大罪の力使い、ヒロアカ世界に転生   作:枸凪

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25話 職場体験3日目・前半

朝…

「アサルト、準備できたか?」

「ああ」

「メリオダス、もう行くの?」

「そうだよ。どうした?」

「私も行きたい」

「……は?」

「私も、保須市に行きたい」

「なんで急に」

「メリオダスの仕事の様子を、そばで見て見たいから」

「…ダメって言ってもくるんだろ?エリザベス」

「ええ」

「…わかった。ただし、絶対に俺のそばから離れるなよ」

「わかってるわ」

「つーことで、センパイ。神輪もくるそうだ」

「え…」

「まあ、アサルトのそばにいるならいいんじゃないか?」

「わかりました…よし、それじゃあアサルト、神輪ちゃん。行くぞ」

「ああ」

「ええ」

 

ー保須市ー

「よし、そんじゃあパトロール開始だな!」

「ん」

 

「キャァッ」

「今のは…!」

 

黒牙と先輩ヒーローが駆け出す。それに続いて、天月も2人を追う。

 

「!あれは」

「だ、誰か助けて…」

「アサルト!」

「わかってる!!」

 

3人が到着したところでは、五人組のヴィランが暴れていた。しかも、そのうちの一体は小さな子供を人質を取っている。途端に黒牙の雰囲気が鋭くなり、表情が消える。

 

「『神器』神斧リッタ『無慈悲な太陽』!」

「ぐわぁっ」

「あ、あいつは!!」

「アサルトデビル!」

「なんでこんなところにいんだよ!!」

 

“アサルトデビル”と呼ばれ、少し傷ついた顔をする黒牙だが、すぐになんでもないように振る舞う。そんな黒牙を、天月は心配そうに見ていた。

 

「大人しく人質を渡せ。そうすればすぐに楽にしてやる」

「ああ、渡してやるさ。死体になった後になぁ!!」

 

人質をとったヴィランが人質を殺そうと、攻撃を仕掛ける。が、今まですみの方で見ていた天月が前に出て、ヴィランへと言葉を発した。

 

「『やめなさい』!!」

「あ?」

「神輪!?」

 

すると、天月の言葉を向けられたヴィランの動きが止まる。

 

「な、なんだ?!」

「『その子をこちらに渡しなさい』」

 

ヴィランが大人しく人質を離す。人質だった子どもは、まっすぐ天月の方へと向かってきた。

 

「大丈夫?怖くなかった?」

「う、うん」

「ほら、お母さんが心配してるよ。戻って安心させてあげなさい」

「ありがとう、」ブルブル

「どうしたの?」

 

天月が訝しげに尋ねると、子どもは震えながら天月の後ろを指差した。天月が振り返ると、人質を取っていたヴィランが彼女へ向け、ナイフを振りかざしていた。

 

「あ…」

「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「お姉ちゃん、危ない!」

 

天月はその場から動けず、ナイフが刺さると全員が思っていた。が、ナイフは彼女に刺さる直前で弾かれた。

 

キィン

「なっ!?」

「…」

 

ヴィランと天月の間には、クナイのような小型ナイフを持った黒牙がいた。

 

「今、何しようとした…?」

「あ?」

「今、お前は、エリザベスに、何をしようとした?」

 

途端に黒牙からヴィランへ、殺気が向けられた。静かな、だけど確実に人を殺せそうな鋭い殺気が。そして、ヴィランを見る黒牙の目も、怒りが滲んでいた。しかし、殺気を向けられたヴィランは黒牙の目に浮かんだ感情に気づかず、ただただ震えていた。

 

「あ……あ…」ブルブル

「答えろよ。お前は俺の大切な奴に…エリザベスに何をしようとナイフを向けた?」

「メリオダス、もうやめてあげて」

「…エリザベス。お前はどっちの味方だ?」

「もちろん、メリオダスよ。でも私は、これ以上あなたがだれかを傷つけるのを

見たくないの」

「…」

「お願い…」

「……ハァ…わかったよ」

 

黒牙は殺気を消し、天月の方へ向き合った。そして、ほかのヒーローたちが敵を捕まえた。

 

「アサルト!」

「おー センパイ」

「お疲れ!」

「そっちこそ」

「まあ、お前ほど活躍してねぇけどな」

「ま、いいんじゃないか?それより腹減ったな」

「昼行くか?」

「いいですね」

「どこにする?」

「そうだな―――」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「そんじゃアサルト、また後でな」

「ああ」

 

午後からは、黒牙・天月、先輩ヒーローに分かれて見回ることになった。黒牙は天月とともに保須のパトロールを始めた。

 

夕方…

「メリオダス、そろそろ…」

「そうだな、連絡するか」

 

黒牙が連絡を取るために携帯を取り出すと、2人から離れた地で爆発音が鳴り響き、様々な場所から炎が上がった。

 

「神輪!」

「うん!」

「どこに行くんだい?」

「なっ!」

 

向かおうとした途端、2人の背後から声が聞こえ、黒牙が苦しみ始めた。その様子は尋常ではなく、天月は慌てて駆け寄った。

 

「ぐ、がぁぁぁあぁぁぁぁあぁ!!!」

「メリオダス!」

「ああ、よかった。僕のかけた呪いはまだ健在のようだね」

 

その場に天月の悲痛な声が響くが、場違いな声が2人に降り注ぐ。黒牙は、霞む視界の中でその人物を認め、目を見張った。

 

「な、んでお前が…ここ、に…?!」

「ひどいなぁ…まるで僕がここにいたらだめみたいな言い方じゃないか」

「オール・フォー・ワン…!」

 

そこにはオールマイトの宿敵であり、黒牙に呪いをかけたオール・フォー・ワン、その人がいた。

 

「久しぶりだね、龍生君、天月 神輪君。元気だったかい?」

 

その顔に、楽しそうな笑顔を乗せて。

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