ー雄英高校 1-Aー
雄英高校1-Aの一同はコードネームもだいたい決まったので今度はどこに職場体験に行くのかを話し合っていた。
「デク君たちはどこにいこうとしているの?」
「うーん…まだここって場所は決めていないんだ」
「俺は、兄さんのところだ!」
「インゲニウム、復帰できたのか」
「ああ」
「そーなんやー」
「麗日さんはもう決まったの?」
「うん!”ガンヘッド”の事務所!」
「え!」
「思いっきり武闘派じゃねーか」
「君は、13号のようなヒーローを目指しているのでは?」
「うん、最終的にはね。でも、強くなればそれだけ可能性が広がるし、やりたいこと
だけしていちゃそれだけ見聞も狭まっちゃうからまずは自分にないところを見つけて
みようと思ったんだ!」
「そっか!うん、いいと思うよ。麗日さん、近接戦闘を鍛えたらきっと強くなると思う
から。一度でも相手に触れられればそれだけでどうにかできちゃうのにそこに
接近戦が加われば鬼に金棒だよ」
「やだなー、そんなうまくいくとは限らないですよー」
と、不意に上鳴たちと話していた切島が黒牙の方を向いた。
「そういや黒牙のヒーロー名は誰がつけたんだ?」
「ん?俺か?」
「おう」
「黒牙のヒーローネームは“アサルト”だっけ?」
「あんま聞いたことないよね、アサルトって言葉」
「俺がつけたんだ」
「黒牙が?」
「ああ。この名前な、昔呼ばれてた名前から取ったんだ。あんまいい意味じゃないけど、
“突撃”とか“猛攻撃”の意味も持っているから、“お前ら敵を捕まえるヒーローの名前だ”って
わかりやすいだろ?」
「そうなのか!」
「それと、俺自身への戒め、かな」
「戒め?」
「そう。俺は許されない罪をいくつも犯した。だから、それを忘れないようにするため。
あとは…」
(たとえどこへ生まれ変わっても、オイラたち《七つの大罪》の団長はメリオダス、君だけだ)
(それに俺たち全員が団ちょの親友だぜ♪)
(だから忘れないで。僕たちのこと。エリザベスのこと)
「あいつらとの約束を守りきるため」
「あいつら?」
「うん。俺の仲間」
「そっかー。教えてくれてサンキューな!」
「どういたしまして」
そんなこんなで放課後になった。緑谷たちが帰るために教室のドアを開けようとすると、突然ドアが開き、かなりの低姿勢のオールマイトがいた。
「わわ私が独特の姿勢でやってきた!!」
オールマイトの登場に、緑谷は突然であったために、
「オ、オールマイト?どうしたんですか……?」
「まぁまぁ……それより少し君に用があるから来なさい」
「わかりました」
緑谷はそれでオールマイトについていく。そして、緑谷は人があんまり来ないところまで来たところで尋ねる。
「それで、どうされたんですか?」
「うむ。君にはプロヒーローから指名が来ていると思うが、私からたっての頼みで
よかったら行ってもらいたい場所ができたのだ」
「それってどなたの事ですか?」
「その人の名は”グラントリノ”。かつて私が雄英高校に通っていた時に1年だけだが私の
担任だった方だ」
「え!?それって、まさかオールマイトの師匠ですか!?」
「そうだ。そしてグラントリノは当然ワン・フォー・オールの事もご存知であり、私の
先代のワン・フォー・オール保持者であった人物の盟友でもあった」
「そんなすごい方がいたんですか!でも、僕は聞いた事がありませんよ?そのような
ヒーローの名前は……」
「なにぶんもうとうの昔に隠居したものだと思ったのだが、おそらく君の事を
雄英体育祭で見て興味を持ってくれたのだろうな……わ、私の指導不足を悟られたのか、
どうかは、分からないのだが……かつての名で指名してくるとか……こえぇ、
こえぇよ……」
次第に言葉が震えてきているオールマイトの姿に、緑谷はどんな恐ろしい人なのだろうと逆に興味を抱いていた。そんな事もあり出久はグラントリノの事務所の場所が書かれた紙を渡された。
ー教室ー
「やっときたか、デク」
「待っててくれたの?先に帰っててもよかったのに…」
「そんなこと言うなって」
「龍生の言う通りだ。早く帰ろーぜ」
「うん!」
職場体験当日…
「それじゃお前ら。コスチュームは無くすんじゃないぞ?」
『はーい!』
「伸ばすな!」
相澤に注意されながらも、各自でどこに向かうのか話し合っている。こうして、職場体験は始まった。
狂った歯車が回り始めるまで、あと少し…