大罪の力使い、ヒロアカ世界に転生   作:枸凪

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8話 雄英体育祭・予選

2週間という短い期間を静かに時は過ぎて行って、そして雄英体育祭開催当日。今か今かと観客やプロヒーロー達が会場内へと入り込んでいた。何と言ってもやはり今年の目玉は1年生の部だろう。ヴィラン侵入という災難に見舞われながらも、それでも全員が心折れずにこうして体育祭を迎えられた。それだけで荒事の経験を積んだという箔がもうついているのだ。それで普段なら3年生の方に集中する目線が1年生に集中するのは分からなくもない。

 

ー生徒達選手控え室ー

緑谷達みんながもうすぐ始まる行事に思いを馳せていた。すると、緑谷と爆豪に轟が近づいてきた。

 

焦「緑谷、爆豪」

出「轟君」

焦「俺は、お前らに勝つ」

出「!」

焦「お前らに勝って、優勝する」

勝「はっ!やれるもんならやってみろや!」

出「僕も、君に勝つ」

 

そこに『選手達は入場してください!』とアナウンスが流れてくる。

 

龍「出久、勝己。頑張れ」

出「うん!」

勝「おう!」

 

よし、いくぞ!と緑谷は気合を入れてみんなとともに会場へと向かっていく。会場内では実況役としてプレゼントマイクが席について今か今かと待ち望んでいる観客達とヒーロー達に向けて話し始める。

 

プ『さーてついにやってきたぜ!雄英体育祭1年生の部。どうせてめぇらのお目当ては

これだろう!?ヴィランの襲撃にあっても折れない精神で立ち向かっていく

超新星達!ヒーロー科1年A組だろー!?』

 

その言葉とともに緑谷達が会場内に姿を現す。それからヒーロー科B組、普通科、サポート科、経営科と次々と入場していく。A組以外の生徒達はどうせ引き立て役扱いだろうと顔を曇らせている。壇上に18禁ヒーロー、ミッドナイトが立って、

 

ミ「それじゃまずは選手宣誓をしてもらうわよ!1-A 緑谷 出久!!」

 

そして緑谷は壇上へと歩いていく。他のクラスの生徒はただただ壇上に上がっていく緑谷に対して嫉妬の目線を向けていた。

 

出「宣誓!僕たち選手一同はヒーローシップにのっとり、正々堂々と戦うことをここに

誓います!」

「普通だな…」

「普通だ…」

出「それから…」

「まだあるのか?」

出「全員、本気でかかってこい!じゃないと、僕が一位になっちゃうよ?」

「ふざけんな!!」

 

そして緑谷が戻ってくる。その顔はほんのり赤かった。しかし、A組のメンバーは昨日緑谷がこっそり黒牙へアドバイスを求めに行っていたのを知っているので、微笑ましそうに見ていた。

 

ミ「それじゃ第1種目に移らせてもらうわね!」

 

ミッドナイトがモニターを見ながら、説明する。

 

ミ「それじゃ第1種目を発表するわね!これは所謂予選よ。ここで多くの者達が篩に

かけられて脱落して涙を流すわ。その第1種目は―――これよ!」

 

モニターには『障害物競走』と表示された。そして説明を受ける。このスタジアムを1周して帰ってこれたものが次の競技の切符を掴む。だが道中であらゆる障害が行く手を阻むために存在している。それを自らの力で乗り越えてゴールする。コースさえ守れば何をしても構わないバトルロイヤル。ようするに個性で戦い抜けという訳だ。

 

ミ「それじゃ全員位置について!スタート!!」

 

ミッドナイトの言葉によって一斉に走り出す、経営科以外の10組ものクラスの選手達。しかし、全員が走り出した途端に地面が一斉に凍り始めて足を捕られるものが多数でてしまっていた。

 

焦「わりぃな……さっそくふるいにかけさせてもらうぜ」

 

1番ダッシュを決めていた轟が先んじて出ていた。だが、そうは問屋がおろさないとばかりにA組の生徒達は各々でこの攻撃が来ると読んでいたために地面から跳んでいた。

 

勝「そう上手くいかせねぇよ半分野郎!!」

 

それを聞いて轟は内心で予測していたために慌てずに先を走っていく。しかし、突如として前方を立ちふさがる物が出現した。それは、入試試験での0ポイント仮想ヴィランの大群だった。峰田がそれでどつきを食らって跳ね飛ばされていたが些細な事である。それでも、轟にはなんの障害にもならないと感じたのかすぐに仮想ヴィランを凍らせて先に進んでいた。他の生徒達も轟の作った道を通ろうとしたのだが、重さで倒れようとしている仮想ヴィランに、

 

徹「おおおおおーーーー!?あの野郎!潰されちまうだろう!?」

鋭「轟の野郎!それも狙いか!?」

 

個性だだ被りの切島とB組の鉄哲 徹鐵が来るであろう衝撃に耐えようとしたその瞬間だった。背後から緑谷と爆豪が飛び出してきた。そして、個性で仮想ヴィランを壊した。そして、轟に追いつくために走って先を進んでいった。2人が通る先々では仮想ヴィランが次々と壊されている。それによって一直線に通る道が出来上がっていたために、

 

電「すげぇな…!」

天「緑谷君と爆豪君に後れを取るな!」

三「さっすが!」

 

と、次々と主にA組の生徒達を筆頭に先を進んでいく生徒達。

 

プ『おいおい……あれでも入試の仮想ヴィランなんだぜ?強すぎだろ』

相『あの2人の実力なら十分じゃないか?入試でも破壊していたしな……』

 

プレゼントマイクの隣で一緒に座って解説している相澤だった。

 

相『B組や他の生徒達もそれなりに速いが、様々な困難に一度晒された経験が今も活きて

いる。A組の奴らが抜きんでているな』

 

相澤の言葉は的を射ていた。もうほとんどのA組の生徒達は第一関門を突破していたのだ。そして待ち受ける第二関門は落ちたら失格の『ザ・フォール』という、綱を渡って障害を駆け抜けるもの。しかし、轟は綱に氷を張り、滑って進む。緑谷はフルカウルで跳び、爆豪は爆風を利用して飛んでいた。

 

プ『オイオイ、綱の意味がねーじゃんか!』

相『使えるものは全て使う。いいじゃないか』

 

相澤とプレゼントマイクの会話。この時点で3人と後続との距離は結構離されていた。

 

プ『とにもかくにも、これでもう残すは最終関門だー!内容は一面地雷原!怒りの

アフガン!』

 

見渡す限りの地雷原。これをどう突破するかが鍵になってくる。轟は個性で滑り、爆豪は個性で飛び、緑谷はうまく地雷を避けながら個性で跳んで進んでいった。そして最後の一直線。緑谷はスピードを上げ、走り出した。

 

出「ごめんね、かっちゃん、轟君。先行くよ!」

勝「待ちやがれデク!!」

焦「ッ!追いつけない!?」

 

先程よりさらに加速した緑谷に、爆豪と轟はそれぞれ個性を最大限に使って追いつこうとするが、それでも緑谷の足には追いつくことが出来なかった。

 

プ『最初にゴールにたどり着いたのは……緑谷 出久だー!!!』

 

それで一気に観客が歓声に沸いた。ヒーロー達がそれで感心している中で、早速この競技に参加しないで見学していた経営科が活動をしていた。

 

「彼はすごいな」

「ああ。エンデヴァーの息子にも負けていない」

「彼を売り込むと仮定してどうやるかさっそく話し合おうじゃないか」

 

と、すでに考えが違うところにシフトしている辺りさすが経営科。オールマイトも聞き耳を立てていたために、

 

オ「(さっそくやっているな!)」

 

と感心していた。

 

オ「(緑谷少年、本番はここからだぞ…?頑張れ!)」

 

オールマイトが見る先では後からゴールした飯田や麗日に囲まれた緑谷の姿があった。他には爆豪が悔しそうにしていたのも印象的だった。

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