――七星剣武祭合宿の最終日。
黒煙の上がる校舎と、幻想形態の
駆け付けた破軍学園合宿参加者たちと、襲撃者である暁学園の生徒たちの戦いは膠着状態に陥っていた。
――否、そもそも戦いと呼べるほどのものが発生していない。
暁学園を裏切った有栖院凪による奇襲は読み切られ、逆に囚われ連れ攫われた。
それを追いかけていった面々と、この場に残った面々。
まさに一触即発と言える中で、いつの間にか瓦礫の上にチョコンと腰を下ろした“彼女”の存在に全員が気づいた。
(何よ、アレは……)
ステラ・ヴァーミリオンは
それも平均的な伐刀者の30倍ともいわれる規格外の魔力量を誇る、破格の才能の持ち主。
生まれながらの強者。世界的にも希少なAランク。
しかしながら視線の先で何をするでもなく、両の頬に手を当てぼんやりとしているだけの無害そうな黒衣の少女相手に、冷や汗と緊張が止まらない。
それはステラだけではなかった。
この場にいる全員が、同じ感覚に囚われていた。
魔力量は、伐刀者の全てではない。
ステラはその事実を、日本にきて強く思い知らされた。
同時に魔力の強大さは、大きなアドバンテージであるのも揺るぎない事実。
物理法則を越え、自らの意思一つで運命すらも捻じ曲げる。
強力な伐刀者の戦力は近代兵器すらも上回り、時に“個”が“軍”すらも超越する。
その観点から言えば、膨大な魔力を生まれながらに身に纏うステラは紛れもない怪物。
だが――
あの黒衣の幼女は、底が知れなかった。
(――いえ、そもそも底なんてあるの?
あの幼女は攻撃的な兆候も、敵意も一切向けていない。
文字通り、ただその場にいるだけ。
何かを害しようという魔力の発露は感じられない。
――にもかかわらず、意識を外せない。
自然にあふれ出る魔力のみで、この場にいる全員を超越している。
その認識を共有しているが故に、全員動けない。
例え敵意も害意もなくとも、黒衣の幼女が動いた際の空気の揺らぎ一つで自分たちは埃のように飛ばされてしまうのではないか――そんな幼稚な錯覚すら現実味を帯びているのだから。
結果として始まるはずの戦いはゴングを鳴らすことはなく、膠着状態に陥っていた。
否、例外はあるのだが。
「……………………」
幼女の前に一人陣取り、一心不乱に手に持ったスケッチブックに筆を走らせ続ける少女。
いや、少女というには些か体つきが豊満すぎる気もするのだが――
その様子からは鬼気迫るものが感じられ、母校を半壊状態に追い込んだ怨敵の一人であるはずなのだが、『戦闘など知った事か』と言わんばかりの一心不乱さにどこか毒気を抜かれてしまう。
そして――
「――――――――」
チラリと視線を向けた先に横たわる、道化師風の人物。
真っ先に幼女に対して何かしようとした人物であり、おそらく反撃を受けたのだろう。
それ以降はピクリとも動かず、倒れ伏したままである。
おまけに暁学園といったか。その面々は、誰も倒れた道化師に駆け寄ろうともしない。
薄情な事――と、ステラは他人事のように心の奥底で呟いた。
現時点でステラには知る由のない話だが――
この日世界各地で1000を超える“人間だと思われていた物”が機能不全を起こすという摩訶不思議な事件が発生したのであるが――
この場この時においては、特に関係のない話だ。
(ともかく、状況から見て暁学園側でないことは間違いない)
むしろ破軍学園の面々よりも、暁学園側の方があの幼女に対して警戒を抱いているようにすら見える。
(それに――)
単純な警戒以外の部分でも、ステラは意識が外せなかった。
自分以上の伐刀者がいるということは、ステラもよくよく認識している。
同時に、いつかは彼ら彼女らを上回る事が出来るだろうという確信もまた、ステラの中には存在した。
――だからこれは、初めての経験。
明確に生物として格上の相手との遭遇。
不謹慎ながら、胸の鼓動が止まらない。
心臓が早鐘を打ち、まるで自分の中にいるナニカが『早くここから出せ!』と激しくノックを続けているかのように。
そんな妄想じみた考えに囚われた数瞬の間に、幼女は目の前に移動していた。
「えっ? あっ――!?」
狼狽えてしまった自分を叱咤する。何をやっているのか! と。
心臓の早鐘が急激に増す。まるで触発されているかのように、共鳴するかのように。
「我、オーフィス」
幼げな声が響き渡り、一瞬遅れで目の前の幼女が発したものだと脳が認識する。
場の空気が張りつめる。
これまでアクションを起こさなかった強大な“ナニカ”が、初めて動いたことで。
ついでにスケッチブックの少女もついてきて、絵をかき続けていた。
メンタルが強すぎる。
「えっと、私はステラ。ステラ・ヴァーミリオン。その……あなたは一体誰――いえ、何なの?」
その場にいた全員の声を代弁するように、言葉を紡ぐ。
カリカリと筆を紙面をなぞる音だけが続く中、幼女は我関せずとばかりに告げた。
「似た者同士」
「へっ?」
「
「りゅ、う……?」
突然告げられた言葉に戸惑いながらも、胸にストンと落ちる。
ずれていたパーツがかみ合ったような感覚。
自分でも分からないが、異常なまでの納得感。
否、本当は最初から分かっていたはずだ。ずっと目を逸らしていただけで――
(そう、わたし、は――)
ドオォォォォォォン!!!!
突如遠方で、轟音と閃光が鳴り響いた。
「何が――っ!?」
空に伸びる光の柱。あまりにも神々しい、幻想的な光。
大気圏を突破しているのではないかとすら思わせる、光の槍の如き柱。
まるで天と地を縫い留めるがごとき威容。
その余波は大気を揺るがせ、強大な風を生みステラたちの元にまで届く。
「ああっ!?」
風にあおられ飛ばされていくスケッチブックに少女が悲しそうな声を上げる中、暁学園の中の誰かが呟いた。
「アレは――」
「お仕事、終わった?」
オーフィスと名乗った幼女が片手を振ると、銀のオーロラが彼女の横で揺らいだ。
◇
「あっ――」
圧倒的なまでの虚脱感。胸の奥底に、ポッカリと穴が開いたかのような感覚。
今大切な人が失われたことを、黒鉄一輝はどうしようもなく悟ってしまった。
『はじめまして、こんなところでどうしたのかな?』
幼少期。伐刀者として最低限の魔力しか持たず、訓練に参加させてもらえなかった頃。
そんなときに出会った、黒鉄家分家の少しだけ年上の少女。
『なるほど――伐刀者としての訓練は難しいが、私の武術鍛錬で良ければ付き合うかね?』
投げかけられた言葉に、一輝は一も二もなく飛びついた。
両親からさえ碌に相手にされなかった落ちこぼれ。
そんな自分に手を差し出してくれた人。
『私たちは似た者同士のようだ。まあ、仲良くやろうじゃないか』
豪快に笑った彼女。
“オンオフの効かない、自分の魔力を完全に隠蔽する” という伐刀絶技を持つ彼女は、周囲からは非常に評価されにくい人物だった。
伐刀者としての分かりやすい基準である魔力量が、客観的に判別できないためだ。
故に彼女の異名は
『いやはや、これはすさまじい“武”の才だな。ほれぼれする。才でいえば、私よりは遥かに上だな』
謙遜だろうと思った。
彼女の武は、学び始めたばかりの一輝の目から見ても図抜けていた。
――だが褒められて嬉しかった。
その思いは、今も鮮烈に胸に焼き付いている。
『ちょっと世界を見て回ろうと思ってね。知り合いの爺様を真似して世直しついでに。……えっ? 着いてくる? マジで?』
一輝が小学校を卒業したばかりの頃。
突如旅に出ると言い出した彼女に、一輝は同行を申し出た。
道場破りをしつつ日本を回る計画もあったが、その方が実りが多いと判断したからだ。
――ほのかな恋心が存在したのも、事実なのだが。
実際に、旅の経験は一輝の実力を大きく底上げした。
各国の伐刀者や武芸者との戦いのみならず、その国における習慣や風習、文化。
日本に籠っているだけでは分からなかった、世界の現実。
世界最強と謳われる剣士との邂逅と、僅かながら受けた手解き。
魔人という、生まれながらの枷から解き放たれた者達の存在。
『いや、学校の卒業資格はあった方がいいよ。マジで。――私が言うのもなんだけどさ』
その時は尊敬する従姉に思わずジト目を向けてしまったが、勧められることもあり破軍学園に入学。
――初年度こそ散々であったが、2年目からは学園の理事長と方針が大きく変わり見違えるほどに過ごしやすくなった。
臨時コーチとして従姉を招聘してくれた日は、新たに理事長になった新宮寺にお礼の手紙を送ってしまったくらいだ。
世界を回ったとはいえ一輝も日本人。やはり七星剣王の座への思いはある。
同時にそれは、自分を鍛え上げてくれた彼女の評価へと繋がるだろうとも。
『七星剣王かー。格好いい称号じゃないか!』
結局は彼女のその一言が、一輝の心を決めたのだったが。
制限を取り払われた一輝は学園で瞬く間に名を馳せ、七星剣武祭への参加資格を手に入れた。
そして剣武祭の為の合宿最終日である今日に至り、連れ攫われた有栖院凪を取り返すべく妹の黒鉄珠雫や従姉と共に追いかけ、暁学園の校舎に辿り着いたとき、そいつは現れた。
『一輝、珠雫。二人はアリスちゃんを。アイツの相手は、私がする』
異形の怪人。頭をよぎったのは覚醒超過というワード。
魂ばかりか肉体まで変質した魔人。
ほとんど見たことのない、従姉の全力の戦闘態勢。
雰囲気のみで肌が切れそうな真剣さ。
そんな彼女に、一輝は共に戦うことを申し出た。
妹を先に向かわせ、渋る彼女の隣で己が霊装である陰鉄を顕現させ――
間違えた。
失敗した。
判断を誤った。
――共に、戦うべきではなかった。
自分という足手まといさえいなければ、こんな結果にはならなかった。
過程を省き結論だけ言えば、一輝は庇われた。そして彼女は致命傷を負った。
例え事実がどうであるにせよ、それこそが一輝の主観だった。
『ここが命の捨て時、かぁ』
彼女は儚げに、寂しそうに、申し訳なさそうに微笑んだ。
一輝は悟った。彼女が何をしようとしているのかを。
存在だけは聞いていた、その禁技を。
『ごめんな、いー坊。いや、一輝。……私はいく。達者でな』
やめろ――やめてくれっ!!
その言葉は届かず、彼女は異形の怪人に切りかかり、そのまま切っ先を己に向け――
『――我裂獄鬼哭陣』
すべてが、爆ぜた。
一言で言うならば、自爆。
己の命と引き換えに、周囲全てを消滅させる文字通りの最終奥義。
その存在を聞いたとき、決して使わせてはならないと心に刻んだ技。
一輝の目の前で彼女は光の柱となり――この世界から消滅した。
「どうして、こんな……」
陰鉄を取り落とす。
力なく、地に膝をつく。
どうしてかって? 決まっている。己の未熟さ故。
身の程を弁えず、無謀な戦いに臨んだ結果。
守れた。庇われた。いつかは自分の手で、守れるようになると誓った女性から。
そして彼女は喪われた。永遠に。
「黒坊っ!!」
放心した一輝に、鋭い声がかけられる。
聞きなれた声。虚ろに目を向ければ、そこには着流しの小柄な女性。
「西京、先生」
「何があった! あのバカはどうしたっ!? さっきの光の柱は――」
「姉さんは、もう……」
破軍学園の臨時教師である西京寧音は、それだけですべてを察したのか唇を強く噛む。
「あんのっ、バカがっ! くそぅ!!」
消え去った彼女への怒りか、間に合わなかった自分への怒りか。
やがて白煙が消え、二人の前に大きく抉られた大地が姿をあらわし――
「残念だったな」
絶望的な声が、背後から放たれた。
「あ――」
異形の怪人。悪魔の如き様相。
つい先ほど彼女が道づれにしたはずの存在は、何事もなかったかのように健在だった。
「些か後味の悪い役回りではあるっ――!?」
怪人の体が、不可視の力場に拘束される。
否――押しつぶされる。周辺の大地諸共に、星に穿たれるクレーターのように。
「てめぇが……」
西京寧音。KOK世界ランキング3位。夜叉姫。そして、重力使い。
「
怒髪天をつく、とはこのことか。
迸る魔力。刻一刻と増す重力。吊り上がり、血走った目。
夜叉と化した彼女を前に、怪人は――
「悪いが、お前の順番は後だ」
『Evol』
――その音声と共に、寧音の支配下にあった重力が押し返された。
「――っ!?」
虚を突かれる寧音。その隙に、既に次の行動は完了していた。
「――は?」
寧音は思わず、そんな呆けた声を上げる。
異形の掌に生まれたソレが何なのか、理解できてしまったが故に。
「星が死んだ後に残るもの――そして、星の運命を終わらせる力。もっともこれは、些か小ぶりではあるが……」
総てを飲み干す黒天。――
怪人はそれを、無造作に放り投げる。近くにある、街の上空に。
「それでも、街一つ消し去るくらいなら難しくはない。さて、ここらで限界の一つや二つ超えてみるか? ――Are you ready?」
「このっ!! ちくしょうがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
射殺すような視線で怪人を睨みつけ、続いて未だに膝をつく一輝に視線を送り――拳を握り締めたまま重力を操り飛び出す。
街を飲み干す闇を何とか出来るとすれば、自分かライバルである女性しかありえないと知っているが故に。
目をかけている教え子と、街の人々を天秤にかけ。
その姿を見送った怪人は、未だ膝をついたままの少年に声をかける。
「――さて、それでは仕切り直しという訳だが」
「………………」
「
「八つ、当たり――だと?」
「今回の一件は、全てあの女の因業。そしてお前には3つの選択肢がある。
そこでそうやって腑抜けたままでいるか。
オレに向かって来て、何も為せずに屠られるか。
――それとも、その剣でオレを討つか」
怪人はおどけたように肩を竦め――
「ああ、4つ目の選択肢もあったな。女々しく侍の真似事でもして、あの無意味な女の後を追うか――」
「――無意味なんかじゃないっ!!」
胸に熱が灯る。
掌に陰鉄を握り込む。
両の足で、大地を踏む。
いつの間にか流していた涙を、振り払う。
「あの人は、僕に手を差し伸べてくれた。
あの人は、僕に剣を教えてくれた。
あの人は、僕に世界の広さを見せてくれた。
あの人は、あの人に会えて! 僕は初めて愛というものを知った!!」
相手はあの人が敵わなかった相手だ。
自分が敵う道理はない。
だがそれがどうした。
今必要なのは、そんな賢しい考えではない――!!
自らに纏わりつく鎖を砕く。
知識としては知っていた覚醒。魔人への第一歩。
「フハハハハハッ……俺はこの時を待っていた! このために黒鉄一輝を追い詰めてきたのだ!」
嗤う怪人。
しかしそんな思惑も、運命を越えた高揚さえも今はどうだっていい。
――総ては、目の前の相手を斬るという一点に!!
「僕の
◇
転生者愚痴りスレ Part21
3998:名無しのごとき氏
いや、マジでこういうの後味悪いんだが。逆にテンション変な風に上げないとやってられん。
3999:名無しの似非伐刀者
うん、それはマジですまないと思ってる。
4000:名無しの魔法提督
いやそこ、なんで当たり前のように生きてるんだよ。ちゃんと死んどけよ。
4001:名無しの似非伐刀者
客観的に見れば私もそう思うけど、今度こそ老衰で死ぬって決めてるんだ。
4002:名無しの装者
ええっと……なんでこんなややこしい事に?
4003:名無しの寺生まれ
というか“似非”伐刀者なんすね。
4004:名無しの似非伐刀者
あー、その辺私の経歴から説明する必要があるね。
言ってみれば私は多重転生者。
『トキワ来たれり』って知ってる? 一旦その世界に転生して死んだ後、落第騎士の世界に転生した形になるね。
4005:名無しの記憶探偵
ああ、記憶しているよ。確か打ち切りになった作品だったね。
4006:名無しの似非伐刀者
私は続き、期待してたんだけどね。まっ、それはいいか。
で、似非からも分かる通り私は伐刀者じゃありません。
トキワ来たれりに登場する志念抜刀法って技を使えてね。
傍目には固有霊装にも見えるけど魔力はない。
だから“魔力を隠ぺいする伐刀絶技”だって勘違いされて、伐刀者扱いに。
――まあ私としても、その方がいろいろ隠さずに便利だったけど。
4007:名無しのごとき氏
補足すると、落第騎士に関しては原作知識はなかったそうだ。
4008:名無しの鬼っ娘
それで主人公にがっちり絡んじゃう当たり、運命力を感じるねぇ。
ちなみに志念抜刀法ってどんな技?
4009:名無しの似非伐刀者
簡単に言うと、心の力を武器に変える技。
4010:名無しの魔法提督
ザケル?
4011:名無しの似非伐刀者
>4010 ザケらない。
ほら、普通に考えて一族ぐるみで虐待されてる子供とかほっとけないでしょ?
これでも一応、世の為人の為自分の為ずっと戦い続けてきた訳だし。
ただなー。一族の権力やら何やら強すぎて、警察やら児童相談所やらに相談してもあんまり効果なさそうだったし。
何より張本人のいー坊が父親大好きすぎてねぇ。
なんであんなのがよかったんだろ?
4012:名無しの記憶探偵
虐待に関してはデリケートな問題だからね。やる方も、やられる方も。
4013:名無しの似非伐刀者
それでいー坊のことはいろいろと面倒みててね。
いや、実際個人的に楽しかった部分もあるんだけどね?
さすがに志念の技は教えなかったけど、武に関しちゃ飲み込みが早いからねぇ。
色々と教え込んじゃった訳だよ。
4014:名無しの寺生まれ
へぇー、武術も凄いんスか?
4015:名無しの似非伐刀者
すごいよー。トキワ来たれりの世界、『史上最強の弟子ケンイチ』とクロスしている部分があるからね。無敵超人の爺様とも知り合い。
4016:名無しの魔法提督
それは強い。
4017:名無しのごとき氏
ガチで強かったぞ。多分似非伐刀者も超人級。
4018:名無しの似非伐刀者
なんせ年季が違うからね。
他にもいー坊とは一緒に世界を回ったりしてねぇ。
色んな国を回って、いろんな武芸者に会ったよ。
いやぁ、エーデルさんとか傑物だったね。
4019:名無しの魔法提督
何というオリ主ありがちルート。
4020:名無しのごとき氏
これで天然だって言うんだからな。
4021:名無しの似非伐刀者
私も原作知識を得た後だとマジでそう思うよ。
え? なんでこんなに知り合ってるの? ってレベル。
4022:名無しの寺生まれ
自分で言っちゃうんスねぇ。
4023:名無しの似非伐刀者
ま、そうこうしている内にねぇ。いー坊にえらく懐かれちゃってね。
自意識過剰とか言わないでほしいけど、男女的な意味合いで。
4024:名無しの魔法提督
やーい、この自意識過剰ー!
4025:名無しの装者
提督さん、ダメですよそういうの。
でも要するに惚れられたってことですよね? そこまで問題だったんですか?
原作に遠慮したとか?
4026:名無しの似非伐刀者
装者ちゃんありがとう。
や、個人的な話だけど大問題な訳。
カミングアウトすると、私今生の体こそ女だけど中身はちゃんと男だから。
4027:名無しの装者
……はい?
4028:名無しの鬼っ娘
あー、転生時のTS問題かぁ。
でもアレって割と肉体に引きずられるって言わないっけ?
4029:名無しのごとき氏
彼の場合はもう少し事情が特殊でな。
なんせトキワ来たれりの世界で、男のまま数百とループしているんだ。
なかなか男としての在り方は抜けないだろうさ。
4030:名無しの寺生まれ
え? トキワ来たれりの世界ってそういう世界観なんっスか?
4031:名無しの似非伐刀者
まあねー。簡単に言えば主に神々の襲来で終末が訪れて、ヒロインの子がその未来を回避するために何度もループしてる。私の場合は、さすがにあの子ほどはループしてないけど。
4032:名無しの記憶探偵
なるほど。先ほど年季が入っているといったのはそういうことか。
4033:名無しの似非伐刀者
大体20になる前には死んでたけど、それでも数百回分だからね。
異能者ともロボットとも武芸者とも妖怪とも神とも殺し合ってたから、自分で言うのもなんだけど経験豊富な訳よ。
おかげで才能はあんまりなかったけど、割と強くなったし。
いー坊もそうやって鍛え上げた技をどんどん吸収してくれるからねぇ。
悔しくもあったけど、やっぱり楽しさの方が上だったかな。
4034:名無しの装者
でも男女的な関係にはなれないと。
4035:名無しの似非伐刀者
そこは退けない一線。
いー坊がどう思うのであっても、私からは弟で弟子だから。
あの子も頑なだから、言葉で諦めたりはしないだろうし。
それに他の問題も出てきてねぇ。
ごとき氏の協力を取り付けることができたから、完全にあの世界から離脱することにした訳。
4036:名無しの記憶探偵
ふむ、その問題とは?
4037:名無しの似非伐刀者
私が伐刀者じゃないんじゃないかって疑いをもたれ始めた。
いー坊が最低ランクの魔力しか持たないって理由で、公的機関が潰しにくるような国に。
多分近々適当な罪をでっち上げられるか、暗殺者が放たれただろうね。
4038:名無しの装者
そんなのひどいじゃないですか!
4039:名無しのごとき氏
そういう現実もあるってことだ。
4040:名無しの魔法提督
よくある話だな。
4041:名無しの似非伐刀者
分かりにくいかもだけど、この世界では伐刀者は絶対的な戦力。
人によっては、個人で国を落とせるほどに。
だからさ、今の体制下ではそれに対抗できる力は求められていないんだよ。
黒鉄のご当主とかは、特にそういう混乱を嫌うから。
志念抜刀法は、死んでもおかしくない訓練が必要だけど原理的には誰でも使える技。
色んな意味で、潰される理由はあるって話。
4042:名無しの装者
でも……
4043:名無しの似非伐刀者
それにね。私も結果だけは色々と残している訳だから、暗殺者が来るとすれば相応の実力者。
そしてそういう実力者には、私も知り合いが多いんだ。
……すき好んで、知り合いと殺し合いはしたくないんだよ。
4044:名無しの鬼っ娘
それで世界を捨てるってわけかい。
4045:名無しのごとき氏
完全に死んだことにしてな。
オレも相応に派手に暴れてきたから、『これならあの女でも死んだだろう』と思わせることはできただろうさ。
4046:名無しの似非伐刀者
でも一輝に発破までかけてくれたのは素直に助かった。
一応遺書とかは用意していたけど、あそこで塞ぎこまれたら私も嫌だから。
4047:名無しのごとき氏
八つ当たりに付き合っただけさ。初恋を終わらせたわけだからな。
それにこれからの似非伐刀者のことを考えると、キレイな思い出にしておいた方がいい。
4048:名無しの寺生まれ
これからの予定って言うと?
4049:名無しの似非伐刀者
あー、まあそのね? うん、白状すれば男に戻ります。
4050:名無しの魔法提督
そういや心は男で体は女だったか。
4051:名無しの似非伐刀者
うん、実を言えば世界を回っていたのは、性転換でできる伐刀者を探していたのもある。
4052:名無しの記憶探偵
ふむ、一輝君からすれば、好きなあの人がいきなり性転換とか悪夢にもほどがあるね。
4053:名無しの鬼っ娘
同性愛に目覚めちゃうかもねー。
4054:名無しの装者
そういう初恋の終わり方は、ちょっと……
4055:名無しのごとき氏
だから完全に死んだことにした部分もある。それも劇的に。
そうしておけば、後から多少違和感を感じても誤魔化せるだろう。多分。
4056:名無しの記憶探偵
ところで性転換には、人形師の力を借りるのかね?
4057:名無しのごとき氏
うんにゃ、ペアを使う。
4058:名無しの装者
ペアですか? 何でしたっけ?
4059:名無しのごとき氏
トリコの世界。地球のフルコースのスープ。
それを飲んだ副作用で、TSできるやつ。
4060:名無しの魔法提督
ごとき氏お前トリコの世界にまで行ってるのかよ!?
しかもフルコースが手に入る立場!?
4061:名無しのごとき氏
行ってるっていうか、拠点の一つを置いてるよ。
世界の旅って言っても、その方が便利だし。
4062:名無しの寺生まれ
てっきり根無し草だと思ってたっス。
4063:名無しのごとき氏
あの世界の転生者と色々協力してな。
三虎のメテオスパイスで人間界が壊滅した時があったろ?
アレで株とかが暴落したんだけど、数年もすれば回復するのは分かってたから。
その転生者と協力して株を買いまくったりして、一財産は築いている。
4064:名無しの装者
えっと、その、いいんですかソレ?
4065:名無しのごとき氏
人間界の食料危機の時、いろいろと食料調達やら移送やらもしたからなー。
ちょっとくらいはいいだろうさ。
オーロラカーテンがホント便利だった。
トリコからも結婚式に呼ばれる程度の仲。
ちなみにあの世界で調理技術も学んでいるぜ。
4066:名無しの記憶探偵
それはエミヤでも料理で勝てないわけだね……
4067:名無しのごとき氏
恒星豆をブラックホールを使って炒ったBHコーヒーは、未だに誰にも真似できない専売特許だ。
4068:名無しの寺生まれ
そりゃ誰にも真似できないっスよ!? というかエボルの力の使い道がぁ!?
4069:名無しのごとき氏
エボルトも原作でコーヒーが趣味だったし、リスペクトで。
4070:名無しの似非伐刀者
ちなみに私もあの世界に籍を置く予定。いや、ご飯が楽しみ。
4071:名無しの魔法提督
ごとき氏、似非伐刀者。我々はこれまで君達の境遇に同情的だったが、今なら憎しみで殺せそうだ。
4072:名無しの鬼っ娘
ねーねー、ごとき氏。こないだウチの世界にも開通してたよね?
今度なんか持ってきてよ!
4073:名無しのごとき氏
えっ? いや、あの時会った紫さんにお酒とつまみあずけてたけど?
今度の宴会の時にでも、みんなでどうぞって。
4074:名無しの鬼っ娘
……あんのスキマ妖怪っ!! 独占しやがったな!?
そーいややけに最近『彼、こんどいつ来るのかしら?』とか聞いてきたから『おー、アイツにも春が来たのかな? かなっ?』とか2828してたけどそーいうことかー!?
4075:名無しの寺生まれ
美味しいものには勝てなかったんスねぇ……あの人も。
4076:名無しの装者
ごとき氏さん、いつの間にか東方世界に行ってたんですね。妹さんには会えたんですか?
4077:名無しのごとき氏
ああ、元気にやっているのは確認した。
とは言っても既に別れは済ませた身だ。
壮健な事さえわかれば、今更顔を出すつもりはない。
4078:名無しの装者
でも、せっかくお互い生きていて、会おうと思えば会える状態なんですよね?
だったら私は、会った方がいいと思います。
4079:名無しの魔法提督
>4077 ――で、本音は?
4080:名無しのごとき氏
いやさ、『オレはこの世界と運命を共にする』とかやっといて、今更顔出し難いじゃん? 言わせんなよ恥ずかしい。
4081:名無しの装者
ええぇぇぇぇ。なんというか、その、ガックシ。
4082:名無しの似非伐刀者
ところでごとき氏。聞いてなかったけどもうペアって確保できてるの?
4083:名無しのごとき氏
ああ、問題ない。だけど最初はもうちょい軽めの食材から舌を慣らした方がいいだろうな。
あの世界の食材尋常じゃなくうまいから、稀にうますぎてショック死とかあるから。
4084:名無しの寺生まれ
嘘のようなホントの話。そんな人がいたんすか?
4085:名無しのごとき氏
ビルス様。
4086:名無しの魔法提督
破壊神殺すなよ、この神殺し。
4087:名無しのごとき氏
辞世の句は、『もうこれで終わりでいい……』でした。
その後ウィスさんが生き返らせてたけど。
ところでちょっと相談があるんだけど、いい?
4088:名無しの記憶探偵
どうかしたのかね?
4089:名無しのごとき氏
いやね? ウチの幼女が王馬君拾ってきたんだけど、どうしよう?
4090:名無しの魔法提督
元居たところに返してきなさい。
《ちょっとした設定集》
〇似非伐刀者
最初トキハ来たれりの世界に転生。チートはループ時の経験引継ぎ。刃隠衆として数百に上るループの中で技を鍛え上げ戦闘経験を積み、ループの最中弾かれるように落第騎士世界に転生しなおした。落第騎士において体は女、心は男。ちなみに結構な美人さんだが、同性の弟に接する感覚で一輝に接していたら惚れられた。仕方ないネ!
ちなみに自爆技の我裂獄鬼哭陣に関しては、ループ中に使いまくっていた経験で自分が死なない範囲で使えるようになっています。なのでごとき氏と相打ったように見せかけて、普通にオーロラカーテンで離脱していました。
〇黒鉄一輝
似非伐刀者によって良くも悪くも人生が歪んだ人。ごとき氏との戦いで魔人として覚醒。傷心は、寧音先生とかステラとかが何とかするだろう。多分。
〇オル・ゴール
傀儡王の異名で知られる魔人。突如現れたオーフィスに興味を持ち道化師越しにちょっかいをかけようとしたら、糸を伝って“蛇”による逆襲を受け大ダメージ。現在療養中。オーフィスを探しているようだが、世界から離脱しているため当然見つからない。
〇黒鉄王馬
力こそを絶対とする信条の持ち主。突如現れたオーフィスの圧倒的な力を感じ取り、ついてくる。その際「お前こそが俺の理想だ(力的な意味で)」とか言っちゃったため、周囲からはロリコン認定された。ごとき氏も、「まあ名前的にちょっと縁があるかな?」ということで面倒を見ている。
〇八雲紫
幻想郷のスキマ妖怪。以下コメント。
「違うの、ちょっと味見しようと思ったらいつの間にか全部なくなっていたの。信じて」
八雲藍「とても幸せそうな顔でした」
〇ビルス様
ドラゴンボール超における破壊神の一人。ドラゴンボール世界に出現したエボルの力を持った転生者の一件でごとき氏とは遭遇。その際トリコ世界の食材を食べる機会があったが、うまさのあまりにショック死。ついでに命がリンクしている界王神さまも死亡。ウィスさんに生き返らされたが、現在は「破壊神を引退してあっちの世界に移住するんだ」と少年のように目をキラキラさせて、後進を育成中。
以上、落第騎士の英雄譚編でした。幾つかパターンを考えていましたが、迷った末にコレに。落第騎士はぶっちゃけにわかなので、どこか変な部分があるかもですが大目に見てもらえば。寧音先生が一輝君の方に来たのは、例の光の柱を見たせいです。一輝君は追い込めば追い込むほど輝くと信じている! 好きな人はTSとかは、さすがに心が折れるかもですが。ちなみにブラックホール攻撃は、寧音先生が対処できなければ普通に解除する予定のごとき氏。何とかしてしまいましたが。
オーフィスがオーロラカーテンを使っていましたが、ごとき氏からラーニング。鳴滝さんや海東も使ってましたし、きっとやれるはず。
エボルの力に関しては、オーマジオウがやったようにウォッチから能力だけを引き出している形に。というかエボルのドラゴンボールに出演してもやっていけそうな設定面よ。