記憶探偵
モードレッド卿はロンゴミニアドで死んだわけだからね。
アーサー王の写し身という意味でなら、同じ立場でもあるわけだ。
ヒロインXについては……まあコメントを控えよう。
570:名無しのごとき氏
更には桜、英霊トーサカに遭遇してマジ切れ。
「私を他所の家にやって姉さんを育てた結果がこれってあんまりですよ、うわーん!! こうなったら私も自由に生きてやるー!!」
桜、覚醒。蟲爺および慎二との力関係が完全に逆転する。
イシュタリン及び英霊トーサカ、ガチで落ち込む。
571:名無しの寺生まれ
ま、まあ借金まみれで世界と契約したのが姉の成れの果てとかアレっすからねぇ(汗
572:名無しの鬼っ娘
お金は難しいねぇ……
573:名無しのごとき氏
まあそれでもいろいろありながら戦いは進んだ訳だ。
イリヤが凛の家にあった魔術礼装と契約して魔法少女になったり。
ヒロインXを餌付けして寝返らせたり。
言峰が「ちょ、もうさすがに隠蔽無理かも」と冷や汗かいたり。
蟲爺や言峰の妨害が減ったせいでプレラーティがちょっかいかけに来たり。
自分を呼んではいけない名で呼んだクソ野郎が来日したのを察知して、人形師がやって来たり。
その姉にちょっかいかけに、第五魔法使いまで来たり。
所詮は田舎のしょっぱい儀式だと認識していたけど、実は結構ヤバいんじゃね? と考えた時計塔が本腰を入れ始めたり。
みつづりんが仮面ライダーアギトに覚醒したり。
574:名無しの魔法提督
止めて! 冬木のライフはもう0よ!?
>>仮面ライダーアギトに覚醒
ねえ、今どんな気持ち?
575:名無しの装者
あっ、そっちにもプレラーティさんいるんですね。
576:名無しの寺生まれ
ヒロインX餌付けって……ま、まあ士郎とかエミヤがいるっスからねぇ。
577:名無しのごとき氏
>>574
ノーコメントで。客観的に言うなら、アナザーアギトの因子に刺激されたんだろうさ。
>>575
そっちのプレラーティとは比べ物にならん性の悪さだけどな。
>>576
X餌付けしたのはオレの料理だ。自慢じゃないけどエミヤよりもうまいぞ?
578:名無しの鬼っ娘
へぇ、料理うまいのかい。なんというか、意外だねぇ。
579:名無しのごとき氏
黒包丁だって持ってるからな。妹に料理を仕込んだのもオレだぜ?
それはさておき、徐々に追い詰められたイシュタリン、爆発オチを選ぶ。
具体的には大聖杯の中身を溢れさせるという暴挙に出る。
「アンタに復讐できないなら、アンタの庭に復讐する!」という謎理論。
580:名無しの記憶探偵
いきなりのクライマックスになったね。
しかし聖杯の泥といえば、方向性は違えど帝国の呪いより凶悪そうだが……
581:名無しのごとき氏
こんなこともあろうかとオレ、某聖人男性の片割れから貰っていた聖杯(紙コップ)で聖杯の泥を浄化。
582:名無しの魔法提督
最初っから使えやソレ!?
わざわざ苦労する必要皆無じゃねーか!?
583:名無しのごとき氏
いや、ほらね? こう、最初っから神頼みってなんか違うじゃん?
584:名無しの装者
ごとき氏さんって、そういうとこ変に真面目ですよね。
585:名無しのごとき氏
何やかんやで聖杯大戦にも決着がつき、事態は落ち着くと思いきや聖杯(紙コップ)の使用を察知した聖堂教会が全力で回収に来る。埋葬機関も半分以上投入してくるし、アイツらガチすぎだろ。
586:名無しの寺生まれ
いや、別世界とはいえガチの救世主の聖杯っスからね。仕方ないんじゃ……
587:名無しのごとき氏
時計塔も聖杯(紙コップ)の価値を認め獲得に動き出す。
ついでに当たり前のように存在したナチス残党も活動を開始する。
聖杯(紙コップ)争奪戦、開幕。
588:名無しの魔法提督
ちょ、待てよ。どっからナチ湧いてきたんだ!?
589:名無しのごとき氏
>>588 知らん、オレが聞きたいよ。
――で、オレ全勢力に対して告げる。
「すみません、普通に使い終わった紙コップと勘違いして燃えるゴミに出しました」
聖杯(紙コップ)争奪戦、ゴミ漁りにシフトする。
590:名無しの寺生まれ
この罰当たりぃぃぃぃ!!?
591:名無しの鬼っ娘
アハハハハハハハ! もう最っ高! 気に入った、家に来て妹をファックしていいよ!
592:名無しの記憶探偵
何とも言えない有様だね……
>>591 鬼っ娘嬢、君妹がいたのかね?
593:名無しの鬼っ娘
うん、萃香のやつ。
594:名無し魔法提督
マジか。萃香成り代わりだとずっと思ってた。
595:名無しのごとき氏
聖杯大戦が終わった後、みんなで打ち上げやってて酒が入ってたんだよ。
それでついうっかり。
596:名無しの鬼っ娘
酒は飲んでも飲まれるなってね。
597:名無しのごとき氏
まあ結果として冬木一帯、ポイ捨てのゴミとかが一掃されたからなぁ。
で、聖杯(紙コップ)だけど浄化された冬木の大聖杯の元まで流れ着いてた。
多分だけど、浄化した時の影響が大聖杯に残ってて引かれ合ったんだろう。
それでなんか、柳洞寺の地下空間がダンジョン化していた。
598:名無しの装者
何なんですかその急展開!? 何が起きたんです?
599:名無しのごとき氏
うん、まあね? あの聖杯(紙コップ)、あの人が天使たちとオンラインゲームやってるときにジュース入れて飲んだやつみたいで……
その時ぼんやりと考えていた「いつかVRとかでもやれたらなー」って願いが残留思念的に付着していたみたい。それを大聖杯が読み取って叶えちゃったと。
600:名無しの寺生まれ
リアルデモハンじゃないっすか!!
601:名無しのごとき氏
しかも大聖杯、今まで回収していた英霊の魂をNPCとして再雇用。
ディルムッドはかつて叶わなかったアルトリアとの対決を果たし、エルメロイⅡ世はイスカンダルと再会。グレイにはめっちゃ礼を言われたけど、正直完全に意図外だったからなぁ……
602:名無しの装者
そこは素直に受けておいていいと思いますよ。
603:名無しのごとき氏
まっ、実際いい子だからな。グレイ。
604:名無しの装者
むう……
605:名無しのごとき氏
ダンジョンの扱いに関しては、また問題になっているんだけどな。
時計塔は霊墓アルビオンに代わる魔術資源の採掘場として欲しがっているし、教会もあの人関連の地として聖地認定したがっている。
凛はイシュタルからは解放されたけど、冬木のセカンドオーナーとしてもうてんやわんやだよ。
ぶっちゃけここからは金と政治の戦争だからな。後は勝手にやってくれって話だ。
606:名無しの記憶探偵
何というか、お疲れ様としか言いようがないか。
そう言えば、当初の目的だったアナザーウィザードウォッチはどうなったのかね?
607:名無しのごとき氏
ああ、それはきっちりと回収した。
慎二本人が、もう必要ないからって。
608:名無しの鬼っ娘
ふぅん? 力にこだわっていた分、意外だねぇ。
609:名無しのごとき氏
運命の悪戯ってやつかな?
アナザーウィザードの力を使い続けた副作用で、死活していた魔術回路が励起したみたいだ。
つまり、本当に魔術師の仲間入りを果たしたってわけ。
610:名無しの装者
よかったじゃないですか! これで報われるってことですよね?
611:名無しのごとき氏
いや、そう単純な話でもないだろうさ。
一つ得れば、いずれはそれが物足りなく感じる時が来る。
これから冬木は一大霊場として超一流の魔術師やら何やら集まってくるだろうし、多分彼らに対してコンプレックスは感じ続けるだろう。
612:名無しの魔法提督
足るを知る、ってやつだな。
ないものねだりを続けて身を崩すなんて、よくある話だ。
613:名無しのごとき氏
プライドが高いし、また自棄になってバカやらかすかもしれないけどさ。
その時はみつづりんがまた殴って止めるだろう。仮面ライダーになった彼女がな。
《ちょっとした設定集》
〇美綴綾子
Fate/stay nightに登場する主人公の同級生で、女傑。この世界線では成り代わり転生者。「慎二を自らの手で止める」という目的の元ごとき氏からアナザーアギトウォッチを借り受け、その因子を受け続けたことで本物の仮面ライダーアギトとして覚醒する。今回の一件後、慎二とは付き合い始めたらしい。ちなみに士郎やエミヤからは、アギトの力を羨ましがられているとか。
〇黒包丁
料理番組「仮面ライダーカブト」と登場したアレ。闇の料理人の頂点に受け継がれる。
〇デーモンハンター
某聖人男性がプレイしていることで有名なオンラインゲーム。
Q.シリアスな展開や風呂敷を広げ過ぎた設定をうまく畳む方法は?
A.全部ダイジェストにするんだよ!
という訳で、fate/stay nightの皮を被った何かでした。超展開の連続でも「大変だったね」で解決できる。そう、ダイジェストならね!
慎二はアナザーウィザードが似合うキャラだなぁ、ということで起用しました。魔術師の家系ながら魔術師ではなく、同じ冬木の名家である凛が宝石魔術を使うのに対しアナザーウィザードの顔はひび割れた宝石である点などです。当初の想定ではアナザーライダー周りで決着がつく予定でしたが、何時の間にか話が広がり過ぎて……(汗
もう行きつくところまで行ってしまえ! と。それでは長文失礼しました。